41才の中学二年生(改訂版)

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1990年だと?

待てコラ、智ぃ~っ!

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「Mr.ヤマモト!いいから早くこの英文を訳しなさい!」

頭痛いのに、こんな問題解けるかっ!

あのジジイ、登場した途端、思いっきり締め付けてきやがる。

それにしても、あれが仙人か?亀仙人か【こち亀】に出てくる神様みたいな格好で、どうも集英社臭が漂う。

それで、何を訳せばいいんだ?

【私は駅の場所を尋ねた】

…これを英語に訳せってのか?

中2で、こんな英語習ったっけか?

いかん!これは、かなり学力が落ちてる!
えっと…駅はステーションで、尋ねるはask、んー?
どんな文法だ?

『I asked the location of the station』

おぉ、デザイアー!もとい、恵ちゃん助かる!

恵はノートに走り書きして解らないよう、オレに見せてくれた。

「 えーっと、I asked the location of the station…かな?」

こんな発音でいいのかな?

【こりゃ、自分で答えんかい!】

ギリギリ…

「いってぇ~っ!だから、頭痛ぇっつーの!ジジイ!
おい、ジジイ!このインチキ仙人!あー、もうやってらんねぇ!こうなりゃ、意地でも徳なんざ積んでやるか!気ままな中2時代をエンジョイしてやる!
あんなインチキ仙人の言う事なんざ、2度と聞かねえぞっ!おいジジイ!聞いてるのか?」

ジジイの姿は無い。…また消えやがった。


『まただよ…』

『見えない相手と戦ってるのか?』

『変なクスリやってんじゃねぇか…』

『昨日までフツーだったのに、今日はおかしくなってるし…』

『何か怖いょ…』

『幻覚症状でも起きてんじゃねえか?』

もうイヤだ…あのジジイのお陰で、オレはヤバいヤツだと思われてる…

下手すりゃ、精神病院に強制入院させられるかも…

この輪っかさえ取れれば。

「Mr.ヤマモト!何さっきから、大きい声出してるの?誰と喋ってるの、一体?」

あぁ、やっぱ帰りたいよ~…
元の世界に帰りたい…

そもそも、何でオレが1990年にタイムスリップしなきゃならんのだ?

…クソ!こうなったら、力ずくでこの輪っか外してやるか…

外す…そうか!あのジジイは、必ず呪文を唱える。

今度呪文を唱えた隙に、あの杖奪ってやろう!

…でも、その前に、この状況を何とかしないと。

何か流れを変える方法はないか?

うーん、困った!

「Mr.ヤマモト!さっきの答えだけど…」

合ってるんだろ!

もしかして、違うのか?

「Missヨシダに頼りっぱなしじゃなく、たまには自分で考えて答えなさい! Do you understand?(解りましたか?)」

所々で、ネイティブな発音しやがって、なにがドゥユーアンダースタンド?だっ!

「はい、解りました。でも、1つ解らない事があります」


こうなったら、とっておきのネタ暴露してやる!

「あら、何かしら?」

へへっ、とっておきのネタだ!

「この前、伯父さんが家に来て、美咲はイギリス人の男を好きになってしまって、イギリスまで追っかけたけど、《君はガールフレンドの中の1人で僕にはちゃんとしたフィアンセがいるんだ》って言われてフラれたって言ってました。
それと、伯父さんは家の父と酒を飲む度に《早く孫の顔が見たい。美咲はいつになったら結婚するんだろうか?》って嘆いていました。
先生、イギリス人男性追っかけに、ロンドンまで行ったのはホントですか~っ?」


どうだっ!お前の秘密バラしてやったぞ!


『えぇ、マジで?』

『さすがアマゾネス!狙った獲物は逃がさないw』

『でも、フラれるというw』

『孫の顔が見たいって切実だよなぁ…』

入学した時のお返しだっ!

「あれほどひた隠しにしてたのに…智ぃ~っ!」

ヤバい、マジでキレてる!

逃げるしかない!ダッシュで教室を飛び出した!

「待て、智ぃ~っ!!よくも、私の恥ずかしい過去をバラしたわね!」

ゲッ!追っかけてきた!

「待て、智!生徒の前で恥かかせやがって!」

しつこいなぁ、もう!

しかも、足が速っ!

さすが、陸上で鍛えた脚力!

オレは必死に校舎内を逃げ回った。

だが、ヒミツをバラされたアマゾネスは、執拗に追っかけてくる!

屋上まで逃げてたが、追いかけて来るので、慌てて階段で下りて1階まで逃げた…だが、執念深く追っかけてくる!

「しつこいよ!いつまで、追っかけてくるんだ!」

「うるさいっ!捕まえるまで追いかけてやる~っ!」

…これじゃ、鬼ごっこだ。

しかし、さすが中2の体力だ!全然疲れないぞ!
補欠のサッカー部員だが、しょっちゅう走らされてるから、これしきじゃ息が上がらないっ!

いや~っ、凄いなぁ10代の体力はっ!
若いって、いいなっ!

結局、オレはチャイムが鳴るまで校舎を走り回り、3時限目も自習となった…

一時限目からずっと自習じゃないかよ…

疲れるわ、腹が減るわで何もしたくない…

色んな意味で、刺激のある学生生活だ。

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