【R18.BL】千里結言

麦飯 太郎

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12.5.初夜*

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 夜まで続いた宴会は、歌い踊り疲れ果てて少しずつ人数が減り解散になった。
 最後まで残っていたので、婚礼衣装のままハルトが使っている家に行く。……が、家と呼べるほどの建物ではない。扉を開き、部屋に入ると三畳程の部屋にはベッドと簡易的な机、それにハルトの仕事道具が入っていると思われるアタッシュケースとキャリーケース。それだけだ。
 トイレや水場は全て外で、共同で使っているらしい。一応、現地の人の家からは少し離れているようだ。友人ではないが、生活を共にしていく。特殊な関係だ。様々な考えがあってそうしているのだろう。
 ハルトはベッドに座り、ふぅと息を吐きながら頭の飾りを取り髪の毛を片手でバサバサと崩す。
 その美しい髪や見目を気にしないところは、今も変わらないようだ。それに安心して、隣に座り同じように頭の飾りを取った。

「ほんっと重いね」
「男物は特に重いんだよ。女は全身に装飾するけど、男は頭がメインなんだって。部族によって違う。少し離れたところは、結婚式で男は全裸で象徴の立派さを自慢するんだってさ」
「……ここで良かったよ」
「あははは! ホント! オレも六花の大事なのが皆に見られたら嫌だもんなぁ」

 大笑いするハルトにつられ、思わず吹き出してからお互いに顔を見合って笑いあった。そして、ひとしきり笑い終えたあとにゆっくりとハルトの身体を抱き締める。

「ハルト、会いたかった」
「……オレも。その、もう会えないと……思ってた」
「あんなことしたし、僕からは会いに行けないと思ってた。いくら好きでも、ハルトの気持ちを知らないまま日本を出る直前まで……無理矢理シちゃって……ごめん」

 そう言うと、ハルトは焦ったように顔を上げ、すぐにこちらの胸に額を寄せた。

「あれは、オレが頼んだことだし。六花が好きなのに、伝えるのは、出来なくて。でも、触れたくて。あんなこと言って。オレがいくじなしだっただけだって」

 その後、暫く無言で互いを抱き締めあった。離れていた時間を埋めるように、ゆっくり、頭を撫で背に触れ、愛しい想いを伝えるような優しい時間が流れる。
 外からは虫の音が聞こえるだけで、人の声はしない。きっと人々は宴会で疲れて寝ているのだろう。

「ねぇ、ハルト」
「ん?」
「好きって言っていい?」

 その言葉に、ハルトの肩はピクリと跳ねた。それは嫌だというものではなく、恥ずかしさ……なのだと、今は分かる。

「大好きって言っていい?」

 言葉での返事は無いけれど、微かに頷いたようだ。大胆に誘える度胸があるのに、こういう所では恥ずかしがる。それがとても可愛らしい。

「愛してるって沢山言っていい?」
「いっ、いいからっ!! そんな確認しなくて、いい……」

 真っ赤に染めた顔をこちらに向けたので、見えた唇を奪う。結婚式でしたような軽いキスではなく、舌を差し込み、舐り、味わい、ハルトの唾液を全て吸い尽くすように激しくした。

「愛してる」

 息の合間に囁くと、再び肩が揺れた。

「愛してる――、ハルト、愛してる――愛してる。ハルト、愛してるよ」

 何度も何度も伝えると、ハルトが思い切り顔を離した。

「どうしたの? 嫌だった?」
「――~~!! あのさ! 加減があるでしょ!?」
「でも、言わないと伝わらない。もう、ハルトから離れたくないから、沢山伝えないと」

 正直、この反応は想像の範囲内だ。そして、こちらの言葉についてほんの少し思案してこう言うのだ。

「「オレだって愛してる」」
「!? な、六花!!」

 思った通りの言葉に吹き出しそうになるのを抑え、ゆっくりとベッドに押し倒す。部屋の明かりは窓からの月明かりのみ。その柔らかい月光がハルトを照らす。 

「結婚して下さい」
「……したじゃん」
「そうだけどね。まだ言ってなかったから。結婚してくれる?」
「…………結婚……したい」

 結婚したい。ハルトからの最大の愛情表現に胸がおかしくなりそうな程、締め付けられた。苦しくて苦しくて、頭が狂いそうで、ハルトに覆い被さった。
 嬉しくて、涙が出る。昼間に再開して、結婚式もしたのに、今更、実感が湧いてきて、恥ずかしいのにポロポロと目から大粒の雫が流れた。

