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第三話:癒しの乙女は、選ばれてしまった
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「昔々…この大陸がまだ今みたいに整っておらず、戦も飢えも病も、そこら中にあった頃の話さ。」
そう言って、シスター・ヘレンは静かに語り出した。
「ある時、“呪い”が広がったのさ。姿も性質も分からん、けれど確かに人を蝕む禍いだった。それは人の憎しみや怒り、悲しみ、そんな負の感情から生まれたとされているよ。どんな薬も、魔法も効かず、ただ人を心から崩していった。心まで蝕まれた人々は、やがて人ならざるものへと変わってしまったのさ。」
シスター・ヘレンの声は淡々としていたけれど、その眼差しは過去を見つめていた。
「人々は絶望した。そして、女神様に祈った。『どうか救いを、どうか癒しを』…と。」
そっと目を閉じたシスター・ヘレンが、続けた。
「女神様は、応えられたのさ。神殿の大司教の夢枕に立ち、こう仰ったのだと伝えられている。『我が力の欠片を、その身に宿した乙女を地上へ遣わす。その乙女は人の苦しみを和らげ、呪いを浄化する力を持っている。乙女は我が愛し子として人々の希望となろう』とね。そして…『癒しの乙女』が、地上に現れたのさ。」
その瞬間、右手に疼きが走った気がして、私はそっと手を握った。
「初代の癒しの乙女は、右手に『聖なる紋章』が浮かんでいた。それが女神様の祝福の印。癒しの力を持ち、呪いに苦しむ人々を、手で、言葉で、心で…一人ひとり、救っていったんだそうだよ。まるで、春の雪解けのように。凍った心に、光が差していくようだったと、伝えられている。癒しの乙女は、ほんの少女だった。けれど、恐れずに呪いと向き合い、多くの命を救った。以来、世界が闇に傾いたとき、女神様は再び乙女を遣わす…そう信じられてきたんだよ。誰が選ばれるかは分からない。けれど、ひとつだけ確かなのは、『その乙女には、右手に聖なる紋章が浮かぶ』ということさ。」
私は、思わず手を見下ろした。そこには、朝から消えないあの模様が、確かに浮かんでいた。
「そして、紋章が現れたその日から、乙女は『世界の癒し手』としての役割を帯びる。王都の大聖堂に迎えられ、特別な保護と教育を受け、使命を果たすために歩み出すのさ。」
シスター・ヘレンが、まっすぐに私を見る。
「…リナ。あんたの右手に現れた紋章…あれこそが、『癒しの乙女』の証だよ。前の乙女様が女神様のもとへ還られて、もう二百年…。ようやく、次の乙女がこの地に現れた。そう。あんたなんだよ、リナ。」
心が、ぎゅうっと締めつけられる。
信じられない。でも、シスター・ヘレンの瞳は真剣で、揺るがなかった。
「…わたしなんかが、ですか?」
かすれた声で、ようやく出た言葉だった。
するとシスター・ヘレンは、しわくちゃの手をそっと伸ばし、私の頬に触れた。
「そうさ。あんたは、どんなときも人を思いやれる子だ。苦しくても、笑って手を差し伸べられる子だよ。だからこそ、選ばれたんだ。…あたしは、そう思ってる。」
シスター・エリーがそっと私の手を握る。
「リナ。あなたがどれだけこの孤児院を支えてきたか、私たちは全部見ていたのよ。」
スーザンもふわりと笑って言った。
「信仰とは、言葉ではなく行い。おまえは、それをずっと示してきました。」
彼女たちの言葉が、心に染み込むようにあたたかかった。
「…さぁて、王都に連絡を取るかね。おそらく、数日中には迎えが来るはずだよ」
シスター・ヘレンの声は静かだった。
だけどその声には、確かな決意が籠っている。
王都。
その言葉は、現実感のない響きをもって胸に落ちた。
私が知っている世界は、前世の生活と、この教会と、孤児院だけだ。
それなのに、突然知らない世界へ飛び込めと言われて。
しかもそこは、「あの」乙女ゲームの舞台。
めちゃくちゃな恋愛ルートと、失敗すれば破滅エンドが待っているかもしれない世界。
たとえこの世界がルミクロの世界だとしても、私はここで確かに生きてきた。
それが、偽物だなんて思わない。
