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王子よツンデレてる場合じゃねえ!自由を求める侯爵令嬢と結婚したい王太子
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「アイリーン・マーゲンサーラー!今この時を持って、貴様との婚約を破棄するッッ!!」
学園の卒業パーティーの真っ最中、この国の王太子、エドワード・エルドレッドの声が大広間に響いた。
「貴様がこの心優しい男爵令嬢エリーを、嫉妬に駆られて虐め抜いていたことは看過できん!貴様のような性根の卑しい女は……」
「ちょっとお待ちくださいませ!アイリーン様はそのようなことをなさる方ではありませんわっ!」
王太子の言葉を遮ったのは、アイリーンの学友だった。
「貴様ぁ~~ッッ!!この私の言葉を遮るとはッッ!!」
「殿下がまともな発言をなさっているのなら、私も口を挟みませんわッッ!!私を処罰したいのならなさいませッッ!!その覚悟が私にあることが、アイリーン様の潔白を証明するものですわッッ!!」
「もっともそうな物言いをしやがって……!!」
エドワードのこめかみに青筋が走る。
「いいだろう!貴様を地下牢にでも……」
「おやめくださいませ!!」
今度は、婚約破棄を言い渡されたアイリーンが叫んだ。
「……承知致しました……婚約破棄を承ります……殿下……どうか、お元気で……」
「……え……?」
「では、私はこれにて、失礼いたします……」
アイリーンはカーテシーで一礼すると、大広間のドアに向かって歩き出した。
「待て待て待てーーい!!!貴様がッッ……どうしてもと泣いて縋るのなら……まあ、考えてやらんことも……」
「ご無理をなさらないでください殿下……。殿下はエリー様と真実の愛を貫いてくださいませ……」
「えっ?……いや別にエリーとは……えっ?」
「では、ご機嫌よう……お元気で……」
今度こそ大広間から出ていくアイリーン。
アイリーンが去り、大きなドアが閉められた。
「自由だーーーーーッッ!!!」
ドアの向こう側から響いたのは、アイリーンの雄叫びだった。
「あーあー……だ~~から申し上げましたのに……そもそも、嫉妬に駆られてエリー様を虐める筈がないんですよ。事あるごとに婚約破棄したいしたいって仰ってたんですから……」
学友の令嬢が、心底呆れた口調で話す。
「え……?待て待て待て……待って待って待って~~ッッ!!!待ってアイリーン行かないで~~ッッ!!!」
「おっとごめんなさい!殿下がアイリーン様を追いかけないように足止めしてくれと、私達友人一同に頼まれておりますので、ここは通しませんよ?」
学友の令嬢達が、幾重にも重なって、バリケードを作る。
「ええいっ!!護衛兵!この者たちを追い払えッッ!!」
「え~~?ご令嬢相手に不敬なこと出来ませんって……」
「この役立たず共がぁぁーーーッッ!!!」
ドアに群がる令嬢達に阻まれ、大広間から出ることが叶わなくなったエドワードの叫び声が虚しく響いた。
「アイリーンや……本当に、隣国に行ってしまうのかい……?」
「そういうお約束でしたよね??」
「うぅ~~……そうだけどぉ~~……」
「そもそも、お父様がさっさと婚約解消を進めてくだされば、こんな大ごとになる前に自由になれたんですのよッッ!?」
「勘弁してくれよ~~……私がヘタレだって知ってるだろ~~?」
「これからは私もおりませんし、もっとしっかりなさってくださいね!」
「王太子の方から婚約破棄を告げられたら自由にしていい」という約束を父親と交わしていたアイリーン。
用意周到に荷造りしていたアイリーンは、屋敷に帰るなり荷物を運び、流れるように隣国に旅立ったのだった。
「え……?なんて……?」
「ですから~~……アイリーンはもういないんです……この国に……」
「なんだとぉぉーーー!!?」
「ひえぇ……」
「吐け!!アイリーンの居場所を吐けーーーッッ!!!」
「ヒィィィ……お許しください~~……喋ったら絶縁されるんですぅぅーーーッッ!!」
「それがどうした吐けぇぇぇーーーッッ!!!」
結局口を割らなかった侯爵に、マーゲンサーラー家から情報を得るのは諦め、王家直属の諜報機関を使うことにしたエドワード。
父王からは呆れた顔をされたが、エドワードは構っていられなかった。
諜報機関を使えば秒でアイリーンなど探し出せるだろうという当初の予想を裏切り、二ヶ月経っても三ヶ月経ってもアイリーンの消息は掴めなかった。
四ヶ月目に「劇場の大道具係がアイリーン嬢に似ている」という情報が入り、居ても立っても居られなくなったエドワードは、早速隣国の劇場へと赴いた。
「久しぶりだなアイリーン!」
「……げっ……」
「げってなんだげって!!!」
「……なんのご用でしょうか?」
「なんだその態度はッッ!?それになんだその少年みたいな格好はッッ!?」
「ただのオーバーオールですよ。知らないんですか?それにここは隣国。貴方との上下関係は通じません!」
「ッッ……クソッ!!……会えて嬉しいのは……私だけなのか……?」
エドワードの身勝手な言葉に、アイリーンはため息をついた。
