本人は至って真面目です

上谷満丸

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発達障害のこと

困りごと1 夏休みの宿題

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 さて、皆さんはちょうど夏休みの宿題の追い込みの時期だと思いますので、私が小学生の時と中学生の時の夏休みの宿題のやり方について今日は語らせていただきます。
 小・中学校の夏休みの宿題と言えば皆さんは何を思い出しますか? 日記、読書感想文、算数の問題集、自由研究などがあげられでしょうか?今はどうかわかりませんが、私の時代で覚えているのはその四つでしたね。
 ここで広汎性発達障害の特徴を一つ説明させていただきます。人と共感しない。つまり自分の考えが正しいと思い込み、それ以外の考えがあることが理解できないというものがあります。何故いきなりこの特性をだしたか、それは読書感想文という他人の気持ちを書かなければいけない国語という教科そのものが当時憎しみを抱くくらい嫌いだったのです。

 読んだ本に対する感想を特に持てなかった私は先生に
「読書感想文の意味がわかりません」
 と聞きました。だけど先生は
「読んだ感想を書けばいいの、有名な本を貸してあげるからこれで感想文書いてね」
 と言われました。渡されたのはヘルマン・ヘッセの『車輪の下』という本でした。今考えると先生も読書感想文がわからないという生徒に渡すにはレベルが高すぎる気がします。
 当然こんな難しい本……私には難しい本を渡されて、読んでは閉じて、読んでは閉じてを繰り返して夏休みの中盤にその恐るべき読書感想文が完成しました。
『面白くなかった』
 自信満々で提出した読書感想文は先生に怒られ、何故こんなものを提出したのかと再提出しなさいと言われたので、若干怒りながら続きを書きました。
『主人公が暗すぎて面白くない。男同士がキスしたりするのはどうかと思います』
 みたいなことを長々と書いて渋々合格になりました。

 このように読書感想文を書くという事の意味が分からないと悩んでいる子供は理系に進みましょう。そんな馬鹿でも医療系の専門学校を卒業できるくらいにはなれます。資格はとれませんでしたがねー。
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