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原神の遺産Ⅴ
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異能力。
それは遺伝子改造によって人間が手に入れた力である。
アウローラ登場以降、セントラルには様々な種族が移住してきた。
そして、どの種族も人間に比べて何かしら秀でた能力を持っていた。
エルフであれば魔法。獣人であれば身体能力。
結果、人間はどの種族から見ても劣等種として見られることになる。
元々、人間だけしかいなかったセントラルが後からやってきた種族に乗っ取られてしまう。
そう思ったセントラルの先住民族たちは人間を進化させようと考えた。
新人類計画。
遺伝子改造によって、今後生まれてくる子供を強くする計画である。
その計画がどうなったかと言うと、現状を見れば分かるだろう。
人類の約1%を除き、概ね成功と言えよう。
では、生まれながらに異能力を持った子供と言うのはどうやって出来たのか。
いくら遺伝子を改造したからと言って、ポンっと異能力が発現したなんてことはあり得ないだろう。
異能力へと繋がる何かしらがあったはずだ。
そう考えても不思議でない。
だが、人が異能力を手に入れた研究課程の記録は残っておらず、その方法だけが脈々と受け継がれていった。
だから、今、異能力に関する様々な都市伝説がネットを介して広まっている。
その一つが“原神の遺産”である。
これは異能力を手に入れる遺伝子改造には元となる異能があったのではないかと言う説から生まれたものである。
全ての異能力の原点。神の名を冠した5つの異能力。それが“原神の遺産”。
都市伝説ではその異能力の強さだけではなく、特殊性も取り上げられている。
それは他人に継承することが出来る。と言うものである。
本来、異能力を他人に分け与えるなんてことは出来ず、後天的に異能力が目覚めることはない。
けれど、“原神の遺産”にはそれが出来るとされている。
つまり、先天的に異能力を持って生まれない人間以外の種族、例えばエルフでも“原神の遺産”の特殊性を利用すれば、異能力を手に入れることが出来るのだ。
アンリエッタもそれを利用して異能力を手に入れようとしているのだろう。
ま、彼女にどんな思惑があろうが、俺の答えは決まっている。
「そんなものは都市伝説だ」
俺は即答した。
「けど、王女様がわざわざ来たってことは何か根拠があるんだろ?」
「実は匿名で情報提供があったのです。“原神の遺産”、その1つをDDDが所持していると」
「匿名……?」
「変ですよね。匿名での情報を信じるなんて。けれど、その情報と共にエルフヘイム内部の機密情報も添付されていました」
ああ、そう言うことか。
要するに情報提供者はエルフヘイムを脅したのだ。
DDDを調査して“原神の遺産”の情報を手に入れなければ、機密情報をばら撒くと。
でも、それが分かったところで俺が彼女に教えられることは何一つない。
「残念だけど、俺もその存在を知らない」
「そう、ですか……」
アンリエッタは残念そうに肩を落とした。
その落胆ぶりを見るに、俺にそれなりの期待をしていたみたいだ。
だが、まぁこればかりは申し訳ないとしか言いようがない。
「それじゃあ、本題も終わったようだし、俺たちはそろそろ帰らせてもらおうかな」
時計を見ると既に時刻は二十時を回っていた。
「あ、最後にこれを」
まだ何か用があるのかと、内心面倒だなと思った俺だったが、アンリエッタから渡されたそれを見るに大した話ではなさそうだ。
「これは?」
封がされた手紙を俺と紫苑は受け取る。
「招待状です」
「招待状? 誰かの誕生日パーティでもするんか?」
「それに近いです。それは私がセントラルに来た歓迎パーティーの招待状です」
冗談で言ったのに本当に近かった。
「日取りは月末、場所はアウローラ最上階のホールで行います。ドレスコードがあるので準備をお願いします」
「パーティー! 絶対行く!」
「行けたら行く」
紫苑は行く気満々の様だ。俺はそうでもないが。
主賓がアンリエッタってことはお偉いさんばかりで場違い感が否めない。ここは行かない方がいいだろう。
「では、お待ちしておりますね」
