【R18,BL】雪月花時最憶君

麦飯 太郎

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15、真実

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 ゆっくりと目を覚ましたが、視界が真っ暗だ。

 雪目で視力を失ったのかと思い、瞼に触れようとしたがそこには布が巻かれているようだ。
 手足の感覚から雪の上ではなく、布団の上なのだと理解した。

 夢だと思った出来事は、現実だったのかもしれない。
 部屋には、誰の気配も感じなかったが微かに空気が動くのを肌で感じ、それは花の香がした。

「おい、蓮。いるだろ?」

 ピクンと空気が動くが返事が無い。

「また……助けてくれたんだな」

 花の香が強くなった。蓮が少し近づいたのかもしれないと手を伸ばすが、それはただ空を切るだけだ。

「せっかく人間の世界の帰してくれたのに、戻ってきて悪かった。聞きたい事とか沢山あったし、文句だって言いたかったけど……今はどうでもいいかなって思う」

 少しの沈黙が流れる。恭吾の布団の横でゆっくりと息を吐く音が聞こえた。少し高めの美しい吐息。蓮のものだ。

「……それは……何故ですか?」
「お前に会いたかったから。そして、会えたから」

 ぐっと蓮が言葉に詰まる。もしかしたら泣いているのかもしれない。

「一人きりで、誰にも認識されないってキツイな。でも、お前がまた助けてくれた。お前は俺を……存在していると認めてくれた」

 そっと手を出すと、蓮の顔に触れることが出来た。撫でた頬には手のひらがしっとりするほど涙が流れている。優しく拭ってやるようにすると、蓮の手が甲に重なった。

「私は……」
「蓮。愛してる」

 重なった手がビクリと跳ねる。離れそうになった手を反対の手で押さえて両手で包むように、逃がさないようにしっかりと握る。相変わらずひんやりと冷気をまとう手だが、どこか暖かく感じられるようになった。

「愛してる、それを言いたかった」
「そ、れは……私の……話を、聞いても……そう、言ってくれるか……自信がありません……」

 声を引きつらせて、泣きじゃくりながら蓮が言った。

「あの吹雪の日……恭吾さんのお怪我は、命に関わるものでした。私が天花に連れられて到着した時は、虫の息よりもか細かったのです。……本来はそこで絶命するのを見守るのが私の、役割でもありました。ですが、それが出来なかったのです。最近は減りつつありますが、人間の死を何度も何度も……見てきました。私が、私が殺しているのではないかと勘違いしてしまう程、何度も……」

 蓮は話を続けられなくなる程涙を流した。その涙を再び拭ってやると、拭う前より多くの涙が溢れ出る。

「そこで……そこで禁忌を犯しました。恭吾さん、あなたに私の命の半分を渡しました」
「なっ!?」

 何を言われても驚かないと思っていたが、さすがに命の半分を渡されているとは考えもしなかった。死んでいるのかもしれないとは薄々感じていたが、まさかの事態に開いた口が塞がらない。

 命の半分を渡した。ということは、蓮の命の半分は減ってしまったのか? その問いを口にする前に、蓮はその先を続けた。

「私の命を渡すということは、受け取った側も私と同じように……人間ではなくなってしまう。それは分かっていました!  私も元は人間です。だから……違う生き物になってしまう悲しさも、その寂しさも。存在を無かった事にされる絶望も知っています。なのに……分かっていたのに、息絶える恭吾さんを私は……」

 人間ではなくなったから、認識されなくなったのかと妙に冷静に納得できた。それよりも、蓮が元は人間だということの方がよっぽど驚きだ。

「俺に命を渡すのは惜しくなかったのか?  蓮の生きる時間が半分になるんだぞ?」

 すっと柔らかい笑みを浮かべたのが、触れている頬の感触で伝わった。

「全く惜しくありませんよ。言ったでしょう?  一人きりは寂しいものです……私に命を吹き込んだ神に近い存在は、私を救ってすぐにどこかへ行ってしまいました。それから私は三つ子が来るまで一人でこの救われた場所に縛られています……彼も私に命を半分吹き込んだと言っていましたが、彼の命はあってないようなものだそうです。だから、私もいつまで生き続けなければ、存在し続けなければならないのか凄く……寂しかったのです」
「だから俺を?」
「たまたま。と言えばたまたまです。ですが、恭吾さんを見た時……私の傍に居て欲しいと願ってしまったのですよ。……あ、所謂……一目惚れってやつですかね」

 なんだか恥ずかしくなり黙っていると、違う話を蓮は始めた。

「あの、人間だったという話ですが……もう何百年も、もしかしたら千年以上前のことだと思います。昔過ぎて覚えていません。死んだのは父にこの山で殺されかけた、という微かな記憶ですがそれも曖昧ですね。はっきり覚えているのは、三つ子を迎えたのはまだたったの五十年ということですね」

 クスクスと笑う声が聞こえる。その顔が見たいのに、巻かれた布で暗闇しかないのが本当に惜しい。

「殺されたってのは?」
「私の人間での年齢は十九でした。その時、何か父の勘に触ることをしたのでしょう。理由は忘れました。偶然通った神のような存在に命を入れられた、それだけです。見た目はそれから変わっていないのですよ……恭吾さん、泣いているのですか?」
「え?」

 目元の布に触れると、しっとりと水気を含み、涙を流しているのだと気付いた。

 悲しいわけではない。悔しいわけでもない。
 ただ、蓮の話を聞いて自然と流れていたようだ。

「私は恭吾さんを苦しめました。そして、これからも苦しみ続けさせます。人間としての生活を私は……奪いました。だから私はその罪を償うべきなのです、何をしてでも。その罪は消えないかもしれない!  でも!」
「でも、俺を生かしてくれたんだろ?」
「ですが!」

