(快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体)アナザーストーリー

sky-high

文字の大きさ
15 / 105
第一章 近親相姦という過去を絶ち切るために

厳かな卒業式のはずだったのに…

年が明けた。
何とか念願の志望校に合格した。

あの日以来、母親の所には行ってない。
学校に行く以外はどこも出歩かずマンスリーマンションに籠ってひたすら勉強した成果だと思う。


オレは何がなんでも合格するんだ、という気持ちでこの高校一本に絞って勉強した。

滑り止めの高校なんて必要ない、落ちたらまた母親との汚れた日々を送らなきゃならない…そんなのはもううんざりだ。
あとは卒業式を待つのみ。
卒業したらこの都心から離れた奥多摩で3年間を過ごす。



それもこれも、おじさんが協力してくれたおかげでオレは志望校に合格出来た。おじさんの援助が無ければオレは合格する事は出来なかっただろう。

おじさんには随分と世話になった。
だから合格して真っ先に伝えた。

おじさんも喜んでくれて、オレは今まで世話になった礼を述べた。


4月からは高校生だ。しかも全寮制というオレには未知の生活が待っている。

パンフレットには建物も比較的新しい。
自然に囲まれ快適に過ごしやすい環境だと書いてあった。


受験の日に校舎には入ったが、寮まで確認する事の余裕は無かった。

受験して合格発表の日までの間、オレはほとんど眠れなかった。

もし、落ちたらどうしよう?他の学校の二次募集に受けなきゃならないのか?
それともこのまま卒業して、寮の完備してある会社に働こうか、と色々な事が頭の中を駆け巡り、とてもじゃないがグッスリと眠れる余裕すら無かった。

食欲も同様に失せ、その間だけでオレはゲッソリと痩せ細ってしまう程だった。

だが、合格の通知書を受けると、緊張の糸が切れたかの様に、オレはベッドに倒れ込み、今まで睡眠不足だったせいもあってか、深い眠りについた。

当然、食欲も復活してくる。
オレは卒業までの間、食って寝て、そしてまた食って寝るという繰り返しで、あれだけゲッソリと痩せ細っていたのに、みるみるうちに少し太りぎみになってしまった。


それだけオレにとってはこの受験が今後の人生を左右するほどの大きな出来事だったのだ。


そして卒業式当日、オレは3年間通ったこの中学に別れを告げる。

卒業生全員が体育館に集まり、壇上で卒業証書を受け取る。
別れを惜しんで泣いている生徒や先生も多くいた。

オレはこの中学の3年間、これといった思い出は無かった。
ただ思い浮かんでくるのは、家での母親との近親相姦という忌まわしい出来事だけだ。

でももうそんな事に悩まされるのも、この卒業と同時に解放される。心機一転で新たな生活をしよう。

そしてオレの名前が呼ばれ、壇上に上がり、卒業証書を受け取った。

その帰り際、来賓席にピンクの花びらと金の桜の枝の刺繍が入った派手な着物を着た女と目が合った。

母親だ!まさか卒業式に来るとは…
三者面談の時と同じように銀座のホステスみたいな格好だ。

なぜ、卒業式に?
今更母親ヅラしてノコノコ来たのか!

しんみりとした卒業式の雰囲気だったが、オレの心の中は、最後の最後でこの卒業式という厳かな儀式を汚された様な気分で腸が煮えくり返った。

テメーは何しにここへ来た!
母親ぶってそんな所で座ってんじゃねぇぞ!

今すぐその場に乗り込んで、ぶん殴りたくなる程、無性に腹が立った。

その後の事はよく覚えてない。
式が終わり、オレは母親と顔も合わさずにすぐ様マンスリーマンションに向かった。

電車に乗り、いつもの様に窓から外の景色を眺めていた。
脳裏に浮かぶのはあの忌まわしき母親の顔だ。

あの顔を見なければ、神聖なる気持ちで卒業式を無事に終えたはず。
だがあのホステスの様な和服を着て、シレっとした顔で来賓席に座っている母親と目が合った瞬間、一気に神聖なる卒業式が一転して音を立てて崩れていくような感じだった。


まぁ、いい。とにかくこれであの顔を見るのは最後だ、来月からは遠く離れた場所で過ごす事になる、会う事は無いだろう、そう自分に言い聞かせていた。

そんな事ばかりを考えていたせいか、降りる駅を乗り過ごしてしまい、慌てて次の駅で降り、再び戻るようにして駅に着いた。

電車の中でろくでもない事を考えすぎた…
感想 1

あなたにおすすめの小説

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

熟女教師に何度も迫られて…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
二度と味わえない体験をした実話中心のショート・ショート集です

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…