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アルケ村防衛戦Ⅱ
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「ええい! あのグラサン小僧を集中してねら……」
「おっと、隙だらけだぜ、おっさん」
「っ!」
いつの間にかゼルが敵のリーダーの懐に飛び込んでいた。
「ん、外した。意外と動けんじゃん。デブのくせに」
剣を振るったゼルだったが、ギリギリのところで敵のリーダーは攻撃を躱した。
「この生意気なゴブリンもさっさと殺せ!」
「まだ、こんなにいんのかよ。鬱陶しいな」
ゼルの周りに敵の部下が四人集まってきた。
「ふん、所詮はゴブリンとガキ。数で押せばまだ勝てる」
確かに数の有利は向こうにある。
でも、それを覆すほどにゼルとヘイヴィアは強かった。
このままなら私たちが勝てる。
「ん? ふっ。おい、ゴブリン。貴様、さっき守るとかなんとかほざいていたな。守れるものなら、守ってみろ!」
この感じ……あ!
「燃え尽きろ!」
「は? どこに向かって……な!」
敵のリーダーが放った炎は村人たちがいる位置とは全く無関係の方向。
だから、ゼルは気づくのが一瞬遅れた。その炎の先に小さな少女が隠れていたことに。
でも……。
「うっ……」
「マナ!」
「っち、勘のいい小娘が」
炎が直撃する寸前で、私は女の子を抱えて、その攻撃を躱した。
「お姉ちゃん……ありがとう……」
少女は涙を流しながら私にお礼を言ってくれた。
多分、あの人たちがこの村を襲って来たときに家の中に隠れていたのだろう。
でも、家が焼かれてしまったために、外に出ざる負えなくなってしまった。
敵のリーダーは一人になっていたこの子を見つけて攻撃を仕掛けてきた。
ギリギリで間に合ってよかった。
でも、背中がちょっと火傷した。
めちゃ熱いしめっちゃ痛い。泣きそう。
って泣き言言ってる場合じゃない。早くこの子をみんなのところに連れて行かないと。
このままじゃ、また狙われ……。
「偶然避けられただけだろうが、次はそういかない!」
この感じ……さっきより大きいのが来る! 早く逃げないと!
「っ!」
けど、動こうとした瞬間、背中に激痛が走り、足が止まってしまった。
「インフェルノ!」
広範囲の炎魔法が私たちに向かって放たれた。
ダメ、このままじゃ……せめてこの子だけでも。
私は女の子を抱きかかえて自分を盾にしようとした。
「そのまま伏せてろ」
「え? ゼル……?」
いつの間にかゼルが私たちを庇う様に炎の前に立ちふさがった。
「はははははは! 今更遅い! 生意気なゴブリンごと焼き殺してくれるわ!」
ゼルは剣を構えるだけで、逃げようとはしなかった。
もう寸前まで炎は迫ってきており、私は死を覚悟した。
終わった……。
そう、思った。
でも……。
「………………………え?」
炎はいつまで経っても私たちの元まで来ることはなかった。
「止まった……? ううん、これは……」
私は自分の目を疑った。
炎はゼルの持っていた剣の切先止まっているように見えた。
けど、違う。炎がだんだん小さくなっていっている。
「これは……炎が吸収されている……?」
信じられないことだけど、剣が炎を、うんん、魔法を吸収してる。
そして、その炎を全て吸収すると、刀身に空いた七つの穴の一つが赤白く輝きだした。
「なんだ……何をした!!! ゴブリン!!!!!」
敵のリーダーもたまらず声を荒げた。
「何って? 喰ったんだよ」
「喰った、だと?」
「ああ、そうだ。こいつは魔法を喰らう」
魔法を喰らう? そんな武器、聞いたことない。
そもそもあれは武器なの? ただの剣で魔法を吸収することなんて出来るわけないし……もしかして、あれって!
「貴様、その剣、神器か?」
「そうだ。神器ディスガイナ。これがこいつの名だ」
神器!? 神器ってあの神器!?
神器と言えば、古代文明の遺産。世界でも数点しかその存在が確認されておらず、人目に触れる機会が少ないため、世間では都市伝説扱いされている幻の武具。
噂程度にしか聞いたことなかったけど、実在したんだ!
「魔力を必要とせず、異能の力を授けるとされる武具。なるほど、魔力のないゴブリンにはうってつけの武器ってわけだ。確かに魔法を吸収されるのは厄介だが、それでもゴブリンが劣等種族であることには変わりない」
「焦んなよ。こいつの真価はこれからだ」
え、魔法を吸収するだけでも強力なのに、まだ力を隠し持っているの!?
