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第1章
第11話 死体回収と異変
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俺が石を乗せたり、俺の折れた剣を突き立てて墓標としていたので、目的の場所はすぐに分かった。
「よし、皆掘り起こすよ!」
皆が作業を始めたが、俺は声を掛けた。
「土魔法で退けましょうか?」
「気になる事が有るから彼女と見張りをお願いね!ちゃんと君が悪くなく事故だって言っておいたよ」
俺はホッとした。取り敢えずフードを後ろにやり、顔を出した。
取り敢えず彼女の所に行く。
「今朝は悪かった。それとさっきは助かったよ」
「っち!貴様だったのか!助けなければ良かった!」
「ギルマスから聞いているよね?」
「ふん。それとこれは別だ。私の胸を揉んだハレンチな奴に変わりない」
「だから事故だって。面倒くさいな。まあいいや。それよりこれを渡すから手を出して」
俺は彼女の手に魔石を握らせた。
「これは貴様の物ではないのか?」
「1体は君が倒したろ。死にはしなかったろうが、怪我はしたかもね。これは倒した君の分だよ」
「そういう事なら貰おう。所で貴様は掘り起こさないのか?」
「ああ。君と見張りをしろと言われたよ。俺は道案内が仕事だから」
「貴様が2人を見付けたのか?」
「なあ、俺はトニーと言うんだ。君は?」
「貴様などに名乗る名はないと言いたいところだが、私はレイラだ」
「そうか。レイラか」
「いきなり呼び捨てか?」
「歳は近いだろ?駄目か?」
「まあいいだろう。私も貴様の事はトニーと呼ぶぞ」
「ああ。そうだな。俺が物音を聞きつけて駆けつけたが、1歩遅かった。1人はまだ体から血を吹き出していたから。死んだ直後に更にゴブリンが棍棒を打ち付けている所だったな」
「そいつらもトニーが倒したのか?」
「ああ。全部で4匹いたよ」
「今の私には一度にそれだけを相手にはできないな。不埒者だが腕は立つのだな。トニー、どうやら掘り起こすのが終わったようだが、トニーが埋めたのか?」
「ああ。土魔法を使えば穴は容易に掘れるからな」
「ならば原型を保っているな。あれならばひょっとして?」
「ひょっとしてって何だ?」
「トニーはその可能性に賭けて彼らを埋めたのだな。確かに埋めておけば、運悪く地中を進む魔物の餌食にならなければ五体満足な状態で死体を保存出来るな。うん。不埒者だが頭は切れるようだな」
俺はレイラの言っている事の意味が分からなかった。
馬車に死体を運び、積み込みを終えた。
しかしギルマスの様子がおかしかった。やたらと警戒をしているようだ。
「撤収するよ!トニー君とレイラ君は私と来て」
そうして馬車に乗ろうとしたが、ヒュンと音がしたかと思うと、馬車に乗ろうとしていた駆け出し掃除人(冒険者)が倒れた。矢を頭に食らい即死したのだ。
馬車に乗ろうとしていた俺はなっ!と呻く。
外を見るとかなりの数のゴブリンに囲まれているのが分かる。まだ半包囲だ。来たのと反対からだ。
「どうして?」
レイラが唖然としていた。
ギルマスが叫ぶ。
「ば、馬鹿な?さっきまで気配はなかったよ?逃げられないな」
俺はギルマスに剣を渡した。どう見ても武器を持っていないからだ。
「皆戦うよ!この数だから逃げられないよ」
気配はざっと20。ゴブリンの上位個体がいる筈だ。序盤の敵では強敵だ。
中級冒険者が叫ぶ。
「てめぇらは死にたくなかったら俺の指示に従え!2人1組で背中を守り合え!」
俺はレイラを見る。
「レイラ、俺を守ってくれ。半分はなんとか魔法でやるが、どうしても隙が出来る」
「分かった。この際だから仕方がないな」
俺達は半包囲された左半分を担う。中級冒険者が右側に向かったからだ。酷い指揮だったが、それでも取り敢えず半分だけを相手にするのでまだ気が楽だ。取り敢えず第1陣の魔法を展開した。
「アイスアロー!ファイアーアロー、アースアロー、ウィンドカッター、スラッシュ!」
俺の左手からアイスアローが2つ、ファイアーアロー、アースアロー、ウィンドカッターが1刃、剣を振りそこから斬撃が飛ぶ。計6匹に魔法やスキルが向かって行く。
明らかに先程より威力が上がっている。
斬撃もゴブリンをあっさりと両断した。ファイアーアローも体を穿ち、またたくまに焼き尽くしており、ぽんっと弾けて魔石が落ちる。
俺は魔法を放った影響から3秒程ぼ~っとしていたが、眼前でレイラの剣が矢を弾いていて、はっとなった。
「クワッドマジシャンだと?それに、剣術スキル迄放ったな?貴様は一体何者なのだ?6匹を瞬殺だぞ?あり得ない」
「助かったよ。上位個体はあれか?行くぞ!」
上位種であるゴブリンアーチャーがいた。俺はレイラの詰問を無視し、残りの受け持ち分である4匹のうち、雑魚に向けてウインドカッター、ファイアーアローを放ち、ゴブリンアーチャーにアイスアロー2本とスラッシュを放った。すると3匹は瞬殺だったが、ゴブリンアーチャーは手負いになるも剣を振りかぶってこちらに駆けてきた。