「あーあー、何で泣くんだよ」
「嬉しくて」
「男だろー?」

 自分よりも余程男らしいハルトは、その胸で頭を抱き締めて撫でてくれる。心地良い心臓の音。ハルトの香り。
 キスで攻めたすぐ後に、涙を流すなんて情緒不安定も良い所だ。

「……六花、ねぇ六花」
「ん?」

 だいぶ胸の苦しみが収まり、呼ばれるままに顔を上げて横に寝転ぶ。すぐ横にハルトの顔がある。……しかし、その顔は心做しか困惑しているようだ。

「どうしたの? ハルト?」
「あー、えー、六花の勃ってる……」
「え? あっ!! ご、ごめん!!」

 意識を下半身に向けると、これでもかと言うほど肉茎は反り上がっていた。それに、下着は……間違いなく先走りで濡れている。
 それを隠すためにハルトから離れようとすると、逆にグッと腰を掴まれた。

「な!?」
「ねぇ、シないの?」
「ふぇぁ!? し、シたい、けど、ここさ」
「うん。壁は薄いし、起きてる人が居たら……筒抜けだな」

 グッと唇を噛む。
 シたいかシたくないかの二択ならば、もちろんシたいに決まっている。何も気にしないで良い環境ならば、明日の朝……いや、日が昇っても抱き続けている可能性だってある。それ程、ハルトを傍に感じて抱き続けたい。
 だが、ハルトの声を。あの可愛らしくて猫が甘えるような、悦に浸る声を誰にも聞かせたくない。
 欲と理性がせめぎ合っている中で、スルリと腕の中に入り込んできたハルトは、自らの勃起した肉茎を太ももに押し付けながら、こちらの首筋を舐めた。

「ハ、ルト」
「ね、オレさ。声出しちゃわないように……頑張るから」
「――うん」

 そんな風に強請られて、我慢できるほど御立派な理性は持ち合わせておりません。と自分の中の理性の鍵を放り投げ、押し付けられたハルトの肉茎を太ももで擦り上げる。
 はぁっ……とハルトから溢れた艶かしい息を食べるようにキスをすると、ハルトの肉茎は正直にビクビクと反応を示した。

「すっごい勃起しすぎ。抜いてないの?」
「――ッ、抜いた、けど」
「足りなかった?」

 小さくも頷き、ハルトは甘えるように擦り寄る。膝でグッと肉茎を押すと、ンウッと我慢する声が聞こえた。ハルトが身に纏う女性物の婚礼衣装をたくし上げ、裾から手を差し込み肉茎に触れる。
 そこで一瞬手を止めた。本来あるはずの布が無く、肉茎が露出しているのだ。

「ハルト、下着は?」
「婚礼衣装に下着は付けちゃダメって……奪われた」
「えぇ……」
「ごめん、はしたないよね」
「あ!? 違う違う!! 付けてないの興奮する!! でも、下着は回収しに行く」
「え? パンツなら他にもあるよ?」

 そうじゃない。下着が何枚あっても何百枚でも、それがハルトの物だということが問題なのだ。しかし、当の本人は全くその意味が分からないようだ。
 らしいと言えば、とてもハルトらしい。

「でも、だめ」

 そう言って、肉茎を撫でる。まだ濡れていない竿を指先で擽るように往復し、そして先端に触れるとヌッチュと粘り気の強い水音がした。それを強く親指で混ぜるように絡ませると、滑りが良くなり鈴口の柔らかい部分の温かさが心地よく伝わってくる。
 小さく腰が動いている姿が可愛らしくてそのまま何度も親指を往復させていると、ハルトが左の膝を立てた。

「も、こっちも……」

 おねだりに従うように手を滑らせようとすると、ハルトは あ と声を上げて体勢を変えた。

「どうしたの?」

 後孔に触れて、どのように愛してやろうかと思っていたのに、行き場の無い手が空を彷徨う。ベッドから降りて、キャリーケースを開けて漁っているようだ。そして、すぐに戻ってきたその手にはチューブが握られていた。

「あの、これ。塗るやつ」
「え? あ、あぁ。ありがと……あぁ、そっか。張形使う時に必要だからか」
「張形……? ディルドのこと? ん? ま、まままま、待って!! なんでオレがディルド持ってんの知ってるんだよ!?」

 まずいと思ったが時すでに遅し。そうだ。ハルトが張形で自慰に耽っている姿を見てしまったのは、六次となった後の六花ではなく、幼い子供の姿の時の六花だ。しかもハルトは幼い六花との記憶は無い。

