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第四話:旅立ちの日
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迎えが来るまでの間、私は必死に前世の記憶を紙に書き出していた。
少しでもこの世界の知識や、ストーリーの流れを思い出しておきたかったからだ。
ストーリーラインとして、最初に出会う攻略対象は確か、ミカエル・アインスフォード。
彼は大聖堂に仕える司祭で、白銀の長髪を後ろに低く束ね、緑のたれ目がちの瞳のキャラだったと思う。
ヒロインの世話役、教師、サポート役の立ち回りで、いわゆる頼れる優しいお兄さんポジションだったはずだ。
白い聖職者の衣装や清廉そうな雰囲気、穏やかな話し方で、女子たちの間でも人気が高かった。
「サポートキャラだけど攻略できるのが嬉しい!」
女子たちがそんな事を言っていたような記憶がある。
けれど、どんな人物かなんて実際に会ってみないとわからない。
記憶に頼るにも限界があるし、何より、ゲームの彼と実際の彼が同じとは限らない。
そう思っていた矢先に、彼はやってきた。
突然複雑な魔法陣が床に浮かび上がり、白い光に目が眩んだ瞬間、そこには一人の男性が立っていた。
「初めまして、癒しの乙女様。」
ミカエルはにこやかに微笑みながら、私に深く一礼した。
「私は聖ルミナリア学園にて魔法史を教えております、司祭のミカエル・アインスフォードと申します。女神様のご加護をその身に宿した貴女を、王都へお連れする役目を仰せつかって参りました。」
言葉遣いは丁寧で、声も柔らかいのに、なぜか逆らえない気配を纏っていた。
その姿は記憶通り。
白銀の髪、穏やかな緑の瞳、白の法衣はまるで絵画の中の聖人のようで、見惚れた子どもたちが廊下の影からこっそり覗いているほどだった。
良かった。
心の中でこっそり安堵する。
今の所、彼は設定と同じようだ。
さらに、彼はシスター・ヘレンと旧知の間柄だったようだ。
「ご無沙汰しております、シスター・ヘレン。」
「ミカエル…会うのはいつぶりだったかね?よくぞ、こんな辺鄙な教会まで複雑な空間転移魔法でお越しくださった。」
一見、穏やかに交わされるやり取り。けれど、その空気は妙に冷たかった。
二人の間には温かみがなく、目も笑っていない。言葉の端々に、微妙な距離感と警戒心のようなものが滲んでいた。
過去に何かあったのだろうか。
私は警戒心を募らせながら、彼の一挙一動をこっそり観察していた。
私は、人を見る目には自信がある。
前世ではいくつものバイト先で多種多様な人と接してきたし、接客業で培った人の裏表を見抜く勘には、それなりの自信がある。
彼の私を見る目は確かに穏やかだった。
けれど、その奥に鋭い光が潜んでいた。
まるで、草むらに潜む蛇に睨まれているような、そんな感覚。
きっと彼は、何があっても私を王都に連れて行く。
もし私が逃げれば、どこまでも追ってくる。
そんな確信に近い予感がした。
その予感は、確信へと変わる。
シスター・ヘレンが見送りの際、こっそり私の耳元で囁いてきたのだ。
「奴には気をつけるんだよ。手強い相手だ。優しそうな見た目に騙されちゃいけないよ。」
彼女はすぐにいつもの厳格な顔に戻ったが、その一言は私の中に小さな警鐘を鳴らし続けた。
いくら怖くても、もう覚悟は決めなければならなかった。
私の不安を察したのか、ミカエルは優しく目を細め、手を差し出してきた。
「ご安心ください。危険な道のりではありません。高度な空間転移魔法で、王都までは一瞬です。お疲れの出ないよう配慮いたしますし、何より、貴女のお気持ちが整うまでお待ちいたします。」
「…まだ、心の準備ができてないんです。」
私は正直に打ち明けた。
「私は、ただここで、シスターとしてみんなと過ごしていたいだけで。癒しの乙女とか、そんな大それた存在じゃないって、思うんです。」
ミカエルは否定せず、静かに頷いた。
