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仲良くなりたいなぁ
祝勝会
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その夜、ジムの近くの居酒屋で祝勝会を開いた。
「最後の右ストレート、コンマ何秒かの差で決まったけど、あの攻防はシビレました~」
格闘技オタクの彩音の解説は居酒屋でも止まらない。
気がつけば、ストライカーも加わりボクシング談義に花を咲かせていた。
「いやぁ、まさかこんなに詳しい女性がいたなんて。酒井さんは格闘技の記者に向いてるんじゃないですか?」
「そ、そんなワタシなんかがとてもとても…でも、ワタシ格闘技が大好きなんですぅ」
「スゴいわね~。専門家もタジタジじゃない」
「恐ろしい程、マニアックですよね」
専門家ですら舌を巻く。
テーブルの向かいでは、弾丸と亜美が隣同士で話をしている。
ダメージはほとんど無く、顔も無傷だ。
「今日勝てたのは、妹ちゃんが練習を手伝ってくれたからだよ。ホントにありがとう」
「えぇ!アタシ、何かお邪魔だったような…」
「いや、そんな事ないよ!
出来ればまた手伝って欲しいぐらいだよ」
「え~っ、そうですか?じゃあ、またお手伝いしますね!」
「そうだ!これからはフィットネスで女性会員を増やすのもいいかもな!ワハハハハ!」
会長が上機嫌でボクササイズを始めようとしている。
ダイエットにはもってこいのエクササイズだ。
「それなら通ってみようかなぁ~。ダイエットにもなるし、最近運動不足だからちょうどいいかも」
「どうぞどうぞ!貴女のような、若くてキレイ女性なら大歓迎ですよ!是非ともウチでボクシングやってみてください、ワハハハハ!」
会長が営業をかけている。
沙織もまんざらではなさそうだ。
「そうだ、ケースケくん」
ストライカーが真顔で声を掛けた。
「はい」
「今回の試合、減量にかなり苦しんだけど、次からはスーパーフェザー級を目指してみないか?」
階級を上げる事をアドバイスした。
「オレはフェザー級じゃダメって事ですか?」
ストライカーは首を振る。
「そういう事ではない。ケースケくんの骨格はフェザー級では無理がある。ベストはスーパーフェザー級だと私は思うんです」
「…まだフェザー級でやりたいんですよオレは」
「それだと、毎試合減量に苦しむようになります。
ボクシングは体重を落としながらもスタミナをつけなければならない。
今回の計量はギリギリでパス出来たけど、今後はもっと苦しくなるでしょう。
スーパーフェザー級はケースケくんにマイナスな事じゃない。
むしろ、プラスになると思います」
弾丸は悩んでいる。
無理もない。
フェザー級で再起を図ろうとした矢先に階級を上げろなんて、弾丸としては納得がいかないだろう。
「もう少し、もう少しだけフェザー級でやらせてください!オレ、どこまでいけるかチャレンジしたいんです。お願いします!」
弾丸は姿勢を正し頭を下げた。
亜美は心配そうに弾丸を見ていた。
「橋本さん、オレからも頼む。
ケースケをしばらくフェザー級でやらせてもらえないだろうか」
オレも頭を下げた。
「あの…ワタシからもお願いします!ボクシングの事はよく知らないけど、ケースケさんがここまで頑張ってるんです!だからケースケさんの希望通りフェザー級で…」
亜美まで頭を下げた。
ストライカーは困惑し、しばし考える。
「橋本さん。
ワタシもボクシングの事はよくわかりません。
でも、彼の言うとおりフェザー級でもうしばらくやらせてみたらどうでしょうか」
沙織まで頭を下げた。
「どうだ、雄介。
ここはみんなの言う通り、もうちょっとフェザー級でやらせてみたら」
「まぁ、会長までそこまで言うならば…」
ストライカーは弾丸の減量を考慮して言ってるのだろう。
「橋本さん。佐野選手は確かに骨格的にはスーパーフェザー級の方がベストかと思います。
ですが、ボクシング…いや、格闘技って最終的には技術よりも、ハートが一番なんじゃないですか?