「行くぞ、ディスガイナ。換装」
ゼルがそう唱えると、ディスガイナが燃え上がり、その姿を隠す。
「ディスガイナの形は一つじゃない。喰らった魔法の属性によってその姿と名前を変える換装型神器だ」
段々とディスガイナを包んでいた炎が晴れていき、新たな武器としてその姿を現す。
「炎の槍アグニマズド」
炎のように紅い柄に鋭い三つ又の穂先。
それが新たなディスガイナ、いや、アグニマズドの姿だった。
「覚悟しろ。もう、お前の炎は俺には効かない」
「っく! 一度魔法を防いだぐらいでいい気になりやがって! これならどうだ!」
男は魔力を上げ、地面に炎の陣を形成する。
「俺の最大魔法だ。この村ごと消し飛べ!」
陣が完成し、けたたましい炎が地面から噴き出す。
男は頭上に手を掲げ、その炎を凝縮させて手の平に集める。
「ゼロ・インフェルノ!!!!」
先程の魔法よりも極小サイズの火の玉。
だけど、込められた魔力は先程の比じゃない。
一点に凝縮されたあの魔法を受ければ、本当にこの村ごと消し飛んでしまう。
「ゼル!」
「心配すんな」
不安げに声を上げた私にゼルは笑ってそう言った。
「天導流焔式、二ノ型……」
ゼルはアグニマズドを構え真っ直ぐ炎球へと突っ込んでいく。
「“炎天燐火”!」
アグニマズドの柄を炎球に当て、空高く突き上げた。
そして、天高く舞い上がった炎球は雲を吹き飛ばすほどの大爆発を起こした。
「なに!?」
「ウソ……!」
あの強大な魔力が込められた魔法をいとも容易く跳ね返した!
普通ならあの炎球に触れた瞬間、爆発するはずなのに。
「隙、だらけだぜ」
「っ!」
みなが打ち上げられた炎球に気を取られていた。
それは敵のリーダーも同様で……。
「天導流焔式、一ノ型……」
だから、彼はゼルがすぐ傍まで迫っていることに気が付かなかった。
「“紅蓮鳳凰戟”!」
彼の懐に迫ったゼルから渾身の一撃が放たれる。
「ぐああああああああああ!!!!!!!」
燃え盛る紅蓮の槍に切り裂かれ、彼はゼルに敗北した。
「おっと、隙だらけだぜ、おっさん」
「っ!」
いつの間にかゼルが敵のリーダーの懐に飛び込んでいた。
「ん、外した。意外と動けんじゃん。デブのくせに」
剣を振るったゼルだったが、ギリギリのところで敵のリーダーは攻撃を躱した。
「この生意気なゴブリンもさっさと殺せ!」
「まだ、こんなにいんのかよ。鬱陶しいな」
ゼルの周りに敵の部下が四人集まってきた。
「ふん、所詮はゴブリンとガキ。数で押せばまだ勝てる」
確かに数の有利は向こうにある。
でも、それを覆すほどにゼルとヘイヴィアは強かった。
このままなら私たちが勝てる。
「ん? ふっ。おい、ゴブリン。貴様、さっき守るとかなんとかほざいていたな。守れるものなら、守ってみろ!」
この感じ……あ!
「燃え尽きろ!」
「は? どこに向かって……な!」
敵のリーダーが放った炎は村人たちがいる位置とは全く無関係の方向。
だから、ゼルは気づくのが一瞬遅れた。その炎の先に小さな少女が隠れていたことに。
でも……。
「うっ……」
「マナ!」
「っち、勘のいい小娘が」
炎が直撃する寸前で、私は女の子を抱えて、その攻撃を躱した。
「お姉ちゃん……ありがとう……」
少女は涙を流しながら私にお礼を言ってくれた。
多分、あの人たちがこの村を襲って来たときに家の中に隠れていたのだろう。
でも、家が焼かれてしまったために、外に出ざる負えなくなってしまった。
敵のリーダーは一人になっていたこの子を見つけて攻撃を仕掛けてきた。
ギリギリで間に合ってよかった。
でも、背中がちょっと火傷した。
めちゃ熱いしめっちゃ痛い。泣きそう。
って泣き言言ってる場合じゃない。早くこの子をみんなのところに連れて行かないと。
このままじゃ、また狙われ……。
「偶然避けられただけだろうが、次はそういかない!」
この感じ……さっきより大きいのが来る! 早く逃げないと!