「それは、当然の想いでしょう。突然運命を背負わされたのですから。しかし、あなたがそう願うからこそ、女神様はあなたを選んだのかもしれません。この世界には、あなたの力を必要とする人々がいます。ですので、どうか私と共に来ていただきたいのです。」
彼の瞳は本気だった。
「行くしかないんですね…。」
私はぽつりと呟いた。
「私が拒み続けても、みんなに迷惑がかかるだけなら…私が行くしかないんだって、わかってます。」
その覚悟を口にした途端、シスター・エリーが私を強く抱きしめた。
続けてシスター・スーザンも、シスター・ヘレンも、子どもたちも。
「リナ、いつでも帰っておいで。私たちはここで待ってるから。」
「リナ、身体に気をつけて。」
「困ったら、いつでも女神様に祈るんだよ。」
シスター達が口々に最後の言葉をかけてくれる。
子どもたちも、一人ひとり私にお守りや手紙をくれた。
私も、みんなも、泣きそうだった。
けれど、私は涙を堪え、彼らの顔をしっかりと胸に刻んだ。
「ミカエルさん、お願いします。」
「承知しました。」
ミカエルは両手を組み、静かに祈るように呪文を呟いた。
足元に淡い光の円陣が浮かび上がり、周囲に風が舞う。光が柱となって天井へ伸び、やがて全身が柔らかな輝きに包まれた。
「では、参りましょう。」
そう言って差し出された手を、私は震える指で握った。
このまま振り返れば、きっと私は行けない。
後ろ髪を引かれる思いだったが、心を鬼にして魔法陣に向かい一歩踏み出した。
その瞬間、視界が白に染まり、気づけば、もう教会ではなかった。
目の前に広がっていたのは、見上げるほどの荘厳な聖堂。
天井まで届く巨大なステンドグラスが光を受けて輝いている。
あまりに美しい光景に、私は息を呑んだ。
「ようこそ、王都の大聖堂へ。そして、聖ルミナリア学園へ。」
ミカエルの声が静かに響く。
とうとう来てしまった。
乙女ゲーム「ルミクロ」の舞台である、王都ルミナリアへ。
ここから、逆ハーレムという名の地獄ルートが待っているのかもしれない。
でも、私は決して挫けない。
攻略対象にも、ルートの強制力にも、運命にだって、負けてたまるもんか。
誰にも、私の人生を渡しはしない。
私はそう心に固く誓いながら、聖堂の扉をゆっくりとくぐった。
少しでもこの世界の知識や、ストーリーの流れを思い出しておきたかったからだ。
ストーリーラインとして、最初に出会う攻略対象は確か、ミカエル・アインスフォード。
彼は大聖堂に仕える司祭で、白銀の長髪を後ろに低く束ね、緑のたれ目がちの瞳のキャラだったと思う。
ヒロインの世話役、教師、サポート役の立ち回りで、いわゆる頼れる優しいお兄さんポジションだったはずだ。
白い聖職者の衣装や清廉そうな雰囲気、穏やかな話し方で、女子たちの間でも人気が高かった。
「サポートキャラだけど攻略できるのが嬉しい!」
女子たちがそんな事を言っていたような記憶がある。
けれど、どんな人物かなんて実際に会ってみないとわからない。
記憶に頼るにも限界があるし、何より、ゲームの彼と実際の彼が同じとは限らない。
そう思っていた矢先に、彼はやってきた。
突然複雑な魔法陣が床に浮かび上がり、白い光に目が眩んだ瞬間、そこには一人の男性が立っていた。
「初めまして、癒しの乙女様。」
ミカエルはにこやかに微笑みながら、私に深く一礼した。
「私は聖ルミナリア学園にて魔法史を教えております、司祭のミカエル・アインスフォードと申します。女神様のご加護をその身に宿した貴女を、王都へお連れする役目を仰せつかって参りました。」
言葉遣いは丁寧で、声も柔らかいのに、なぜか逆らえない気配を纏っていた。
その姿は記憶通り。
白銀の髪、穏やかな緑の瞳、白の法衣はまるで絵画の中の聖人のようで、見惚れた子どもたちが廊下の影からこっそり覗いているほどだった。
良かった。
心の中でこっそり安堵する。
今の所、彼は設定と同じようだ。
さらに、彼はシスター・ヘレンと旧知の間柄だったようだ。
「ご無沙汰しております、シスター・ヘレン。」
「ミカエル…会うのはいつぶりだったかね?よくぞ、こんな辺鄙な教会まで複雑な空間転移魔法でお越しくださった。」
