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第1話 平凡を望む男子高校生
しおりを挟む今から17年前、ある家に一人の男の子が生まれた。その男の子はとてもとても可愛らしく、女の子のように見えたそうな。彼の両親は彼に女の子っぽい名前として
千尋(ちひろ)と命名した。
そして、その両親からの愛を受けて育ったその男の子は17年後の現在・・・
「うわ、アイツ来たわよ。ヤダー。」
「今日も相変わらず感じ悪いなー。」
・・・・・嫌われ者として学園じゅうで有名になっていた。
見事に可愛らしい女の子顔のあの男の子は、成長過程で何があったのか、その後徐々に男になっていき、現在誰がどう見ても男である。
(チッ!リア充共がこっち見てんじゃねぇよ!)そして、その性格もかなり荒れたものになっていた。
2-C
いつもの教室。彼が教室に入ると、騒いでいた教室は多少静かになり、ヒソヒソと彼の噂話があちらこちらで始まる。この光景も、もはや慣れたものだ。
彼は一切気にせず、自分の席で勉強にせいを出す。(数学の小テストの成績があまり振るわなかった。もう一度復習して、分からないところがあったら担当教師に質問に行こう。)
彼は性格は悪いが、勉強はしっかりしており、成績もかなり優秀だった。
すると、その横から
「おーーー!この前の小テスト85点!?ねー凄いね!ねー凄いねー!」
・・・・・ナレーション的なヤツが語ってもあまりコイツのことを語ることはできなそうなので、ここから先はナレーションも俺が務める。
あらためて、この物語の主人公。小泉千尋(こいずみちひろ)だ。4月21日生まれ17歳。血液型はA型。身長178cm、体重64kg。学校じゅうから避けられている。
と、その前に勘違いしないでほしいのは、俺は全くをもっていじめられているということではないということだ。無論、いじめはよくないことだ。俺がいじめられっ子だったら、どんなに脅迫されても教師に言いつける。
そう、俺は自分で望み今の学園生活を送っているということだ。
おっと、少し話がそれてしまった。本題に戻るが、今話しかけてきたヤツが七海夏希(ななみなつき)。皆に分かるように言おう。
この女、空前絶後のバカである。
85点が凄いだと?この小テスト平均点75点だぞ。それに対しこの女と来たら
「あたしなんて58点しか取れなかったよー」
お前、記憶力ないのか?5点だっただろ。
はぁ。なんというか、コイツと関わっていると生気を吸いとられそうだ・・・
「あ!そうそう千尋!」
馴れ馴れしく俺を千尋って呼ぶな。
「友達として頼みたいんだけどさー。」
お前と友になった覚えがないな。
「プリン買ってくれない!?」
用は済んだな。消えろ。
な?分かったろ?コイツと関わると厄介だ。こんなヤツのために購買でプリン(160円)買うほど俺の心は広くない。
「ねーねー、ちーひーろー。」
言わないと分からないのか?返事はNOだ。
「買って買ってー!」
テメェは5歳児か。駄々こねるな。さっきからクラスの視線がこっち向いてて恥ずかしい。
チッ!こうなったら・・・
ゴゴゴゴゴゴ
「うわ!小泉、今日もオーラスゲーな。」
「いや、でもこれは・・・」
・・・・・チッ、効かないか。
俺はなんやかんやで人が寄り付かないようなオーラを発することができる。だが、コイツに効果はないらしい。
理由はなんとなく分かる。この女、空気が読めないのである。空気が読めないヤツにオーラを感じることなど絶対不可能なのだ。
「ちーひーろー、ちーひーろー!」
うるせぇバカ、黙れ。
「プーリーンー、食べたいのー!」
うるせぇバカ、自分の金で買え。
・・・・・金?そうか、コイツバカだから金持ってきてないのか。なるほど、なら
俺は財布から160円を取りだし、七海の目の前に持ってきた、すると、
「金ぇ、金ぇ。」
ビンゴかよ。ていうか反応気持ち悪っ!
七海は金をずっと見た状態である。ヨダレ垂れた状態ですごく気持ち悪い。
まあ、いいや。さっさとどっか行け!
俺は小銭を廊下に向かって投げた。すると、
「お金ぇーーーー!!!」
七海はそれを追いかけ、廊下へ。これで恐らくプリン買って、食って、満足するから、しばらくは俺に関わってくることもないだろう。
5分後
俺は、小テストの復習の続きをしていた。
この⑧とか難しいな。後で聞きにいくか。
と、思っていたとき、ガララララ!勢いよくドアが開いた。すると、七海が俺のほうに来た。
「プリン売り切れてた!」
どうでもいい。とりあえず、黙るということを覚えろ。
やれやれ、しょうがないから放課後コンビニでプリン買ってやるか・・・
と次に彼女が放った言葉に俺は初めてコイツがいいヤツだなと思う。
「千尋がお金くれたから、お礼にコーヒー買ったよ。」え?こいつ・・・こんなヤツだったの?今、少し見直しちゃったんだけど。
「でも、最終的に飲みたかったから、飲んじゃった!」・・・・・前言撤回だ。もうお前に金渡さねえ。
結論を言うと、七海夏希は空前絶後のバカである。
と、いう感じで第1話は終結する。
ザワザワザワザワ
俺が廊下を歩くと、人々は端により、俺の悪口を言う。それが俺の日常。俺が望んだ、俺の中の平和な日常。
だが、それを邪魔する人間は七海以外にもいろいろと存在する。次はその二人目を紹介しよう。
第2話に続く
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