最強のエンターテイメント

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新団体設立

プロレス界へ復帰

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それから一週間後にWWAという団体は消滅し、新たにWFEとTMNという団体に分かれ、エンターテイメントと格闘技とのカラーを色分けするという事を発表した。

カイザー大和が設立したWWAは48年の歴史に終止符を打った。

一部報道には、内部分裂によって二つに分かれたという見出しが載っていたが、その誤解を解く為、そしてWFEとTMNとの違いを明確にするという兼ねて、都内のホテルで会見が開かれた。

会見の席には、オレと佐藤さんと山田さん。
そしてWWAの頃には副社長として辣腕をふるっていた、日浦さんが同席した。

まず最初に日浦さんはWFEの代表取締役に就任したという事を発表し、今後も団体名は変わるが、WFEはエンターテイメント色の強い、アメリカ最大のメジャー団体、AAW(オール アメリカン レスリング)と業務提携を結んだという事を発表、
アメリカンプロレスの様なパフォーマンスを織り混ぜたファイテングエンターテイメントなプロレスとして、財前を筆頭に本場アメリカのストーリーラインに沿った闘いを展開するという事を説明した。

そして我々は決して内部での揉め事から分裂した訳では無い、と強調した。

WWAに所属するほとんどの選手はWFEに移籍し、二ヶ月後の旗揚げ戦は都内でも有数のビッグアリーナで、行い、AAW対WFEという海外で活躍するビッグネームのレスラー達が来日して、華々しくエンターテイメントを極めたファイトを見せる。
様々な仕掛けが用意したアリーナで、ド派手な演出をして盛り上げるらしい。


対するTMNサイドは代表取締役になった佐藤さんと、数々の名勝負を仕掛けた、影の仕掛人、山田さんが専務取締役に就任。

WFEとは対照的に、世界各国の格闘家を集め、誰が一番強いのか競い合う団体で、総合格闘技部門、立ち技部門、レスリング部門という三種類の格闘スタイルで、ロシア、オランダ、タイ、ブラジル、アメリカ等の各国のオリンピックのメダリストや、世界選手権優勝経験のある格闘家と現在交渉中であるという事を山田さんが説明した。

そしてゆくゆくは、TMNジャパン、TMNロシア、TMNブラジルといったネットワークを作り、各部門にランキング制を導入し、年末にはGPトーナメント戦で優勝した選手がチャンピオンとなり、年間で三回のタイトルマッチを行うという戦略を打ち出した。

そしてオレはTMNジャパンのエースとして、総合や立ち技、レスリング全ての部門に対応出来るオールラウンドプレイヤーになるよう、期待されていた。

「ところで総合と言えば、Diamondが国内で一番メジャーな大会ですが、TMNはDiamondに対抗する形になるわけですか?」

記者の一人がDiamondとの関係性を聞いてきた。

その質問に対し、佐藤さんは説明した。

「皆さんはウチがDiamondさんと同じ事をするんじゃないか?という疑問をお持ちでしょうが、ウチはプロレス団体であり、総合格闘技団体でもあります。
一方のDiamondさんは、団体ではなく、格闘技イベントの運営会社で、全く異なります。

それに向こうは総合格闘技専門ですが、ウチは三部門ある団体です。

今は旗揚げ戦に向けて準備を着々と進めていますが、条件さえ合えばDiamondさんの所で試合をする可能性もあります。

とにかく今は旗揚げ戦に向けて色々と準備している最中です」

佐藤さんと山田さんの話だと、現在は都内の一等地に道場を建てている最中で、少なくとも三ヶ月はかかるという事らしい。

その間はWWAの道場がWFEに変わり、そこでトレーニングをする事になりそうだ。

そして、山田さんがTMNの名誉会長に就任したという人物がこの会見上に間もなく現れると言う。

オレはその話は全く聞いてなかった。

「今、名誉会長が到着しました。これから名誉会長が就任の挨拶を行います」

山田さんの紹介で会見の舞台の袖から姿を現したのはカイザー大和だった。

何でカイザー大和が?オレは茫然とした。
名誉会長って一体何をするんだろうか?

隣に座っている佐藤さんは笑顔で立ち上がり、カイザー大和とガッチリ握手をした。

一斉にフラッシュが焚かれる。

引退して、プロレス界から身を引いたカイザー大和が名誉会長としてプロレス界に戻ってきた。
現役の頃と変わらず、闘魂の塊のようなオーラはまだ消えていない。

これでフロントが決まったが、肝心の選手はオレしか決まってない…

まさか全員WFEに移ってオレだけがTMN所属って事なのだろうか。

オレは一抹の不安を抱えていた。
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