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04:『いつか万物の希望となる』(約40分)
前半パート
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※登場キャラクター:少花、万希、新
○蝶子の絵本・救出されたねこのおはなし
少花(しょうか):生まれ変わっても、決して諦めず……たった一人の恩人を探し続ける。
そんな、義理堅い猫のお話。
あるところに、毎日をのんびりと平和に過ごしていた、一匹のマイペースな子猫がおりました。
生まれてすぐに現在の飼い主に引き取られた子猫は、ばらばらに引き離された兄弟たちのことも、赤ん坊のほんの一時期だけ一緒にすごした親猫のことも、とくに恋しく思うこともなく。自分の置かれた状況にすぐに順応し悠々自適に生きることができる、とても肝の座った子猫だったのです。
そんな彼が一度だけ、心の底から「助けて」と叫び声を上げたことがありました。
ある日、気まぐれに押入れの天袋に入り込んで遊んでいる間に、なんと、家が火事になっていたのです。
飼い主がタバコの火の不始末に気づかぬまま外出をしてしまったのでした。
さすがの子猫もパニックになり、出口を探して走り回るも、外へ出られるドアも窓ももう全部塞がっていて……。
子猫はただ、叫び続けることしかできませんでした。
「助けて」「助けて」と、何度も声を上げる子猫。しかしそれが一体誰に聞こえるというのでしょう?
火災の混乱の中、小さな子猫の発する「にゃぁ」という小さな鳴き声が、誰の耳に届くというのでしょうか…?
もう無理だ。これ以上助けを求めたところで、誰にも見つけてもらえるはずがない。ぼくはここで死んでしまうのだ。そう思い、とうとう諦めようとしたその時……
『どこにいるの?』
子猫は、一瞬自分の耳を疑いました。けれどその声は、耳へ届いてきたのではないようで…?
『きみは今、どこにいるの? 助けに行くよ』
少し戸惑いの混じった幼い少年の声が、魔法のように子猫の心にすっと入ってきたのです。
少花(しょうか):……さて。それからどれだけの年月が過ぎたのでしょう?
かつての子猫は今、どうしていると思いますか?
…こたえはお話の冒頭。『生まれ変わっても決して諦めず、たった一人の恩人を探し続ける』。
のんびりと平和に暮らしていたマイペースな子猫は、火事の中から救い出してくれた人を……いいえ、正確には、「そのきっかけとなってくれた人を」、なりふり構わず必死になって探し続けるようになったのでした。
広い世界は子猫には無情で、救われた命をひとつ全うするまでには、ついに会うことは叶いませんでした。…それでも諦めなかった子猫は、新しい命に生まれ変わり、何度でもあの声を思い出し、いつまでも探し続けるのでした。
お礼が言いたい。受けた恩を返したい。
その一心で彼はいつまでも……きっと今も、あのときの少年を探し続けているのでしょう。
万希(まき):(………え…? それって……)
少花(しょうか):はい、このお話は、これでおしまい。いかがでしたか?
万希(まき):(少花さん、その話ってさ……!)
少花(しょうか):きっとあなたは、義理堅い子猫を応援したく…――
万希(まき):『それ………………俺の話だよ!!!』
○カフェArcadia・店内(夜)
万希(まき):「ありがとうございました~! またお越しくださいませ~!」
最後の客が退場
万希(まき):「よーっし閉店だぁ! 今日もお疲れ、俺!」
少花(しょうか):「万希くん」
万希(まき):「わっ、何だよ? 今日はまだ変なこと言ってないぞ?」
少花(しょうか):「ちょっと話がしたいんだけど、時間あるかい?」
万希(まき):「え? 何だよ急に。……そんな改まって言うって、何か大事なことか?」
少花(しょうか):「ん~………」
万希(まき):「………」
少花(しょうか):「……まぁ、コーヒー淹れるから、気楽に話そう?」
万希(まき):「………」
少花(しょうか):「怖いカオしないでよ」
万希(まき):「…もともとこういうカオだ」
少花(しょうか):「(軽く笑いながら)そうだったね」
× × ×
少花(しょうか):「……どう?」
万希(まき):「普通に美味いけど?」
少花(しょうか):「コーヒーじゃなくて」
万希(まき):「?」
少花(しょうか):「……何年ぐらいになるんだろうね? 僕は数えていなかったけど、万希くんは覚えてる?」
