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全寮制高校での3年間
ふざけんな、このヤロー!
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後日川田から詳しく聞いた話によると、宇棚繁は三年前にこの学校に入学した。
だが、この学校は学力が高い。
見るからに学力の低そうな宇棚が何故この学校に入学できたのか?
それはこの学校の理事長と宇棚の父親が旧知の仲で、宇棚の父親は静岡で貿易会社を経営しているのだが、実はかなりブラックな存在で、法では認められない物を裏のルートで海外から輸入して、売買を行ってきたという。
理事長はその顧客で、どんな物を扱っているのかは不明だが、法に触れるような物というからには、危険な物に違いない。
宇棚の父親と理事長は取引の関係からいつしか飲み仲間となっていた。
その頃宇棚の父親は息子の繁がもうすぐ高校受験だというのに、ろくに勉強もせず、部屋にこもってゲーム三昧の日々を送っている事を嘆いていた。
三者面談ではこの学力では入る高校は無いと言われ、すっかり困り果てた宇棚の父親は理事長に相談を持ちかけた。
ブラックな取引をする間柄故に、宇棚の父親は理事長にブラックな入学の話を持ちかける。
それは裏口入学だ。
だが、理事長はあまりの学力の低さにとてもじゃないがウチの学校では無理だ、と断った。
宇棚の学力は県内でもワーストクラスだ。
まともにコミュニケーションすら取れない宇棚が進学校に入学したところで進級は出来ない。
だが宇棚の父親は息子の将来を案じ、何年かかってもいい、費用がいくらかかってもいいから息子をこの際全寮制の高校に入れ、親離れした生活をさせれば、少しはまともになっていくだろうと思っていたらしい。
となると、理事長一人だけの問題では無くなってしまう。
少なくとも、校長や教頭、学年主任の教師にそれなりの謝礼をしなければならない。
宇棚の父親は入学の際に莫大な費用を費やしたという。
だが、父親の願いとは裏腹に宇棚は寮生活でも好き放題に振る舞っていた。
何せ協調性が0でコミュニケーションがまともに取れない。
同室の生徒達は寮長や教師に苦情を言う。
宇棚が真夜中に部屋を抜け出し、カップラーメンやら、スナック菓子をわざわざ学校から離れた駅までタクシーに乗り、付近にあるコンビニで大量の食料、特にカップラーメンやおにぎり、サンドイッチ、アイスやレトルト食品にスナック菓子、炭酸飲料等々。
こんな調子だから、授業なんてろくに受けてない。
一番頭を悩ませていたのが寮長だった。
何せ寮生活で一番重要な協調性というものがゼロだ。
いくら注意しても
「はい、わかりました!」
と元気よくハキハキと返事するが、ニワトリの如く、三歩歩くと既に忘れてしまい、同じ事を繰り返す。
何故川田は真相を知っているのか…
それは宇棚本人が何でも喋ってしまうからだ。
【アイツは理事長に賄賂渡してこの学校に入った裏口入学ヤローだ】という事がバレ、当時は学校内で物議を醸した。
裏口入学した件を告発しようという動きがあったが、結局は宇棚の父親がまた更に莫大な金を使ってもみ消した。
宇棚は【特例】という形でこの学校に入った。
生徒であって生徒に非ず、それが宇棚の肩書きのようなものだった。
同室の生徒達は最初こそ、迷惑がっていたが、悪知恵の働く生徒は、宇棚に【あれが食べたい、これが食べたい、宇棚コンビニまで買ってきて】と命じ、バカ正直に真夜中にタクシーを呼んでコンビニで買い物をさせ、それを食べていた。
その一人が川田というワケだ。
彼は宇棚と仲良くしていたワケじゃなく、ただ単にパシりとして宇棚を使っていただけだ、と言った。
そして去年の秋、18才になった宇棚はパチンコやスロット、スマホで出会い系サイトをやるようになり、のめり込んでいった。
特に出会い系サイトでは、悪徳業者に引っ掛かり、悪質なサイトに誘導され、高額な金を支払った事も何度かあった。
堪り兼ねた同室の生徒達は、宇棚は騙されてるだけだ、相手は業者で、最初から会う気なんて全く無い!と口酸っぱく忠告しても同じことを繰り返していた。
そんなある日、出会い系で知り合った女性と会いに行くと出掛けて、駅前の信号が赤にもかかわらずに横断したところをトラックに跳ねられ、病院に搬送されたが、既に息絶えていた、という事だ。
それ以来、205号室には宇棚の霊が出てくるっ!というウワサが流れて、【そんな今時ユーレイなんて信じるヤツがいるのか?】と言って誰もが信じて無かったのだが、寮長と去年の同室だった生徒達、そしてオレたち三人は宇棚の亡霊を見た、というワケだ。
川田はオレたちにこう告げた。
「ユーレイって言っても、相手が宇棚なら、逆にからかって遊んでやりゃよかったのに」
冗談じゃない!
そしてホントの事を言わなかった寮長には
「何で今まで言わなかったんだよ!あんなユーレイが出る部屋なんかに住めるか!」
と有無を言わさずに部屋を変えてもらった。
寮長は宇棚の件で精神的に参っており、一学期終了前に寮長を辞めた。
まさかユーレイと一緒に暮らしていたとは…
今思えば怖くはないんだが、奇妙な出来事だった。
だが、この学校は学力が高い。
見るからに学力の低そうな宇棚が何故この学校に入学できたのか?