最後にアンリエッタは満面の笑みでそう言って、俺たちを送り出すのだった。
それは遺伝子改造によって人間が手に入れた力である。
アウローラ登場以降、セントラルには様々な種族が移住してきた。
そして、どの種族も人間に比べて何かしら秀でた能力を持っていた。
エルフであれば魔法。獣人であれば身体能力。
結果、人間はどの種族から見ても劣等種として見られることになる。
元々、人間だけしかいなかったセントラルが後からやってきた種族に乗っ取られてしまう。
そう思ったセントラルの先住民族たちは人間を進化させようと考えた。
新人類計画。
遺伝子改造によって、今後生まれてくる子供を強くする計画である。
その計画がどうなったかと言うと、現状を見れば分かるだろう。
人類の約1%を除き、概ね成功と言えよう。
では、生まれながらに異能力を持った子供と言うのはどうやって出来たのか。
いくら遺伝子を改造したからと言って、ポンっと異能力が発現したなんてことはあり得ないだろう。
異能力へと繋がる何かしらがあったはずだ。
そう考えても不思議でない。
だが、人が異能力を手に入れた研究課程の記録は残っておらず、その方法だけが脈々と受け継がれていった。
だから、今、異能力に関する様々な都市伝説がネットを介して広まっている。
その一つが“原神の遺産”である。
これは異能力を手に入れる遺伝子改造には元となる異能があったのではないかと言う説から生まれたものである。
全ての異能力の原点。神の名を冠した5つの異能力。それが“原神の遺産”。
都市伝説ではその異能力の強さだけではなく、特殊性も取り上げられている。
それは他人に継承することが出来る。と言うものである。
本来、異能力を他人に分け与えるなんてことは出来ず、後天的に異能力が目覚めることはない。
けれど、“原神の遺産”にはそれが出来るとされている。
つまり、先天的に異能力を持って生まれない人間以外の種族、例えばエルフでも“原神の遺産”の特殊性を利用すれば、異能力を手に入れることが出来るのだ。
アンリエッタもそれを利用して異能力を手に入れようとしているのだろう。
ま、彼女にどんな思惑があろうが、俺の答えは決まっている。
「そんなものは都市伝説だ」
俺は即答した。
「けど、王女様がわざわざ来たってことは何か根拠があるんだろ?」
「実は匿名で情報提供があったのです。“原神の遺産”、その1つをDDDが所持していると」
「匿名……?」
「変ですよね。匿名での情報を信じるなんて。けれど、その情報と共にエルフヘイム内部の機密情報も添付されていました」
ああ、そう言うことか。
要するに情報提供者はエルフヘイムを脅したのだ。
DDDを調査して“原神の遺産”の情報を手に入れなければ、機密情報をばら撒くと。
でも、それが分かったところで俺が彼女に教えられることは何一つない。
「残念だけど、俺もその存在を知らない」
「そう、ですか……」
アンリエッタは残念そうに肩を落とした。
その落胆ぶりを見るに、俺にそれなりの期待をしていたみたいだ。
だが、まぁこればかりは申し訳ないとしか言いようがない。
「それじゃあ、本題も終わったようだし、俺たちはそろそろ帰らせてもらおうかな」
時計を見ると既に時刻は二十時を回っていた。
「あ、最後にこれを」
まだ何か用があるのかと、内心面倒だなと思った俺だったが、アンリエッタから渡されたそれを見るに大した話ではなさそうだ。
「これは?」
封がされた手紙を俺と紫苑は受け取る。
「招待状です」
「招待状? 誰かの誕生日パーティでもするんか?」
「それに近いです。それは私がセントラルに来た歓迎パーティーの招待状です」
冗談で言ったのに本当に近かった。
「日取りは月末、場所はアウローラ最上階のホールで行います。ドレスコードがあるので準備をお願いします」
「パーティー! 絶対行く!」
「行けたら行く」
紫苑は行く気満々の様だ。俺はそうでもないが。
主賓がアンリエッタってことはお偉いさんばかりで場違い感が否めない。ここは行かない方がいいだろう。
「では、お待ちしておりますね」
最後にアンリエッタは満面の笑みでそう言って、俺たちを送り出すのだった。
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