「もう婚約破棄した元婚約者のことなどお忘れなさいませ。元々私は暫定婚約者だっただけですし……」
「暫定ってなんだ!?アイリーンは婚約者だっ!!」
「もう婚約者ではありません。それは殿下が望んだことですよ?」
「アレはッッ……アイリーンが泣いて縋るところだろッッ!?そうすれば、婚約破棄は撤回してやろうと……」
「きっしょ!!!」
エドワードの言葉を遮ったアイリーンの、言葉のナイフが斬りかかる。
「……きしょ……?……俺は……きしょいのか……?」
「ハイ、きしょいですね」
「……そうか…………因みに、婚約破棄は無効になってるから」
「はあ!?嘘つかないでくださいッッ!!このバカ王子!!」
「うぐっ……アイリーンッッ……貴様は忘れたのか!?私の取り柄は……打たれ強さだッッ!!」
「開き直るなバカ王子ッッ!!」
「ッッ……効かんなッッ!!貴様ごときの暴言など効かんッッ!!よって!貴様と私の婚約は継続だッッ!!!」
めちゃくちゃな言い分に、アイリーンはため息をついた。
「……どうしたら……諦めていただけますか?」
「諦める前提なのか……?」
「よし!分かりました!一発ヤりましょう!」
「はあ!?何を!?」
「セックスですよ」
「はあぁぁぁーーー!!?」
「一発ヤったら、もう付き纏わないでくださいね」
「おいっ……ちょ……一体どこに連れていくんだッッ!!」
溜め息を吐きながら、エドワードの手を取り、下宿先の部屋に引っ張っていくアイリーン。
エドワードは色々叫んでいたが、部屋に入ると途端に大人しくなった。
「……侯爵令嬢が……こんな狭くて薄汚い部屋に住んでいるのか?」
「失礼ですね。ちゃんと掃除してますよ。意外と住み心地良いんですよ?」
「掃除……」
侯爵令嬢が、小さな部屋に、自分で掃除して暮らしている。
その事実にエドワードは頭がクラクラした。
「……ずっとこういう生活に憧れてたんです……殿下が酷い態度を取りながらも、実は私のことが好きだということは分かっていましたけど、私、王太子妃になどなりたくないんですよ」
「だッッ……誰がお前なんかッッ!?」
「好きじゃないなら、このままお帰りいただけます?」
「好きだーーー!!!」
本気で捨てられる危機感を抱いたエドワードは、あっさりと気持ちを認めた。
ここで意地を張ったら、今までの苦労が水の泡だ。
「では話を進めますね」
「あの……私、今、好きだって言ったんだけど……」
「ハイどーもありがとうございます。それでですね……」
「好きだって言ったんだけどぉぉーーー!?」
自分の告白を蔑ろにされたエドワードが真っ赤になって叫ぶ。
アイリーンは、そんなエドワードに憐憫の眼差しを向けた。
「お気持ちはありがたいのですが、私は王太子妃にはなりません。なので、この一発を思い出にしてお帰りいただきたいのです」
「なんださっきから一発一発って!お前にとって追い返したい男相手でも簡単に出来るものなのか!?その一発は!!」
「まぁ……出来ればしたくないですけど……そうでもしないと諦めてくれないかな~~って」
「諦めないと言ったらどうする!?」
「……諦めると思いますよ~~?私への幻想が消えて無くなるんじゃないですかねぇ?」
「決めつけるな……ってオイッッ!?脱ぐなぁぁぁぁーーーッッ!!!」
徐に服を脱ぎ、裸になったアイリーンがエドワードに向かい合う。
一方エドワードは、あまりの光景に手で顔を覆った。
顔を覆う手を掴み、自分の胸に押し当てるアイリーン。
「うわあぁぁぁッッ!?♡ 待てっ……待ってくれ!!アイリーンッッ……なんで……そんな簡単に……男に肌を許すのだ……」
「殿下……」
いっぱいいっぱいになったエドワードの目から、涙が溢れ出す。
「泣かないでくださいよ……」
「泣いてないっ!!……ぐすっ……」
「……申し訳ありません……私にとって、今の暮らしを守ることは、貞操観念より遥かに大切なことなんです」
「……もう……他の男に抱かれたのか……?」
「残念ながら、まだ処女ですよ。誰かさんがおっしゃる通り、可愛げの無い女ですから」
「アイリーンは可愛いッッ!!!」
「ふふふ……ありがとうございます。まあ立ち話もなんですから、ベッドに座りましょう」
アイリーンは、エドワードの手を引き、ベッドに腰掛けた。
「……服を着ろ……風邪を引く……」
「ヤらないんですか?」
「ッッ……!俗物的な言い方をするなッッ!!」
「ええ~~?こういう物言いの方が、生きてるって実感湧きません?……ねぇ、生きてる実感、味わいましょうよ……♡」
エドワードの耳にフッと息をかけると、大袈裟なくらいビクッと跳ねた。
「殿下のココは、したいした~い♡って、仰ってますよ……?」
「うっ……ううぅぅ~~……うえぇぇ~~……」
「ああもう……泣かないでくださいよ……殿下がしないのであれば、処女は他の男性に散らされることになりますが……」
「ヤるッッ!!!」
「ふふふ……それでこそ王太子殿下です♡」
アイリーンはエドワードの服を脱がせると、唇に軽く口付けた。
「……慣れてないか……?」
「気のせいですよ……♡ ねぇ……それより、早くシましょ?♡♡」
「ッッ♡♡♡ このっ……淫売がぁーーッッ♡♡」
怒りと欲情で感情がぐちゃぐちゃになったエドワードは、激情のままにアイリーンを押し倒す。
