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序章 私刑人誕生編
第39話 町を出る
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王都に向かう日の朝を迎えた。
朝早くからマリニアとスニシスと朝の訓練だ。
スニシスもやると言うのでランニングからスタートし、武器の使い方を教える。
スニシスは近接戦闘はまるで駄目で、今現在懐に入られたらアウトだ。
コンバットナイフよりはひと回り小さく包丁程の大きさのナイフを渡し、それの扱い方を伝えている。
彼女もそうだが、マリニアも真面目に訓練を受けるから教え甲斐がある。
改めて2人の体を触り筋肉の付き方などを確認する。
特にマリニアは男の子として判断していたから、改めて見ないとだ。
2人共筋力がこころもとないが、無駄な肉がなく、脚はスラッとしたモデル並だ。
夜の相手なら胸以外は唆る体型だが、冒険者としてはやはり女というのを差し引いても筋力が足りない。
腹筋などを指示したりした。
スニシスは元々女として見ていたから良いが、マリニアに対しては今まで男として見ていたから慣れるまで時間が掛る。
「ランスタッド?ボクの顔がどうかした?ひょっとして見惚れた?」
「そうそう、好みの顔だなって見惚れていたんだよ」
マリニアはえっ?と唸る。
「ははは。いやあな、なんでマリニアを男だと思ったのかなってな。それと、これからの方向性を考え直さないといかんなと思ってな。お前が男前提で、これから筋肉がかなりつくとしてどう鍛えるか考えていたから、お前の身体つきとか頭に入れないと考えが纏まらないんだよ」
「ランスタッド?裸を見たほうが良いなら部屋で脱ぐよ」
「そこまで必要はない。そんな事したら俺の理性が保てないから止めてくれ。まあ、時折ああやって触るからそれで判断するから良いぞ。それに肌を晒すのはお前が本気で好きになった相手に取っておけ」
マリニアはだからだよと呟くが、まだまだ子供扱いされているんだなぁと少しショックを受けていたが、当のランスタッドはそんな乙女心に気が付かなかった。
1か月程厄介になった宿を引き払ったが、おこちゃま2人はおやつを貰い上機嫌だった。
勿論道中愚図るだろうから色々買ってある。
朝は流石におこちゃまはともかく、年頃の女の子がいるから俺が顔を洗ったり髭を剃っている時に着替えて貰った。
訓練が終わると着替えてから食事だ。
リリアーナは流石に訓練をするには幼な過ぎる。
そして約束の時間より少し早く待ち合わせ場所に着くように向かう。
門の近くの広間を待ち合わせ場所にしていたが、既に商隊がそこにいた。
俺が商隊主に挨拶に行くと、誰かと話していた。
程なくしてその者は離れていったが、見知った奴だったが口に指を当て、今は話し掛けないようにといった感じだったからお互い会釈をしたに留める。
「ランスタッドさん、おはようございます。そう言えば私、名乗っていませんでしたね。ダイモンとお呼び下さい」
「じゃあダイモンさん。ちょっと頼みがあって、仲間の1人も一緒に王都に行きたいというんだ。金なら払うから1人追加させてくれないかな?」
「どちら方ですか?」
「ほら、あそこにいる金髪のエルフの少女だよ」
ダイモンは一瞬驚いた顔を見せた。
「どうかしましたか?」
「いやぁ、こんな辺境の町でまさかエルフを見掛けるとは思わなかったものですから少し驚きました。エルフですし、弓も扱えるなら護衛を兼ねるという事で追加はいらないですよ。少女とは言えエルフとは心強いですな。それよりもA級になられたとか?おめでとうございます」
「ありがとうございます。助かります。弓の腕は確かです。まだギフトを貰う前ですが、この位置から木札を放り投げても当てる腕がありますから」
「それは凄いですな」
「所でさっきの人は?」
「乗客ですよ。他にも何人か乗せますので。思ったよりこちらで買って帰る物が仕入れられませんでしたので、代わりに人を運んで稼ぐ事にしました。他にも護衛を連れてきているので紹介しますよ」
護衛は新たに雇った傭兵5名と、元々の子飼いの護衛がおり、俺がA級冒険者だと伝えると大いに驚いていた。
子飼いの護衛の隊長が護衛を指揮するとかで、俺は殿の馬車になった。勿論その馬車に俺の仲間がいるのと、乗客の一部がいるとの事。
そうして馬車に乗り込むのだが、乗り合い客をみて俺は固まった。
さっき情報屋がいたからそれは分かるが、何故かクルシュさんとバカメイドがいた。
向こうは勿論分かっているのか、会釈だけだ。
「皆さんの護衛を兼ねる乗客のランスタッドさんで、A級冒険者の方です。ただ、小さなお子さんがいらっしゃるのでご容赦願います」
馬車の荷台は横向きにベンチシートがあり、10人が乗り込む。
俺、マリニア、リリアーナ、ベイグルド、カタマリヤ、スニシス、情報屋、情報屋の仲間?、クルシュ、バカメイド。
こんな感じで、俺とマリニアは1番後ろで何かあったら直ぐに外に出られる位置だ。
クルシュさんが子供達にこっちにおいでと声を掛けると、こちらを見るので頷くとクルシュさんの方に行った。