前世も、今世も、どちらも、私にとって大切な人生だ。
ただ、前世と違うのは…今の私は、「未来を知っている」ということ。
ほんの少しの知識でも、今度こそ、後悔しない選択ができるかもしれない。
そう信じたかった。
でも…
……行きたくない。
せっかく、この教会でシスターとして穏やかに生きていこうと決めていたのに。
全てが急にねじ曲げられて、台無しにされた気分だった。
本来のゲームのヒロインのように、割り切って覚悟を決めて使命に向かうなんて、私には無理だと思う。
だって、ここには大切な人たちがいる。
家族みたいな子どもたち、シスターたち…
皆と離れ、何が起こるか分からない場所へ、ひとりで行くなんて。
そんなことを考えていたら、ぽろりと涙がこぼれていた。
「……行きたくないよ…寂しいし、怖い…。」
前世の記憶、「癒しの乙女」としての役目、王都、そして「逆ハー」なんていう最悪な設定…。
いろんなものが重くのしかかって、どうしようもなく不安になった。
そんな私に、シスター・エリーがそっと寄り添い、背中を撫でる。
シスター・スーザンは目線を合わせて、優しく見守ってくれていた。
そして、シスター・ヘレンが私の頭を撫でながら言った。
「リナ。安心しな。あんたは、どこに行っても、ずうっと私たちの子どもで、家族だよ。帰る場所は、ここにあるんだ。いつでも、戻っておいで。」
その言葉に、また涙があふれて止まらなかった。
でも、心の奥では分かっていた。
これは、もう戻れない決断なんだ。
次にいつ会えるかなんて、分からない。
そもそも、絶対にみんなとまた会えるという確信だって、無い。
「さあ、顔を洗っておいで。なんたって今日は、リナの誕生日なんだからね。子どもたちが食堂で待ってるよ。」
シスター・ヘレンの声が、いつも通りの優しさに戻る。
そうだ。
今の家族と過ごせる時間は、もう限られている。
前世では、大切な人にきちんとお別れを言えなかった。
だからこそ、今回は…。
私は、ぐしぐしと涙をぬぐいながら、無理やり笑ってみせた。
下手くそでも、泣き笑いでも、最後の時間を、ちゃんとこの場所で過ごしたかったから。
これから先、何が起ころうとも、この場所は絶対守り抜いて見せる。
そんな決意が、私の中で芽生えた。
そう言って、シスター・ヘレンは静かに語り出した。
「ある時、“呪い”が広がったのさ。姿も性質も分からん、けれど確かに人を蝕む禍いだった。それは人の憎しみや怒り、悲しみ、そんな負の感情から生まれたとされているよ。どんな薬も、魔法も効かず、ただ人を心から崩していった。心まで蝕まれた人々は、やがて人ならざるものへと変わってしまったのさ。」
シスター・ヘレンの声は淡々としていたけれど、その眼差しは過去を見つめていた。
「人々は絶望した。そして、女神様に祈った。『どうか救いを、どうか癒しを』…と。」
そっと目を閉じたシスター・ヘレンが、続けた。
「女神様は、応えられたのさ。神殿の大司教の夢枕に立ち、こう仰ったのだと伝えられている。『我が力の欠片を、その身に宿した乙女を地上へ遣わす。その乙女は人の苦しみを和らげ、呪いを浄化する力を持っている。乙女は我が愛し子として人々の希望となろう』とね。そして…『癒しの乙女』が、地上に現れたのさ。」
その瞬間、右手に疼きが走った気がして、私はそっと手を握った。
「初代の癒しの乙女は、右手に『聖なる紋章』が浮かんでいた。それが女神様の祝福の印。癒しの力を持ち、呪いに苦しむ人々を、手で、言葉で、心で…一人ひとり、救っていったんだそうだよ。まるで、春の雪解けのように。凍った心に、光が差していくようだったと、伝えられている。癒しの乙女は、ほんの少女だった。けれど、恐れずに呪いと向き合い、多くの命を救った。以来、世界が闇に傾いたとき、女神様は再び乙女を遣わす…そう信じられてきたんだよ。誰が選ばれるかは分からない。けれど、ひとつだけ確かなのは、『その乙女には、右手に聖なる紋章が浮かぶ』ということさ。」
私は、思わず手を見下ろした。そこには、朝から消えないあの模様が、確かに浮かんでいた。
「そして、紋章が現れたその日から、乙女は『世界の癒し手』としての役割を帯びる。王都の大聖堂に迎えられ、特別な保護と教育を受け、使命を果たすために歩み出すのさ。」