佐野選手はフェザー級の方がモチベーションを保てるならば、もう少しフェザー級でやってみて、ダメなら階級を上げるのはどうでしょうか?」
「は、はぁ…」
スゲー…彩音がストライカーを説き伏せてしまった…
「最後の右ストレート、コンマ何秒かの差で決まったけど、あの攻防はシビレました~」
格闘技オタクの彩音の解説は居酒屋でも止まらない。
気がつけば、ストライカーも加わりボクシング談義に花を咲かせていた。
「いやぁ、まさかこんなに詳しい女性がいたなんて。酒井さんは格闘技の記者に向いてるんじゃないですか?」
「そ、そんなワタシなんかがとてもとても…でも、ワタシ格闘技が大好きなんですぅ」
「スゴいわね~。専門家もタジタジじゃない」
「恐ろしい程、マニアックですよね」
専門家ですら舌を巻く。
テーブルの向かいでは、弾丸と亜美が隣同士で話をしている。
ダメージはほとんど無く、顔も無傷だ。
「今日勝てたのは、妹ちゃんが練習を手伝ってくれたからだよ。ホントにありがとう」
「えぇ!アタシ、何かお邪魔だったような…」
「いや、そんな事ないよ!
出来ればまた手伝って欲しいぐらいだよ」
「え~っ、そうですか?じゃあ、またお手伝いしますね!」
「そうだ!これからはフィットネスで女性会員を増やすのもいいかもな!ワハハハハ!」
会長が上機嫌でボクササイズを始めようとしている。
ダイエットにはもってこいのエクササイズだ。
「それなら通ってみようかなぁ~。ダイエットにもなるし、最近運動不足だからちょうどいいかも」
「どうぞどうぞ!貴女のような、若くてキレイ女性なら大歓迎ですよ!是非ともウチでボクシングやってみてください、ワハハハハ!」
会長が営業をかけている。
沙織もまんざらではなさそうだ。
「そうだ、ケースケくん」
ストライカーが真顔で声を掛けた。
「はい」
「今回の試合、減量にかなり苦しんだけど、次からはスーパーフェザー級を目指してみないか?」
階級を上げる事をアドバイスした。
「オレはフェザー級じゃダメって事ですか?」
ストライカーは首を振る。
「そういう事ではない。ケースケくんの骨格はフェザー級では無理がある。ベストはスーパーフェザー級だと私は思うんです」
「…まだフェザー級でやりたいんですよオレは」
「それだと、毎試合減量に苦しむようになります。
ボクシングは体重を落としながらもスタミナをつけなければならない。
今回の計量はギリギリでパス出来たけど、今後はもっと苦しくなるでしょう。
スーパーフェザー級はケースケくんにマイナスな事じゃない。
むしろ、プラスになると思います」
弾丸は悩んでいる。
無理もない。
フェザー級で再起を図ろうとした矢先に階級を上げろなんて、弾丸としては納得がいかないだろう。
「もう少し、もう少しだけフェザー級でやらせてください!オレ、どこまでいけるかチャレンジしたいんです。お願いします!」
弾丸は姿勢を正し頭を下げた。
亜美は心配そうに弾丸を見ていた。
「橋本さん、オレからも頼む。
ケースケをしばらくフェザー級でやらせてもらえないだろうか」
オレも頭を下げた。
「あの…ワタシからもお願いします!ボクシングの事はよく知らないけど、ケースケさんがここまで頑張ってるんです!だからケースケさんの希望通りフェザー級で…」
亜美まで頭を下げた。
ストライカーは困惑し、しばし考える。
「橋本さん。
ワタシもボクシングの事はよくわかりません。
でも、彼の言うとおりフェザー級でもうしばらくやらせてみたらどうでしょうか」
沙織まで頭を下げた。
「どうだ、雄介。
ここはみんなの言う通り、もうちょっとフェザー級でやらせてみたら」
「まぁ、会長までそこまで言うならば…」
ストライカーは弾丸の減量を考慮して言ってるのだろう。
「橋本さん。佐野選手は確かに骨格的にはスーパーフェザー級の方がベストかと思います。
ですが、ボクシング…いや、格闘技って最終的には技術よりも、ハートが一番なんじゃないですか?
佐野選手はフェザー級の方がモチベーションを保てるならば、もう少しフェザー級でやってみて、ダメなら階級を上げるのはどうでしょうか?」
「は、はぁ…」
スゲー…彩音がストライカーを説き伏せてしまった…
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