奴隷勇者の転生物語

KeyBow

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第一章 リスタート編

第3話 受付

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 ギルドの建物は周りの建物より一際大きく立派で、建物の入り口は観音開きの重厚な扉だ。僕は扉の前でひたすら扉が開くのを待っていた。

 濡れた体は既にクリーン魔法を使って乾かしていたんだけど、クリーン魔法の良い所は詠唱が要らない事なんだ。実はかなり珍しい魔法のようで、適正者が中々いないときいているんだ。ダナンの町でも僕以外にもう一人いるだけだといった具合に少ないのと、冒険者になった時に取得した魔法なんだ。
 ただ、いくら魔力を注ぎ込んでも攻撃では使い物にならないんだよね。精々水を出して足場をぐちゃぐちゃにするのとか、ゴミを捨てる用の小さな穴を掘って転ばす位なんだ。炎も目眩まし程度かな。近付けば服を燃やせるけど、触れられる距離じゃないと駄目なんだ。

 朝8時位にドアが開かれたので、とりあえず一番近い受付のカウンターに向かった。流石に王都のギルドだけあって、受付のカウンターがダナンの倍もあり、朝からギルドが開くのを待っていて並んでいた人の数も30人はいたかな。
 受付のお姉さんは眩しかった。田舎のお姉さんと違い、洗練されている感じで、皆さん綺麗な方で驚いたんだ。
 
 僕が向かったのは端っこの受付で、そばかすが有る僕と同じ位の歳のヒューマンだ。綺麗な肩までの銀髪が印象的だった。目がくりくりっとしていて綺麗というよりかわいい子かな。歳は近そうだった。

「ようきょそ王都のギルドへ。本日は私カレンがご要件を承ります」

 この子少し噛んだな?と思ったが、恥ずかしそうにしていて言い訳をしていた。

「その、私、今日から受付の業務を独り立ちになったんです。もし失礼がありましたらご容赦ください」

「これはご丁寧にどうも。えっと、ダナンの町から来たのですけれども、王都で暫く活動したいので、ホームタウンの設定をお願いします」

「あのう、担当の受付嬢は決められていますか?もしまだでしたら私では駄目でしょうか?」

「別に構いませんけど、ソロでも担当が付くんですね!」

「ソロは始めてですか?ソロにも担当が付きますよ。やったあ!幸先がいいわ!初めての方がいきなり担当をさせてくれるんですもの」

「ははは。こちらこそ宜しくお願いします。僕もソロは初めてなので色々教えてください」

「ではこちらに記載ください。それとステータスカードを確認するのですが、大丈夫ですか?」

 僕はカードを渡して頷き、書類に必要事項を書いていった。この子天然かな?と思ったんだ。心の叫びが声に出ていたんだよね。カードを渡すと確認の為だろうか、奥に行ってしまった。

 ギフトを書くところがあったり、適正の属性を書くところがあったので、僕は全てと書いた。クリーン魔法を使えるというのは全属性に対して適正があるという事だ。ただ得意属性とはまた別だ。

 上級魔法は得意属性じゃないと覚えられないけれども、生活魔法を使える者は初級魔法であれば全属性行ける。なので低級の回復魔法が使え、時間さえ掛ければ欠損以外は大抵の傷を治す事が出来る。但し、ジークのように器用貧乏で中途半端になり兼ねない。
 
 ジークの場合、孤高の剣のリーダーが適切な位置関係を知らずに雑用やサポーターとして見てしまった事が不幸を招いた。しかも途中でジークの成長の可能性に気が付いたのだが、サポーターからアタッカーに転換させず、嫉妬から腐らせようとしたのだ。

 きちんとした師匠に師事すれば中級魔法を少なくとも2属性は行けるのだ。つまり得意属性が2つ以上ある筈なのだが、周りの者で知っている者がいなくて宝の持ち腐れだった。

 僕はここからもう一度やり直そう、強くなってダニーを見返してやると思いつつも、今まで一人になる事は無かったから、やっていけるかな?と一抹の不安が有ったが、新天地で頑張るぞ!そう心に決めたんだ。
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