漆黒の私刑人〜S級パーティーを追放されたので今度は面倒事から逃げてのほほんとしたいのに・・・〜

KeyBow

文字の大きさ
20 / 119
序章 私刑人誕生編

第20話 日常

しおりを挟む
 俺は朝早くマリニアに起こされた。
 もう少し優しく扱えないかなぁと思う。
 布団をビシバシ叩くんだぜ!

 眠い目を擦り、現状を把握する。
 薄明かるいな・・・朝か。
 起きるのが面倒くさい・・・

「起きるのが面倒だからもう少し寝かせてー」

 呆れ顔のマリニアだが、ため息をつくと俺の布団を剥ぎ取りに掛かりやがった・・・ドスン
 床に落ちたじゃないか!
 先輩冒険者を何だと思っているんだよ!

「あいててて。何するんだよ!」

「まだお酒が残っているんですか?もう朝ですよ!往生際が悪いランスタッドなんて情けないったらありゃしないよ!それに今日は魔物をやっつけに行くんでしょ!」  

 俺はそうだったなぁと思い出し、仕方なく起きる。
 昨夜は大変だったんだぞ!
 と言えもせず諦めて起きた。

「顔を洗ってくる」

 俺は廊下を進むが、柱に頭を打ち、床に置いてある物に躓いたりしながら流しに着いた。

 顔を洗い髭を剃るが、水が冷たいぞ・・・これだから安宿は・・・
 口に出しても言虚しくなるが、ついぼやく。
 そう言えば、どうでも良いがマリニアが髭を剃っている所は見た事が無いな。
 まだ髭が生えていないのか?羨ましいな。
 髭を剃るのって面倒なんだよな。

 顔を洗ってスッキリした所で部屋に戻ると、既にマリニアは着替えを済ませていたがいつもながら早いな。

 部屋に戻るとマリニアは俺の服やら装備をベッドに置いてくれている。

 マリニアは脱ぎ散らかした服を見るのを嫌がるので、専用のカゴに着ていた服を入れる事になった。
 俺はそ盧カゴにクリーンを掛ける。
 まあ、確かに他の人のパンツを穿きたくはないわな。
 きれいになった服をクローゼットに入れるのだが、俺のカゴも用意していて、俺のもクリーンを掛けた後クローゼットにしまうんだ。
 いや、しまってくれております。

 几帳面で綺麗好きなんだよな。
 いくらクリーンがあるからと言っても、同じ服を着っぱなしなのは駄目らしい。

 まあ、片付けをしてくれるから言う事を聞いているんだけどな。
 何か新婚の奥さんみたいだ。

 マリニアに出会う前はそんな事は面倒だから、ボロボロになるまで着続け、そうなったら予備の服に変えて新しいのを買うのを繰り返していたよ。
 マリニアと一緒に過ごすようになってから、明らかに生活の質が向上しているよな・・・うん。

 但し、武器や防具の手入れは別だ。
 こればかりは命に関わるから面倒だなぁと言ってはいられないので、真剣にやるんだ。

 部屋を戻ると軽装に着替え、朝のランニングに訓練と日常のそれだ。
 今朝は下町を避けた。
 毎度私刑をした所にランニングしていると流石に疑われる?からだ。

 走りながらマリニアの脚などに触れていく。

「なっ!何するの?」

「少し筋肉が着いてきたな。このまま体力が着けばもう少し長い時間か近接武器の訓練が出来そうだな。いい感じだぞ!」

「あっはい!ボク頑張るよ!」

 俺は時々マリニアの脚や腕等に触れて確認するが、確かに無駄な肉が落ちてきたが体質か、女のように細い。
 まだまだこれからか。

 俺はやはり後方支援がメインか?
 いや、結界と先読みは明らかに近接向きだ。
 結界は術者から離れた所にも発動出来るが、距離に比例して消費魔力が上がるから離れた所へ放つのは負担が大きく、数を出せない。
 暫くはマリニアを近接武器担当にし、後に後衛をさせるか?
 近接武器を使える後方支援者は強い。

 後方支援者がやられるのは殆どが敵に接近を許してしまい、近接戦闘で殺られる。
 だから不意に魔物が目の前に現れても戦えるようにしたい。

 だが、今日は魔法を試すから、俺が前だな。
 等と走りながら今後のプランを立てる。

 食後にギルドに行きマリニアがやれそうな依頼を探す。
 今回はDランクの依頼で、リザードマンの駆除だ。
 町から1時間程の街道に複数現れたそうだ。

 こんな普通の冒険者がする日常も良いな。

 少し気になる事がある。
 マリニアはしっかりしている!いや、し過ぎている。
 これではどちらが歳上か分からないという話もあるが、男にしては細か過ぎるのと下ネタを極端に嫌う。
 ギルドでも下世話な話が聞こえるとあからさまに嫌な顔をする。

 まあ、自信がないのか?
 詮索は無しだ。
 さてさて、討伐依頼をサクッとこなしますか!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。

さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。 だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。 行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。 ――だが、誰も知らなかった。 ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。 襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。 「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。 俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。 無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!? のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!

スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜

東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。 ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。 「おい雑魚、これを持っていけ」 ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。 ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。  怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。 いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。  だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。 ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。 勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。 自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。 今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。 だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。 その時だった。 目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。 その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。 ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。 そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。 これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。 ※小説家になろうにて掲載中

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます

黒崎隼人
ファンタジー
「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!

出来損ないと追放された俺、神様から貰った『絶対農域』スキルで農業始めたら、奇跡の作物が育ちすぎて聖女様や女騎士、王族まで押しかけてきた

黒崎隼人
ファンタジー
★☆★完結保証★☆☆ 毎日朝7時更新! 「お前のような魔力無しの出来損ないは、もはや我が家の者ではない!」 過労死した俺が転生したのは、魔力が全ての貴族社会で『出来損ない』と蔑まれる三男、カイ。実家から追放され、与えられたのは魔物も寄り付かない不毛の荒れ地だった。 絶望の淵で手にしたのは、神様からの贈り物『絶対農域(ゴッド・フィールド)』というチートスキル! どんな作物も一瞬で育ち、その実は奇跡の効果を発揮する!? 伝説のもふもふ聖獣を相棒に、気ままな農業スローライフを始めようとしただけなのに…「このトマト、聖水以上の治癒効果が!?」「彼の作る小麦を食べたらレベルが上がった!」なんて噂が広まって、聖女様や女騎士、果ては王族までが俺の畑に押しかけてきて――!? 追放した実家が手のひらを返してきても、もう遅い! 最強農業スキルで辺境から世界を救う!? 爽快成り上がりファンタジー、ここに開幕!

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~

aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」 勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......? お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?

転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~

ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。 コイツは何かがおかしい。 本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。 目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。

処理中です...