「きゃははっ♡♡ あ……あっ、あんっ♡ ふふふ……お上手ですよ殿下……♡♡ 気持ちいい……♡♡♡」
首筋に唇を這わせ、アイリーンの豊満な胸を揉むエドワード。
「アイリーンッッ……なあ、エドって呼んでくれ……♡♡♡」
「エド……♡♡♡」
「ーー~~ッッ♡♡♡ アイリーンお前ッッ……私のこと好きだろうッッ!?♡♡♡」
「好きですよ?」
「だったら……」
「それでも、今の暮らしの方が大事です」
「このッッ……頑固者がぁーーーッッ♡♡♡」
怒りのままに、アイリーンの胸を揉みしだき、乳首を吸うエドワード。
「きゃあぁぁんッッ♡♡ あんあんっ♡ おっぱい気持ちいいよぉぉ~~ッッ♡♡♡ もっとぉもっと吸ってぇぇ~~ッッ♡♡♡」
「だから俗物的な言い方をするなーーーッッ!!♡♡♡」
ぢゅるるるッッ♡ ぢゅるぢゅるぢゅるッッ♡
「あはぁぁんっ♡ あんっ♡ あぁぁんっ♡ ねぇエドぉぉ♡ おまんこも触ってよぉぉ~~♡♡♡ おまんこもぉ濡れてるのぉぉ~~ッッ♡♡♡」
「ッッ♡♡♡ お前はぁぁーーッッ♡♡♡ 本当にビショビショじゃないかあぁぁ~~ッッ!!♡♡♡ 誰だお前に俗物的な言い方を教えたのはッッ!?♡♡♡」
「あはぁぁ~~んっ♡♡ おまんこ乱暴にしないでぇぇ~~…ん♡♡♡ ……エドは官能小説読まないのぉ……?♡♡♡」
「そんな低俗な物読まんッッ!!」
「ダメよぉ~~♡♡♡ ちゃんと教養は身に付けないとぉ~~♡♡♡ 人生損するよ?」
「~~ッッ♡♡♡ クソッッ!!ならばアイリーンッッ!!お前が私に得な人生を教えろッッ♡♡♡」
「お任せください♡♡♡」
アイリーンはエドワードを反転させると、跨って首筋に口付けた。股の間にエドワードのペニスを挟み、騎乗位の要領で腰を動かし始めた。
ギシッ…ギシッ…ギシッ…ギシッ…ギシッ…
「んほぉぉぉッッ♡♡♡ 貴様どこでこんなこと覚えたんだぁぁーー~~ッッ♡♡♡」
「だから官能小説ですってばぁぁ~~♡♡♡ エドは気持ち良くない?♡♡♡」
「~~ッッ♡♡♡ めちゃくちゃ気持ちいいよぉ~~ッッ♡♡♡」
「良かったぁ~~♡♡♡ 私もクリトリス擦れて気持ちいい~~んっ♡♡♡」
ギシッ…ギシッ…ギシッ…ギシッ…ギシッ…
自分の上で淫らなダンスを踊るアイリーンの揺れる乳房に、エドワードの情緒が乱れに乱れた。
「なんてエッチなんだアイリーンッッ♡♡♡ アイリーンがエッチ過ぎてッッ私……もう出てしまうーー~~ッッ!!♡♡♡♡」
「いいよぉ~~?♡♡ 出してぇ~~ん♡♡♡ そのまま出してぇぇ~~♡♡♡」
「ハァッ……ハァッ……ハァッ……ああもうダメだぁぁイクうぅーーーッッ!!♡♡♡♡♡」
ドプッ…ドプドプドプッ……ドクドクドク……
「ハァッ……ハァッ……ハァッ……♡♡♡」
「いっぱい出ましたねぇ~~……♡♡♡ あらあら……泣いちゃダメですよぉ~~♡♡♡」
「うるしゃいっ!泣いてにゃいっっ!♡♡」
劇場裏の古びたアパートの一室で、王太子の自分が好きな女に跨られて射精をしたという事実に、ぐちゃぐちゃになった感情が涙になって出てきたエドワード。
「ねぇ……今、生きてるって実感湧きません?」
「……悔しいが、人生で一番生きてる実感が湧いている……」
エドワードは、アイリーンを組み敷き、口付けを交わす。してやったりと思っていると、アイリーンが舌を絡めてきて、ビクッと震えた。
「ねぇ~~……♡♡♡ もぉ挿れて……?♡♡♡」
「クソッッ……♡♡♡ 孕ませてやるッッ♡♡♡」
エドワードが自らのペニスをアイリーンの膣口に添えると、アイリーンは微笑んで先を促した。
「痛くしたら……すまん……♡♡♡」
「ふふふ……お気遣いありがとうございます♡♡♡」
ズプッ……ズププ……
「あぁぁぁーー~~ッッ♡♡♡ エドのおちんぽ大っきい~~んっ♡♡♡」
「またお前はッッ……痛くないか……?」
「痛くないよぉ~~?♡♡♡ エドのおちんぽ気持ちいいよぉ~~?♡♡♡」
「そうか……良かった……♡♡♡」
「あはは……エドってなんだかんだで優しいですよね~~♡♡♡」
「う~~……すまん……君に振り向いて欲しくて……酷いこといっぱいした……」
「分かってますよ……でも、私のお友達には謝ってくださいね。地下牢に入れようとするなんて……」
「本気じゃなかった!……だから護衛兵もろくに動かなかっただろ……」
「本気でも本気じゃなくても、あなたはその力を行使する重みを自覚なさいませ」
「……ごめん……」
暗愚だとかバカ王子だとか言われるエドワードだが、根は優しく、国民思いの王太子であることは、アイリーンにはよく分かっていた。
だからこそ、然るべき令嬢と婚約を結び直して欲しいという気持ちが多分にある。
自分の恋愛感情よりも、やはり自由な生活なのだ。
「ねぇもっと動いてぇ……♡♡♡」
「…ッッ♡♡♡ 好きだアイリーンッッ♡♡♡ 好きなんだッッ♡♡♡」
「あはぁん♡ あっ、あっ、あ~~んっ♡♡ 私も好きぃぃ~~ん♡♡ ねぇもっと激しくしてぇぇんっ♡♡♡ あぁぁぁッッ♡♡ それそれぇぇーー~~ッッ♡♡♡ ソコもっとしてぇッッ♡♡♡ソコ好きなトコぉぉ~~ッッ♡♡♡」
「好きなら結婚しろぉぉ~~ッッ!!♡♡♡」
バチュン!バチュン!バチュン!バチュン!