万希(まき):「何年って………俺がアンタと一緒にこの仕事始めてからってこと?」
少花(しょうか):「この仕事っていうか、あっちの仕事なんだけど、まぁ一緒か」
万希(まき):「……アンタと出会ってここに来た時って、俺まだ子供だったんだよな」
少花(しょうか):「僕もそこそこ少年だったからね?」
万希(まき):「そこで年齢気にしなくていいから」
少花(しょうか):「…気付けばもう随分と長い付き合いになっているよね」
万希(まき):「あぁ、そうかもな」
少花(しょうか):「………君は」
万希(まき):「?」
少花(しょうか):「君は、僕の誘いに乗ってここへ来て、……一度も辞めたいと言うこともなく、ずっとこんな『特殊な』仕事を続けてくれている。……これまでには、沢山辛いものを見てきたよね? 涙を流したことも、何度もあった。それなのに、君は今もこうしてここで、僕の隣に居てくれる。それはなぜなんだい?」
万希(まき):「………」
少花(しょうか):「(じっと万希の返答を待つ)」
万希(まき):「……あの時」
少花(しょうか):「うん?」
万希(まき):「あの時アンタが現れて、俺に道を与えてくれなかったら、……俺は自分が生きていていいのかさえわからなくなってた。………今頃、この世に存在していたのかどうかもわかんねえよ」
少花(しょうか):「………」
万希(まき):「だから、あの時からもう……俺の命はアンタのもんなんだ。俺はここで、自分にできる精一杯のことをする。それだけが俺の生きる意味で、………生きていても許されるんだと思うことができる理由なんだよ」
少花(しょうか):「………………そっか」
万希(まき):「そうだよ、だからこれでいいんだ」
少花(しょうか):「………」
万希(まき):「………少花さん?」
少花(しょうか):「………それは、…よくないね」
万希(まき):「……え?」
少花(しょうか):「やっぱり君は、……僕のためにここに居てくれているんだ」
万希(まき):「少花さん……?」
少花(しょうか):「僕には君が必要だから、一緒にいて欲しい、力を貸して欲しいって、……求め続けてもう、取り戻せない時間が何年にもなってしまった」
万希(まき):「どういう意味だよ……?」
少花(しょうか):「……ごめんね」
万希(まき):「少花さん!」
少花(しょうか):「………僕は、人の気持ちというものが、…ちょっと事情があって、よくわからないんだ。だからこれまでずっと、自分のことしか考えられなくて、君が君の人生を自分のために生きるという当たり前のことを、……ずっと君から奪っていることに、気付けなかったんだ」
万希(まき):「ちょっと待ってくれよ……俺はそんな風に思ってねえって!」
少花(しょうか):「………失われた時間は取り戻せないけれど、君はまだ若いから。せめてこれからの人生は、自分のために生きて欲しい」
万希(まき):「…なんでそうなるんだよ……そりゃ、アンタのためにできる限りのことをして、拾ってもらった命を全部使ってもいいって、思ってるのは確かだけど……でもそうじゃない、それだけじゃない、…いや、だからそれ自体が俺には……!」
少花(しょうか):「………」
新(にい):『すいませ~ん!』
万希(まき):「………ぁ?」
少花(しょうか):「……」
新(にい):『あのぉ~! すいませ~~ん』
少花(しょうか):「………お客様のようですね?」
万希(まき):「ふざけんなよ何でこんな時に!」
新(にい):『んんん~? いないのかにゃあ? でも電気ついてるし~』
少花(しょうか):「ごめん万希くん、見てきてくれるかい?」
万希(まき):「………」
少花(しょうか):「………」
万希(まき):「………………(盛大なため息)。わかったよ」
少花(しょうか):「ありがとう…」
○同・ドア前(夜)
万希(まき):「おい誰だ! 今取り込んでんだよ!!」
新(にい):「わぁ~! 開けてくれたぁ!」
万希(まき):「はぁ?」
新(にい):「こんにちは~」
万希(まき):「あ…?」
新(にい):「おじゃましま~す」
万希(まき):「……?」
万希(まき):「……え? 消えた…?」
新(にい):「こっちこっち~♪」
○同・店内(夜)
振り返るとすでに店内にいた新
万希(まき):「……? …!? いつの間に店の中に!?」
新(にい):「へぇ~、なかなかいいお店だねぇ」
万希(まき):「少花さん! やべぇヤツ入れちまった! どうしよ!? ……って、いねーし。何だよ、人に来客押し付けといて、トイレか?」
