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自分を変えるきっかけ
ボクシングやってみませんか?
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その後はジムの中でストライカーと少し話をした。
「ストライカーって、昔プロボクサーだったとか?」
「えぇ…まぁ、日本ランキング5位で終わったんですがね」
元プロボクサーだったとは!
「そんな風には見えないんだけど。で階級は?」
「ジュニアウェルター級です。高校大学とボクシングに打ち込んでプロの世界に入ったんですけど…現実は厳しくて、すぐに引退して家の仕事継いだんですけどね」
ジュニアウェルター級って…
何キロだか解らんが、日本じゃ重量級じゃなかった?
「でも、ボクサーだったらモテたハズでは?」
「いやいや(笑)
ボクシングって、かなりストイックですからね。色んな物を犠牲にしてリングに立つ訳ですから」
カッコイイ!
ストイックになれないオレは、ストライカーを心底カッコいいと思った。
「結婚もして、このジムで世界チャンピオンでも誕生したら、ストライカーは完全なリア充だなw」
「ははっ、そんな事はないですよ。それより、ジョニーさんの会社の女子社員さんがこの前、結婚パーティーでいらして」
そうだ、それを忘れてた!
「そうそう!
ストライカー、何て言ったのオレの事?
まさか、サークルの話しとかした?」
いくら何でも…そうベラベラと言うワケないか。
「あー、はい。高橋さんにはお話ししましたよ。
SNSで知り合ったという事は」
エッ、じゃあ…
「安心してくださいよ!
サークルの事は一切話してませんからw」
そ、そうだよな…
サークルの事まで話したんじゃないかと思って、胃がキリキリ傷んだよ。
「何でも、ストライカーの奥さんとは、ソフトボール部の先輩後輩の間柄だとか。
そんな事より、サークルの事言ったんじゃないかと思ってビクビクしながら会社に行ってたよ~っ…
頼む、ストライカー!言わないでくれって祈りながらww」
「いくら何でも、それは言えないですよ!
ところで、サークルを解散したんですって?」
「うん。
弾丸と話したんだよ、結婚パーティーの帰りに。
いつまでも、童貞童貞と言って場合じゃないだろうって事で、サークルは解散したよ」
「大丈夫でした?」
一足先に抜けたストライカーはその後を気にしていたようだ。
「何人かには裏切り者だとか、去勢しろとか言われたけどw
そこはオレと弾丸で半ば強制的に解散したwww」
「そうだったんですか。
でも、これで良かったのかもしれませんね」
「うん。ストライカーはサークルの中で一番早く結婚したじゃん?
オレも弾丸も、ストライカーに触発されたようなもんだよ」
「そうですか…皆が良くなればいいんですけどね。でも、あのサークルに入って良かったです。
これはお世辞でも何でもなく、ジョニーさんや弾丸さんがいたお陰でとれだけ救われたか」
「オレら特に何もしてなかったじゃん?
ただ集まって、あぁ、ヤリてぇとか、そんな事ばっか考えてたから。
そんな生産性の無いチャット続けていくのも限界になったしね」
「でも、それが自分にとっては何て言うか、心地いい場所だったんですね。なんかこう、救われたというか。ホント、ジョニーさんには感謝してます。ありがとうジョニーさん」
ストライカーは清々しい顔をしていた。
今のオレじゃとても出来ない表情だ。
今が一番充実してるんだろうな。
「あのさストライカー…
仮にだけど。オレがボクシング始めたら、何か変わるかなぁ?」
ストライカーはオレの目を見てこう言った。
「具体的に何がどう変わるのかは解りません。
ただ、ジョニーさんが新たにチャレンジすることに対して成長は出来るはずです。
成功は出来ないかもしれない。でも、成長はします。
ジョニーさん。
やってみませんか、ボクシング?」
「う~ん、会社帰りにジムで鍛えるのも悪くはないんだが、仮に来れるとしても週に2、3回ぐらいが限度かなぁ」
「それでいいんです。仕事が第一ですから。
それに、仕事に支障をきたすようなトレーニングは最初からやらないですよ」
確かに。
プロ志望ならともかく、健康の為ならそこまでハードじゃない。
「ここって、入会金と月謝どのくらい?」
「ウチのジムは入会金一万で月謝も一万です。
終わったらシャワーも浴びて帰れますし、それなりの設備は整ってますよ」
オレは考えた。
その場の勢いで入門するべきかどうか?
でも自分を変えたいというなら、変えてみたい。
変えたら、女が近寄ってくるかな…
そりゃムリだろ。
「すぐに返事をしなくても大丈夫ですよ。
帰ってじっくり考えるのもいいでしょう。
無理してまでジムに行く必要なんてないんですから」
この日はストライカーが頼もしく見えた。
「オレ、とりあえずやってみることにするよ。
やってダメなら仕方ない。
でも、やる前からダメと決めつけるのも良くないと思ってね」
「そうですか。
ジョニーさんなら、今からでもプロの試験受けても問題ないですよ。
サウスポースタイルの選手は少ないですから、みっちり練習こなしたら、数ヶ月後にはプロボクサーになってますよ」
「プロボクサー?オレ闘争心ないし、臆病者だから無理なんじゃないかな…」
考えたこともない。
「いいえ。
その臆病者というのが格闘家に必要なものです。
臆病になるから練習をする。臆病者と受け入れる事でそこから新たにスタート出来るんですよ」
今日のストライカーには色々と圧倒されてしまう。
週に二回か三回ジムに通うか。
家に居てもAV三昧だからな…
よし、目指せ細マッチョ!
やってやるか!