「エドが平民になってくれたら考えるぅぅ~~んッッ♡♡♡」
「クソッッ……♡♡♡ 言ったなッッ!?♡♡♡ 本気にするぞッッ♡♡♡」
「フフ……出来るかなぁ~~??♡♡♡」
「バカにするなッッ!!」
「違いますよ……殿下は意外と国民のことを大事にしてらっしゃるでしょう?だから簡単に王太子という立場を捨てれないんですよ」
アイリーンが自分のことを見てくれていたという喜びが、エドワードの胸を満たす。
同時に、決別の意思も込められていることも痛感した。
自分が王太子であることを諦められないように、アイリーンも自由であることを諦めないのだろうと思い知る。
「~~ッッ……好きだアイリーンッッ……好きだぁぁーー~~ッッ♡♡♡」
「んあっ、あんっ♡♡ あーー~~ッッ♡♡♡ ねぇイきそうッッ♡♡♡ 私もうイきそうなのぉぉ~~ッッ♡♡♡ ねぇイッちゃうッッイッちゃうぅぅーーー~~ッッ♡♡♡♡ あ゛ぁぁぁッッ♡♡♡♡ あ゛ぁぁぁッッ♡♡♡♡♡ イグぅぅーーー~~ッッ!!♡♡♡♡♡♡」
「あぁぁぁ出るぅぅーーー~~ッッ♡♡♡ 孕め孕め孕めーーーッッ!!♡♡♡♡ イクーーーッッ♡♡♡♡♡♡」
ビクビクッ…ビクッ…ビクッ…ビクッ…
ビュルッ…ビュルルルッ……ビュルッ…
「あ゛っ……♡ あ゛っっ……♡ あぁぁぁ……♡」
「ハァッ……ハァッ……ハァッ……♡♡♡」
ままならない思いを抱え、アイリーンをきつく抱き締めながら、エドワードは精を放った。
「念のため聞くが……もし妊娠したら……」
「あ、それは大丈夫です。避妊薬飲んでますから」
「はあーー!?……体に悪くないのか!?」
「妖精印の薬局のものなんで、大丈夫ですよ」
「しかし……」
妖精が作る、生薬が主成分の体に優しい薬だからと言うアイリーンだが、エドワードは不安が拭えない。
「なのでその辺は心配いりませんし、配慮も要りません。結婚もしません」
「うぐぐ……」
「それよりイチャイチャしましょうよ~~♡♡」
「おっ……おう♡♡♡」
しばらくベッドの中で、お互いの体を絡め合い、事後の余韻に浸っていた。
「初めて会った時に、アイリーンしかいないって思った……。私の希望で君を婚約者にしたが、君はいつも暗い顔をしていたな……今思えば、ずっと私のことが煩わしかったのだろう」
「煩わしかったのはエドのことじゃなくて、王太子妃という足枷でしたけどね。私の気を引きたくて逆方向に突っ走るエドのことは結構好きでしたよ?♡♡」
「うぐっ……そうか……バレバレだったんだな……」
「まさかこんなところまで追いかけてくるとは思ってませんでしたけど……」
「見直したか?」
「……そういうとこ……好きですよ♡♡」
「んんんんッッ♡♡♡ 連れて帰りたぁぁ~~い♡♡♡」
「まぁまぁ♡♡ 恋は儚く終わるから美しいんです♡♡♡」
「終わる前提かッッ!!」
護衛が迎えに来て、駄々を捏ねながらも、エドワードは国に帰った。
アイリーンはその後も、劇場の大道具を管理して、仕事終わりには仲間と食堂でワイワイ過ごし、生きている喜びを味わった。
「やあ!遊びに来たよアイリーン♡♡♡」
「ええ~~?……また来たんですかぁ??」
あれから月一で隣国に遊びに来るエドワード。王太子としての仕事は大丈夫なのかとアイリーンが尋ねると、満遍の笑みを浮かべた。
「弟に王太子を譲ることにした♡♡♡」
「ええっ!?……随分と……思い切りましたね……」
「王太子じゃなくても、国民を守ることは出来るからな!引き継ぎが終わったら、私は晴れて自由の身だ!」
「……そう簡単に行きます~~??」
「そこは私の腕の見せ所だ!さて、アイリーンには責任を取って、結婚してもらおうかな♡」
「そんなの自己責任でしょ……まあ、とりあえず……一発ヤッときます?♡♡」
「ヤろうじゃないか♡♡♡」
劇場裏のアパートの一室で、今日もエドワードとアイリーンは、生きている実感を存分に味わうのだった。
学園の卒業パーティーの真っ最中、この国の王太子、エドワード・エルドレッドの声が大広間に響いた。
「貴様がこの心優しい男爵令嬢エリーを、嫉妬に駆られて虐め抜いていたことは看過できん!貴様のような性根の卑しい女は……」
「ちょっとお待ちくださいませ!アイリーン様はそのようなことをなさる方ではありませんわっ!」
王太子の言葉を遮ったのは、アイリーンの学友だった。
「貴様ぁ~~ッッ!!この私の言葉を遮るとはッッ!!」
「殿下がまともな発言をなさっているのなら、私も口を挟みませんわッッ!!私を処罰したいのならなさいませッッ!!その覚悟が私にあることが、アイリーン様の潔白を証明するものですわッッ!!」
「もっともそうな物言いをしやがって……!!」
エドワードのこめかみに青筋が走る。
「いいだろう!貴様を地下牢にでも……」
「おやめくださいませ!!」
