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1、吹雪
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たった五メートル先が見えないほどの吹雪は久しぶりだった。今朝の天気は雪目になりそうなほど晴天だったのに、山の天気は本当に気まぐれだと思う。
どんな吹雪でも寒いと感じたことは無いが、しんしんと降る牡丹雪と比べると情緒も何も無く全てを掻き消すような天気は酷く心が塞ぐ。
(さてと、これでは何もする気が起きませんね……)
窓を開けて縁側に座る。
雪が部屋に入り込むが、蓮にとってそれは些細なことでしかない。
「蓮さま!」
吹雪の中から飛び出てきた一見、五~六歳に見える幼児が、飛びつく様に蓮にしがみついた。
頭に積もった雪を優しい手つきで払ってやり、微笑んでゆっくりと話しかけた。
「どうしたのですか?天花さん」
鮮やかな朱色の着物に可愛らしい耳あてをした天花は、はぁはぁと珍しく息を上げている。
「えっと、人が落ちてました。だから六花と風花に任せて、蓮さまを呼びに来ました!」
「人?」
はい! と大きな声で返事をした天花は、蓮の返事を待たずに手を引いて吹雪の中を進みだした。
どんな吹雪でも寒いと感じたことは無いが、しんしんと降る牡丹雪と比べると情緒も何も無く全てを掻き消すような天気は酷く心が塞ぐ。
(さてと、これでは何もする気が起きませんね……)
窓を開けて縁側に座る。
雪が部屋に入り込むが、蓮にとってそれは些細なことでしかない。
「蓮さま!」
吹雪の中から飛び出てきた一見、五~六歳に見える幼児が、飛びつく様に蓮にしがみついた。
頭に積もった雪を優しい手つきで払ってやり、微笑んでゆっくりと話しかけた。
「どうしたのですか?天花さん」
鮮やかな朱色の着物に可愛らしい耳あてをした天花は、はぁはぁと珍しく息を上げている。
「えっと、人が落ちてました。だから六花と風花に任せて、蓮さまを呼びに来ました!」
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