新(にい):「ん~、でも、もうちょっと日当たりがいいといいにゃ。あ! このカベ壊してぜんぶ窓にしちゃおーよぉ♪」
万希(まき):「何だよ何なんだよコイツは……」
新(にい):「まぁでも、入口としては十分てとこかにゃ」
万希(まき):「は…? 入口?」
新(にい):「入口でしょ? ねー、下にはどうやって行くの~?」
万希(まき):「え?」
新(にい):「だからぁ、この下にあるんでしょ? キミたちの『劇場』」
万希(まき):「!?」
少し間
新(にい):「あれ? どーしたの? ボク、劇場のキャストになるために来たんだよ~」
万希(まき):「………は?」
少花(しょうか):「随分とにぎやかですね」
万希(まき):「………」
少花(しょうか):「万希くん、どうしたんだい?」
万希(まき):「………コイツ、劇場見に来たって」
少花(しょうか):「おやおや」
新(にい):「見に来たんじゃないよ~! キャストになるんだってばぁ!」
万希(まき):「こんなこと言ってんだよ」
少花(しょうか):「………ほぅ」
万希(まき):「地下に劇場があるってこと、知ってて来る奴なんて初めてなんだけど…。なぁ、コイツ何なんだ? 力ずくで追い出した方がいいかな…?」
少花(しょうか):「………(じっと新を見つめる)」
新(にい):「にゃ?」
少花(しょうか):「そうですか。では、これからよろしくお願いしますね」
万希(まき):「………………え?」
時間が止まったような少しの間
万希(まき):「………少花さん……今何て……」
新(にい):「は~い! 頑張りま~す!」
少花(しょうか):「うん。やる気十分でいいですね」
万希(まき):「………………」
少花(しょうか):「劇場の説明は明日以降にするから、今日はもうみんな帰りましょう。お疲れ様でした~」
万希(まき):「少花さん………」
少花(しょうか):「あぁ、そうだ万希くん」
万希(まき):「え……?」
少花(しょうか):「次の朗読劇は、この彼と僕の二人でやるから、君は客席で観ていてね」
万希(まき):「え?」
新(にい):「わぁ、早速お仕事だぁ! やったね~」
万希(まき):「なんで………」
少花(しょうか):「じゃあ、また明日」
万希(まき):「なんで……少花さん………」
新(にい):「またね~」
ドアしまる
万希(まき):「………………」
○???
新(にい):「ただいま! シロちゃんクロちゃん、ミケちゃんトラちゃん、聞いて、聞いて…! ボクね、ついにやったんだよ!!」
新(にい):「……最初ね、ほんとは泣いちゃいそうだったの。でも、泣いちゃったら、あやしくなって失敗しちゃうかもしれないから。我慢して、いつも通りに、フツウにしてたの」
新(にい):「だから……明日、がんばるから! みんな応援しててね!」
○蝶子の絵本・救出されたねこのおはなし
少花(しょうか):生まれ変わっても、決して諦めず……たった一人の恩人を探し続ける。
そんな、義理堅い猫のお話。
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そんな彼が一度だけ、心の底から「助けて」と叫び声を上げたことがありました。
ある日、気まぐれに押入れの天袋に入り込んで遊んでいる間に、なんと、家が火事になっていたのです。
飼い主がタバコの火の不始末に気づかぬまま外出をしてしまったのでした。
さすがの子猫もパニックになり、出口を探して走り回るも、外へ出られるドアも窓ももう全部塞がっていて……。
子猫はただ、叫び続けることしかできませんでした。
「助けて」「助けて」と、何度も声を上げる子猫。しかしそれが一体誰に聞こえるというのでしょう?
火災の混乱の中、小さな子猫の発する「にゃぁ」という小さな鳴き声が、誰の耳に届くというのでしょうか…?
もう無理だ。これ以上助けを求めたところで、誰にも見つけてもらえるはずがない。ぼくはここで死んでしまうのだ。そう思い、とうとう諦めようとしたその時……
『どこにいるの?』
子猫は、一瞬自分の耳を疑いました。けれどその声は、耳へ届いてきたのではないようで…?
『きみは今、どこにいるの? 助けに行くよ』
少し戸惑いの混じった幼い少年の声が、魔法のように子猫の心にすっと入ってきたのです。
少花(しょうか):……さて。それからどれだけの年月が過ぎたのでしょう?
かつての子猫は今、どうしていると思いますか?