今度は、婚約破棄を言い渡されたアイリーンが叫んだ。
「……承知致しました……婚約破棄を承ります……殿下……どうか、お元気で……」
「……え……?」
「では、私はこれにて、失礼いたします……」
アイリーンはカーテシーで一礼すると、大広間のドアに向かって歩き出した。
「待て待て待てーーい!!!貴様がッッ……どうしてもと泣いて縋るのなら……まあ、考えてやらんことも……」
「ご無理をなさらないでください殿下……。殿下はエリー様と真実の愛を貫いてくださいませ……」
「えっ?……いや別にエリーとは……えっ?」
「では、ご機嫌よう……お元気で……」
今度こそ大広間から出ていくアイリーン。
アイリーンが去り、大きなドアが閉められた。
「自由だーーーーーッッ!!!」
ドアの向こう側から響いたのは、アイリーンの雄叫びだった。
「あーあー……だ~~から申し上げましたのに……そもそも、嫉妬に駆られてエリー様を虐める筈がないんですよ。事あるごとに婚約破棄したいしたいって仰ってたんですから……」
学友の令嬢が、心底呆れた口調で話す。
「え……?待て待て待て……待って待って待って~~ッッ!!!待ってアイリーン行かないで~~ッッ!!!」
「おっとごめんなさい!殿下がアイリーン様を追いかけないように足止めしてくれと、私達友人一同に頼まれておりますので、ここは通しませんよ?」
学友の令嬢達が、幾重にも重なって、バリケードを作る。
「ええいっ!!護衛兵!この者たちを追い払えッッ!!」
「え~~?ご令嬢相手に不敬なこと出来ませんって……」
「この役立たず共がぁぁーーーッッ!!!」
ドアに群がる令嬢達に阻まれ、大広間から出ることが叶わなくなったエドワードの叫び声が虚しく響いた。
「アイリーンや……本当に、隣国に行ってしまうのかい……?」
「そういうお約束でしたよね??」
「うぅ~~……そうだけどぉ~~……」
「そもそも、お父様がさっさと婚約解消を進めてくだされば、こんな大ごとになる前に自由になれたんですのよッッ!?」
「勘弁してくれよ~~……私がヘタレだって知ってるだろ~~?」
「これからは私もおりませんし、もっとしっかりなさってくださいね!」
「王太子の方から婚約破棄を告げられたら自由にしていい」という約束を父親と交わしていたアイリーン。
用意周到に荷造りしていたアイリーンは、屋敷に帰るなり荷物を運び、流れるように隣国に旅立ったのだった。
「え……?なんて……?」
「ですから~~……アイリーンはもういないんです……この国に……」
「なんだとぉぉーーー!!?」
「ひえぇ……」
「吐け!!アイリーンの居場所を吐けーーーッッ!!!」
「ヒィィィ……お許しください~~……喋ったら絶縁されるんですぅぅーーーッッ!!」
「それがどうした吐けぇぇぇーーーッッ!!!」
結局口を割らなかった侯爵に、マーゲンサーラー家から情報を得るのは諦め、王家直属の諜報機関を使うことにしたエドワード。
父王からは呆れた顔をされたが、エドワードは構っていられなかった。
諜報機関を使えば秒でアイリーンなど探し出せるだろうという当初の予想を裏切り、二ヶ月経っても三ヶ月経ってもアイリーンの消息は掴めなかった。
四ヶ月目に「劇場の大道具係がアイリーン嬢に似ている」という情報が入り、居ても立っても居られなくなったエドワードは、早速隣国の劇場へと赴いた。
「久しぶりだなアイリーン!」
「……げっ……」
「げってなんだげって!!!」
「……なんのご用でしょうか?」
「なんだその態度はッッ!?それになんだその少年みたいな格好はッッ!?」
「ただのオーバーオールですよ。知らないんですか?それにここは隣国。貴方との上下関係は通じません!」
「ッッ……クソッ!!……会えて嬉しいのは……私だけなのか……?」
エドワードの身勝手な言葉に、アイリーンはため息をついた。
「もう婚約破棄した元婚約者のことなどお忘れなさいませ。元々私は暫定婚約者だっただけですし……」
「暫定ってなんだ!?アイリーンは婚約者だっ!!」
「もう婚約者ではありません。それは殿下が望んだことですよ?」
「アレはッッ……アイリーンが泣いて縋るところだろッッ!?そうすれば、婚約破棄は撤回してやろうと……」
「きっしょ!!!」
エドワードの言葉を遮ったアイリーンの、言葉のナイフが斬りかかる。
「……きしょ……?……俺は……きしょいのか……?」
「ハイ、きしょいですね」
「……そうか…………因みに、婚約破棄は無効になってるから」
「はあ!?嘘つかないでくださいッッ!!このバカ王子!!」
「うぐっ……アイリーンッッ……貴様は忘れたのか!?私の取り柄は……打たれ強さだッッ!!」
「開き直るなバカ王子ッッ!!」
「ッッ……効かんなッッ!!貴様ごときの暴言など効かんッッ!!よって!貴様と私の婚約は継続だッッ!!!」
