I Love Baseball 主砲の一振り 6

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オープン戦

犬猿の仲

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些かオレ様的な発言が気になるロビンソンだが、翌日には自ら志願してオープン戦に出場した。

対戦相手は山口Knights。

昨年までは長州レボリューションズとしてネプチューンリーグの西地区に所属していたが、地区編成により今年からアポロリーグに移籍。

チーム名も変わり、心機一転を計る。


そのKnightsには、昨シーズン途中から加入したマーク・スチュワート外野手が1年延長契約で今年も日本でプレーする。


メジャーで首位打者2回、本塁打王1回、打点王2回を獲得し、3度のMVPに輝く超スーパープレイヤー。



実はスチュワートとロビンソンはかつてカンザスシティ・ジャイアンツでチームメイトだったのだが、メジャーでは有名な犬猿の仲でもある。


元々仲の良かった2人だったが、地区優勝がかかった試合でロビンソンのエラーによる失点と一打逆転のチャンスにスチュワートは見逃しの三振に倒れ、優勝を逃した。


試合後、2人は互いのミスを詰り合い、クラブハウスで掴み合いの乱闘にまで発展。

以来、2人は犬猿の仲として互いの悪口を言い合っている。



その2人が日本で顔を合わせるとなれば、乱闘不可避の予感…




Glanzの本拠地、さいたま S Villageで来日初試合となったロビンソンは、鮮やかなブルーのユニフォームを身に纏い、グラウンドに降り立った。


三塁側ベンチでは、Knightsの選手が一斉にロビンソンを注目する。


ロビンソンの表情が険しくなった。


その視線の先には、犬猿の仲のスチュワートがニヤニヤしながらロビンソンを見ている。


「Hey, did you come to Japan to work because you lost your job?(よぉ、働き口が無くなって日本に出稼ぎに来たのかよ?)」


スチュワートは牽制のジャブを放った。



「You came to Japan looking for a job, didn't you?(お前も同じで、無職になって日本に来たんだろう?)」



「Hey, what did you just say, you bastard!(おい、今何つった、コノヤロー!)」


スチュワートの表情が一変してベンチを飛び出した。



「おい、止めろ!」


「マーク、止めろ!」


「皆、止めるんだ!」


Knightsの選手が数人がかりでスチュワートを止めた。



「You're so overprotective because you're protected by everyone, oh!(皆に守られて、随分と過保護だな、おいっ!)」



「What, you bastard!(何だと、コノヤロー!)」



「だから、止めろっつーの!」


「マーク、落ち着けっ!」



試合前から乱闘に気をつけなければならない。
    
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