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1991年
最終回 嗚呼、愛しき中2ライフ
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結果的に言うと、オレは数学だけ86点で残りの教科は90点をクリアした。
ダメだった。
あぁ、もう真奈美や阿莉砂には会う事が出来ない。
「合格だポメ」
「は?」
何だって?
「お前を元の世界に戻してやろうポメ」
「何でだよ、だって全科目クリア出来なかったんだぜ」
何だこの変わりようは。
「お前は十分努力をしたポメ。元々徳を積めなんて言ったが、人間そうそう徳を積む事がなんて出来ないポメ」
「じゃ、じゃあ何が目的でオレを中2に?」
するとポメ夫の背後にジジイと茶坊主が現れた。
「ゲッ、お前ら!」
「フォッフォフォフォフォフォ、お主は相変わらずだのう」
「山本智さん、私わかります(^-^)」
一体これは?
「お前はこれと言った努力もせずに大人になったポメ。だが、それは本当の成長とは言えないポメ。
そこで我々はお前に努力をして欲しく、中2に戻したんだポメ」
「何ぃ~っ!」
努力だと?そんなもん、他のヤツらだっていっぱいいるんじゃないか!
「ちょっと待て!努力だと言うが、他のヤツらもこれと言った努力はしてないだろ!それなのに何でオレだけこんな目に遭うんだ!」
すると、ヤツらは爆笑した。
「そりゃそうだポメw何せ、今回も山本智(やまもとさとし)ではなく、山本智(やまもととも)と間違えたんだポメw」
「フォッフォフォフォフォフォ!」
「笑っちゃいますね(^-^)」
またかよ…また勘違いなのかよ…
「おい、テメーら」
「まぁまぁ、あちき達も間違いはあるんだし、今回は元に戻すという事で水に流してくれだポメ」
「ふざけるなぁ~っ!!1度ならず2度もオレをこんな世界に!
テメーら、ボッコボコにしてやる~っ!」
「おっと、そうはいかないポメ」
すると、ヤツらは宙に浮いた。
「な、何だ、これは!」
そして、それぞれ呪文を唱えた。
「ポメポメポーメ、ポーメポメ」
「んだな、んーだな、んーだなーち!」
「ホンダラコンダラ、ハニャマニャヒー」
突如、空が光った!
「うわーっ!何だ、眩しい!何も見えない」
そこから先は覚えてない。
「…長、山本課長!」
ん?
はっ、ここは…
「課長!どうしたんですか、寝不足ですか?」
「え?」
あっ、戻ってる!
て事は、ここは会社か!
「あ…いや、ちょっと…お恥ずかしいな」
これは夢じゃなく、現実だよな。
「ちょっと、トイレ行ってくる」
ホントに元に戻ったのか、確認したい。
トイレで鏡に映る自分の姿を見た。
「おっ、ホントだ!元に戻ってるぞ!」
はぁ~、ようやく元に戻れた…
随分と長い時間が経ったような気がする。
でも、またアイツらが来るんじゃないだろうな。
いや、それはもうないだろうな。
思い起こせば、楽しかったような、最悪だったような。
いや、何も言うまい。
2回も中2に戻れたんだ、普通なら有り得ない事なんだし。
とにかく、オレは今を生きよう!
「ただいま~」
「おかえり~、パパ!」
おぉ、阿莉砂!
久しぶりに見る娘の笑顔!
あぁ、戻って良かった。
「おかえりなさい。夕飯にします?それとも先にお風呂にする?」
おっ、真奈美!
「んー、とりあえずメシでも食うかな」
我が家が1番だ!
「グゥ、ワンワンワン!」
「おぉ、シバオ!元気にしてたか?」
相変わらずだな、こいつは。
ポメ夫じゃないよな?
いや、そんな事はないか!
「そう言えばねぇ、先程お隣さんが引越ししてきて挨拶に来たのよ」
「へー、隣に。どんな人だった?」
「うーん、まだ奥様しか見てないんだけど、随分と派手な人だったわね」
「派手ねぇ」
何故か梅を思い出した。
梅はあれからどうしたんだろう。
人間になって、教師として新たな道を歩む事になったが、その後の事は知らない。
龍也や泰彦、チャッピーに謙司、優希やデザイアー、悠。
皆はどうしてるんだろう。
予定通りの道を歩んだのか、それともまた違った道を歩んだのか。
まぁ、元気でいればそれでいいかな。
ピンポーン!
「あら、こんな時間に誰かしら」
妻が玄関に行った。
「お、今日はトンカツか」
「そうだよ。パパ、トンカツ好きだよね」
そう、オレはトンカツが大好物なのだ。
「ちょっと、パパ来てくれる!」
「何だよ、せっかく食べようとしたのに」
ヤレヤレと思い、席を立った。
「どうしたの?」
「あ、パパ。先程挨拶に来たお隣さんから頂いたんだけど」
「これはこれは、ご丁寧にありがとうございます」
中々高級そうなお菓子の詰め合わせだ。
「はじめまして。隣に引っ越してきた綾坂です。よろしくお願いします」
ん?
「ゲッ!!」
「パパ、どうかしたの?」
「い、いや…何も。はじめまして。山本です。これからよろしくお願いします」
梅じゃないか!
何で?何で梅が隣に越してくるんだよ!
「はじめまして」
まさか…
「私、綾坂ひろし言います!山本さん、よろしくお願いします」
「あの、ウチの主人です」
茶坊主じゃねえかよ!