めちゃくちゃな言い分に、アイリーンはため息をついた。
「……どうしたら……諦めていただけますか?」
「諦める前提なのか……?」
「よし!分かりました!一発ヤりましょう!」
「はあ!?何を!?」
「セックスですよ」
「はあぁぁぁーーー!!?」
「一発ヤったら、もう付き纏わないでくださいね」
「おいっ……ちょ……一体どこに連れていくんだッッ!!」
溜め息を吐きながら、エドワードの手を取り、下宿先の部屋に引っ張っていくアイリーン。
エドワードは色々叫んでいたが、部屋に入ると途端に大人しくなった。
「……侯爵令嬢が……こんな狭くて薄汚い部屋に住んでいるのか?」
「失礼ですね。ちゃんと掃除してますよ。意外と住み心地良いんですよ?」
「掃除……」
侯爵令嬢が、小さな部屋に、自分で掃除して暮らしている。
その事実にエドワードは頭がクラクラした。
「……ずっとこういう生活に憧れてたんです……殿下が酷い態度を取りながらも、実は私のことが好きだということは分かっていましたけど、私、王太子妃になどなりたくないんですよ」
「だッッ……誰がお前なんかッッ!?」
「好きじゃないなら、このままお帰りいただけます?」
「好きだーーー!!!」
本気で捨てられる危機感を抱いたエドワードは、あっさりと気持ちを認めた。
ここで意地を張ったら、今までの苦労が水の泡だ。
「では話を進めますね」
「あの……私、今、好きだって言ったんだけど……」
「ハイどーもありがとうございます。それでですね……」
「好きだって言ったんだけどぉぉーーー!?」
自分の告白を蔑ろにされたエドワードが真っ赤になって叫ぶ。
アイリーンは、そんなエドワードに憐憫の眼差しを向けた。
「お気持ちはありがたいのですが、私は王太子妃にはなりません。なので、この一発を思い出にしてお帰りいただきたいのです」
「なんださっきから一発一発って!お前にとって追い返したい男相手でも簡単に出来るものなのか!?その一発は!!」
「まぁ……出来ればしたくないですけど……そうでもしないと諦めてくれないかな~~って」
「諦めないと言ったらどうする!?」
「……諦めると思いますよ~~?私への幻想が消えて無くなるんじゃないですかねぇ?」
「決めつけるな……ってオイッッ!?脱ぐなぁぁぁぁーーーッッ!!!」
徐に服を脱ぎ、裸になったアイリーンがエドワードに向かい合う。
一方エドワードは、あまりの光景に手で顔を覆った。
顔を覆う手を掴み、自分の胸に押し当てるアイリーン。
「うわあぁぁぁッッ!?♡ 待てっ……待ってくれ!!アイリーンッッ……なんで……そんな簡単に……男に肌を許すのだ……」
「殿下……」
いっぱいいっぱいになったエドワードの目から、涙が溢れ出す。
「泣かないでくださいよ……」
「泣いてないっ!!……ぐすっ……」
「……申し訳ありません……私にとって、今の暮らしを守ることは、貞操観念より遥かに大切なことなんです」
「……もう……他の男に抱かれたのか……?」
「残念ながら、まだ処女ですよ。誰かさんがおっしゃる通り、可愛げの無い女ですから」
「アイリーンは可愛いッッ!!!」
「ふふふ……ありがとうございます。まあ立ち話もなんですから、ベッドに座りましょう」
アイリーンは、エドワードの手を引き、ベッドに腰掛けた。
「……服を着ろ……風邪を引く……」
「ヤらないんですか?」
「ッッ……!俗物的な言い方をするなッッ!!」
「ええ~~?こういう物言いの方が、生きてるって実感湧きません?……ねぇ、生きてる実感、味わいましょうよ……♡」
エドワードの耳にフッと息をかけると、大袈裟なくらいビクッと跳ねた。
「殿下のココは、したいした~い♡って、仰ってますよ……?」
「うっ……ううぅぅ~~……うえぇぇ~~……」
「ああもう……泣かないでくださいよ……殿下がしないのであれば、処女は他の男性に散らされることになりますが……」
「ヤるッッ!!!」
「ふふふ……それでこそ王太子殿下です♡」
アイリーンはエドワードの服を脱がせると、唇に軽く口付けた。
「……慣れてないか……?」
「気のせいですよ……♡ ねぇ……それより、早くシましょ?♡♡」
「ッッ♡♡♡ このっ……淫売がぁーーッッ♡♡」
怒りと欲情で感情がぐちゃぐちゃになったエドワードは、激情のままにアイリーンを押し倒す。
「きゃははっ♡♡ あ……あっ、あんっ♡ ふふふ……お上手ですよ殿下……♡♡ 気持ちいい……♡♡♡」
首筋に唇を這わせ、アイリーンの豊満な胸を揉むエドワード。
「アイリーンッッ……なあ、エドって呼んでくれ……♡♡♡」
「エド……♡♡♡」
「ーー~~ッッ♡♡♡ アイリーンお前ッッ……私のこと好きだろうッッ!?♡♡♡」
「好きですよ?」
「だったら……」
