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第二章 彼女
どんな車乗ってるの?
相変わらず講義は眠い…
おまけに二日酔い、風呂にも入らず、歯も磨かないという、汚い格好で学校に来た。
楓の作る弁当を食べに来た。それだけだった。
まだ少し頭がガンガンする…
ダメだ、少し寝よう。
オレは講義中ひたすら寝ていた。
「…おい、起きろよ!飯だぞ」
ヒロトに肩を揺すられて目が覚めた。
「…え、昼?」
ハッと我に返り、オレは楓の待つベンチに行かなきゃと、バッグを持って教室を出た。
「悪ぃ、今日ちょっと用事あって食堂に行けないから」
後ろを振り向き、ヒロトにそう告げてダッシュで階段を下りていった。
ヒロトに起こされなきゃずっと寝たままだったな。
ヒロトに感謝しつつ、外へ出た。
いつもの自販機の脇にあるベンチに楓は座って待っていた。
今日は珍しくニーハイじゃなく、黒のストッキングだった。
「ハァハァ、ハァ、遅くなってゴメン!…あ、今日ニーハイじゃないじゃん?」
二日酔いでダッシュしたせいか、気持ち悪い。
雲一つない良い天気とは言え、季節は完全に冬だ。
それでも楓は脚を出すようなファッションだ。
「…うん、ニーハイじゃなく、たまにはストッキングにしてみようと思って。似合うかな?」
「いいよ!すごく似合うし、美脚だからニーハイもいいけど、ストッキングの方が断然良いよ」
脚フェチではないが、楓の美脚はこのキャンパス内でもトップクラスだ。
そもそも楓以外の女に興味はないから比較してないけど、間違いなく美脚だ。
「…何かそう言われるとちょっと恥ずかしいかな」
楓は照れ臭そうにして、アハハハハっと笑った。
「何飲む?」
オレは自販機の前で財布の中から小銭を取り出した。
「えっ、私今日お茶持ってきたよ。それ飲もうよ」
楓はバッグの中からかなり大きめのステンレスボトルと、これまた大きめのハンカチに包んである二つ重なった弁当箱をオレに渡した。
「はい、これ今日のお弁当。確か古賀くん鮭のおにぎりがいいって言ってたよね」
ハンカチを広げると、おにぎりが三個入った弁当箱と、おかずの入った弁当箱に分かれて、おかずには前回と同じ唐揚げに玉子焼き、ウインナーにサラダがギッシリと詰まっていた。
「おぉーっ、今日も美味そうな物ばっかじゃん!及川って料理上手だな」
「あ…ゆうべLINEで送ったじゃん?これからは名字じゃなく、下の名前で呼び合おうって」
…えっと、そんな事書いてあったっけ?
オレはスマホでゆうべの楓とのやり取りを見た。
ホントだ。これからはお互い下の名前で呼び合おうって書いてあった。
でもなぁ…今から急に楓って呼ぶのも何だか照れ臭いというか、何というか…
それに楓だってオレの事【古賀くん】て呼んでたじゃん。
「でも今オレの事、古賀くんって言ったじゃん」
楓も照れ臭いのか、少し戸惑ってるような…
「うーん、じゃあ亮ちゃん!
いいでしょ、亮ちゃんって?」
好きな女に名字じゃなく、名前で呼ばれた…
亮ちゃんと呼ばれるのは悪くない、むしろ何という心地よさ…
幸せだ…二日酔いが一気に吹き飛んだ。
「んじゃあ、楓…いただきます」
恥ずかしい…照れながらおにぎりを食べた。
「あぁ~この塩加減ちょうどいい!これ韓国のり巻いてるの?」
ごま油の香ばしい匂いに、ちょうどいい塩加減。
オレは早くも一個を食べ終わり、次のおにぎりに手を出した。
「良かったぁ、美味しいって言ってくれて。おかずも食べて」
楓が嬉しそうな表情を浮かべ、オレは唐揚げとウインナーを食べた。
「うん、美味い。しかしよくあれだけ飲んで二日酔いにならなかったなぁ?」
楓はケロッとしている。
こんな小さな身体に大量のアルコールが入ってもケロッとしている。
「どういうワケか、いくら飲んでも酔わないんだよね、私の場合」
体質なのかな。
しかも酒の匂いすらしない。
オレ酒臭くないかな?
