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第二章 彼女
こういうとこ、初めてだから…
確かこの繁華街の裏通りはホテル街のはず。
まさか楓からホテルに行こうだなんて思ってもいない展開だ。
ホテルに行くって事は…そういう事になるよな、フツーは。
あの時以来、キスをしていない。
また拒絶されるのもイヤだし、手を繋ぐだけで止めている。
終電も無くなった事だし、他に行く所も無い。
会計を済ませて階段を下りた。
「うゎっ、スゴい寒~い」
そんなに寒いなら短いスカートなんて履かなきゃいいのに…と思うんだが、拘りなんだろうか。
付き合い始めてから楓はニーハイを履かなくなった。
もっぱら黒のストッキングで美脚を披露している。
「目の前にインターネットカフェあるじゃん。ここじゃダメなの?」
居酒屋の向かいのインターネットカフェを指さした。
「えぇ~っ、だってネカフェって確かアルコールの持ち込み禁止じゃなかった?まだ飲み足りないし、ホテルでいいじゃん」
オレもそこに行くつもりは無い。
念の為に敢えてネカフェはどう?と聞いただけだ。
もし、楓が「うん」と言ったらネカフェで一晩過ごす事になっただろう。
悶々としながら。
よし、じゃあ行こう。
裏路地に足を踏み入れると、とても住宅街ではありえない建物ばかりが並んでいた。
お城のような造りや、インテリアデザイナーが手掛けたようなモダンな建物が軒並みに建ってある。
どこにしようか?
「あっ!」
何かを思い出したように、楓が声を上げた。
「その前にコンビニ行こうよ。ビール買って中で飲もう?」
もう、酒はいいだろ!
ホントに朝まで飲むつもりかよ?
「…あのさ。ビール買うのはいいけど、ああいう場所だよ?しかもオレたち付き合ってるんだよ。
そういう感じになってもいいの?」
しつこいようだが、何度も念を押す。
当の本人は何の事だか理解出来ておらず、キョトンとしている。
「そういう感じって?どんな感じ?」
勘が鈍いのか、天然なのか、それとも惚けているのか…
「いや、その…まぁいいや、コンビニ行こう」
【これからセックスするんだよ、オレたちは!】ハッキリ言うつもりだったのに。
ホテル街にポツンと一軒のコンビニがあった。
「いつも亮ちゃんに出して貰ってるから、ここは私が払うね」
かごを片手にアルコールのコーナーへ向かい、次から次へと缶をかごに入れた。
「一体何本入ってんだ?…10本以上あるじゃないか!」
空いた口が塞がらない…
「後はおつまみと…ポテチとかでいい?」
嬉しそうな表情だ。
もしかして楓はラブホに行ったことがあるのか?
オレは初めてだけど。
そう考えたら、オレの方がドキドキしてきた。
どうしよう、慣れてないからテンパりそうだ…
「あ…いいよ、楓。オレが出すから」
「いいの、ここは私が払うから」
楓は財布から一万円札を出した。
アルコール類だけでかなりの金額だ。
缶がギッシリ入って袋が重い。破けないか心配だ。
「…亮ちゃん」
コンビニを出ると楓は真顔になり、畏まったような口調で話した。
「ん?」
オレは立ち止まり、耳を傾けた。
「私、こういうとこに入るの初めてだから…亮ちゃんと一緒に朝までいられるのが嬉しいから…」
下を向きながら恥ずかしそうにしてオレに寄り添った。
オレは楓の肩を抱くようにして、お城のような建物のホテルに入った。
まさか楓からホテルに行こうだなんて思ってもいない展開だ。
ホテルに行くって事は…そういう事になるよな、フツーは。
あの時以来、キスをしていない。
また拒絶されるのもイヤだし、手を繋ぐだけで止めている。
終電も無くなった事だし、他に行く所も無い。
会計を済ませて階段を下りた。
「うゎっ、スゴい寒~い」
そんなに寒いなら短いスカートなんて履かなきゃいいのに…と思うんだが、拘りなんだろうか。
付き合い始めてから楓はニーハイを履かなくなった。
もっぱら黒のストッキングで美脚を披露している。
「目の前にインターネットカフェあるじゃん。ここじゃダメなの?」
居酒屋の向かいのインターネットカフェを指さした。
「えぇ~っ、だってネカフェって確かアルコールの持ち込み禁止じゃなかった?まだ飲み足りないし、ホテルでいいじゃん」
オレもそこに行くつもりは無い。
念の為に敢えてネカフェはどう?と聞いただけだ。
もし、楓が「うん」と言ったらネカフェで一晩過ごす事になっただろう。
悶々としながら。
よし、じゃあ行こう。
裏路地に足を踏み入れると、とても住宅街ではありえない建物ばかりが並んでいた。
お城のような造りや、インテリアデザイナーが手掛けたようなモダンな建物が軒並みに建ってある。
どこにしようか?
「あっ!」
何かを思い出したように、楓が声を上げた。
「その前にコンビニ行こうよ。ビール買って中で飲もう?」
もう、酒はいいだろ!
ホントに朝まで飲むつもりかよ?
「…あのさ。ビール買うのはいいけど、ああいう場所だよ?しかもオレたち付き合ってるんだよ。
そういう感じになってもいいの?」
しつこいようだが、何度も念を押す。
当の本人は何の事だか理解出来ておらず、キョトンとしている。
「そういう感じって?どんな感じ?」
勘が鈍いのか、天然なのか、それとも惚けているのか…
「いや、その…まぁいいや、コンビニ行こう」
【これからセックスするんだよ、オレたちは!】ハッキリ言うつもりだったのに。
ホテル街にポツンと一軒のコンビニがあった。
「いつも亮ちゃんに出して貰ってるから、ここは私が払うね」
かごを片手にアルコールのコーナーへ向かい、次から次へと缶をかごに入れた。
「一体何本入ってんだ?…10本以上あるじゃないか!」
空いた口が塞がらない…
「後はおつまみと…ポテチとかでいい?」
嬉しそうな表情だ。
もしかして楓はラブホに行ったことがあるのか?
オレは初めてだけど。
そう考えたら、オレの方がドキドキしてきた。
どうしよう、慣れてないからテンパりそうだ…
「あ…いいよ、楓。オレが出すから」
「いいの、ここは私が払うから」
楓は財布から一万円札を出した。
アルコール類だけでかなりの金額だ。
缶がギッシリ入って袋が重い。破けないか心配だ。
「…亮ちゃん」
コンビニを出ると楓は真顔になり、畏まったような口調で話した。
「ん?」
オレは立ち止まり、耳を傾けた。
「私、こういうとこに入るの初めてだから…亮ちゃんと一緒に朝までいられるのが嬉しいから…」
下を向きながら恥ずかしそうにしてオレに寄り添った。
オレは楓の肩を抱くようにして、お城のような建物のホテルに入った。
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