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自由の魔獣召喚編
決着つきました
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訓練場のような場所。壁沿いに噂を聞きつけた者たちで溢れかえっていた。よく見れば周囲の建物の窓から使用人たちも顔を出している。
その中央で、リオンとジャンヌ団長は向かい合う。
そして中心に、ジャンヌ団長の部下らしき女性が立つ。
「時間は無制限。どちらかが戦闘不能となるか、降参を宣言すれば決着。よろしいですか?」
「構わん」
「ああ」
二人は揃って剣を構えた。
「では……始め!!」
瞬間、団長の姿が消えた。否。姿勢を低くしてリオンへと一気に突っ込んだのだ。
その速さはまさしく弾丸。並の兵士ならば反応すら出来ずに終わりであろう。
団員も嘆息する。これは決まった。このクソ生意気な勇者もこれで終わりだ、とそう思っていた。
ギィンと金属音が響くまでは。
「へえ、これがこの世界の人間基準か?」
相手の剣を自身の剣で受け止めた音だ。
騎士団員がどよめき、ジャンヌも眉をピクリと動かす。
しかし一瞬で剣を引き、ニ太刀。
またも受け止めるリオン。
ギィンギィンと、剣がぶつかり合う音が響き渡る。
一撃一撃が必殺であり、勝利へとつなげる布石。並みの人間には反応することも許さず、仮に受け止めても体ごと吹っ飛ばされるような力が込められている。それも防いでも次の攻撃が流れるように繰り出され、終わりを迎えるであろう。
それを全て受け止め、受け流している。しかも顔色一つ変えることなく。
自分があの場にいたならすでに10回は死んでいる。団員たちは自身がリオンの立場にいることを想像し、戦慄した。
団長は表情を変えることなくリオンに連撃を加えた。
決してバカの一つ覚えのような、同じ攻撃ばかり繰り返しているわけではない。
ジャンヌの剣は段々速くなっている。フェイントも増え、次々と技を繋げて繰り出す。剣も拳も蹴りも頭も。用いるものすべてをフルに使った。
攻撃だけではない。自身の編み出した歩法)に数々の技。全てを使って向かう。
その戦いを周囲の者たちは黙って眺める。手汗で濡れる掌を握りしめ、勝敗の行く末を見守った。
「(…へえ、この団長はなかなかやるじゃねえか)」
対して、リオンは余裕だった。
たしかに人間基準で見ればジャンヌは強いかもしれない。しかし彼女が目の前にしているのは魔界の覇者なのだ。
たとえどれほど工夫しようとも、技を編み出そうとも。圧倒的な暴力で蹂躙されるのみ。蟻一匹では竜に勝てないように、人間が彼に勝つなど無理な話なのだ。
しかし彼は決して蹂躙は行わない。なぜならもっと見てみたいから。
彼の目的はジャンヌに勝つことではない。この国の人間の強さを見極め、そして学ぶことである。そのためなら勝敗などどうでもよいのだ。
もっと見せろ。もっと技と駆け引きを見せて学ばせてくれ。俺を楽しませてくれ。
止める。止める。受け止める。
一瞬たりとも止むことのない、万力の剣戟。リオンはそれを受け止めて見せた。
流す。流す。受け流す。
緩急を付け、角度を変え、威力を調整して。虚実を交えたソレを見極める。
「どうした?魔法やスキルは使わないのか?」
「黙れ!」
リオンの提案を蹴るジャンヌ。
貴様がスキルも魔法も使ってないというのに、こちらだけが使うなんて無様な真似が出来るか!