…こたえはお話の冒頭。『生まれ変わっても決して諦めず、たった一人の恩人を探し続ける』。
のんびりと平和に暮らしていたマイペースな子猫は、火事の中から救い出してくれた人を……いいえ、正確には、「そのきっかけとなってくれた人を」、なりふり構わず必死になって探し続けるようになったのでした。
広い世界は子猫には無情で、救われた命をひとつ全うするまでには、ついに会うことは叶いませんでした。…それでも諦めなかった子猫は、新しい命に生まれ変わり、何度でもあの声を思い出し、いつまでも探し続けるのでした。
お礼が言いたい。受けた恩を返したい。
その一心で彼はいつまでも……きっと今も、あのときの少年を探し続けているのでしょう。
万希(まき):(………え…? それって……)
少花(しょうか):はい、このお話は、これでおしまい。いかがでしたか?
万希(まき):(少花さん、その話ってさ……!)
少花(しょうか):きっとあなたは、義理堅い子猫を応援したく…――
万希(まき):『それ………………俺の話だよ!!!』
○カフェArcadia・店内(夜)
万希(まき):「ありがとうございました~! またお越しくださいませ~!」
最後の客が退場
万希(まき):「よーっし閉店だぁ! 今日もお疲れ、俺!」
少花(しょうか):「万希くん」
万希(まき):「わっ、何だよ? 今日はまだ変なこと言ってないぞ?」
少花(しょうか):「ちょっと話がしたいんだけど、時間あるかい?」
万希(まき):「え? 何だよ急に。……そんな改まって言うって、何か大事なことか?」
少花(しょうか):「ん~………」
万希(まき):「………」
少花(しょうか):「……まぁ、コーヒー淹れるから、気楽に話そう?」
万希(まき):「………」
少花(しょうか):「怖いカオしないでよ」
万希(まき):「…もともとこういうカオだ」
少花(しょうか):「(軽く笑いながら)そうだったね」
× × ×
少花(しょうか):「……どう?」
万希(まき):「普通に美味いけど?」
少花(しょうか):「コーヒーじゃなくて」
万希(まき):「?」
少花(しょうか):「……何年ぐらいになるんだろうね? 僕は数えていなかったけど、万希くんは覚えてる?」
万希(まき):「何年って………俺がアンタと一緒にこの仕事始めてからってこと?」
少花(しょうか):「この仕事っていうか、あっちの仕事なんだけど、まぁ一緒か」
万希(まき):「……アンタと出会ってここに来た時って、俺まだ子供だったんだよな」
少花(しょうか):「僕もそこそこ少年だったからね?」
万希(まき):「そこで年齢気にしなくていいから」
少花(しょうか):「…気付けばもう随分と長い付き合いになっているよね」
万希(まき):「あぁ、そうかもな」
少花(しょうか):「………君は」
万希(まき):「?」
少花(しょうか):「君は、僕の誘いに乗ってここへ来て、……一度も辞めたいと言うこともなく、ずっとこんな『特殊な』仕事を続けてくれている。……これまでには、沢山辛いものを見てきたよね? 涙を流したことも、何度もあった。それなのに、君は今もこうしてここで、僕の隣に居てくれる。それはなぜなんだい?」
万希(まき):「………」
少花(しょうか):「(じっと万希の返答を待つ)」
万希(まき):「……あの時」
少花(しょうか):「うん?」
万希(まき):「あの時アンタが現れて、俺に道を与えてくれなかったら、……俺は自分が生きていていいのかさえわからなくなってた。………今頃、この世に存在していたのかどうかもわかんねえよ」
少花(しょうか):「………」
万希(まき):「だから、あの時からもう……俺の命はアンタのもんなんだ。俺はここで、自分にできる精一杯のことをする。それだけが俺の生きる意味で、………生きていても許されるんだと思うことができる理由なんだよ」
少花(しょうか):「………………そっか」
万希(まき):「そうだよ、だからこれでいいんだ」
少花(しょうか):「………」
万希(まき):「………少花さん?」
少花(しょうか):「………それは、…よくないね」
万希(まき):「……え?」
少花(しょうか):「やっぱり君は、……僕のためにここに居てくれているんだ」
万希(まき):「少花さん……?」
少花(しょうか):「僕には君が必要だから、一緒にいて欲しい、力を貸して欲しいって、……求め続けてもう、取り戻せない時間が何年にもなってしまった」
万希(まき):「どういう意味だよ……?」
少花(しょうか):「……ごめんね」
万希(まき):「少花さん!」
少花(しょうか):「………僕は、人の気持ちというものが、…ちょっと事情があって、よくわからないんだ。だからこれまでずっと、自分のことしか考えられなくて、君が君の人生を自分のために生きるという当たり前のことを、……ずっと君から奪っていることに、気付けなかったんだ」