一見、穏やかに交わされるやり取り。けれど、その空気は妙に冷たかった。
二人の間には温かみがなく、目も笑っていない。言葉の端々に、微妙な距離感と警戒心のようなものが滲んでいた。
過去に何かあったのだろうか。
私は警戒心を募らせながら、彼の一挙一動をこっそり観察していた。
私は、人を見る目には自信がある。
前世ではいくつものバイト先で多種多様な人と接してきたし、接客業で培った人の裏表を見抜く勘には、それなりの自信がある。
彼の私を見る目は確かに穏やかだった。
けれど、その奥に鋭い光が潜んでいた。
まるで、草むらに潜む蛇に睨まれているような、そんな感覚。
きっと彼は、何があっても私を王都に連れて行く。
もし私が逃げれば、どこまでも追ってくる。
そんな確信に近い予感がした。
その予感は、確信へと変わる。
シスター・ヘレンが見送りの際、こっそり私の耳元で囁いてきたのだ。
「奴には気をつけるんだよ。手強い相手だ。優しそうな見た目に騙されちゃいけないよ。」
彼女はすぐにいつもの厳格な顔に戻ったが、その一言は私の中に小さな警鐘を鳴らし続けた。
いくら怖くても、もう覚悟は決めなければならなかった。
私の不安を察したのか、ミカエルは優しく目を細め、手を差し出してきた。
「ご安心ください。危険な道のりではありません。高度な空間転移魔法で、王都までは一瞬です。お疲れの出ないよう配慮いたしますし、何より、貴女のお気持ちが整うまでお待ちいたします。」
「…まだ、心の準備ができてないんです。」
私は正直に打ち明けた。
「私は、ただここで、シスターとしてみんなと過ごしていたいだけで。癒しの乙女とか、そんな大それた存在じゃないって、思うんです。」
ミカエルは否定せず、静かに頷いた。
「それは、当然の想いでしょう。突然運命を背負わされたのですから。しかし、あなたがそう願うからこそ、女神様はあなたを選んだのかもしれません。この世界には、あなたの力を必要とする人々がいます。ですので、どうか私と共に来ていただきたいのです。」
彼の瞳は本気だった。
「行くしかないんですね…。」
私はぽつりと呟いた。
「私が拒み続けても、みんなに迷惑がかかるだけなら…私が行くしかないんだって、わかってます。」
その覚悟を口にした途端、シスター・エリーが私を強く抱きしめた。
続けてシスター・スーザンも、シスター・ヘレンも、子どもたちも。
「リナ、いつでも帰っておいで。私たちはここで待ってるから。」
「リナ、身体に気をつけて。」
「困ったら、いつでも女神様に祈るんだよ。」
シスター達が口々に最後の言葉をかけてくれる。
子どもたちも、一人ひとり私にお守りや手紙をくれた。
私も、みんなも、泣きそうだった。
けれど、私は涙を堪え、彼らの顔をしっかりと胸に刻んだ。
「ミカエルさん、お願いします。」
「承知しました。」
ミカエルは両手を組み、静かに祈るように呪文を呟いた。
足元に淡い光の円陣が浮かび上がり、周囲に風が舞う。光が柱となって天井へ伸び、やがて全身が柔らかな輝きに包まれた。
「では、参りましょう。」
そう言って差し出された手を、私は震える指で握った。
このまま振り返れば、きっと私は行けない。
後ろ髪を引かれる思いだったが、心を鬼にして魔法陣に向かい一歩踏み出した。
その瞬間、視界が白に染まり、気づけば、もう教会ではなかった。
目の前に広がっていたのは、見上げるほどの荘厳な聖堂。
天井まで届く巨大なステンドグラスが光を受けて輝いている。
あまりに美しい光景に、私は息を呑んだ。
「ようこそ、王都の大聖堂へ。そして、聖ルミナリア学園へ。」
ミカエルの声が静かに響く。
とうとう来てしまった。
乙女ゲーム「ルミクロ」の舞台である、王都ルミナリアへ。
ここから、逆ハーレムという名の地獄ルートが待っているのかもしれない。
でも、私は決して挫けない。
攻略対象にも、ルートの強制力にも、運命にだって、負けてたまるもんか。
誰にも、私の人生を渡しはしない。
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