「っ!」
けど、動こうとした瞬間、背中に激痛が走り、足が止まってしまった。
「インフェルノ!」
広範囲の炎魔法が私たちに向かって放たれた。
ダメ、このままじゃ……せめてこの子だけでも。
私は女の子を抱きかかえて自分を盾にしようとした。
「そのまま伏せてろ」
「え? ゼル……?」
いつの間にかゼルが私たちを庇う様に炎の前に立ちふさがった。
「はははははは! 今更遅い! 生意気なゴブリンごと焼き殺してくれるわ!」
ゼルは剣を構えるだけで、逃げようとはしなかった。
もう寸前まで炎は迫ってきており、私は死を覚悟した。
終わった……。
そう、思った。
でも……。
「………………………え?」
炎はいつまで経っても私たちの元まで来ることはなかった。
「止まった……? ううん、これは……」
私は自分の目を疑った。
炎はゼルの持っていた剣の切先止まっているように見えた。
けど、違う。炎がだんだん小さくなっていっている。
「これは……炎が吸収されている……?」
信じられないことだけど、剣が炎を、うんん、魔法を吸収してる。
そして、その炎を全て吸収すると、刀身に空いた七つの穴の一つが赤白く輝きだした。
「なんだ……何をした!!! ゴブリン!!!!!」
敵のリーダーもたまらず声を荒げた。
「何って? 喰ったんだよ」
「喰った、だと?」
「ああ、そうだ。こいつは魔法を喰らう」
魔法を喰らう? そんな武器、聞いたことない。
そもそもあれは武器なの? ただの剣で魔法を吸収することなんて出来るわけないし……もしかして、あれって!
「貴様、その剣、神器か?」
「そうだ。神器ディスガイナ。これがこいつの名だ」
神器!? 神器ってあの神器!?
神器と言えば、古代文明の遺産。世界でも数点しかその存在が確認されておらず、人目に触れる機会が少ないため、世間では都市伝説扱いされている幻の武具。
噂程度にしか聞いたことなかったけど、実在したんだ!
「魔力を必要とせず、異能の力を授けるとされる武具。なるほど、魔力のないゴブリンにはうってつけの武器ってわけだ。確かに魔法を吸収されるのは厄介だが、それでもゴブリンが劣等種族であることには変わりない」
「焦んなよ。こいつの真価はこれからだ」
え、魔法を吸収するだけでも強力なのに、まだ力を隠し持っているの!?
「行くぞ、ディスガイナ。換装」
ゼルがそう唱えると、ディスガイナが燃え上がり、その姿を隠す。
「ディスガイナの形は一つじゃない。喰らった魔法の属性によってその姿と名前を変える換装型神器だ」
段々とディスガイナを包んでいた炎が晴れていき、新たな武器としてその姿を現す。
「炎の槍アグニマズド」
炎のように紅い柄に鋭い三つ又の穂先。
それが新たなディスガイナ、いや、アグニマズドの姿だった。
「覚悟しろ。もう、お前の炎は俺には効かない」
「っく! 一度魔法を防いだぐらいでいい気になりやがって! これならどうだ!」
男は魔力を上げ、地面に炎の陣を形成する。
「俺の最大魔法だ。この村ごと消し飛べ!」
陣が完成し、けたたましい炎が地面から噴き出す。
男は頭上に手を掲げ、その炎を凝縮させて手の平に集める。
「ゼロ・インフェルノ!!!!」
先程の魔法よりも極小サイズの火の玉。
だけど、込められた魔力は先程の比じゃない。
一点に凝縮されたあの魔法を受ければ、本当にこの村ごと消し飛んでしまう。
「ゼル!」
「心配すんな」
不安げに声を上げた私にゼルは笑ってそう言った。
「天導流焔式、二ノ型……」
ゼルはアグニマズドを構え真っ直ぐ炎球へと突っ込んでいく。
「“炎天燐火”!」
アグニマズドの柄を炎球に当て、空高く突き上げた。
そして、天高く舞い上がった炎球は雲を吹き飛ばすほどの大爆発を起こした。
「なに!?」
「ウソ……!」
あの強大な魔力が込められた魔法をいとも容易く跳ね返した!
普通ならあの炎球に触れた瞬間、爆発するはずなのに。
「隙、だらけだぜ」
「っ!」
みなが打ち上げられた炎球に気を取られていた。
それは敵のリーダーも同様で……。
「天導流焔式、一ノ型……」
だから、彼はゼルがすぐ傍まで迫っていることに気が付かなかった。
「“紅蓮鳳凰戟”!」
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