梅と茶坊主が夫婦だと!
この先、どうなっちまうんだよ!
~完~
ダメだった。
あぁ、もう真奈美や阿莉砂には会う事が出来ない。
「合格だポメ」
「は?」
何だって?
「お前を元の世界に戻してやろうポメ」
「何でだよ、だって全科目クリア出来なかったんだぜ」
何だこの変わりようは。
「お前は十分努力をしたポメ。元々徳を積めなんて言ったが、人間そうそう徳を積む事がなんて出来ないポメ」
「じゃ、じゃあ何が目的でオレを中2に?」
するとポメ夫の背後にジジイと茶坊主が現れた。
「ゲッ、お前ら!」
「フォッフォフォフォフォフォ、お主は相変わらずだのう」
「山本智さん、私わかります(^-^)」
一体これは?
「お前はこれと言った努力もせずに大人になったポメ。だが、それは本当の成長とは言えないポメ。
そこで我々はお前に努力をして欲しく、中2に戻したんだポメ」
「何ぃ~っ!」
努力だと?そんなもん、他のヤツらだっていっぱいいるんじゃないか!
「ちょっと待て!努力だと言うが、他のヤツらもこれと言った努力はしてないだろ!それなのに何でオレだけこんな目に遭うんだ!」
すると、ヤツらは爆笑した。
「そりゃそうだポメw何せ、今回も山本智(やまもとさとし)ではなく、山本智(やまもととも)と間違えたんだポメw」
「フォッフォフォフォフォフォ!」
「笑っちゃいますね(^-^)」
またかよ…また勘違いなのかよ…
「おい、テメーら」
「まぁまぁ、あちき達も間違いはあるんだし、今回は元に戻すという事で水に流してくれだポメ」
「ふざけるなぁ~っ!!1度ならず2度もオレをこんな世界に!
テメーら、ボッコボコにしてやる~っ!」
「おっと、そうはいかないポメ」
すると、ヤツらは宙に浮いた。
「な、何だ、これは!」
そして、それぞれ呪文を唱えた。
「ポメポメポーメ、ポーメポメ」
「んだな、んーだな、んーだなーち!」
「ホンダラコンダラ、ハニャマニャヒー」
突如、空が光った!
「うわーっ!何だ、眩しい!何も見えない」
そこから先は覚えてない。
「…長、山本課長!」
ん?
はっ、ここは…
「課長!どうしたんですか、寝不足ですか?」
「え?」
あっ、戻ってる!
て事は、ここは会社か!
「あ…いや、ちょっと…お恥ずかしいな」
これは夢じゃなく、現実だよな。
「ちょっと、トイレ行ってくる」
ホントに元に戻ったのか、確認したい。
トイレで鏡に映る自分の姿を見た。
「おっ、ホントだ!元に戻ってるぞ!」
はぁ~、ようやく元に戻れた…
随分と長い時間が経ったような気がする。
でも、またアイツらが来るんじゃないだろうな。
いや、それはもうないだろうな。
思い起こせば、楽しかったような、最悪だったような。
いや、何も言うまい。
2回も中2に戻れたんだ、普通なら有り得ない事なんだし。
とにかく、オレは今を生きよう!
「ただいま~」
「おかえり~、パパ!」
おぉ、阿莉砂!
久しぶりに見る娘の笑顔!
あぁ、戻って良かった。
「おかえりなさい。夕飯にします?それとも先にお風呂にする?」
おっ、真奈美!
「んー、とりあえずメシでも食うかな」
我が家が1番だ!
「グゥ、ワンワンワン!」
「おぉ、シバオ!元気にしてたか?」
相変わらずだな、こいつは。
ポメ夫じゃないよな?
いや、そんな事はないか!
「そう言えばねぇ、先程お隣さんが引越ししてきて挨拶に来たのよ」
「へー、隣に。どんな人だった?」
「うーん、まだ奥様しか見てないんだけど、随分と派手な人だったわね」
「派手ねぇ」
何故か梅を思い出した。
梅はあれからどうしたんだろう。
人間になって、教師として新たな道を歩む事になったが、その後の事は知らない。
龍也や泰彦、チャッピーに謙司、優希やデザイアー、悠。
皆はどうしてるんだろう。
予定通りの道を歩んだのか、それともまた違った道を歩んだのか。
まぁ、元気でいればそれでいいかな。
ピンポーン!
「あら、こんな時間に誰かしら」
妻が玄関に行った。
「お、今日はトンカツか」
「そうだよ。パパ、トンカツ好きだよね」
そう、オレはトンカツが大好物なのだ。
「ちょっと、パパ来てくれる!」
「何だよ、せっかく食べようとしたのに」
ヤレヤレと思い、席を立った。
「どうしたの?」
「あ、パパ。先程挨拶に来たお隣さんから頂いたんだけど」
「これはこれは、ご丁寧にありがとうございます」
中々高級そうなお菓子の詰め合わせだ。
「はじめまして。隣に引っ越してきた綾坂です。よろしくお願いします」
ん?
「ゲッ!!」
「パパ、どうかしたの?」
「い、いや…何も。はじめまして。山本です。これからよろしくお願いします」
梅じゃないか!
何で?何で梅が隣に越してくるんだよ!
「はじめまして」
まさか…
「私、綾坂ひろし言います!山本さん、よろしくお願いします」
「あの、ウチの主人です」
茶坊主じゃねえかよ!
梅と茶坊主が夫婦だと!
この先、どうなっちまうんだよ!
~完~
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