41才の中学二年生(改訂版)

sky-high

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1990年だと?

こんな杖、燃やしてやるっ!

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疲れた…授業って、こんなにも疲れるものだろうか?

走ったせいか、腹が減った。

それにしても…この輪っか。
何とか、外せないもんだろうか…?

無理矢理外そうとすれば、余計に締め付けられて割れるように痛い…


…やっぱり、あのジジイが持ってる杖が原因か。

今度現れたら、杖奪い取って、折ってやろう。あの杖が無ければ、アイツはただのクソジジイだ。

【フォッフォッフォッフォッフォ、お主また良からぬ事を考えてるみたいだのぅ~】

あっ!出てきたな、ジジイ!

「おい、ジジイ!その杖が無くなったら、どうなるんだ?」

何としてでも、あの杖を奪わねば…

【何っ?お主、またこの杖を狙ってるのか?】

杖を後ろに隠した。
あれじゃ奪う事は出来ない…変な事聞いたかな?
ちょっと、話題を変えてみよう。


「違うよ!その杖って、魔法の杖なの?」

【魔法?バカもん!仙術じゃ!】

センズリ?いや、センジュツ?

「何だ、そのセンジュツというのは?」

聞けば聞くほど、インチキ臭い…

【仙術とは、修行方法には呼吸法や歩行法、食事の選び方、住居の定め方、房中術までさまざまな方法があるのじゃ。不老不死もその1つという訳じゃ。解ったかな?】

何だ、この棒読みのような言い方。
Wikipediaで調べてきたな?

「おい!Wikipediaに載ってるのをさも、丸暗記したような言い方すんな!
どうも仙人というのが、信憑性に欠けるんだよな」


【バカ者!現にこうやって、お主を中2に戻してるじゃないか!それをインチキ呼ばわりするとは、不届き千万!】


こうやって、徐々に揺さぶって杖を奪ってやろう。


「もっと、凄い技無いのかよ?かめかめ波とか、遠くの相手をぶっ飛ばすような必殺技とか」

【そんなものは無い!マンガの読みすぎじゃ!】

「テメーだって、マンガに出てくるようなキャラだろ!
山伏みたいな格好しやがって!山伏なら杖じゃなく、ホラ貝だろ!それともあれか?その杖が無いと何も出来無いんだろ!なぁ、図星だろ?」

【えぇい、やかましい!ジジイ、ジジイと呼びおって!ワシャ、ジジイではない、仙人じゃ!】

しぶといな、このジジイは。
休み時間の間に、杖を奪う事は無理だ。
もうすぐ授業が始まるし、戻ろう。

「ふーん…仙人って、色んな仙人がいるんだろ?ジジイは何仙人なんだよ?亀仙人とかいないのか?」

そう言えば、このジジイの名前は知らない。


【何を言うか!ワシには、ちゃんとした名前があるんじゃ!】

「ほー…何て言う仙人なんだ?」

【ったく、仕方ないのう…】

ジジイは装束の袖から、名刺を出した。

【ほれ!これが、ワシの名前じゃ!】

何だ、この名刺…しかも、ボロボロで字が読みづらい。

何やら、書いてあるんだが…

【天界桃源郷1-3-5
仙人コーポレーション 下界更正育成課主任 東方仙人
0×-5×××-8×××】


おい…何だ、これ?

名刺か?

「おいっ!仙人が名刺持ち歩いてるのか?何が、天界桃源郷だ!
しかも、電話番号まで書いてる…ここに電話すると、誰か出るのか?」

何だ、桃源郷って!ユートピアか!

【当たり前じゃ!ウソだと思うなら、電話してみればいいだろう】

何だ、主任て。

仙人のクセに主任?

「あっそ。じゃあ、後でかけてみようっと。お宅のところの主任、スパルタ過ぎてとてもじゃないけど、徳を積もうなんて厳しすぎるから、他の仙人に変えて下さいって、苦情言おうっと」

試しに昼休み校内の公衆電話からかけてみよう。
ホントにここに繋がるのか。

【何っ、そんな事したらワシャ主任の座を降ろされるのじゃぞ!】

ジジイは慌て出した。

「うるへー!仙人に主任も課長も無えだろ!何から何までインチキなクセしやがって!
とにかくオレは後でここに連絡して思いっきりクレームつけてやるわい!もうすぐチャイム鳴るから教室に戻るゎ。
テメーは上司に後で怒られるだろうな。んじゃ、またね~」

【こ、このワシを侮辱しおって!貴様などこうしてやるわい!
ホンニャラハンニャラ、ピーヒャララ、ザギンでシースー、ギロッポン!かぁーっ!】

ジジイは呪文を唱え、杖を振りかざした。


よし、今だっ!

「バーカ、お返しだっ!」

ポケットに入れていた手鏡を出した。

【うぎゃ~っ!頭痛ぇ~っ!割れる割れる~っ!助けてくれ~っ!】

呪文を返され、ジジイは頭を抱えてのたうち回っていた。

「ギャハハハハハ!どうだ、呪文返しだ!ホントに鏡で反射するとはなぁ…やってみるもんだな」

ん?ジジイのヤツ、杖を離した。

よし、今だ!

すかさず、杖を奪い取った。

「よっしゃ!これさえあれば、もうこっちのもんだ」

ダッシュで階段を下り、校舎裏にある焼却炉へと向かった。


【あぁっ!お主、その杖返さんかい!】

ジジイが後を追うが、足の速さに関してはこっちの方が断然上だ。

「やなこった!この杖取り返したかったら、呪文を唱えりゃいいだろ!ほれほれ、呪文唱えてみ?」


杖の無いジジイなんて、ただのクソジジイだ!

【くっ…ホンニャラハンニャラ、ニャラホンニャ、ワイハービーチでセバスチャン!】


…シーン…

ほら、何も起こらない。

「何だ、何だ。この杖が無いと何も出来ないのか?よし、この杖を処分しよう!じゃあな、ジジイ!」

校舎裏にある焼却炉に杖を放り込んだ。

「ザマーミロ!これでもう、杖は燃えて無くなった!あ~、スッキリした!さて、教室に戻ろう」


これで、頭が割れるような痛さは二度と起きないだろう。


【こ、このバカもんが!杖が無いと元には戻れないぞ!】


「うるせーな、ジジイ!杖の無いテメーなんざ、ちっとも怖くないんだよ!だったら、この中に手突っ込んで杖取ってみやがれ!」

杖は、焼却炉の中で燃え盛っている最中だ。

ジジイは焼却炉の前でへたりこんだ。
さて、これから本格的に中2ライフを満喫しよう。


    
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