 珍しく大きな声を出した蓮に被せて、恭吾は言葉を続ける。

「たしかに、人間の世界では生きられなくなったのかもしれない。でも、ここで。蓮や三つ子と居られるこの世界でも生きられなくなったわけではないんだろ? 俺を、ここに居させてくれないか。半分になったのなら、死ぬときも一緒だ。蓮、お前はもう寂しくない。俺も、寂しくない」

 ドンッと蓮が飛びついてきた。

 何度も何度も泣きながらごめんなさいと謝罪をする蓮に、もういいからと頭をなでてやる。それでも止めない蓮の顔を両手で掴み、無理矢理その唇を塞いだ。
謝罪が聞きたいわけではなかった。

 最初は蓮が何をしたのか知りたかった、だが、会ったらそれ以上の愛が溢れてしまった。それだけなのだ。

 存在を認めてもらえない世界がとても寂しく、虚しいことはこの二週間で嫌と言うほど感じた。それを蓮は何百年も感じてきたのだ。その悲しさを微力ながら埋めてやりたいと思った。

 唇の角度を変え、はさむように舐めるように這わすように何度も合わせ、その隙にできた空間から伝える。

「愛してる」

 顔は見えずとも、その行為を受け入れている蓮の姿を想像するだけで胸が締め付けられるようだ。苦しくなる胸を同じ言葉を繰り返して吐き出した。

「愛してる、愛してる。……ん、蓮、お前が欲しい……」
「んぅ……う……はぁ……恭吾……さん」

 惜しくはあるが離した唇から吐息が漏れると、蓮はまた謝ってきた。

「ごめんなさい、本当に……」
「一緒に居られない……事情があるのか?」
「いえ!  そうではないんです。居られます、ここに住んでくださって結構です。でも、私は愛してもらう資格がない。だから、ここを離れます」

 あれだけ言ったのにも関わらず、頑固なところがあるものだと溜息をついた。だが、そんなところも愛おしいと感じてしまうあたりはもう惚れた弱みなのだろうと諦める。

「愛してるって、お前じゃなきゃダメだって言ってるんだよ。蓮と三つ子と俺の五人でここに住むんだよ。一人分の食事が大変なら仕事だって手伝う。もう人間じゃないなら無理も出来るんだろ?  傍に居たいんだ。俺が」
「う……ん……何故、貴方はこんなに優しくするんですか?」
「愛してるから」
「何故、私なのですか?」
「お前だから」
「何故、こんな酷いことをしたのに許すのですか?」
「それは……」

 許す、許さない、では無い気がした。命を救ってくれた蓮を許さないなんてお門違いだと思う。だが、人によっては人間で無くなるのが代償だなんて酷すぎるのかもしれない。

「俺はお前らが羨ましかったんだと思う」
「え……」
「それなりに友人もいたし、暇ではなかった。けど、俺は一人だった。家族もいないし、家に帰っても一人だし、上辺の友人はすぐに離れる。だから、家族として暮らしているお前達が羨ましかった」

 そっと蓮を抱きしめ直す。優しく、もっとも愛する家族にするように。

「その一員になりたかった。その気持ちを認めた時、蓮が戻るように言った。直前まで抱いていた好きな人に帰れって言われるんだぞ。きつかった」

 ごめんなさいと小さく呟く蓮のしなやかな髪を梳く。絹に触れているような滑らかな髪が微かに震えていた。

「戻ってから、お前の鈴を見ては思い出した。人や、友人に存在を忘れられて辛い時、お前は覚えてくれているのだろうかと不安になった。文句を言ってやろうと山に登ったけど、本当は俺を認識してくれるか知りたかったんだと思う」
「見えてます。ちゃんと恭吾さんが見えてます。存在してます」
「どうして帰したんだ?」
「恭吾さんが帰りたいと思っているのだと……念話の話をした時にとても辛そうな顔していました。引き止めているのは、私の……自己満足だと」

 念話の話をした時、その光景を思い浮かべすぐに気付いた。それは蓮が家族としてここに残りたいと自覚した時だ。その時に素直に話していれば、蓮が悲しい勘違いをしなくて済んだのだが、己の事ばかり考えていた恭吾にはそれに気付ける余裕が無かった。

「そういう意味じゃなかったんだ。悪かった」

 ふるふると頭を振る蓮の頭の頂点にキスをした。

 本当にこの命の塊のようで、それなのに儚く消えてしまいそうな存在を心から愛しているのだと実感した。

「愛してる。俺と……俺の花嫁になる気はないか?」

 蓮がごくりと唾を飲み込んだ気配がした。

「六花から聞いた。人間と違う存在だから、その……子供も授かれるって。いや、出来なくても構わない。だからさ、俺と結婚しないか?」

 さらに身体を震わせる蓮に、少し不安になった。

 もし、そんなつもりでは無かったと言われたら、勝手なことばかりと言われるのだろうか。
 そう思って口走った言葉は、訳のわからない言葉だった。

「あ、も、もしかして嫁は嫌か?  そうだな。もう俺も人間じゃないし、俺も授かれるもんな。え、でも俺?  あ、いや。蓮が望むなら俺はそれでも……」

 震えていた身体から、ふふふふと笑い声が聞こえた。

「ふふ、そうじゃないですよ!  恭吾さん、本当に私をお嫁さんにしてくれるのですか!?  後悔しないですか?」

 先程より、強い力で抱きしめる。
 もう、このぬくもりを決して離さない。

「蓮こそ。後悔するなよ」
「まさか」

 再び唇を深く合わせ、自然と布団に二人は倒れこんだ。
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