シスター・ヘレンが、まっすぐに私を見る。
「…リナ。あんたの右手に現れた紋章…あれこそが、『癒しの乙女』の証だよ。前の乙女様が女神様のもとへ還られて、もう二百年…。ようやく、次の乙女がこの地に現れた。そう。あんたなんだよ、リナ。」
心が、ぎゅうっと締めつけられる。
信じられない。でも、シスター・ヘレンの瞳は真剣で、揺るがなかった。
「…わたしなんかが、ですか?」
かすれた声で、ようやく出た言葉だった。
するとシスター・ヘレンは、しわくちゃの手をそっと伸ばし、私の頬に触れた。
「そうさ。あんたは、どんなときも人を思いやれる子だ。苦しくても、笑って手を差し伸べられる子だよ。だからこそ、選ばれたんだ。…あたしは、そう思ってる。」
シスター・エリーがそっと私の手を握る。
「リナ。あなたがどれだけこの孤児院を支えてきたか、私たちは全部見ていたのよ。」
スーザンもふわりと笑って言った。
「信仰とは、言葉ではなく行い。おまえは、それをずっと示してきました。」
彼女たちの言葉が、心に染み込むようにあたたかかった。
「…さぁて、王都に連絡を取るかね。おそらく、数日中には迎えが来るはずだよ」
シスター・ヘレンの声は静かだった。
だけどその声には、確かな決意が籠っている。
王都。
その言葉は、現実感のない響きをもって胸に落ちた。
私が知っている世界は、前世の生活と、この教会と、孤児院だけだ。
それなのに、突然知らない世界へ飛び込めと言われて。
しかもそこは、「あの」乙女ゲームの舞台。
めちゃくちゃな恋愛ルートと、失敗すれば破滅エンドが待っているかもしれない世界。
たとえこの世界がルミクロの世界だとしても、私はここで確かに生きてきた。
それが、偽物だなんて思わない。
前世も、今世も、どちらも、私にとって大切な人生だ。
ただ、前世と違うのは…今の私は、「未来を知っている」ということ。
ほんの少しの知識でも、今度こそ、後悔しない選択ができるかもしれない。
そう信じたかった。
でも…
……行きたくない。
せっかく、この教会でシスターとして穏やかに生きていこうと決めていたのに。
全てが急にねじ曲げられて、台無しにされた気分だった。
本来のゲームのヒロインのように、割り切って覚悟を決めて使命に向かうなんて、私には無理だと思う。
だって、ここには大切な人たちがいる。
家族みたいな子どもたち、シスターたち…
皆と離れ、何が起こるか分からない場所へ、ひとりで行くなんて。
そんなことを考えていたら、ぽろりと涙がこぼれていた。
「……行きたくないよ…寂しいし、怖い…。」
前世の記憶、「癒しの乙女」としての役目、王都、そして「逆ハー」なんていう最悪な設定…。
いろんなものが重くのしかかって、どうしようもなく不安になった。
そんな私に、シスター・エリーがそっと寄り添い、背中を撫でる。
シスター・スーザンは目線を合わせて、優しく見守ってくれていた。
そして、シスター・ヘレンが私の頭を撫でながら言った。
「リナ。安心しな。あんたは、どこに行っても、ずうっと私たちの子どもで、家族だよ。帰る場所は、ここにあるんだ。いつでも、戻っておいで。」
その言葉に、また涙があふれて止まらなかった。
でも、心の奥では分かっていた。
これは、もう戻れない決断なんだ。
次にいつ会えるかなんて、分からない。
そもそも、絶対にみんなとまた会えるという確信だって、無い。
「さあ、顔を洗っておいで。なんたって今日は、リナの誕生日なんだからね。子どもたちが食堂で待ってるよ。」
シスター・ヘレンの声が、いつも通りの優しさに戻る。
そうだ。
今の家族と過ごせる時間は、もう限られている。
前世では、大切な人にきちんとお別れを言えなかった。
だからこそ、今回は…。
私は、ぐしぐしと涙をぬぐいながら、無理やり笑ってみせた。
下手くそでも、泣き笑いでも、最後の時間を、ちゃんとこの場所で過ごしたかったから。
これから先、何が起ころうとも、この場所は絶対守り抜いて見せる。
そんな決意が、私の中で芽生えた。
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