41才の中学二年生(改訂版)

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1990年だと?

徳を積むのじゃ!

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よく解らんが、要は27年前にタイムスリップしたってワケか…


で、中2からもう一回、やり直せって事なのだろうか?


確かに、もう一度人生やり直せるなら…なんて事を考えたのは1度や2度…いやもっと考えてたよ、うん。


だからと言って、実際にタイムスリップする事なんてあるのか?


あのジジイは急に現れて、パッといなくなるし。
どうすりゃいいんだよ。


こんな事をしてる間に、愛する妻や娘、そしてバカ犬、もとい、愛犬はどうしているのだろうか?

その事が心配で心配で…


「やい、ジジイ!どこ行きやがった?さっさと出てこい」


部屋入ってジジイを呼んだ。

【さっきから喧しいヤツじゃのう。何じゃ一体?】

ボンと煙が巻き起こり、中からジジイが現れた。

…コイツ、ホントにマンガに出てくるようなキャラだな。




「おい、ジジイ!オレはもう、元に戻れないのかよ?それとも、元に戻れる方法あるのか?教えてくれよ」


誰が見ても、胡散臭い格好だ。

おまけに、その杖は何なんだ?

まさか、その杖で元に戻す事が出来るのだろうか?



【フォッフォッフォッフォ!お主が元に戻る方法、それは…あっ、こりゃ!何をする】



一瞬の隙を突いて、杖を奪い取った!


「はは~ん、これかぁ。
この杖で、オレをタイムスリップさせやがったんだな、おい」


杖を振りかざしてみた。


「元に戻れ~っ!」


【シーン…】


…何も起こらない…


「あれ?戻らないぞ!もう一回、元に戻れ~っ!」


何も起こらない…


「何だこりゃ!全然戻ってねえじゃんかよ!ジジイ、この杖使えねえぞ!」

ジジイは呆れた顔をしている。

【全く…お前ごときが使える杖ではないわい。いいから早く、その杖を返すのじゃ】


返したところで、また変な時代に飛ばされそうだしな。


「じゃあ、元に戻す方法を教えろ。じゃないと、この杖へし折っちゃおうかなぁ~」

この杖、膝で折れるかなぁ?


【バカもん!その杖をへし折ったら2度と元には戻れんぞ!】


ジジイは慌てるが、知ったこっちゃない。

「うるへー!どっちにしたって、元に戻すつもり無いんだろ!だったら、この杖折ったって構わないよなぁ~」


杖を床に叩きつけたり、蹴って折ろうとしたが、意外と硬い!しかも足が痛い!


【フォッフォッフォッフォ、やっぱりお主はアホじゃな。杖だけあっても元には戻らん!ある呪文を唱えないと、元には戻らないようになってるのじゃ!】


「呪文?何だその呪文ってのは?教えないと今からノコギリで杖切っちまうぞ!」


オヤジの部屋に行って、道具箱からノコギリを取り出した。


「ジャーン!ホレホレ、呪文を言わないとギコギコと切っちゃうよ~ん」


ノコギリの刃を杖の真ん中部分に当てた。


【止めれ~っ!それが無くなったらワシャ、仙人としていられなくなる!】


ジジイが慌ててやがる。


「だったら教えてもらおうか、呪文ってヤツを」

早く現代に帰らなきゃ。

【わかったわかった!ったく、ワガママなヤツじゃのう】


ジジイは観念したようだ。

「バカヤロー、どっちがワガママだ?こっちは通勤途中で中2に戻されたんだぞ!テメーの方がワガママじゃねえか!さっさと呪文教えろ!」


胡散臭い格好しやがって!何が仙人だ、こんなインチキ仙人なんざ、消えて無くなれ!

するとジジイは天井を見て、ボソッと呟いた。


【おや、地震か?揺れてきたぞ】


地震?イヤ~っ!地震大ッキライ~っ!

オレは地震に、からっきし弱い…

何せ、最近大きな地震ばっかりだ。

オレは、机の下に身を隠した。
…だが、揺れてる様子は全く無い。

「あれ、揺れてないぞ…ジジイ!テメー、ウソぶっこきやがっ……あぁっ!ジジイ!…テメー、オレが地震に弱いのを知って…」


情けない…地震と聞いただけで、すぐに身を隠してしまう自分が情けない…


この前も地震がきて、大した揺れでもないのに、1人だけテーブルに隠れて、妻や阿莉紗に笑われたばかりだ…

クソっ、騙されたっ!

あれ?…あぁ、杖が無い!


【フォッフォッフォッフォ…相変わらず地震には弱いヤツだのう。まさか、こんなウソに引っ掛かるとはの、ワハハハハハハハ!】

「テメー、騙したな!こっちは超ビビったじゃねえか、コノヤロー!」


とんだ、赤っ恥だ…


【えぇ~い、喧しいわぃ!!よいか、お主が元に戻る方法…それは、中学時代に徳を積む事じゃ!】


トク…?トクって、何?


「ジジイ、トクって何だ?それは、ここら辺に落っこってる物なのか?」


【バカもん!徳とはその人の持つ品性、社会的道徳を持つ事じゃ。よいか、 気品、意志、温情、理性、忠誠、勇気、名誉、誠実、自信、謙虚、健康、これらを全て身につけて徳を積む事が出来るのじゃ!そしてその徳が積み上がった時、お主は元の世界に戻る事が出来る!解ったかな?】


今更、徳を積めだと?

「何言ってんだ、クソジジイ!徳なんて、オレが最初から持ってるじゃねえかよ!大学出て、企業に就職して、結婚して子供も出来て、マイホームまで購入したんだぞ!こんな事、徳が無きゃ出来ねえだろうがっ!」

【全く…相変わらず、頭の悪いヤツじゃ…お主の言ってる事は、社会的な地位や名誉の事に過ぎん。
よいか!徳とは、自分の為の利己主義になるのでは無い!人の為に、成るような事をするのじゃ!】


…そういう徳かよ…こりゃ、戻れそうもないゎ…






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