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第1章 王都編

第74話 パパ活

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 館に帰るとタッ、タッ、タッ、タッタッ!と子供達が駆けて来ていた。

 ポスッ!ポスッ!ポスッ?ポスッ!
 ?4人に抱きつかれ・・・その場に倒れ込んでしまった。
 小さな子が増えとる・・・そうだ。違法奴隷の子らで、四肢を落とされていたんだった。

 3人の中で大きな子はリリアーナと並んで子供達を見ている。男の子かな?

 パパお帰りと出迎えられただけだが、もう走れるようになったのか?早いな!

 新たに来た2人を高い高いしキャッキャッと喜ぶさまを見ていた。
「すっかり元気になったんだな。よし、おやつを買ってきたからおやつを食べようか。おっと、その前におしっこをしてちゃんとても洗えよ」

「はーいパパ!」

 あの2人からもパパと呼ばれたか。
 ふむふむ。

「やっぱりパパは子供に優しいんですね」

 リリアーナがそっという。
 これまでランスタッドさんか、ランスタッド様としか言わなかったが、どういう心境の変化があったのだろうか?

 俺に憧れており、異性として見ていたフシがあるがソシアが俺にべったりで、ヤーナもくっついて来ているから諦めて子供として親の庇護下に入る道を選んだようだ。

 なるべくリリアーナの前では情けないダメ人間を装っていたのが功をなしたのか?
 鼻をほじったり、おしりをボリボリとかいたりしてみたんだよな。
 同年代の異性に興味を持ってくれ。

 一回りも違えば、彼女が結婚出来る歳になった時には俺も結婚して、子供もいる?

 俺は実子だろうが、養子だろうか差別するつもりはない。

 だが、今この子達に本当の親はいない。
 違法奴隷だった3人は親は亡くなっていると聞いた。
 誰かが上手く聞き出したようだ。

 パパはいつまでも君達のパパだぞ!うんうん。

 おやつだと聞いてトイレに駆け込み、ちゃんと手を洗っているな。

 俺が席に着こうとしたら子供達に怒られた。

「あっ!パパ手を洗っていない!」

 俺にはクリーンがあるから不要なんだよとも言えないよな。

「あっ!お前達に言っといてパパ忘れていたよ!」

 もうだらしないなぁとか、僕らがいなきゃパパは駄目だねとか言っているな。

 コホン。

 みんなが揃ったので頂きますをして食べたが、俺は子供達の頬に付いた食べかすを口の中に放り込んてやったり、落としたお菓子を拾ってクリーンを掛けたりと忙しかった。

 そんな俺を女性陣は生暖かな目で見ているが、頼むから見ていないで手伝ってくれ!

「手伝ってくれたら俺の分のおやつをあげるぞ!」

 と言ったのだが3人は聞いていなかった。

 3人はお風呂に行ってしまい子供達の相手をずっとしていた。
 で、3人が風呂を上がると俺は子供達に引っ張られ風呂に行く。
 クリーンで綺麗にしたから洗わずに湯船につかるが、幼い子供が大人しくする訳でもなく、風呂場を走り回り・・・滑って転けて大泣き。
 ヒールで痛みを取り・・・はあ。

 これなあに?私にはないよ?と如意棒さんをカタマリヤにツンツンされ答えに窮したりとした。

 女の子はお父さんの体を見て自分の体との違いを学ぶが、この子達には今までそれがなかった。
 リリアーナは分からないが、カタマリヤの生い立ちは謎だった。
 一部の記憶をなくしていたからだ。

 頼むからソシアだけでも風呂に来てくれ・・・・疲れた。
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