俺の狙いはアイスアローで体を穿ち、スラッシュで弓を壊す事だった。狙い通りに弦を切り、手傷を負わせた。
はっとなるとレイラがブロードソードにてアーチャーと戦っていたのだった。
「よし、皆掘り起こすよ!」
皆が作業を始めたが、俺は声を掛けた。
「土魔法で退けましょうか?」
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俺はホッとした。取り敢えずフードを後ろにやり、顔を出した。
取り敢えず彼女の所に行く。
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「っち!貴様だったのか!助けなければ良かった!」
「ギルマスから聞いているよね?」
「ふん。それとこれは別だ。私の胸を揉んだハレンチな奴に変わりない」
「だから事故だって。面倒くさいな。まあいいや。それよりこれを渡すから手を出して」
俺は彼女の手に魔石を握らせた。
「これは貴様の物ではないのか?」
「1体は君が倒したろ。死にはしなかったろうが、怪我はしたかもね。これは倒した君の分だよ」
「そういう事なら貰おう。所で貴様は掘り起こさないのか?」
「ああ。君と見張りをしろと言われたよ。俺は道案内が仕事だから」
「貴様が2人を見付けたのか?」
「なあ、俺はトニーと言うんだ。君は?」
「貴様などに名乗る名はないと言いたいところだが、私はレイラだ」
「そうか。レイラか」
「いきなり呼び捨てか?」
「歳は近いだろ?駄目か?」
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「ああ。そうだな。俺が物音を聞きつけて駆けつけたが、1歩遅かった。1人はまだ体から血を吹き出していたから。死んだ直後に更にゴブリンが棍棒を打ち付けている所だったな」
「そいつらもトニーが倒したのか?」
「ああ。全部で4匹いたよ」
「今の私には一度にそれだけを相手にはできないな。不埒者だが腕は立つのだな。トニー、どうやら掘り起こすのが終わったようだが、トニーが埋めたのか?」
「ああ。土魔法を使えば穴は容易に掘れるからな」
「ならば原型を保っているな。あれならばひょっとして?」
「ひょっとしてって何だ?」
「トニーはその可能性に賭けて彼らを埋めたのだな。確かに埋めておけば、運悪く地中を進む魔物の餌食にならなければ五体満足な状態で死体を保存出来るな。うん。不埒者だが頭は切れるようだな」
俺はレイラの言っている事の意味が分からなかった。
馬車に死体を運び、積み込みを終えた。
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「撤収するよ!トニー君とレイラ君は私と来て」
そうして馬車に乗ろうとしたが、ヒュンと音がしたかと思うと、馬車に乗ろうとしていた駆け出し掃除人(冒険者)が倒れた。矢を頭に食らい即死したのだ。
馬車に乗ろうとしていた俺はなっ!と呻く。
外を見るとかなりの数のゴブリンに囲まれているのが分かる。まだ半包囲だ。来たのと反対からだ。
「どうして?」
レイラが唖然としていた。
ギルマスが叫ぶ。
「ば、馬鹿な?さっきまで気配はなかったよ?逃げられないな」
俺はギルマスに剣を渡した。どう見ても武器を持っていないからだ。
「皆戦うよ!この数だから逃げられないよ」
気配はざっと20。ゴブリンの上位個体がいる筈だ。序盤の敵では強敵だ。
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俺はレイラを見る。
「レイラ、俺を守ってくれ。半分はなんとか魔法でやるが、どうしても隙が出来る」
「分かった。この際だから仕方がないな」
俺達は半包囲された左半分を担う。中級冒険者が右側に向かったからだ。酷い指揮だったが、それでも取り敢えず半分だけを相手にするのでまだ気が楽だ。取り敢えず第1陣の魔法を展開した。
「アイスアロー!ファイアーアロー、アースアロー、ウィンドカッター、スラッシュ!」
俺の左手からアイスアローが2つ、ファイアーアロー、アースアロー、ウィンドカッターが1刃、剣を振りそこから斬撃が飛ぶ。計6匹に魔法やスキルが向かって行く。
明らかに先程より威力が上がっている。
斬撃もゴブリンをあっさりと両断した。ファイアーアローも体を穿ち、またたくまに焼き尽くしており、ぽんっと弾けて魔石が落ちる。
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俺の狙いはアイスアローで体を穿ち、スラッシュで弓を壊す事だった。狙い通りに弦を切り、手傷を負わせた。
はっとなるとレイラがブロードソードにてアーチャーと戦っていたのだった。
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