思わず着ている服の匂いを嗅いだ。
「どうしたの?」
「ん?あ、いや何でもない。オレ酒臭いかなぁっと思って」
酒臭いのもあるが、昨日風呂にも入ってなかったし、頭も洗ってないから匂いとか気にならないかな?何て事を思いながら、あっという間に弁当を食べた。
「大丈夫だよ。
それよりかなりお腹空いてたのね。これだけじゃ足りないんじゃないの?」
楓はオレがあまりの食欲に、自分の弁当を少し分けようとした。
「いや、もう大丈夫。ご馳走さまでした。
こうやって弁当作ってもらえるなんて、やっぱ幸せだよなぁ~」
オレは有頂天だった。
「また作ってあげるよ。でも毎回おにぎりばっかじゃ飽きるでしょ?他にリクエストがあれば作るけど」
リクエストと言われても…食い物に執着心が無いし、何をリクエストすればいいのやら…
「そうだ、今度は一番得意な料理を作ってくれないかな?それ食べてみたい」
得意料理は何か知らないけど、楓の作る料理なら何でもいいや。
「私の得意料理?いいけど、お弁当に合うかなぁ」
お茶を飲みながら楓はうーん、と考えていた。
「何が得意料理なの?」
オレもお茶を飲み、ポカポカ陽気に包まれながら、この心地よい雰囲気に身を任せていた。
「カレーとかシチューでしょ?後はパエリアとか」
カレーやシチューを弁当にするのは難しいが、パエリアなら大丈夫じゃないかな。
「じゃあパエリアがいいな。
得意料理を食べてみたいから。
じゃあ、今度の休日空いてる?
もし空いてるなら、オレ車出すから何処かに弁当持って出掛けようよ」
せっかく楓が得意料理を作ってくれるなら、キャンパス内じゃなく、何処かに出掛けてそこで弁当を食べよう。
オレは頭に浮かんだ。
「ウソーっ、車で行くの?じゃあドライブだね!どこに行こうか?」
楓もすっかり乗り気だ。
「少しこの時期じゃ寒いかも知れないけど、都内の海浜公園なんかどう?」
あの場所なら、海を眺めながらシートを敷いて弁当を食べるスペースがある。
「天気大丈夫かな?」
問題は天気か…
「まぁ、雨降ったら降ったで他の場所に行こうよ?」
少しぐらいの天候の悪さなんてどうでもいい。とにかく楓とデートをして、外で開放的に弁当を食べる。
オレにとっては何よりの楽しみだ。
「そうだね、雨降ったら他の場所に行けばいいんだし。
亮ちゃん車何乗ってるの?」
ん?車種か…おじさんの黒の高級ドイツ車貸して貰えないだろうか?
もしくは母親が乗ってるドイツ車にしようか?
でもあのドイツ車は赤で、しかもタバコ臭いからなぁ。
おじさんは確か高級ドイツ車以外にも何台が所有してるから、国産の車でもいいから貸して貰おう。
「車はね、とりあえず当日になってからのお楽しみって事で」
「えぇ~、何乗ってるの?今聞きたい~」
ハッキリとドイツ車なんて言えないしな…
貸してくれない場合もあるだろうし、どうやって言えばいいのやら…
「うーん、まぁそれなりのいい車だよ。当日楽しみに待っててよ」
何を貸してくれるか分からないし、ハッキリと車種は言えない。
「えぇ~、知りたぁい!何乗ってるの?」
…参ったな。どうやって言えばいいかな。
「まぁ、そこそこグレードの高い車なんだけど。
とにかく楽しみに待っててよ」
それしか言えない。
「うーん、じゃあ当日まで待つけど…その車、亮ちゃんの車なの?」
オレの車じゃないけど、ここはハッキリ言った方がいいのだろうか?