万希(まき):「ちょっと待ってくれよ……俺はそんな風に思ってねえって!」
少花(しょうか):「………失われた時間は取り戻せないけれど、君はまだ若いから。せめてこれからの人生は、自分のために生きて欲しい」
万希(まき):「…なんでそうなるんだよ……そりゃ、アンタのためにできる限りのことをして、拾ってもらった命を全部使ってもいいって、思ってるのは確かだけど……でもそうじゃない、それだけじゃない、…いや、だからそれ自体が俺には……!」
少花(しょうか):「………」
新(にい):『すいませ~ん!』
万希(まき):「………ぁ?」
少花(しょうか):「……」
新(にい):『あのぉ~! すいませ~~ん』
少花(しょうか):「………お客様のようですね?」
万希(まき):「ふざけんなよ何でこんな時に!」
新(にい):『んんん~? いないのかにゃあ? でも電気ついてるし~』
少花(しょうか):「ごめん万希くん、見てきてくれるかい?」
万希(まき):「………」
少花(しょうか):「………」
万希(まき):「………………(盛大なため息)。わかったよ」
少花(しょうか):「ありがとう…」
○同・ドア前(夜)
万希(まき):「おい誰だ! 今取り込んでんだよ!!」
新(にい):「わぁ~! 開けてくれたぁ!」
万希(まき):「はぁ?」
新(にい):「こんにちは~」
万希(まき):「あ…?」
新(にい):「おじゃましま~す」
万希(まき):「……?」
万希(まき):「……え? 消えた…?」
新(にい):「こっちこっち~♪」
○同・店内(夜)
振り返るとすでに店内にいた新
万希(まき):「……? …!? いつの間に店の中に!?」
新(にい):「へぇ~、なかなかいいお店だねぇ」
万希(まき):「少花さん! やべぇヤツ入れちまった! どうしよ!? ……って、いねーし。何だよ、人に来客押し付けといて、トイレか?」
新(にい):「ん~、でも、もうちょっと日当たりがいいといいにゃ。あ! このカベ壊してぜんぶ窓にしちゃおーよぉ♪」
万希(まき):「何だよ何なんだよコイツは……」
新(にい):「まぁでも、入口としては十分てとこかにゃ」
万希(まき):「は…? 入口?」
新(にい):「入口でしょ? ねー、下にはどうやって行くの~?」
万希(まき):「え?」
新(にい):「だからぁ、この下にあるんでしょ? キミたちの『劇場』」
万希(まき):「!?」
少し間
新(にい):「あれ? どーしたの? ボク、劇場のキャストになるために来たんだよ~」
万希(まき):「………は?」
少花(しょうか):「随分とにぎやかですね」
万希(まき):「………」
少花(しょうか):「万希くん、どうしたんだい?」
万希(まき):「………コイツ、劇場見に来たって」
少花(しょうか):「おやおや」
新(にい):「見に来たんじゃないよ~! キャストになるんだってばぁ!」
万希(まき):「こんなこと言ってんだよ」
少花(しょうか):「………ほぅ」
万希(まき):「地下に劇場があるってこと、知ってて来る奴なんて初めてなんだけど…。なぁ、コイツ何なんだ? 力ずくで追い出した方がいいかな…?」
少花(しょうか):「………(じっと新を見つめる)」
新(にい):「にゃ?」
少花(しょうか):「そうですか。では、これからよろしくお願いしますね」
万希(まき):「………………え?」
時間が止まったような少しの間
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新(にい):「は~い! 頑張りま~す!」
少花(しょうか):「うん。やる気十分でいいですね」
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少花(しょうか):「劇場の説明は明日以降にするから、今日はもうみんな帰りましょう。お疲れ様でした~」
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万希(まき):「え……?」
少花(しょうか):「次の朗読劇は、この彼と僕の二人でやるから、君は客席で観ていてね」
万希(まき):「え?」
新(にい):「わぁ、早速お仕事だぁ! やったね~」
万希(まき):「なんで………」
少花(しょうか):「じゃあ、また明日」
万希(まき):「なんで……少花さん………」
新(にい):「またね~」
ドアしまる
万希(まき):「………………」
○???
新(にい):「ただいま! シロちゃんクロちゃん、ミケちゃんトラちゃん、聞いて、聞いて…! ボクね、ついにやったんだよ!!」
新(にい):「……最初ね、ほんとは泣いちゃいそうだったの。でも、泣いちゃったら、あやしくなって失敗しちゃうかもしれないから。我慢して、いつも通りに、フツウにしてたの」
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