奴隷勇者の転生物語

KeyBow

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第一章 リスタート編

第16話 マスター

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 ギルドマスターは見た目に反して、や優しく語りかけてきた。

「君はあの孤高の剣のメンバーだったんだってね?差し障りがなければ、どうしたのか話してくれると嬉しい」
  
「あっ、はい。同じ村の出身者でパーティーを汲んでいたんですが、何故か僕はリーダーに嫌われていて、サポート要員扱いで碌に戦闘にも参加できず、結果中々魔物を倒せれず、皆と力の差が出てきて、4日前に追放されたんです。僕がいれば規定でSランクに上がれないからって。僕自身はEランクですから」  

「あの街のギルドは節穴か?君程の実力でEランクは無いだろう」

「多分僕は甘かったんです。リーダーがいつも皆のカードを集め、依頼達成の報告と、お金の配分も活躍具合で配分していました。カレンさんに言われたのは普通はそんな事をしないと。多分貢献具合のバランスも酷かったんでしょうね。だから良かったのかも分かりません」
  
 話をしているのは20台後半か30代前半の騎士のような金髪の、嫌味なくらいの爽やか系のイケメンだ。

「あそこのリーダーはダニーだったな。確か孤高の剣は戦闘の時は君が色々指示を出していただろう?一度君達の戦っている所を見たよ。ダニーは確かに個としては強いが、戦闘時は一人の戦士に過ぎなかったと記憶している。まともな指揮など取れていなかったのに、君を追放なんて正直あり得ないぞ。で、君はどうするんだ?」

「はい。どうも僕はダニーの独断の所為で、冒険者として知っていなければならない事を知らなさすぎるようです。なので先ずは普通の冒険者がする事を一通り行って、順を追って強くなり、何れ追い出した事を後悔させてやろうとは思いますが、王都にて生活の基盤を作り、コツコツとやっていきたいんです」  

「そうそう、既に新緑の森での戦闘は報告が有ったのだが、中々見事な指揮ぶりだったようだな。今後の君に期待をしているよ」

「俺はSランクパーティーである旋風の刃のシリウスだ。君には一目を置いているんだよ。何か困った事が有れば声を掛けてくれ。さっきのは中々の腕前で感心したよ」  

「あっ、はい。こちらこそ宜しくお願いします。えっと、要件はこれで終わりでしょうか?」  

「ああ、悪かったな。まだシリウスと話が有るから、ジーク君はもう行っても大丈夫だ。今後に期待しているよ」 

 握手をしてその場を引き上げた。そしてカレンの所に顔を出した。

「カレンさん!やっと話が終わりました!」 

「おかえりなさい…。大丈夫でした?」

「何がです?謝罪されていただけですよ。それよりシリウスさんって凄いですね。Sランクかあ。しかも僕なんかと違いイケメンだし、やっぱりカレンさんもああいうイケメンがタイプだったりするの?」

「ううん。ジーク君のさっきの立ち回りの方がカッコ良かったぞ!」

「カレンさんでもお世辞を言うんですね」

 カレンは思った。この人駄目な人だと。鈍感だと。意を決して言ったのに気が付かないのだ。はぁと心の中で溜息をついていた。
 ギルドの受付嬢の隠れた秘密があるのだ。それは絶対にこちらから告白してはダメだと。相手に言わせるのが鉄の掟なのだ。そう、それができないのであれば、ギルドの受付嬢を辞めて一人の女として告白する、それが不文律なのだ。

 理由は冒険者たるもの美人の受付嬢をモノにしたい!そうして自分に振り向かせたいと思い、下心から頑張る生き物だ。受付嬢のハートを射止めたい!受付嬢に告白し、実力からその気にさせる!そういうものでないと駄目だという事なのだ。だから基本的に受付嬢は見目麗しい者しかなれないと。一応受付に男もいるが、サポートをする引退した冒険者だ。

 それはともかくカレンはジークに感謝をしていた。

 自分の所に5新たに人もの担当をつけてくれたのだ。尤も他の受付嬢から奪う形にはなったが、今回に限って言えば担当を外すされる事になった受付嬢に非がある。ましてやギルドマスターの判断だ。彼女からどうこう言われる筋合いは無いだろうと。

 そして一番最初の担当になったのがジークだ。運命を感じられずにはいられない。だが、受付嬢をしている以上、長年の伝統である不文律を破る訳にはいかない。どうにかして自分に振り向かせたい、自分に対して好きだと告白させたい。つまりカレンは先の立ち回りで完全に惚れてしまったのだ。それもリースティアにも分かる位に。
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