「いや、オレの車かといえばオレの車なんだけど、ちょっと知り合いから譲ってもらう予定なんだ。
ただちょっと今譲ってくれる人が忙しくて中々連絡取れないけど、当日までのお楽しみという事で」
何のクルマを貸してくれるかかな…
「それならいいんだけど…亮ちゃん運転とか大丈夫?」
…実のところ、免許を取って車を運転したのは数える程だ。
でもまぁ何とかなるだろう。
「オレ、高校卒業して直ぐに教習所に通って免許取ったんだよ。運転なら大丈夫」
…学校が終わったら、おじさんに連絡してみよう。
車貸してくれって必死に頼み込むしかない。
おじさんも【ノー】とは言わないだろが、さすがにドイツ車は貸してくれないだろ…
「ま、いいか。亮ちゃんが運転に慣れてるなら、どんな車でもいいよ」
ニコッと笑って、食べ終わった弁当箱を片付けた。
変なクルマじゃなきゃいいんだが…
おまけに二日酔い、風呂にも入らず、歯も磨かないという、汚い格好で学校に来た。
楓の作る弁当を食べに来た。それだけだった。
まだ少し頭がガンガンする…
ダメだ、少し寝よう。
オレは講義中ひたすら寝ていた。
「…おい、起きろよ!飯だぞ」
ヒロトに肩を揺すられて目が覚めた。
「…え、昼?」
ハッと我に返り、オレは楓の待つベンチに行かなきゃと、バッグを持って教室を出た。
「悪ぃ、今日ちょっと用事あって食堂に行けないから」
後ろを振り向き、ヒロトにそう告げてダッシュで階段を下りていった。
ヒロトに起こされなきゃずっと寝たままだったな。
ヒロトに感謝しつつ、外へ出た。
いつもの自販機の脇にあるベンチに楓は座って待っていた。
今日は珍しくニーハイじゃなく、黒のストッキングだった。
「ハァハァ、ハァ、遅くなってゴメン!…あ、今日ニーハイじゃないじゃん?」
二日酔いでダッシュしたせいか、気持ち悪い。
雲一つない良い天気とは言え、季節は完全に冬だ。
それでも楓は脚を出すようなファッションだ。
「…うん、ニーハイじゃなく、たまにはストッキングにしてみようと思って。似合うかな?」
「いいよ!すごく似合うし、美脚だからニーハイもいいけど、ストッキングの方が断然良いよ」
脚フェチではないが、楓の美脚はこのキャンパス内でもトップクラスだ。
そもそも楓以外の女に興味はないから比較してないけど、間違いなく美脚だ。
「…何かそう言われるとちょっと恥ずかしいかな」
楓は照れ臭そうにして、アハハハハっと笑った。
「何飲む?」
オレは自販機の前で財布の中から小銭を取り出した。
「えっ、私今日お茶持ってきたよ。それ飲もうよ」
楓はバッグの中からかなり大きめのステンレスボトルと、これまた大きめのハンカチに包んである二つ重なった弁当箱をオレに渡した。
「はい、これ今日のお弁当。確か古賀くん鮭のおにぎりがいいって言ってたよね」
ハンカチを広げると、おにぎりが三個入った弁当箱と、おかずの入った弁当箱に分かれて、おかずには前回と同じ唐揚げに玉子焼き、ウインナーにサラダがギッシリと詰まっていた。
「おぉーっ、今日も美味そうな物ばっかじゃん!及川って料理上手だな」
「あ…ゆうべLINEで送ったじゃん?これからは名字じゃなく、下の名前で呼び合おうって」
…えっと、そんな事書いてあったっけ?
オレはスマホでゆうべの楓とのやり取りを見た。
ホントだ。これからはお互い下の名前で呼び合おうって書いてあった。
でもなぁ…今から急に楓って呼ぶのも何だか照れ臭いというか、何というか…
それに楓だってオレの事【古賀くん】て呼んでたじゃん。
「でも今オレの事、古賀くんって言ったじゃん」
楓も照れ臭いのか、少し戸惑ってるような…
「うーん、じゃあ亮ちゃん!
いいでしょ、亮ちゃんって?」
好きな女に名字じゃなく、名前で呼ばれた…
亮ちゃんと呼ばれるのは悪くない、むしろ何という心地よさ…
幸せだ…二日酔いが一気に吹き飛んだ。
「んじゃあ、楓…いただきます」
恥ずかしい…照れながらおにぎりを食べた。
「あぁ~この塩加減ちょうどいい!これ韓国のり巻いてるの?」
ごま油の香ばしい匂いに、ちょうどいい塩加減。
オレは早くも一個を食べ終わり、次のおにぎりに手を出した。
「良かったぁ、美味しいって言ってくれて。おかずも食べて」
楓が嬉しそうな表情を浮かべ、オレは唐揚げとウインナーを食べた。
「うん、美味い。しかしよくあれだけ飲んで二日酔いにならなかったなぁ?」
楓はケロッとしている。
こんな小さな身体に大量のアルコールが入ってもケロッとしている。
「どういうワケか、いくら飲んでも酔わないんだよね、私の場合」
体質なのかな。
しかも酒の匂いすらしない。
オレ酒臭くないかな?