「……一人でするなら持ってるかなーって……」

 苦しい言い訳に、ハルトは疑いの目をまだ向けている。

「……本当? でも、オレ、確か……確か、誰かにディルド使ってるの見られた気がする……誰だっけ? いや、本当に見られたのかな? んぅー……」

 頭を悩ませているハルトを押し倒し、チューブから出したジェルを手で温めてからハルトの後孔に指を添える。

「そんなこといいじゃん」
「……なぁ、六花。お前、隠してない? だって、パンツ取られたのは嫉妬すんのに、オナニー見られたかもっていうのはいいの? 変じゃん?」
「い、嫌だけど! 覚えてないんでしょ? 見られてないかもしれないじゃん?」
「まぁ、そうだけど」
「それより、こっち。集中して」

 後孔の皺を伸ばすようにジェルを塗り、残りを指先に集めてグッと押し込むり。すると指はあっさり受け入れられ、奥まで飲み込むように引き込まれていく。
 暖かく、襞が締め付け、ジェルだけではない滑りが既に存在しているようだ。

「――ッすぐ、奥は」
「ハルトが吸い付いてるんだよ。ほら、もうここまで来た」
「――ッァ」

 クイと中で指を曲げ、前立腺を押す。指の腹で優しく押してから撫でるようにクルクルと触れると、ハルトは両膝を曲げて腰を少し上げた。
 触れやすくなったけれど、腰が辛いはずだ。近くにあったタオルケットを丸めて腰の下に入れてやる。そして足の間に身体を移動させた。

「ハルト、丸見え」

 ガチガチに勃っている肉茎も、指が差し込まれた後孔も丸見えだ。
 でも、何か物足りないと考えた後に、あぁ、と思い至りとして空いた手をハルトの衣装に伸ばす。中に埋めた指はゆっくりと動かしつつ、真っ赤な花嫁衣裳の前を開いていく。そして、現れた桃色に染まるそれをグイと押すように触れた。 

「ひぁッ、あ」
「乳首も弄ってたんだ? まだ触れてなかったのにぷっくり勃ってるよ」

 ほらと言って、シコるように優しく摘んで扱く。乳首への愛撫に合わせるように、中に埋めた指も前立腺を軽く挟んでコリコリと扱いた。
 腰を揺らし、鈴口からは先走りが溢れて肉茎いっぱいに垂れている。それが月光に照らされ、鈍く輝く様は神聖な何かのように感じた。
 声を出さないように……しかしそれを我慢しきれないのか、ハルトは 頭を横に降っては腰を跳ねさせた。

「りっ、かぁ」
「なに?」

 埋めた指で前立腺を扱くのを止めずに、ハルトに寄り添うように寝転がる。乳首に唇を当てると、タオルケットで腰を浮かせたせいで肉茎も近くに見えた。
 ぷっくりとした乳首を優しく舌先で弾きながら、埋めた指を動かし、可愛らしい桃色の鈴口から垂れる先走りを眺める。なんという最高に厭らしい光景だろうか。
 もうずっと勃起したままだが、そんな光景を目の当たりにしとうとう耐えきれなくなった。ズボンを脱ぎ捨てて、熱く滾りハルトの肉茎にも負けないくらい先走りで滑るそれを太ももに押し付ける。肉茎が熱過ぎるので、ハルトの太ももはほんのり冷たく心地良い。
 興奮が絶頂まで駆け登りそうだ。
 まるで挿入しているかのように腰を振り、ハルトの太ももを肉茎で犯しながら、埋めた指も乳首に吸い付くその強さも益々激しくなる。

「り、ッ――ん、イク、らっ――ッ」
「ハルト、静かにイッてみて?」
「む、りぃ」
「出来るよ。んッほら、大好きな乳首を歯で優しく挟んであげる。想像して? 僕の魔羅でハルトの一番気持ちい場所を突き上げたらどうなるかな?」

 ビックンとハルトの身体が大きく跳ねた。きっとそれをリアルに想像したのだろう。それだけでこんなに反応するなら、実際に挿れたらどうなってしまうのだろう。
 期待と興奮を、前歯で優しく挟んだ乳首にコリコリとした刺激でお返しする。

「っ、――い、ク、イクから……りっか、んッ――……」

 こちらが伝えた通り、ハルトは静かに、しかし身体は何度も跳ねて肉茎からは白濁を勢い良く噴き出させた。何度かに分けて出た白濁は、ハルトの身体だけではなく、こちらの頬にも付くほどだ。
 指と腰のタオルケットを引き抜き、顔や身体をタオルで拭いてやり、優しく頭を抱き締める。まだ呼吸が荒いからか、言葉にならない声でハルトが囁く。

