異世界召還されたのでありがたく敵をぶっ殺します

バナナの人

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自由の魔獣召喚編

なんか突っかかってきた

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 アンドリューと別れて数時間ほど。すっかり日も登り、昼飯も大分過ぎてしまった。
 一旦プリマ姫さまがお茶会に誘ってくれたから、大体3時ごろだと思う。結局行かなかったけどな。

 俺は何度か兵士たちの訓練場を覗いたり兵士専用の図書室に立ち寄って本を読んでみた。
 図書室にはスキル辞典というものがあり、そこにスキルのあれこれが書いていた。その本を全て暗記することで、完全とはいかないがスキル対策は取れたと思う。

 しかしまさか本を暗記するよりも文字の習得に時間を取られるとは思ってなかった。あのペースならもっと掛かると思ったのだが、本が分かりやすくて助かったぜ。
 だから序でに兵法書とかも読んでみたのだが……。

「………この程度で大丈夫なのか?」

 そう、思ってた以上にこの国のレベルは低かった。
 
 まず兵士たちの訓練。まず基本的な訓練はいい。というか、俺自身そういった知識がないので理解できないのだ。
 次に戦闘の実戦訓練。これが問題なのだ。

 どいつもこいつも真正面から木刀をカンカン打ってるだけ。ただの力押しばかりだ。剣術のけの字もない。
 もしかしたらそういう訓練なのかと思っていたのだが、中には喧嘩のようなルール無用の戦闘をする者もいるのでそうではないらしい。
 これなら筋力あ体格の良い奴が勝つに決まっている。それをなんとかするために技術が存在するんだろうが。

 兵法書も同じである。書いてるのは精神論ばかりで肝心の策略や歴史などは一切書いてない。………これ本当に発行して売れるのか?
 もしかしたら偶然そういた本を引いただけかもしれないと思い、司書らしき人に聞いてみる。だが全部こんな本しかないらしい。
 これなら勢いだけでやれと言ってるようなものだぞ。その勢いを出させたり、軍を効率的に使うために策略があるんだろうが。

「………はあ~」

 大きなため息をつく。ここは本当に俺をときめかせてくれる戦いがないらしい。もう勇者なんてやめてこの国を抜け出そうか。

「あん?」

 そう思っていた矢先、何かが飛んできた。俺はそれを人差し指と中指の間で受け止める。
 刃物だ。投擲用のナイフが俺のこめかみ目がけて飛んできたのだ。

「……なんの真似だ?」

 飛んできた方角に振り向く。そこには鎧を着た少女たちが俺を憎々しげに見ていた。

 緑色の髪に翡翠のような眼。姫さまと比べると若干アレだが、それ以上に彼女は完璧なプロポーションの体つきであった。
 間違いなく美女、匂いと雰囲気から彼女も

「流石は勇者さまだ。まさか私の挨拶をあっさり受け取めるとはな」
「あんたは?」
「これは失礼した。私はジャンヌ。オリヴィア様が直々に率いる白薔薇騎士団の長だ!」

 オリヴィア? ああ、俺にいやな態度取ったあの女ね。

「それで、お前らは俺になんの用だ?」
「いえ、勇者の実力をこの目で確かめたいと思いましてね、どうか手合わせ願えませんでしょうか?」

 ジャンヌは自分の手袋を脱いで俺に投げつけた。俺の前世では手袋を投げる行為は決闘を意味していたのだが、この世界ではどうなのだろうか? とりあえず俺は拾ってみる。

「拾ったな。では決闘でその力を見せてもらおう!」

 どうやらこの世界でも同じらしい。

 コイツやけに突っかかるな。後ろにいる取り巻きも俺のことを敵でも睨むかのようだし。
 何をすればあそこまで怒らせるんだよ? 俺この世界に来たばっかりで何もしてないぜ? せいぜい戦ったぐらいなんだけど……。

「(ああ、コイツら俺が活躍したのが気に入らねえんだ)」

 前世の本で読んだことがある。部活とかで急に出来過ぎる新人が入ることでいじめられるといった話。早い話が出る杭は叩かれるってことだ。
 昨日、俺は元いた騎士や兵士を差し置いて、自分だけ活躍してしまったのだ。これは彼らにとって面白くない話であろう。

「(ならここは自分の力を見せてやらねえとな)」

 力は言葉やルールを超越する。一度実力を見せて敵対することの愚かさを思い知らせることで争いは回避できる。少なくとも魔界ではそうして生きてきた。

「そりゃいい。俺もこの国のスキルを拝もうと思ってたとこだ」









「ではルールを説明します。武器はこちらの支給するもので魔法は一つのみ使用可能です。
「ああいいぞ」

 女騎士団の説明を聞いて答える。
 それぐらいは別に良い。今のままではレベルに差がありすぎるしな。それに魔法は俺も使えるからいざという時は使うか。

「……ッチ! なら今度は武器よ!用意して!」
「はッ!」
「おい、さっきの舌打ちはなんだ?」
「今からメイドが武器を持ってくるわ。それを自由に使って」
「……無視かよ」

 言われた通りメイドの持ってきた数本の剣なから一本の剣を選ぶ。
 普通の剣だ。刃のない訓練用か装飾用の模造刀。細工らしきものもどこにもない。むしろこの状態でも鈍器として使えるな。

「選んだな。では私はこれを使う」

 奴はバラの意匠が施された剣を腰から引き抜いた。
 その剣には魔力が込められていた。術式から見るに物理強化の付加魔法エンチャントがかけられているものであろう。
 なるほど、これで身体面の差をなくすわけだ。

「……って! お前とお前との武器に差がありすぎだろ!? なんでお前のだけエンチャントがあるんだよ!?」

 俺は模造刀を地面に叩きつけて抗議した。
 魔法を使うのはまあいい。けど武器に差があるのは反対だ。そこまで俺はハンデを認めた覚えはないぞ! てかハンデ付けたら決闘の意味ねえじゃん!

「あらぁ!?貴方は勇者なのでしょ?なら当然これぐらい」
「武器は肉体の一部と同じ。ならばそれを使うのは道理でしょ?」
「それとも何かしら? 自分が使えないから卑怯と言いたいのかしら?」
「まあ! もし本当ならなんと器量の狭いことでしょうか!?」
「感じ悪! 女騎士団感じ悪!」

 なんて陰険な奴らなんだ!? まるで女子高のいじめをテーマにしたドラマみたいだ……。

「……じゃあいい。俺も自前の武器使うから。血染爪剣キリング・セイバー)」

 腕のスリットから血のように赤い剣が生えてきた。
 いつもは爪や牙などに使って斬撃の範囲を上げたり、全身に使うことで防御などにも使用できるのだがここではどうだろうか?

「な……なんだその技は!? 魔法か!?」
「ちと違うがお前らからみたらそうか。じゃあ行くぞ」
「ええ、では場所は私たち専属の訓練場よ!」
「……ここじゃねえのかよ」

 俺はしぶしぶ付いていった。
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