「それでも、今の暮らしの方が大事です」
「このッッ……頑固者がぁーーーッッ♡♡♡」
怒りのままに、アイリーンの胸を揉みしだき、乳首を吸うエドワード。
「きゃあぁぁんッッ♡♡ あんあんっ♡ おっぱい気持ちいいよぉぉ~~ッッ♡♡♡ もっとぉもっと吸ってぇぇ~~ッッ♡♡♡」
「だから俗物的な言い方をするなーーーッッ!!♡♡♡」
ぢゅるるるッッ♡ ぢゅるぢゅるぢゅるッッ♡
「あはぁぁんっ♡ あんっ♡ あぁぁんっ♡ ねぇエドぉぉ♡ おまんこも触ってよぉぉ~~♡♡♡ おまんこもぉ濡れてるのぉぉ~~ッッ♡♡♡」
「ッッ♡♡♡ お前はぁぁーーッッ♡♡♡ 本当にビショビショじゃないかあぁぁ~~ッッ!!♡♡♡ 誰だお前に俗物的な言い方を教えたのはッッ!?♡♡♡」
「あはぁぁ~~んっ♡♡ おまんこ乱暴にしないでぇぇ~~…ん♡♡♡ ……エドは官能小説読まないのぉ……?♡♡♡」
「そんな低俗な物読まんッッ!!」
「ダメよぉ~~♡♡♡ ちゃんと教養は身に付けないとぉ~~♡♡♡ 人生損するよ?」
「~~ッッ♡♡♡ クソッッ!!ならばアイリーンッッ!!お前が私に得な人生を教えろッッ♡♡♡」
「お任せください♡♡♡」
アイリーンはエドワードを反転させると、跨って首筋に口付けた。股の間にエドワードのペニスを挟み、騎乗位の要領で腰を動かし始めた。
ギシッ…ギシッ…ギシッ…ギシッ…ギシッ…
「んほぉぉぉッッ♡♡♡ 貴様どこでこんなこと覚えたんだぁぁーー~~ッッ♡♡♡」
「だから官能小説ですってばぁぁ~~♡♡♡ エドは気持ち良くない?♡♡♡」
「~~ッッ♡♡♡ めちゃくちゃ気持ちいいよぉ~~ッッ♡♡♡」
「良かったぁ~~♡♡♡ 私もクリトリス擦れて気持ちいい~~んっ♡♡♡」
ギシッ…ギシッ…ギシッ…ギシッ…ギシッ…
自分の上で淫らなダンスを踊るアイリーンの揺れる乳房に、エドワードの情緒が乱れに乱れた。
「なんてエッチなんだアイリーンッッ♡♡♡ アイリーンがエッチ過ぎてッッ私……もう出てしまうーー~~ッッ!!♡♡♡♡」
「いいよぉ~~?♡♡ 出してぇ~~ん♡♡♡ そのまま出してぇぇ~~♡♡♡」
「ハァッ……ハァッ……ハァッ……ああもうダメだぁぁイクうぅーーーッッ!!♡♡♡♡♡」
ドプッ…ドプドプドプッ……ドクドクドク……
「ハァッ……ハァッ……ハァッ……♡♡♡」
「いっぱい出ましたねぇ~~……♡♡♡ あらあら……泣いちゃダメですよぉ~~♡♡♡」
「うるしゃいっ!泣いてにゃいっっ!♡♡」
劇場裏の古びたアパートの一室で、王太子の自分が好きな女に跨られて射精をしたという事実に、ぐちゃぐちゃになった感情が涙になって出てきたエドワード。
「ねぇ……今、生きてるって実感湧きません?」
「……悔しいが、人生で一番生きてる実感が湧いている……」
エドワードは、アイリーンを組み敷き、口付けを交わす。してやったりと思っていると、アイリーンが舌を絡めてきて、ビクッと震えた。
「ねぇ~~……♡♡♡ もぉ挿れて……?♡♡♡」
「クソッッ……♡♡♡ 孕ませてやるッッ♡♡♡」
エドワードが自らのペニスをアイリーンの膣口に添えると、アイリーンは微笑んで先を促した。
「痛くしたら……すまん……♡♡♡」
「ふふふ……お気遣いありがとうございます♡♡♡」
ズプッ……ズププ……
「あぁぁぁーー~~ッッ♡♡♡ エドのおちんぽ大っきい~~んっ♡♡♡」
「またお前はッッ……痛くないか……?」
「痛くないよぉ~~?♡♡♡ エドのおちんぽ気持ちいいよぉ~~?♡♡♡」
「そうか……良かった……♡♡♡」
「あはは……エドってなんだかんだで優しいですよね~~♡♡♡」
「う~~……すまん……君に振り向いて欲しくて……酷いこといっぱいした……」
「分かってますよ……でも、私のお友達には謝ってくださいね。地下牢に入れようとするなんて……」
「本気じゃなかった!……だから護衛兵もろくに動かなかっただろ……」
「本気でも本気じゃなくても、あなたはその力を行使する重みを自覚なさいませ」
「……ごめん……」
暗愚だとかバカ王子だとか言われるエドワードだが、根は優しく、国民思いの王太子であることは、アイリーンにはよく分かっていた。
だからこそ、然るべき令嬢と婚約を結び直して欲しいという気持ちが多分にある。
自分の恋愛感情よりも、やはり自由な生活なのだ。
「ねぇもっと動いてぇ……♡♡♡」
「…ッッ♡♡♡ 好きだアイリーンッッ♡♡♡ 好きなんだッッ♡♡♡」
「あはぁん♡ あっ、あっ、あ~~んっ♡♡ 私も好きぃぃ~~ん♡♡ ねぇもっと激しくしてぇぇんっ♡♡♡ あぁぁぁッッ♡♡ それそれぇぇーー~~ッッ♡♡♡ ソコもっとしてぇッッ♡♡♡ソコ好きなトコぉぉ~~ッッ♡♡♡」
「好きなら結婚しろぉぉ~~ッッ!!♡♡♡」
バチュン!バチュン!バチュン!バチュン!
