仲村慶彦の憂鬱な日々 社会人編

sky-high

文字の大きさ
80 / 108
仲良くなりたいなぁ

ヒジョーに疲れる!

しおりを挟む
「あの~、仲村さん…ここの伝票間違ってますよ?」

彩音の指摘を受け、伝票をチェックした。


「えっ、どれどれ?…あっ!ホントだ!ゴメン、ちょっと確認してくる!」



…ポチョムキンの結婚式をまざまざと見せつけられたオレは、あの日以来ショックで何もヤル気が起きない。


今も彩音にミスを指摘されるし。


もうイヤだ!あのデブは結婚で、オレはこの体たらく。



沙織には注意されるし、彩音にはミスを指摘されるし…



ん?

沙織に彩音…



いるじゃないか、ここに!

キモデブの嫁なんか目じゃないって逸材が!


沙織は年上で美人タイプだが、気が強い。

男を尻に敷くような女だろう。


彩音は年下のロリ顔巨乳!


思わず支えたくなりそうな、か弱く、可愛い娘だ!


どっちを選ぶ?


そりゃ…沙織も捨てがたいが、やっぱり彩音だろう!


決め手はFカップの巨乳だ!


こうなったら、何としても彩音を彼女にする為、作戦を練らねばならん!



でも、どうやって彼女になるのか。



頼もしいパイセンとして振る舞えばいいのか。


男はドッシリ構えて、余裕を見せれば。

そうすれば彩音はオレに…



www



完璧だ!完璧過ぎるパーフェクトなシナリオだ!

これからは頼もしく、ドッシリ構えた良きパイセンとして彩音に接しよう!




すぐに伝票を確認した。

やっぱり間違っていた!



まずここは間違いを見つけた彩音を誉めるべきだ。


「いや~、酒井さんが見つけてくれたおかげで助かったよ。ありがとう、酒井さん。」



今のオレは後輩を誉めるパイセンとして頼もしく見えるはずだ!



「は、はい…ありがとうございます…」


彩音は照れてるみたいだ。


もぅ、可愛い!何しても可愛いっ!


キミのミスならいくらでも許す!

大いにミスしてくれ!

「あの…この伝票書いたの仲村さんですよね?」


ん、オレ?


…ホントだ!


オレだった…


…いやいや、ここは落ち着こう。

余裕を見せなきゃ。


「あ~、そうだね。
ボクが間違えたみたいだ。
酒井さん、何年もやってる人だって間違いはあるから、ちょっとやそっとの間違いでへこたれちゃいけないよ。
大いにミスしても大丈夫、後はボクがフォローするから!」


決まった!

これで彩音はウルウルした目でオレを見るに違いない!


「あの…でもこれ、仲村さんの間違いですよね?」


…ん?まぁ、そうなんだけどね…


「そうだったね、申し訳ない。
酒井さんのお陰で助かった。
ありがとう、間違いを見つけてくれて。」


「あ、はい。」

今、キラキラしたお目目でオレを見た!


間違いなくオレを見る目がキラキラと輝いていたぞ!


いつも頼もしく、ドッシリと構えたパイセンとして彩音をサポートしなきゃいけない。



その後も彩音を誉めて持ち上げ、気分よく仕事が出来るようにオレは気を配った。




……………だが、さすがに疲れる!


何だ、この疲労感は?


ジムでハードなトレーニングをしても、こんなに疲れたことは無い。


こんなに疲れたの初めてじゃないか?


気を使うって、こんなにも疲れるのか?


身体がもたない…




帰っても何もする気が起きず、風呂に入ってすぐに寝た。


食欲も無い。


帰った途端、猛烈な眠気が襲ってくる。


「仲村くん…顔色悪いよ、大丈夫?」


沙織に言われ、トイレで鏡に映る自分の顔を見た。

確かに顔色が心なしか青いような…


「最近ゲッソリしたように見えるけど、ちゃんと食べてるの?」


沙織に言われるまで気づかなかったが、ここ最近、夕飯を食った記憶がない。



彩音に良きパイセンを演じる事で頭の中が一杯だった。



だが、今日は身体がフラフラする~っ!
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

せんせいとおばさん

悠生ゆう
恋愛
創作百合 樹梨は小学校の教師をしている。今年になりはじめてクラス担任を持つことになった。毎日張り詰めている中、クラスの児童の流里が怪我をした。母親に連絡をしたところ、引き取りに現れたのは流里の叔母のすみ枝だった。樹梨は、飄々としたすみ枝に惹かれていく。 ※学校の先生のお仕事の実情は知りませんので、間違っている部分がっあたらすみません。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...