「ちゃんと、静かだった?」
「うん、静かにイけてたよ」

 ホッとしたように息を吐いたハルトは、身体を起こす。

「大丈夫?」
「オレが静かにイけたんだから、六花も静かにイけるよな?」
「え?」

 まだ滾り続けているこちらの肉茎をハルトは自分のそれと擦り合わせる。その光景が何とも卑猥で、下半身に心臓が出来たのかと思うくらい脈打つのを感じた。

「挿れて、沢山六花をイかせてやるよ。でも、静かにな?」
「そ、れは――ッァ」
「シーッ。静かに、六花」
「そんな、無茶な」

 ハルトは自ら腰を上げて、肉茎が挿入しやすいように支えながら腰を降ろしていく。徐々に熱い中に包まれていく肉茎は、待っていたというように柔らかくヌメヌメとした壁に締め付けられていった。
 埋まっていくそこを凝視すれば、ハルトの再び興奮した肉茎とその先でヒクヒクと動きながらこちらの肉茎を食む後孔が見えた。

「んッ――」

 自らのペースで挿れているが、それでも性的な快楽に飲まれているハルトは上向いて薄らと唇を開く。その姿が小さな窓から入る月明かりに照らされ、官能的な女神が喘いでいるように見えた。
 色香のある息を吐き、その息をこちらが吸い込めばその女神に囚われてしまうような、そんな気さえしてくる。

「りっッ、かぁ」
「――!!」

 その小さく息を吐くように艶かしい声色で呼ばれ、月光で揺らめく潤む瞳で見下ろされ……我慢が出来なくなった。

「――ッァ!!」

 思い切り下から腰を打ち付けてしまった。きっとまだ全て挿入されていなかった肉茎で、一気に最奥を押し上げたのだ。その上、反動で落ちてきハルトの腰に向かい、何度も肉茎を打ち込む。
 ハルトの身体はゴム毬のようにトントンと跳ね、その度にグチュングチュンと厭らしい水音が結合した部分から溢れた。

「り、――オレが、す――」
「煽ってたよね? 僕が下からこうして激しくするの待ってたんじゃないの?」
「違うッ」
「こら、シーッ、でしょ?」

 わざとらしく人差し指を立てて、奥に蜜口を塗り付けるように腰を回す。すると中がキュンキュンと絞まる。

「魔羅を自分の手で擦って?」

 嫌がるかと思ったが、ハルトは素直に自身の肉茎に手を添えて擦りだす。それを少し眺めてから、ハルトの腰に手を添えた。

「いつでもイッていいからね?」
「えッ――ンッ――」

 先程よりも奥に入るように、ハルトの腰を引き落としながら肉茎を押し込む。何度も何度もしていると、ハルトは息を荒くしながら小さくイクと呟いては細かく射精を繰り返した。
 その姿が可愛らしくて、何度も見たくてしつこくしつこく前立腺を押し上げるように亀頭を当ててから今度は竿でそれをゴリゴリと擦り、そして最後に亀頭を最奥の扉にゴチュゴチュと擦り付ける。
 その全てがハルトの好きな弄られ方であると知っているので、しつこくしつこく繰り返した。
 そして何度目かの射精をしたハルトの開いたままの口から涎が垂れた時、こちらの我慢の糸が切れた。数度思い切り肉茎を差し込み、最奥で貯めた濃厚な白濁を全て注ぎ込むように勢い良く放つ。

「――ッハルト!! イクッ――ッ!! イッ――!!」
「ぁっ――ッ!」

 熱い飛沫を大量にハルトの中に注いでいく。離れていた分を埋めるように、出しても出しても肉茎が脈を打つ度に溢れてしまった。
 その肉茎を抜くこともせずに、ハルトがこちらの身体に乗るように倒れてきた。それを受け止め、汗が流れる背中に触れる。

「ごめん、汗気持ち悪いよね。汗流すのって」
「あぁ、うん。水は外の井戸で汲むんだけど、ちょっと待って一緒に行く。それよりちょっと、休ませて」

 余韻に浸るように、ハルトの肌を撫で回す。

「ハルトだなぁ」
「ぶっ、何それ。当たり前じゃん。オレに会いに来たんでしょ?」
「そうだけど! 会えると思ってたけど、会えないかもとも思ってた」

 なんだそりゃと言いながらハルトが身体を起こし肉茎を抜く。その瞬間にドロリと掻き混ぜられた蜜と白濁が溢れた。それを見て思わず喉を鳴らしそうになるのを抑え、ハルトを支えるために手を伸ばす。

「六花は明日覚悟しとくんだな」
「え? なんで?」
「オレの予想が当たれば……いや、お楽しみってことで」
「えぇー、気になるじゃん」

 気になるけれど、ハルトの愛らしい笑顔で全てが帳消しになってしまう。
 愛しくて愛しくて堪らないハルトに触れている。それだけで幸福感が心を満たしていった。
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