「エドが平民になってくれたら考えるぅぅ~~んッッ♡♡♡」
「クソッッ……♡♡♡ 言ったなッッ!?♡♡♡ 本気にするぞッッ♡♡♡」
「フフ……出来るかなぁ~~??♡♡♡」
「バカにするなッッ!!」
「違いますよ……殿下は意外と国民のことを大事にしてらっしゃるでしょう?だから簡単に王太子という立場を捨てれないんですよ」
アイリーンが自分のことを見てくれていたという喜びが、エドワードの胸を満たす。
同時に、決別の意思も込められていることも痛感した。
自分が王太子であることを諦められないように、アイリーンも自由であることを諦めないのだろうと思い知る。
「~~ッッ……好きだアイリーンッッ……好きだぁぁーー~~ッッ♡♡♡」
「んあっ、あんっ♡♡ あーー~~ッッ♡♡♡ ねぇイきそうッッ♡♡♡ 私もうイきそうなのぉぉ~~ッッ♡♡♡ ねぇイッちゃうッッイッちゃうぅぅーーー~~ッッ♡♡♡♡ あ゛ぁぁぁッッ♡♡♡♡ あ゛ぁぁぁッッ♡♡♡♡♡ イグぅぅーーー~~ッッ!!♡♡♡♡♡♡」
「あぁぁぁ出るぅぅーーー~~ッッ♡♡♡ 孕め孕め孕めーーーッッ!!♡♡♡♡ イクーーーッッ♡♡♡♡♡♡」
ビクビクッ…ビクッ…ビクッ…ビクッ…
ビュルッ…ビュルルルッ……ビュルッ…
「あ゛っ……♡ あ゛っっ……♡ あぁぁぁ……♡」
「ハァッ……ハァッ……ハァッ……♡♡♡」
ままならない思いを抱え、アイリーンをきつく抱き締めながら、エドワードは精を放った。
「念のため聞くが……もし妊娠したら……」
「あ、それは大丈夫です。避妊薬飲んでますから」
「はあーー!?……体に悪くないのか!?」
「妖精印の薬局のものなんで、大丈夫ですよ」
「しかし……」
妖精が作る、生薬が主成分の体に優しい薬だからと言うアイリーンだが、エドワードは不安が拭えない。
「なのでその辺は心配いりませんし、配慮も要りません。結婚もしません」
「うぐぐ……」
「それよりイチャイチャしましょうよ~~♡♡」
「おっ……おう♡♡♡」
しばらくベッドの中で、お互いの体を絡め合い、事後の余韻に浸っていた。
「初めて会った時に、アイリーンしかいないって思った……。私の希望で君を婚約者にしたが、君はいつも暗い顔をしていたな……今思えば、ずっと私のことが煩わしかったのだろう」
「煩わしかったのはエドのことじゃなくて、王太子妃という足枷でしたけどね。私の気を引きたくて逆方向に突っ走るエドのことは結構好きでしたよ?♡♡」
「うぐっ……そうか……バレバレだったんだな……」
「まさかこんなところまで追いかけてくるとは思ってませんでしたけど……」
「見直したか?」
「……そういうとこ……好きですよ♡♡」
「んんんんッッ♡♡♡ 連れて帰りたぁぁ~~い♡♡♡」
「まぁまぁ♡♡ 恋は儚く終わるから美しいんです♡♡♡」
「終わる前提かッッ!!」
護衛が迎えに来て、駄々を捏ねながらも、エドワードは国に帰った。
アイリーンはその後も、劇場の大道具を管理して、仕事終わりには仲間と食堂でワイワイ過ごし、生きている喜びを味わった。
「やあ!遊びに来たよアイリーン♡♡♡」
「ええ~~?……また来たんですかぁ??」
あれから月一で隣国に遊びに来るエドワード。王太子としての仕事は大丈夫なのかとアイリーンが尋ねると、満遍の笑みを浮かべた。
「弟に王太子を譲ることにした♡♡♡」
「ええっ!?……随分と……思い切りましたね……」
「王太子じゃなくても、国民を守ることは出来るからな!引き継ぎが終わったら、私は晴れて自由の身だ!」
「……そう簡単に行きます~~??」
「そこは私の腕の見せ所だ!さて、アイリーンには責任を取って、結婚してもらおうかな♡」
「そんなの自己責任でしょ……まあ、とりあえず……一発ヤッときます?♡♡」
「ヤろうじゃないか♡♡♡」
劇場裏のアパートの一室で、今日もエドワードとアイリーンは、生きている実感を存分に味わうのだった。
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