思わず着ている服の匂いを嗅いだ。
「どうしたの?」
「ん?あ、いや何でもない。オレ酒臭いかなぁっと思って」
酒臭いのもあるが、昨日風呂にも入ってなかったし、頭も洗ってないから匂いとか気にならないかな?何て事を思いながら、あっという間に弁当を食べた。
「大丈夫だよ。
それよりかなりお腹空いてたのね。これだけじゃ足りないんじゃないの?」
楓はオレがあまりの食欲に、自分の弁当を少し分けようとした。
「いや、もう大丈夫。ご馳走さまでした。
こうやって弁当作ってもらえるなんて、やっぱ幸せだよなぁ~」
オレは有頂天だった。
「また作ってあげるよ。でも毎回おにぎりばっかじゃ飽きるでしょ?他にリクエストがあれば作るけど」
リクエストと言われても…食い物に執着心が無いし、何をリクエストすればいいのやら…
「そうだ、今度は一番得意な料理を作ってくれないかな?それ食べてみたい」
得意料理は何か知らないけど、楓の作る料理なら何でもいいや。
「私の得意料理?いいけど、お弁当に合うかなぁ」
お茶を飲みながら楓はうーん、と考えていた。
「何が得意料理なの?」
オレもお茶を飲み、ポカポカ陽気に包まれながら、この心地よい雰囲気に身を任せていた。
「カレーとかシチューでしょ?後はパエリアとか」
カレーやシチューを弁当にするのは難しいが、パエリアなら大丈夫じゃないかな。
「じゃあパエリアがいいな。
得意料理を食べてみたいから。
じゃあ、今度の休日空いてる?
もし空いてるなら、オレ車出すから何処かに弁当持って出掛けようよ」
せっかく楓が得意料理を作ってくれるなら、キャンパス内じゃなく、何処かに出掛けてそこで弁当を食べよう。
オレは頭に浮かんだ。
「ウソーっ、車で行くの?じゃあドライブだね!どこに行こうか?」
楓もすっかり乗り気だ。
「少しこの時期じゃ寒いかも知れないけど、都内の海浜公園なんかどう?」
あの場所なら、海を眺めながらシートを敷いて弁当を食べるスペースがある。
「天気大丈夫かな?」
問題は天気か…
「まぁ、雨降ったら降ったで他の場所に行こうよ?」
少しぐらいの天候の悪さなんてどうでもいい。とにかく楓とデートをして、外で開放的に弁当を食べる。
オレにとっては何よりの楽しみだ。
「そうだね、雨降ったら他の場所に行けばいいんだし。
亮ちゃん車何乗ってるの?」
ん?車種か…おじさんの黒の高級ドイツ車貸して貰えないだろうか?
もしくは母親が乗ってるドイツ車にしようか?
でもあのドイツ車は赤で、しかもタバコ臭いからなぁ。
おじさんは確か高級ドイツ車以外にも何台が所有してるから、国産の車でもいいから貸して貰おう。
「車はね、とりあえず当日になってからのお楽しみって事で」
「えぇ~、何乗ってるの?今聞きたい~」
ハッキリとドイツ車なんて言えないしな…
貸してくれない場合もあるだろうし、どうやって言えばいいのやら…
「うーん、まぁそれなりのいい車だよ。当日楽しみに待っててよ」
何を貸してくれるか分からないし、ハッキリと車種は言えない。
「えぇ~、知りたぁい!何乗ってるの?」
…参ったな。どうやって言えばいいかな。
「まぁ、そこそこグレードの高い車なんだけど。
とにかく楽しみに待っててよ」
それしか言えない。
「うーん、じゃあ当日まで待つけど…その車、亮ちゃんの車なの?」
オレの車じゃないけど、ここはハッキリ言った方がいいのだろうか?
「いや、オレの車かといえばオレの車なんだけど、ちょっと知り合いから譲ってもらう予定なんだ。
ただちょっと今譲ってくれる人が忙しくて中々連絡取れないけど、当日までのお楽しみという事で」
何のクルマを貸してくれるかかな…
「それならいいんだけど…亮ちゃん運転とか大丈夫?」
…実のところ、免許を取って車を運転したのは数える程だ。
でもまぁ何とかなるだろう。
「オレ、高校卒業して直ぐに教習所に通って免許取ったんだよ。運転なら大丈夫」
…学校が終わったら、おじさんに連絡してみよう。
車貸してくれって必死に頼み込むしかない。
おじさんも【ノー】とは言わないだろが、さすがにドイツ車は貸してくれないだろ…
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