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6・魔法科の魔法授業は力くらべしてどうする?
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魔法科の授業は、まずエルフの先生「ルゼル・オルヴァレン」の柔らかな声で始まる。
透き通るような白銀の髪と、切れ長の瞳。
エルフ特有の美貌に、思わず数名の生徒がため息を漏らしていた。
「さて、魔力操作基礎――マナ・ハンドリングの授業を始めます。魔力を感じ取り、流し、止める。それが魔法の基本です。まずは瞑想で自身のマナの流れを意識しましょう」
先生の声に従い、クラスの生徒たちは芝生の庭であぐらをかいて目を閉じる。
俺もその中にいた。
目を閉じて、ゆっくりと息を吸い、吐く。
獣人である俺のマナは光属性で、生まれつき手のひらに陽だまりのような輝きが浮かぶことがあった。
マナが集まりやすいのだと、誰かが言っていた。
「感じたことを、恐れなくていいわ」
近くに立っていたルゼル先生の声が、ふわりと耳に届く。
まるで風のようだった。
俺はそっと目を開け、手を前に差し出す。
集中すると、指先が微かに温かくなり、淡い金色の光がにじみ始める。
それを横目で見ていたのか、エミールがにやりと笑った。
「やっぱりルシェルは、才能あるよ」
「……これで精一杯だよ」
「その“精一杯”が、俺の3倍は綺麗だって話。私もやってみる」
そう言ってエミールは手をかざす。
彼のマナは4つ属性で、赤い炎の小さな火柱、透き通る水の渦、浮きわく砂の渦に薄緑色の風が小さく渦巻くように現れた。
「……へへっ、ちょっとだけ成功?」
「4つの属性を出すエミールはすごいと思うが?」
お互いにくすっと笑い、俺たちがそうやって魔力を感じ始めたところで、ルゼル先生が手を叩いた。
「よろしい、では次は魔法詠唱術初級に入ります」
詠唱術、つまり魔法言語での発声練習だった。
先生が黒板に魔法古語を書き出す。
アストラル語と呼ばれる古代の詠唱文だ。
『ルミナ・セリエ、フォルカ・ティレナ』
「これは、簡単な光を生み出す詠唱です。意味は“道を照らす星よ、我に応えよ”」
生徒たちがそれぞれに詠唱を始める。
語感が違えば魔法は発動しない。
古語の正確な発声と、心のイメージが一致して初めて、魔法が形になる。
「ルミナ……セリエ……」
俺も口にしてみる。
舌がもつれそうになるけど、手の中にふっと柔らかな光が浮かんだ。
「おっ、出た……」
「うわ、ルシェル速っ! ていうか、もう眩しい」
隣のエミールが大げさに目を細めながら俺の光を覗き込んでくる。
なぜか顔が近くて、胸がざわつく。
「……お前も、ちゃんとやれよ」
「私もやってみるよ……風魔法、でやるからね」
続いての授業は、初等攻撃魔法演習。
フィールドに出た俺たちは、魔法陣の書かれた石像に向かって、それぞれ火球・風刃・氷の針・土柱といった基本の攻撃魔法を撃つ訓練を始めた。
「ファルガ・フラム!」
炎属性の生徒が小さな火球を放つ。
「ヴィス・ブレイド!」
エミールの手から、空気を切り裂くような風刃が生まれた。
俺も試してみる。詠唱は――
「セレナ・ルクス!」
手のひらから放たれた光が、まるで矢のように直線を描き、的の魔法陣に当たってやさしく弾けた。
「ナイスヒット、すごいよ、ルシェル」
「お前の風刃のほうが速かったと思うぞ」
「そうでもないよ。ルシェルの方の“狙い”が正確だった」
そう言って、エミールが俺の耳元で囁くように笑った。
その声に、不覚にも心臓が跳ねる。
光と風が交差する授業の中、俺たちは少しずつ距離を縮めていく。
魔法のように、ゆっくりと。
透き通るような白銀の髪と、切れ長の瞳。
エルフ特有の美貌に、思わず数名の生徒がため息を漏らしていた。
「さて、魔力操作基礎――マナ・ハンドリングの授業を始めます。魔力を感じ取り、流し、止める。それが魔法の基本です。まずは瞑想で自身のマナの流れを意識しましょう」
先生の声に従い、クラスの生徒たちは芝生の庭であぐらをかいて目を閉じる。
俺もその中にいた。
目を閉じて、ゆっくりと息を吸い、吐く。
獣人である俺のマナは光属性で、生まれつき手のひらに陽だまりのような輝きが浮かぶことがあった。
マナが集まりやすいのだと、誰かが言っていた。
「感じたことを、恐れなくていいわ」
近くに立っていたルゼル先生の声が、ふわりと耳に届く。
まるで風のようだった。
俺はそっと目を開け、手を前に差し出す。
集中すると、指先が微かに温かくなり、淡い金色の光がにじみ始める。
それを横目で見ていたのか、エミールがにやりと笑った。
「やっぱりルシェルは、才能あるよ」
「……これで精一杯だよ」
「その“精一杯”が、俺の3倍は綺麗だって話。私もやってみる」
そう言ってエミールは手をかざす。
彼のマナは4つ属性で、赤い炎の小さな火柱、透き通る水の渦、浮きわく砂の渦に薄緑色の風が小さく渦巻くように現れた。
「……へへっ、ちょっとだけ成功?」
「4つの属性を出すエミールはすごいと思うが?」
お互いにくすっと笑い、俺たちがそうやって魔力を感じ始めたところで、ルゼル先生が手を叩いた。
「よろしい、では次は魔法詠唱術初級に入ります」
詠唱術、つまり魔法言語での発声練習だった。
先生が黒板に魔法古語を書き出す。
アストラル語と呼ばれる古代の詠唱文だ。
『ルミナ・セリエ、フォルカ・ティレナ』
「これは、簡単な光を生み出す詠唱です。意味は“道を照らす星よ、我に応えよ”」
生徒たちがそれぞれに詠唱を始める。
語感が違えば魔法は発動しない。
古語の正確な発声と、心のイメージが一致して初めて、魔法が形になる。
「ルミナ……セリエ……」
俺も口にしてみる。
舌がもつれそうになるけど、手の中にふっと柔らかな光が浮かんだ。
「おっ、出た……」
「うわ、ルシェル速っ! ていうか、もう眩しい」
隣のエミールが大げさに目を細めながら俺の光を覗き込んでくる。
なぜか顔が近くて、胸がざわつく。
「……お前も、ちゃんとやれよ」
「私もやってみるよ……風魔法、でやるからね」
続いての授業は、初等攻撃魔法演習。
フィールドに出た俺たちは、魔法陣の書かれた石像に向かって、それぞれ火球・風刃・氷の針・土柱といった基本の攻撃魔法を撃つ訓練を始めた。
「ファルガ・フラム!」
炎属性の生徒が小さな火球を放つ。
「ヴィス・ブレイド!」
エミールの手から、空気を切り裂くような風刃が生まれた。
俺も試してみる。詠唱は――
「セレナ・ルクス!」
手のひらから放たれた光が、まるで矢のように直線を描き、的の魔法陣に当たってやさしく弾けた。
「ナイスヒット、すごいよ、ルシェル」
「お前の風刃のほうが速かったと思うぞ」
「そうでもないよ。ルシェルの方の“狙い”が正確だった」
そう言って、エミールが俺の耳元で囁くように笑った。
その声に、不覚にも心臓が跳ねる。
光と風が交差する授業の中、俺たちは少しずつ距離を縮めていく。
魔法のように、ゆっくりと。
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