「(……おのれ!!)」
血気迫る表情で剣を振るうジャンヌ。
速く、もっと速く。もはやジャンヌの頭の中には勇者だの誇りだのはどうでもよくなっていた。ただ全身全霊でこの男を斬る。そのために、速く、もっと速く。
しかしその茶番も終いである。
「えい」
「きゃあ!!」
リオンが剣を軽く振るう。
彼にとっては加減した一撃。だが、団長にとっては、それは最大の一撃に等しかった。
例えるなら猫がネズミにじゃれつくようなもの。猫はその気がなくてもネズミにとっては必殺の一撃のようなものだ。
「う……くっ!?」
なんとか剣で受け止めたが、その余波だけで彼女はボロボロだった。………肉体だけではなく精神も。
たった、たった一撃である。
リオンは初めて攻撃した。その初めての一撃で、あの気の抜けた一撃で自分は倒れた。
なんと情けないことか。あれだけ威勢のいい態度をとってこの有様とは。自分でも自分がおかしく思えてきた。
「………もういいか」
「………ええ、私の負けよ」
リオンに突っかかってきた態度とは打って変わって。ジャンヌは弱弱しい声で言った。
その中央で、リオンとジャンヌ団長は向かい合う。
そして中心に、ジャンヌ団長の部下らしき女性が立つ。
「時間は無制限。どちらかが戦闘不能となるか、降参を宣言すれば決着。よろしいですか?」
「構わん」
「ああ」
二人は揃って剣を構えた。
「では……始め!!」
瞬間、団長の姿が消えた。否。姿勢を低くしてリオンへと一気に突っ込んだのだ。
その速さはまさしく弾丸。並の兵士ならば反応すら出来ずに終わりであろう。
団員も嘆息する。これは決まった。このクソ生意気な勇者もこれで終わりだ、とそう思っていた。
ギィンと金属音が響くまでは。
「へえ、これがこの世界の人間基準か?」
相手の剣を自身の剣で受け止めた音だ。
騎士団員がどよめき、ジャンヌも眉をピクリと動かす。
しかし一瞬で剣を引き、ニ太刀。
またも受け止めるリオン。
ギィンギィンと、剣がぶつかり合う音が響き渡る。
一撃一撃が必殺であり、勝利へとつなげる布石。並みの人間には反応することも許さず、仮に受け止めても体ごと吹っ飛ばされるような力が込められている。それも防いでも次の攻撃が流れるように繰り出され、終わりを迎えるであろう。
それを全て受け止め、受け流している。しかも顔色一つ変えることなく。
自分があの場にいたならすでに10回は死んでいる。団員たちは自身がリオンの立場にいることを想像し、戦慄した。
団長は表情を変えることなくリオンに連撃を加えた。
決してバカの一つ覚えのような、同じ攻撃ばかり繰り返しているわけではない。
ジャンヌの剣は段々速くなっている。フェイントも増え、次々と技を繋げて繰り出す。剣も拳も蹴りも頭も。用いるものすべてをフルに使った。
攻撃だけではない。自身の編み出した歩法)に数々の技。全てを使って向かう。
その戦いを周囲の者たちは黙って眺める。手汗で濡れる掌を握りしめ、勝敗の行く末を見守った。
「(…へえ、この団長はなかなかやるじゃねえか)」
対して、リオンは余裕だった。
たしかに人間基準で見ればジャンヌは強いかもしれない。しかし彼女が目の前にしているのは魔界の覇者なのだ。
たとえどれほど工夫しようとも、技を編み出そうとも。圧倒的な暴力で蹂躙されるのみ。蟻一匹では竜に勝てないように、人間が彼に勝つなど無理な話なのだ。
しかし彼は決して蹂躙は行わない。なぜならもっと見てみたいから。
彼の目的はジャンヌに勝つことではない。この国の人間の強さを見極め、そして学ぶことである。そのためなら勝敗などどうでもよいのだ。
もっと見せろ。もっと技と駆け引きを見せて学ばせてくれ。俺を楽しませてくれ。
止める。止める。受け止める。
一瞬たりとも止むことのない、万力の剣戟。リオンはそれを受け止めて見せた。
流す。流す。受け流す。
緩急を付け、角度を変え、威力を調整して。虚実を交えたソレを見極める。
「どうした?魔法やスキルは使わないのか?」
「黙れ!」
リオンの提案を蹴るジャンヌ。
貴様がスキルも魔法も使ってないというのに、こちらだけが使うなんて無様な真似が出来るか!
「(……おのれ!!)」
血気迫る表情で剣を振るうジャンヌ。
速く、もっと速く。もはやジャンヌの頭の中には勇者だの誇りだのはどうでもよくなっていた。ただ全身全霊でこの男を斬る。そのために、速く、もっと速く。
しかしその茶番も終いである。
「えい」
「きゃあ!!」
リオンが剣を軽く振るう。
彼にとっては加減した一撃。だが、団長にとっては、それは最大の一撃に等しかった。
例えるなら猫がネズミにじゃれつくようなもの。猫はその気がなくてもネズミにとっては必殺の一撃のようなものだ。
「う……くっ!?」
なんとか剣で受け止めたが、その余波だけで彼女はボロボロだった。………肉体だけではなく精神も。
たった、たった一撃である。
リオンは初めて攻撃した。その初めての一撃で、あの気の抜けた一撃で自分は倒れた。
なんと情けないことか。あれだけ威勢のいい態度をとってこの有様とは。自分でも自分がおかしく思えてきた。
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