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1万文字以内短編
観覧車(約10分 男1女1)
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ジャンル【サスペンス・ホラー】
配役 2名
男(社会人ぐらい)
女(社会人ぐらい)
○観覧車ゴンドラ内
男:「よいしょっと」
男N:『ほんとは傷心旅行にでも行きたかったんだけど。有給も使い切っちゃったからそんなに休みも取れないし、俺なんかにはおひとりさま観覧車が限度ってところか。この観覧車が一周する間、思う存分たそがれてやろう。次に地上に戻ったら…もうクヨクヨタイムはおしまいだ!』
男:「さあ、登れ登れ!」
女:「すいませーん! 乗りまーす!」
男:「……ん?」
女:「その観覧車、乗りまーす!」
男:「は?」
女:「ぃよっと!」
男:「えっ!?」
女:「あ、どーもどーも。おじゃましまっす」
男:「な、ななな何!? だ、誰!?」
女:「あ、私、この遊園地の館長の娘なんです。自由に何でも乗っていいよって言われてまして!」
男:「だ、だからって! なんでここに入って来んの!? なに、乗りまーすって!? エレベーターか何かみたいに!」
女:「いや~、寂しがり屋なものでして。1人で乗るの寂しかったんです~。私だけ無料だと心苦しくなるので、友達とか誘いづらいんですよねぇ」
男:「いや、そういうことじゃなくて…! 普通にありえないでしょ、こんなことするの! 俺はちゃんと料金払って個室取ったんだ!」
女:「え~、人んちの遊園地をホテルみたいに言わないでくださいよぉ」
男:「あ、すんません……って、何を謝ってるんだ俺は! ああもう、観覧車じゃ降りろとも言えないし、ほんとにこんな得体の知れない奴と一周回らなきゃいけないのか?」
女:「そんなに1人になりたかったんですか?」
男:「なりたかったよ! でもそれ以上に君が怖いに決まってるだろ!」
女:「なんで1人になりたいんですか?」
男:「話を聞かない奴だな!」
女:「聞きますよ。なんで1人になりたいんですか? 話してみたら気が楽になるかもしれないですよ。相手はこんな他人なんですし!」
男:「………」
女:「わぁ~、結構登ってきましたね~。夜景綺麗~」
男:「…ちょっと、物思いにふけりたかったんだよ」
女:「なぜ?」
男:「……ふられたんだ、彼女に」
男N:『しっかり者で、聡明で、とても綺麗な彼女……。大好きだった。なのに昨日突然、【別れよう】と言われたんだ』
女:「なぜふられちゃったんですか? 理由は?」
男:「ズケズケ聞いてくる奴だな。……他に好きな人が出来たんだと」
女:「ありゃ~、それはお気の毒に」
男:「そうだ気の毒なんだ。わかったらもう放っといてくれ」
女:「どんな人だったんですか? 彼女さん」
男:「だからもう黙ってくれって」
女:「大好きだったんですよね? こんな風に1人観覧車なんかしちゃうほど。夢中だったんでしょうね? ねえ、どんな人だったんですか?」
男:「何なんだよお前は! 関係ないだろ!?」
女:「ほんとに関係ないんですか?」
少し間
男:「………え?」
女:「本当に、全く関係ないって思ってます?」
男:「……なん、だよ……それ…どういう……」
女:「自分に素直になってください。本当はどう思ってるんですか?」
男:「………」
女:「………」
男:「……乗り込んできた時から思ってた。君は、彼女に少しだけ……いや、それなりに…顔が似ている。ファッションとか喋り方とか、声も似てないから、雰囲気は全然違うけど」
女:「そうですかぁ」
男:「……まさか、彼女の妹とか、そんなオチってわけ?」
女:「違いますよぉ。私お姉ちゃんいないですし。それどころか兄弟いないですもん。ひとりっ子なので」
男:「そう…。ならやっぱり他人だ。関係ない。思い過ごしでほっとしたよ」
女:「いいえ、関係ありますよ? だって、別れさせたの私ですから」
少し間
男:「……え? 今、何て……」
女:「彼女さん、賢い人ですよね! 【私の顔を見て】、すぐにお願いを聞き入れてくれたんです」
男:「か、彼女に……会った、のか…?」
女:「はい~! 賢い人で、…きっとすぐに悟ったんでしょうね。そっくり同じにはならなかったけど、なかなかに近いところまでは出来たので。…自分の顔に似せて整形までしちゃうような狂った女、逆らったら何するかわからない、って」
男:「……だ、………誰、だ……お前は………っ」
女:「私、ここの館長の娘って言いましたよね? さて問題です。この遊園地の名前は?」
男:「……な、……ナルカワパーク………」
女:「ぴんぽーん! お久しぶりです先輩。営業課の成川巴(なるかわ・ともえ)でーす」
男:「…!?」
女:「ねえ先輩? 私この顔になったのに、なんでずっと冷たいんですか? 先輩の大好きな顔になったのに、なんで優しくないんですか? やっぱりまだあんまり似てないから? もう1回手術してもっとそっくりになったら、私のこと好きになってくれるんですか? あ~でも、今回だけで結構仕事休んじゃって、あんまり会社の人に迷惑かけるのもよくないし、私そういうの結構気になっちゃうんですよね、人に迷惑かけたりするのって苦手なんですよ。それにまたしばらく会えなくなっちゃうのも寂しいなぁ。さっきも言ったように寂しがり屋さんだから、私」
男:「ぁ……ああぁ………」
女:「ところで先輩。真上にきてからこの観覧車ぜんぜん進んでないの、気づいてます?」
男:「…!?」
女:「あは~、やっぱりお話に夢中で気づいてなかった。先輩ってそういうところありますよね♪」
男:「……な、何を………何する気、なんだ………」
女:「んーと、それはまだわからないんですけど、まあ、彼女さん……【元】彼女さんの考えた通りですよね! ……こんな狂った女、何するかわからないって」
男:「……っ!、…やめろ、来るな……助け…っ……」