それはこの学校の理事長と宇棚の父親が旧知の仲で、宇棚の父親は静岡で貿易会社を経営しているのだが、実はかなりブラックな存在で、法では認められない物を裏のルートで海外から輸入して、売買を行ってきたという。
理事長はその顧客で、どんな物を扱っているのかは不明だが、法に触れるような物というからには、危険な物に違いない。
宇棚の父親と理事長は取引の関係からいつしか飲み仲間となっていた。
その頃宇棚の父親は息子の繁がもうすぐ高校受験だというのに、ろくに勉強もせず、部屋にこもってゲーム三昧の日々を送っている事を嘆いていた。
三者面談ではこの学力では入る高校は無いと言われ、すっかり困り果てた宇棚の父親は理事長に相談を持ちかけた。
ブラックな取引をする間柄故に、宇棚の父親は理事長にブラックな入学の話を持ちかける。
それは裏口入学だ。
だが、理事長はあまりの学力の低さにとてもじゃないがウチの学校では無理だ、と断った。
宇棚の学力は県内でもワーストクラスだ。
まともにコミュニケーションすら取れない宇棚が進学校に入学したところで進級は出来ない。
だが宇棚の父親は息子の将来を案じ、何年かかってもいい、費用がいくらかかってもいいから息子をこの際全寮制の高校に入れ、親離れした生活をさせれば、少しはまともになっていくだろうと思っていたらしい。
となると、理事長一人だけの問題では無くなってしまう。
少なくとも、校長や教頭、学年主任の教師にそれなりの謝礼をしなければならない。
宇棚の父親は入学の際に莫大な費用を費やしたという。
だが、父親の願いとは裏腹に宇棚は寮生活でも好き放題に振る舞っていた。
何せ協調性が0でコミュニケーションがまともに取れない。
同室の生徒達は寮長や教師に苦情を言う。
宇棚が真夜中に部屋を抜け出し、カップラーメンやら、スナック菓子をわざわざ学校から離れた駅までタクシーに乗り、付近にあるコンビニで大量の食料、特にカップラーメンやおにぎり、サンドイッチ、アイスやレトルト食品にスナック菓子、炭酸飲料等々。
こんな調子だから、授業なんてろくに受けてない。
一番頭を悩ませていたのが寮長だった。
何せ寮生活で一番重要な協調性というものがゼロだ。
いくら注意しても
「はい、わかりました!」
と元気よくハキハキと返事するが、ニワトリの如く、三歩歩くと既に忘れてしまい、同じ事を繰り返す。
何故川田は真相を知っているのか…
それは宇棚本人が何でも喋ってしまうからだ。
【アイツは理事長に賄賂渡してこの学校に入った裏口入学ヤローだ】という事がバレ、当時は学校内で物議を醸した。
裏口入学した件を告発しようという動きがあったが、結局は宇棚の父親がまた更に莫大な金を使ってもみ消した。
宇棚は【特例】という形でこの学校に入った。
生徒であって生徒に非ず、それが宇棚の肩書きのようなものだった。
同室の生徒達は最初こそ、迷惑がっていたが、悪知恵の働く生徒は、宇棚に【あれが食べたい、これが食べたい、宇棚コンビニまで買ってきて】と命じ、バカ正直に真夜中にタクシーを呼んでコンビニで買い物をさせ、それを食べていた。
その一人が川田というワケだ。
彼は宇棚と仲良くしていたワケじゃなく、ただ単にパシりとして宇棚を使っていただけだ、と言った。
そして去年の秋、18才になった宇棚はパチンコやスロット、スマホで出会い系サイトをやるようになり、のめり込んでいった。
特に出会い系サイトでは、悪徳業者に引っ掛かり、悪質なサイトに誘導され、高額な金を支払った事も何度かあった。
堪り兼ねた同室の生徒達は、宇棚は騙されてるだけだ、相手は業者で、最初から会う気なんて全く無い!と口酸っぱく忠告しても同じことを繰り返していた。
そんなある日、出会い系で知り合った女性と会いに行くと出掛けて、駅前の信号が赤にもかかわらずに横断したところをトラックに跳ねられ、病院に搬送されたが、既に息絶えていた、という事だ。
それ以来、205号室には宇棚の霊が出てくるっ!というウワサが流れて、【そんな今時ユーレイなんて信じるヤツがいるのか?】と言って誰もが信じて無かったのだが、寮長と去年の同室だった生徒達、そしてオレたち三人は宇棚の亡霊を見た、というワケだ。
川田はオレたちにこう告げた。
「ユーレイって言っても、相手が宇棚なら、逆にからかって遊んでやりゃよかったのに」
冗談じゃない!
そしてホントの事を言わなかった寮長には
「何で今まで言わなかったんだよ!あんなユーレイが出る部屋なんかに住めるか!」
と有無を言わさずに部屋を変えてもらった。
寮長は宇棚の件で精神的に参っており、一学期終了前に寮長を辞めた。
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