「ストライカーの話しに乗った。じゃあ、ヨロシクおねがいします!橋本コーチ!」
「コーチってまだそんなもんじゃないよ、ボクは」
何となく立ち寄ったジムだけど。
勢いだけでボクシングにチャレンジする事になった。
「ストライカーって、昔プロボクサーだったとか?」
「えぇ…まぁ、日本ランキング5位で終わったんですがね」
元プロボクサーだったとは!
「そんな風には見えないんだけど。で階級は?」
「ジュニアウェルター級です。高校大学とボクシングに打ち込んでプロの世界に入ったんですけど…現実は厳しくて、すぐに引退して家の仕事継いだんですけどね」
ジュニアウェルター級って…
何キロだか解らんが、日本じゃ重量級じゃなかった?
「でも、ボクサーだったらモテたハズでは?」
「いやいや(笑)
ボクシングって、かなりストイックですからね。色んな物を犠牲にしてリングに立つ訳ですから」
カッコイイ!
ストイックになれないオレは、ストライカーを心底カッコいいと思った。
「結婚もして、このジムで世界チャンピオンでも誕生したら、ストライカーは完全なリア充だなw」
「ははっ、そんな事はないですよ。それより、ジョニーさんの会社の女子社員さんがこの前、結婚パーティーでいらして」
そうだ、それを忘れてた!
「そうそう!
ストライカー、何て言ったのオレの事?
まさか、サークルの話しとかした?」
いくら何でも…そうベラベラと言うワケないか。
「あー、はい。高橋さんにはお話ししましたよ。
SNSで知り合ったという事は」
エッ、じゃあ…
「安心してくださいよ!
サークルの事は一切話してませんからw」
そ、そうだよな…
サークルの事まで話したんじゃないかと思って、胃がキリキリ傷んだよ。
「何でも、ストライカーの奥さんとは、ソフトボール部の先輩後輩の間柄だとか。
そんな事より、サークルの事言ったんじゃないかと思ってビクビクしながら会社に行ってたよ~っ…
頼む、ストライカー!言わないでくれって祈りながらww」
「いくら何でも、それは言えないですよ!
ところで、サークルを解散したんですって?」
「うん。
弾丸と話したんだよ、結婚パーティーの帰りに。
いつまでも、童貞童貞と言って場合じゃないだろうって事で、サークルは解散したよ」
「大丈夫でした?」
一足先に抜けたストライカーはその後を気にしていたようだ。
「何人かには裏切り者だとか、去勢しろとか言われたけどw
そこはオレと弾丸で半ば強制的に解散したwww」
「そうだったんですか。
でも、これで良かったのかもしれませんね」
「うん。ストライカーはサークルの中で一番早く結婚したじゃん?
オレも弾丸も、ストライカーに触発されたようなもんだよ」
「そうですか…皆が良くなればいいんですけどね。でも、あのサークルに入って良かったです。
これはお世辞でも何でもなく、ジョニーさんや弾丸さんがいたお陰でとれだけ救われたか」
「オレら特に何もしてなかったじゃん?
ただ集まって、あぁ、ヤリてぇとか、そんな事ばっか考えてたから。
そんな生産性の無いチャット続けていくのも限界になったしね」
「でも、それが自分にとっては何て言うか、心地いい場所だったんですね。なんかこう、救われたというか。ホント、ジョニーさんには感謝してます。ありがとうジョニーさん」
ストライカーは清々しい顔をしていた。
今のオレじゃとても出来ない表情だ。
今が一番充実してるんだろうな。
「あのさストライカー…
仮にだけど。オレがボクシング始めたら、何か変わるかなぁ?」
ストライカーはオレの目を見てこう言った。
「具体的に何がどう変わるのかは解りません。
ただ、ジョニーさんが新たにチャレンジすることに対して成長は出来るはずです。
成功は出来ないかもしれない。でも、成長はします。
ジョニーさん。
やってみませんか、ボクシング?」
「う~ん、会社帰りにジムで鍛えるのも悪くはないんだが、仮に来れるとしても週に2、3回ぐらいが限度かなぁ」
「それでいいんです。仕事が第一ですから。
それに、仕事に支障をきたすようなトレーニングは最初からやらないですよ」
確かに。
プロ志望ならともかく、健康の為ならそこまでハードじゃない。
「ここって、入会金と月謝どのくらい?」
「ウチのジムは入会金一万で月謝も一万です。
終わったらシャワーも浴びて帰れますし、それなりの設備は整ってますよ」
オレは考えた。
その場の勢いで入門するべきかどうか?
でも自分を変えたいというなら、変えてみたい。
変えたら、女が近寄ってくるかな…
そりゃムリだろ。
「すぐに返事をしなくても大丈夫ですよ。
帰ってじっくり考えるのもいいでしょう。
無理してまでジムに行く必要なんてないんですから」
この日はストライカーが頼もしく見えた。
「オレ、とりあえずやってみることにするよ。
やってダメなら仕方ない。
でも、やる前からダメと決めつけるのも良くないと思ってね」
「そうですか。
ジョニーさんなら、今からでもプロの試験受けても問題ないですよ。
サウスポースタイルの選手は少ないですから、みっちり練習こなしたら、数ヶ月後にはプロボクサーになってますよ」
「プロボクサー?オレ闘争心ないし、臆病者だから無理なんじゃないかな…」
考えたこともない。
「いいえ。
その臆病者というのが格闘家に必要なものです。
臆病になるから練習をする。臆病者と受け入れる事でそこから新たにスタート出来るんですよ」
今日のストライカーには色々と圧倒されてしまう。
週に二回か三回ジムに通うか。
家に居てもAV三昧だからな…
よし、目指せ細マッチョ!
やってやるか!
「ストライカーの話しに乗った。じゃあ、ヨロシクおねがいします!橋本コーチ!」
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何となく立ち寄ったジムだけど。
勢いだけでボクシングにチャレンジする事になった。
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