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ストーブリーグ

キャンプイン

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年が明けて2月になった。

プロ野球のキャンプインの日でもある。


ここからまた1年がスタートする。


スカイウォーカーズはかつての名プレイヤーが首脳陣となって選手を指導する。



そして今年の目玉でもある、大物メジャーリーガーのジェイク・キムラが来日した。


シアトル・サンズと同じ34の背番号を付け、肩慣らしにキャッチボールをしている。


キャッチボールの相手は櫻井ヘッドコーチだ。


ヘッドコーチがキャッチボールを始めると他のコーチ達もキャッチボールを始めた。

トーマスは鬼束と。

高峰は中邑と。


大和は結城と。


水卜は東雲と。


室田は保坂と。


松浦は毒島と。


主力選手とコーチがキャッチボールをしているなんて、他のチームでは考えられない光景だ。



「おし!じゃあ、高梨!オレらもキャッチボールすっか?」


「いいですね、久しぶりだしやりますか!」


背広姿の高梨がグラブをはめ監督の榊とキャッチボールを始めた。


新生スカイウォーカーズは選手にやらせるより、先ずはコーチも一緒になって練習しようというスタイルを取り入れた。


コーチが率先して練習すれば選手達もそれに負けじと練習する。


それはキャッチボールのみならず、ランニングやノックも選手と一緒に砂まみれになって汗をかいた。


「オレらはもうバテバテだけど…アイツはタフだなぁ~」


大和や高峰がベンチ前でへたりこんだ。

しかし櫻井だけは選手に混じってノックを受けている。


この時の為に鍛えて来たのだろうか、打球への反応、グラブ捌き、送球。

どれをとっても現役時代と変わらぬ動きで、難なくこなしている。



「スゲー…さすがレジェンドだゎ」


「あの人現役復帰してもいいんじゃないすかね?」


畑中と鬼束が櫻井の動きに見とれている。



「ほら、ボーッとしてないでキミたちもコッチでノック受けよう!」


「あ、はい!」

「はい!」


櫻井に促され外野ノックを受けた。


「Hey,Makoto! It's your turn!(ヘイ、マコト!お前の番だ!)」


「よっしゃ、来いっ!」


ノッカーはトーマスで現役時代と変わらぬ豪快なスイングで外野に打ち上げる。


この際、肩書きなんて気にしない。

打撃コーチだろうが、守備走塁コーチだろうがヘッドコーチだろうが関係ない。


皆で一緒に練習して汗をかいている。

誰もが良い表情をしている。


高梨もユニフォーム姿で汗をかいていた。



「はぁ~…初日からこんなに動いたら明日筋肉痛にならないかしら…」

「何だよ、舞!オレたちはそこまでヤワじゃないぜ」


「榊さん、そんなに張り切って大丈夫なの?あまり無理しない方がいいんじゃない?」


「何言ってんだ、オレだって現役の頃はこのぐらいの事、平気でこなしてたんだぜーっ!」




榊は次の日全身筋肉痛で全く動けなかった…
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