女:「何が起きるのかなぁ。自分でも何が起きるのかわからないんですから同じ気持ちですよ! そっか、今私達同じ気持ちを共有してるんですね! 嬉しいですねお揃いですね。…あ~、これから私が何するのか、楽しみですね♪」
END
配役 2名
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男:「さあ、登れ登れ!」
女:「すいませーん! 乗りまーす!」
男:「……ん?」
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男:「は?」
女:「ぃよっと!」
男:「えっ!?」
女:「あ、どーもどーも。おじゃましまっす」
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女:「あ、私、この遊園地の館長の娘なんです。自由に何でも乗っていいよって言われてまして!」
男:「だ、だからって! なんでここに入って来んの!? なに、乗りまーすって!? エレベーターか何かみたいに!」
女:「いや~、寂しがり屋なものでして。1人で乗るの寂しかったんです~。私だけ無料だと心苦しくなるので、友達とか誘いづらいんですよねぇ」
男:「いや、そういうことじゃなくて…! 普通にありえないでしょ、こんなことするの! 俺はちゃんと料金払って個室取ったんだ!」
女:「え~、人んちの遊園地をホテルみたいに言わないでくださいよぉ」
男:「あ、すんません……って、何を謝ってるんだ俺は! ああもう、観覧車じゃ降りろとも言えないし、ほんとにこんな得体の知れない奴と一周回らなきゃいけないのか?」
女:「そんなに1人になりたかったんですか?」
男:「なりたかったよ! でもそれ以上に君が怖いに決まってるだろ!」
女:「なんで1人になりたいんですか?」
男:「話を聞かない奴だな!」
女:「聞きますよ。なんで1人になりたいんですか? 話してみたら気が楽になるかもしれないですよ。相手はこんな他人なんですし!」
男:「………」
女:「わぁ~、結構登ってきましたね~。夜景綺麗~」
男:「…ちょっと、物思いにふけりたかったんだよ」
女:「なぜ?」
男:「……ふられたんだ、彼女に」
男N:『しっかり者で、聡明で、とても綺麗な彼女……。大好きだった。なのに昨日突然、【別れよう】と言われたんだ』
女:「なぜふられちゃったんですか? 理由は?」
男:「ズケズケ聞いてくる奴だな。……他に好きな人が出来たんだと」
女:「ありゃ~、それはお気の毒に」
男:「そうだ気の毒なんだ。わかったらもう放っといてくれ」
女:「どんな人だったんですか? 彼女さん」
男:「だからもう黙ってくれって」
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男:「何なんだよお前は! 関係ないだろ!?」
女:「ほんとに関係ないんですか?」
少し間
男:「………え?」
女:「本当に、全く関係ないって思ってます?」
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女:「自分に素直になってください。本当はどう思ってるんですか?」
男:「………」
女:「………」
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女:「そうですかぁ」
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少し間
男:「……え? 今、何て……」
女:「彼女さん、賢い人ですよね! 【私の顔を見て】、すぐにお願いを聞き入れてくれたんです」
男:「か、彼女に……会った、のか…?」
女:「はい~! 賢い人で、…きっとすぐに悟ったんでしょうね。そっくり同じにはならなかったけど、なかなかに近いところまでは出来たので。…自分の顔に似せて整形までしちゃうような狂った女、逆らったら何するかわからない、って」
男:「……だ、………誰、だ……お前は………っ」
女:「私、ここの館長の娘って言いましたよね? さて問題です。この遊園地の名前は?」
男:「……な、……ナルカワパーク………」
女:「ぴんぽーん! お久しぶりです先輩。営業課の成川巴(なるかわ・ともえ)でーす」
男:「…!?」
女:「ねえ先輩? 私この顔になったのに、なんでずっと冷たいんですか? 先輩の大好きな顔になったのに、なんで優しくないんですか? やっぱりまだあんまり似てないから? もう1回手術してもっとそっくりになったら、私のこと好きになってくれるんですか? あ~でも、今回だけで結構仕事休んじゃって、あんまり会社の人に迷惑かけるのもよくないし、私そういうの結構気になっちゃうんですよね、人に迷惑かけたりするのって苦手なんですよ。それにまたしばらく会えなくなっちゃうのも寂しいなぁ。さっきも言ったように寂しがり屋さんだから、私」
男:「ぁ……ああぁ………」
女:「ところで先輩。真上にきてからこの観覧車ぜんぜん進んでないの、気づいてます?」
男:「…!?」
女:「あは~、やっぱりお話に夢中で気づいてなかった。先輩ってそういうところありますよね♪」
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女:「んーと、それはまだわからないんですけど、まあ、彼女さん……【元】彼女さんの考えた通りですよね! ……こんな狂った女、何するかわからないって」
男:「……っ!、…やめろ、来るな……助け…っ……」
女:「何が起きるのかなぁ。自分でも何が起きるのかわからないんですから同じ気持ちですよ! そっか、今私達同じ気持ちを共有してるんですね! 嬉しいですねお揃いですね。…あ~、これから私が何するのか、楽しみですね♪」
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