87 / 134
ペナントレース中盤
0.5ゲーム差
しおりを挟む
翌日は晴れて、絶好の野球日和となった。
球場の駐車場入り口には、宇棚三兄弟の姿は無い。
また、現れるだろうが…
さて、試合はエンペラーズの先発は廣澤、モンスターズは松村と発表した。
廣澤は東京キングダムの育成選手からピストルズに無償トレードされ、登録支配下選手として契約した。
先の穴堀オーナーとの一件で獲得した、金の卵だ。
モンスターズの先発松村は、ベテランの域に差し掛かった18年目の選手だ。
ホームであるモンスターズドームでは2勝を上げているが、ビジターではいまだ0勝だ。
つまり、モンスタードームのカラクリで勝ち星を上げた投手、という事だ。
モンスターズはビジターでの勝率は、2割に満たない。
おまけに、ヤマオカによってカラクリが暴かれた為、何の細工も出来ない。
ビジターでのモンスターズは高校野球レベル、もしくはそれ以下の実力なのだ。
試合が始まると、モンスターズナインは廣澤の投球に翻弄される。
反対にピストルズ打線は序盤から松村を滅多打ちにしてマウンドから降ろした。
特に大和は、古巣相手に第1打席はライト線を破るツーベースヒットを放ち、第2打席は右中間を深々と破るスリーベースヒット。
第3打席はレフトスタンドに叩き込む、ツーランホームラン。
そして4打席目を迎えた。
スコアは12対0、ピストルズのワンサイドゲームとなった。
大和は初球を見送り、二球目は三塁側スタンドにファールを放った。
三球目は低めに外れるボール球を悠々と見送る。
四球目、高めに浮いたスライダー。
(よし、もらい!)
打球はショートの頭上を越える、レフト前ヒット。
大和がサイクル安打を達成した。
大和はこれで二度目だ。
と言っても、前回はモンスタードームで例のイカサマによるサイクル安打だ。
実質的上、これが初めてのサイクル安打となる。
「よかった…あのチームから抜け出て」
大和はつくづく思った。
モンスターズにいた頃は、ビジターの試合で散々イヤな思いをした。
ビジターでは、負けた記憶しかない。
その原因を記者に聞かれたが、事実を言うワケにはいかなかった。
全てはモンスタードームのカラクリのお陰で勝っています、と暴露すれば、自分はおろか、チームメイトも路頭に迷ってしまう。
言いたくても、言えなかった。
当時はオーナー、結野の言いなりになるしかなかった。
だが、ヤマオカがカラクリを暴き、自分もピストルズに入団出来た事で、足枷が無くなった。
このサイクル安打は、自らの力で打ったものである。
先発の廣澤は最終回まで投げ抜き、被安打2、無四球 13奪三振という、初登板で完封勝利を上げた。
試合後、ヤマオカはキングダムに対して
「こんないいピッチャーを飼い殺しにしたキングダム、もとい、無能なオーナーのツラを拝んでみたいね、ワハハハハハ!」
と、穴堀オーナーを批判するコメントを残した。
これに対して、穴堀オーナーはノーコメントとしか言わなかった。
いや、言えなかった。
うっかり変なコメントをしたら、例の性癖がバレてしまう。
その穴堀は、今宵もSM倶楽部に通い、女王様に鞭で打たれて快感に浸るのであった。
翌日もピストルズは打線爆発。
連日の二桁得点で圧勝。
ついに、単独二位に躍り出た。
首位のドルフィンズとは、0.5ゲーム差まで縮まった。
球場の駐車場入り口には、宇棚三兄弟の姿は無い。
また、現れるだろうが…
さて、試合はエンペラーズの先発は廣澤、モンスターズは松村と発表した。
廣澤は東京キングダムの育成選手からピストルズに無償トレードされ、登録支配下選手として契約した。
先の穴堀オーナーとの一件で獲得した、金の卵だ。
モンスターズの先発松村は、ベテランの域に差し掛かった18年目の選手だ。
ホームであるモンスターズドームでは2勝を上げているが、ビジターではいまだ0勝だ。
つまり、モンスタードームのカラクリで勝ち星を上げた投手、という事だ。
モンスターズはビジターでの勝率は、2割に満たない。
おまけに、ヤマオカによってカラクリが暴かれた為、何の細工も出来ない。
ビジターでのモンスターズは高校野球レベル、もしくはそれ以下の実力なのだ。
試合が始まると、モンスターズナインは廣澤の投球に翻弄される。
反対にピストルズ打線は序盤から松村を滅多打ちにしてマウンドから降ろした。
特に大和は、古巣相手に第1打席はライト線を破るツーベースヒットを放ち、第2打席は右中間を深々と破るスリーベースヒット。
第3打席はレフトスタンドに叩き込む、ツーランホームラン。
そして4打席目を迎えた。
スコアは12対0、ピストルズのワンサイドゲームとなった。
大和は初球を見送り、二球目は三塁側スタンドにファールを放った。
三球目は低めに外れるボール球を悠々と見送る。
四球目、高めに浮いたスライダー。
(よし、もらい!)
打球はショートの頭上を越える、レフト前ヒット。
大和がサイクル安打を達成した。
大和はこれで二度目だ。
と言っても、前回はモンスタードームで例のイカサマによるサイクル安打だ。
実質的上、これが初めてのサイクル安打となる。
「よかった…あのチームから抜け出て」
大和はつくづく思った。
モンスターズにいた頃は、ビジターの試合で散々イヤな思いをした。
ビジターでは、負けた記憶しかない。
その原因を記者に聞かれたが、事実を言うワケにはいかなかった。
全てはモンスタードームのカラクリのお陰で勝っています、と暴露すれば、自分はおろか、チームメイトも路頭に迷ってしまう。
言いたくても、言えなかった。
当時はオーナー、結野の言いなりになるしかなかった。
だが、ヤマオカがカラクリを暴き、自分もピストルズに入団出来た事で、足枷が無くなった。
このサイクル安打は、自らの力で打ったものである。
先発の廣澤は最終回まで投げ抜き、被安打2、無四球 13奪三振という、初登板で完封勝利を上げた。
試合後、ヤマオカはキングダムに対して
「こんないいピッチャーを飼い殺しにしたキングダム、もとい、無能なオーナーのツラを拝んでみたいね、ワハハハハハ!」
と、穴堀オーナーを批判するコメントを残した。
これに対して、穴堀オーナーはノーコメントとしか言わなかった。
いや、言えなかった。
うっかり変なコメントをしたら、例の性癖がバレてしまう。
その穴堀は、今宵もSM倶楽部に通い、女王様に鞭で打たれて快感に浸るのであった。
翌日もピストルズは打線爆発。
連日の二桁得点で圧勝。
ついに、単独二位に躍り出た。
首位のドルフィンズとは、0.5ゲーム差まで縮まった。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる