異世界、肺だけ生活

魔万寿

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第1ピース目

肺ターン【34】1人キャンプ歴、人生2回目

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「生々しい物がしゃべった!?」

理想の反応です……
見えないけど、気持ち悪い物を見下す視線をチクチク感じるよ……

「こちらの生々しい物は、こう見えまして転生者であり…… 肺になります」

「妖精さん…… カワイイ」
「これは失礼した……」

メリーが見えて、俺とも喋れるのか?

「私たちは、サン王国の王族で…… 私はサン・クラン・プリンセス・リサ(○)と申します…… リサとお呼びください」

「私はサン・クラン・プリンス・ソラだ…… 王子と呼んでくれ…… この度は私を救ってくれたこと感謝する」

気にしない気にしない……
リサと…… 王子…… よろしくな!
俺のことは好きに呼んでくれ……

「私はメリーです…… よろしくお願いします」

「では、肺の勇者様…… 体が濡れたままでは冷えてしまいますので、私の家にどうぞ……」

勇者様は止めて!

「お兄様を救っていただいたので、勇者様です!」

たまたまだよ…… ただの肺だから勇者様は……

「決定事項です!」

頑固……
「肺灰さん…… 諦めましょう」

分かったよ…… お城に行こう!

……

「ここです…… 肺の勇者様はタワシで移動されるのですね…… 移動した後はお花畑に…… 色々と勉強になります」

「肺灰さんは特殊なので、全部に反応していたら疲れますよ……」

お気になさらず……

お城到着?
「肺灰さん、これは小さいロッジですね……」

お姫様が一人キャンプか…… 流行りだし有りかな。

「何も無いですが、どうぞ……」

こういうの嫌いじゃないぞ……

「肺灰さん!暖炉ありますよ」
俺、暖炉の前~……

「そこは、王子様に譲りましょうよ……」

ですよね…… どうぞ王子……

早速、話を聞かせてもらえないか?

「分かりました…… 先ほども話しましたが私たちは王族であり、女神様より特殊な力をいただいております」

特殊好きね~……
だから、俺たちと話せるってことか。

そう言えば、リヴァイアサンに食べられた時に記憶が流れ込んできたと思う……

「それは私の記憶だ…… 100年ほど前、魔王が城に舞い降り王である私の父上に乗り移ったのだ……

父上は、女王である母上に子供達と逃げるよう伝え…… 魔王にあらがい…… 苦しみながらも時間を作ってくれた。

母上は私にリサと逃げるように言うと、父上の元へ戻ってしまった……

私はリサを舟に乗せ、母上の元に急いだが…… 魔王となった父上が、母上をドラゴンの姿に変え、私をリヴァイアサンへと変えたのだ……」

魔王の能力は、さすがに規格外だな……

「魔王はその力を錬金術と言っていた…… 最後に魔王はこう言った」

『ハッハッハッ…… この世界を闇に落とし、大魔王ルシファー様の復活の糧となれ!』

魔王の目的はルシファーの復活か……

「それからは魔王の言いなりで、あらがうことができなかった…… 面目ない……」

「お兄様は体をお休めください…… 続きは私からお話しします」

話してくれてありがとうな王子……

「舟で逃げた私は、アースの街で助けを求めました…… が、話を信じてもらえず時が経ってしまいました。

ある日、転生者が私の依頼を受けていただくことになりました……

いざ、サン王国へ向かうと母であるドラゴンと、お兄様のリヴァイアサンに阻まれ、逃げ帰ることしかできませんでした……」

あの贅沢な配置は越えられないよな……

「更に時は経ちまして…… 80年ほど前に転生者と冒険者の方々が集まり、ようやくサン王国へと辿り着くことができたのです」

スゴいじゃないか!
ドラゴンとリヴァイアサンをどう退けた?

「それが…… 現れなかったのです」

怪しい匂いがプンプンするぞ…… 鼻ないけど。

「そして、父である魔王の部屋に入りましたが…… 魔王の力でスキル無効化となり、そこにドラゴンとリヴァイアサンが現れ、何も出来ず全滅しました……」

魔王半端ないって……

「リヴァイアサンが起こした津波で流されて、私だけが運良く生き残ってしまい…… この森に辿り着き、犠牲になった者達への申し訳ない気持ちで、気力を失い今に至ります」

女性に聞くのは申し訳ないけど、100年前の話で…… リサが若い声に聞こえるのは?

「私は女神様よりフェニックスの力を与えられていまして、死んだら一度だけ生まれ変わることができたのです」

そんなに長い間、苦しみ続けているとは……
肺が何個あっても足りないぞ。

続く……
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