俺の隣は情報屋、マリニアの隣はスニシスだ。
そうして疑問が多い中、町を出発したのであった。
朝早くからマリニアとスニシスと朝の訓練だ。
スニシスもやると言うのでランニングからスタートし、武器の使い方を教える。
スニシスは近接戦闘はまるで駄目で、今現在懐に入られたらアウトだ。
コンバットナイフよりはひと回り小さく包丁程の大きさのナイフを渡し、それの扱い方を伝えている。
彼女もそうだが、マリニアも真面目に訓練を受けるから教え甲斐がある。
改めて2人の体を触り筋肉の付き方などを確認する。
特にマリニアは男の子として判断していたから、改めて見ないとだ。
2人共筋力がこころもとないが、無駄な肉がなく、脚はスラッとしたモデル並だ。
夜の相手なら胸以外は唆る体型だが、冒険者としてはやはり女というのを差し引いても筋力が足りない。
腹筋などを指示したりした。
スニシスは元々女として見ていたから良いが、マリニアに対しては今まで男として見ていたから慣れるまで時間が掛る。
「ランスタッド?ボクの顔がどうかした?ひょっとして見惚れた?」
「そうそう、好みの顔だなって見惚れていたんだよ」
マリニアはえっ?と唸る。
「ははは。いやあな、なんでマリニアを男だと思ったのかなってな。それと、これからの方向性を考え直さないといかんなと思ってな。お前が男前提で、これから筋肉がかなりつくとしてどう鍛えるか考えていたから、お前の身体つきとか頭に入れないと考えが纏まらないんだよ」
「ランスタッド?裸を見たほうが良いなら部屋で脱ぐよ」
「そこまで必要はない。そんな事したら俺の理性が保てないから止めてくれ。まあ、時折ああやって触るからそれで判断するから良いぞ。それに肌を晒すのはお前が本気で好きになった相手に取っておけ」
マリニアはだからだよと呟くが、まだまだ子供扱いされているんだなぁと少しショックを受けていたが、当のランスタッドはそんな乙女心に気が付かなかった。
1か月程厄介になった宿を引き払ったが、おこちゃま2人はおやつを貰い上機嫌だった。
勿論道中愚図るだろうから色々買ってある。
朝は流石におこちゃまはともかく、年頃の女の子がいるから俺が顔を洗ったり髭を剃っている時に着替えて貰った。
訓練が終わると着替えてから食事だ。
リリアーナは流石に訓練をするには幼な過ぎる。
そして約束の時間より少し早く待ち合わせ場所に着くように向かう。
門の近くの広間を待ち合わせ場所にしていたが、既に商隊がそこにいた。
俺が商隊主に挨拶に行くと、誰かと話していた。
程なくしてその者は離れていったが、見知った奴だったが口に指を当て、今は話し掛けないようにといった感じだったからお互い会釈をしたに留める。
「ランスタッドさん、おはようございます。そう言えば私、名乗っていませんでしたね。ダイモンとお呼び下さい」
「じゃあダイモンさん。ちょっと頼みがあって、仲間の1人も一緒に王都に行きたいというんだ。金なら払うから1人追加させてくれないかな?」
「どちら方ですか?」
「ほら、あそこにいる金髪のエルフの少女だよ」
ダイモンは一瞬驚いた顔を見せた。
「どうかしましたか?」
「いやぁ、こんな辺境の町でまさかエルフを見掛けるとは思わなかったものですから少し驚きました。エルフですし、弓も扱えるなら護衛を兼ねるという事で追加はいらないですよ。少女とは言えエルフとは心強いですな。それよりもA級になられたとか?おめでとうございます」
「ありがとうございます。助かります。弓の腕は確かです。まだギフトを貰う前ですが、この位置から木札を放り投げても当てる腕がありますから」
「それは凄いですな」
「所でさっきの人は?」
「乗客ですよ。他にも何人か乗せますので。思ったよりこちらで買って帰る物が仕入れられませんでしたので、代わりに人を運んで稼ぐ事にしました。他にも護衛を連れてきているので紹介しますよ」
護衛は新たに雇った傭兵5名と、元々の子飼いの護衛がおり、俺がA級冒険者だと伝えると大いに驚いていた。
子飼いの護衛の隊長が護衛を指揮するとかで、俺は殿の馬車になった。勿論その馬車に俺の仲間がいるのと、乗客の一部がいるとの事。
そうして馬車に乗り込むのだが、乗り合い客をみて俺は固まった。
さっき情報屋がいたからそれは分かるが、何故かクルシュさんとバカメイドがいた。
向こうは勿論分かっているのか、会釈だけだ。
「皆さんの護衛を兼ねる乗客のランスタッドさんで、A級冒険者の方です。ただ、小さなお子さんがいらっしゃるのでご容赦願います」
馬車の荷台は横向きにベンチシートがあり、10人が乗り込む。
俺、マリニア、リリアーナ、ベイグルド、カタマリヤ、スニシス、情報屋、情報屋の仲間?、クルシュ、バカメイド。
こんな感じで、俺とマリニアは1番後ろで何かあったら直ぐに外に出られる位置だ。
クルシュさんが子供達にこっちにおいでと声を掛けると、こちらを見るので頷くとクルシュさんの方に行った。
俺の隣は情報屋、マリニアの隣はスニシスだ。
そうして疑問が多い中、町を出発したのであった。
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