49 / 57
恋人同士じゃないかも
しおりを挟む
ある日部屋で日本シリーズを観ていた。
巨人対近鉄。
巨人が三連敗の後、四連勝して日本一に輝いた。
巨人ファンだった僕は、三連敗した時に、あぁ、もうダメだなぁと諦めたが、そこから四連勝して日本一になったのだから、大いに喜んだ。
「ギャッハッハッハッハッハ!日本一になったじゃねーか、おい!早く出せコノヤロー!」
僕は会社で、同期の山本と賭けをしていた。
アンチ巨人の山本は、近鉄の日本一に賭け、僕は巨人に賭けた。
負けたヤツが5000円払うという約束をしたのだ。
「オレ今3000円しかねぇよ。給料日まで待ってくれよ。」
「この貧乏人が!必ず払えよ!」
山本は無駄遣いが多い。
給料が入ると必ず飲みに出かける。
しかもかなり飲むから、1度に使う額が大きい。
僕と一緒で入社2年目のハタチで酒が大好きなヤツだ。
酒さえあれば満足という単純なヤツだから羨ましい。
「そうだ、お前って吉田さんと付き合ってんの?会社じゃ有名だぞ。」
不意に山本がそんな話を切り出した。
「えっ、そうなの?」
「吉田さんとかなり親しげに話してるから、絶対付き合ってんだぜって噂だぞ。」
もしかして、可南子の家に入り浸っているのがバレたのかもしれない。
「噂かぁ。そうだったら大変だなぁ。」
「違うの?」
「だったら本人に聞いてみりゃいいよ。小野と付き合ってんすか?って。」
開き直って、直接可南子に聞けばいいと言ってみた。
「イヤだよ、何かあの人苦手だし。」
「へー、何で?」
「前に仕事が遅いっ!てスゲー怒られてさ。ムカついたけど、口じゃ敵わないしなぁ、だから苦手なんよ。」
「そりゃ怒られるわな。フツーにやってりゃ、何も言わないよ、あの人は。」
山本は要領が悪い。おまけに場の空気を読まないから、先輩によく怒られてる場面を見かける。
でも、根は真面目だから、何だかんだと言われつつ、目をかけてくれてる先輩もいるから幸せなヤツだ。
僕は可南子の家に頻繁に通うようになってから飲みに誘われるような事は無くなった。
可南子も僕と一緒で、飲みに誘われて無いんじゃないか。
てことは、皆は僕と可南子が付き合ってるからって気を使ってるのだろうか。
いや、まさかそんな事はないだろ。
というより、僕と可南子は付き合ってるって事になるのだろうか。
確認する必要もないし、今更聞いてもしょうがない。
僕としては、可南子と付き合っているのは確かだが、彼女とは違う。
前にも述べたが、恋人という感覚よりも、セフレに近い感覚だ。
お互い好きだと言った事もない、出掛けた事だって1度も無い。
いつも可南子の部屋で夕飯を食べてセックスして寝るだけだ。
これを恋人同士と呼べるのだろうか?
でも、1度ぐらい聞いてみようかな。
僕たち恋人同士なのか?って。
巨人対近鉄。
巨人が三連敗の後、四連勝して日本一に輝いた。
巨人ファンだった僕は、三連敗した時に、あぁ、もうダメだなぁと諦めたが、そこから四連勝して日本一になったのだから、大いに喜んだ。
「ギャッハッハッハッハッハ!日本一になったじゃねーか、おい!早く出せコノヤロー!」
僕は会社で、同期の山本と賭けをしていた。
アンチ巨人の山本は、近鉄の日本一に賭け、僕は巨人に賭けた。
負けたヤツが5000円払うという約束をしたのだ。
「オレ今3000円しかねぇよ。給料日まで待ってくれよ。」
「この貧乏人が!必ず払えよ!」
山本は無駄遣いが多い。
給料が入ると必ず飲みに出かける。
しかもかなり飲むから、1度に使う額が大きい。
僕と一緒で入社2年目のハタチで酒が大好きなヤツだ。
酒さえあれば満足という単純なヤツだから羨ましい。
「そうだ、お前って吉田さんと付き合ってんの?会社じゃ有名だぞ。」
不意に山本がそんな話を切り出した。
「えっ、そうなの?」
「吉田さんとかなり親しげに話してるから、絶対付き合ってんだぜって噂だぞ。」
もしかして、可南子の家に入り浸っているのがバレたのかもしれない。
「噂かぁ。そうだったら大変だなぁ。」
「違うの?」
「だったら本人に聞いてみりゃいいよ。小野と付き合ってんすか?って。」
開き直って、直接可南子に聞けばいいと言ってみた。
「イヤだよ、何かあの人苦手だし。」
「へー、何で?」
「前に仕事が遅いっ!てスゲー怒られてさ。ムカついたけど、口じゃ敵わないしなぁ、だから苦手なんよ。」
「そりゃ怒られるわな。フツーにやってりゃ、何も言わないよ、あの人は。」
山本は要領が悪い。おまけに場の空気を読まないから、先輩によく怒られてる場面を見かける。
でも、根は真面目だから、何だかんだと言われつつ、目をかけてくれてる先輩もいるから幸せなヤツだ。
僕は可南子の家に頻繁に通うようになってから飲みに誘われるような事は無くなった。
可南子も僕と一緒で、飲みに誘われて無いんじゃないか。
てことは、皆は僕と可南子が付き合ってるからって気を使ってるのだろうか。
いや、まさかそんな事はないだろ。
というより、僕と可南子は付き合ってるって事になるのだろうか。
確認する必要もないし、今更聞いてもしょうがない。
僕としては、可南子と付き合っているのは確かだが、彼女とは違う。
前にも述べたが、恋人という感覚よりも、セフレに近い感覚だ。
お互い好きだと言った事もない、出掛けた事だって1度も無い。
いつも可南子の部屋で夕飯を食べてセックスして寝るだけだ。
これを恋人同士と呼べるのだろうか?
でも、1度ぐらい聞いてみようかな。
僕たち恋人同士なのか?って。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
8
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる