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第1章
第38話 トニーを派遣した者達
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バン!
大きな音と共に扉が開け放たれた。
「ちょっとどいつ?あのトニーって奴の担当は?」
一人の女性が手を挙げた。
「何してくれたんだい!アタイのぽこりん69号君が勝つ筈だったのに!代わりなさいよ!あんたのような冴えない女神がアタイより先に一等女神になるなんて有りえないのよ!」
「あのう、成績順で担当のプレイヤーを決めただけで、あの結果はあくまでプレイヤーの力のみですよ?先輩もご存知ですよね?そろそろ下界の様子を見なければなりませんのでお引取り願いませんか?」
「呪ってやる。あんたなんか失敗すれば良いのよ!」
その女神は出ていった。
「女神スラナシスカ、分かっていますね?何の為にわざわざ貴女を選んだのか」
「はい。一等女神タミース様。優勝者の担当が私になるように手を尽くされたと言うのは分かります。しかし、女神ジュータスクは確かにもうすぐ一等になれる実力とも聞いております」
「確かに二等女神の中では特筆していますが、あの子では駄目です。詰めが甘いの。本来の目的を忘れ、邪魔をするようね。貴女の手腕を見せて頂戴」
「かしこまりました。さて、何を仕掛けてきたのやら。まあやっつけますとも」
ここは神界。その中でもここは勇者を派遣し管理、フォローをするそんな部署。勇者管理局つまり勇者派遣業だ。
今トニーのいる世界の担当神より、世界滅亡の危機にさらされたと勇者の派遣要請があり、勇者管理局が対処していた。
その世界に模したゲームを構築し、予め慣れさせる。そしてそこから最大の手練を勇者として召喚する。そんな手の込んだ事をしていた。
地球に対して適正者有りとし、実際に仕切っているのはこの一等管理官だった。今回は特に難易度が高く、担当も最高の者を用意したが、横槍が入った。出世欲の強い者のだ。
地球に対して、準備する者を予め数神を選定し、管理局で作成したシステムを引っさげ送り込んでいた。三等管理官は神とは名ばかりな下っ端だ。
ジュータスクはこの世界に派遣されるトニーに対して邪魔立てをする工作を行っていた。巧妙にだ。
決勝開始時を派遣要請が来た翌日になるように三等神達が調整されて送り込まれていた。そして要請のあった世界の担当官になれるのは一人のみ。勿論配下に下級神を割り付けられるので、責任者という意味だ。決め方はシンプルで、1000人の神が優勝者を当てると言うものだった。最近の筆記試験及び戦闘試験からランクが決められており、参加できるのが上位1000神だった。そしてランク上位から順に決めていく。
だが、ターミスの懐刀のスラナシスカのみ、ターミスのその能力を知っている。特定の項目のみだが、一日後の様子を見る事が出来る。だからスラナシスカに優勝者の名前を伝えていた。
一応、派遣が失敗すれば別の者を派遣する事になっており、ジュータスクは本来禁止されている干渉を行ったのだ。本人に直接を一度。そしてその後周りに干渉をする。
それを発見次第、ターミスがスラナシスカに干渉を許可する形だ。尤もスラナシスカが報告し、事後承諾をする形だ。
最初の干渉は転移場所だった。
この時は油断しており、まさか禁忌事項を犯すとは思わなかったのだ。勿論その後ジュータスクは捕らえられ罰を受けるが、それはすぐの事ではなかった。誰がやったかを巧妙に隠して実行したから、犯人(犯神)を特定するのが遅くなったので、度重なる妨害工作をされてしまった。
転移場所をずらされた後、トニーの所在を確認できるまで時間が掛かっだが、幸い生きていた。右腕として活躍する実力者にも細工がなされており、気が付いた時には魔物により抹殺されていたのだ。
お陰で当初用意した仲間と合流出来ず、代りの者をメインヒロインとして運命を捻じ曲げて用意したが、最悪の出会い方をさせてしまった上に、既に細工をされていた。見越していたのだ。ここまではやられっぱなしで、しかも、倒しに行った魔物を強制的に進化させていた。幸い切り抜けてくれたが。
お陰で軌道修正が必要で、2人の運命に干渉した。一人はギルドマスターだ。協力者として無理矢理最初の死体回収に同行させ、トニーを掩護した。ギルドマスターの方は最初の同行の後は特に何もする予定がなかったのだが、死体回収の時の様子から協力者に仕立てたのだ。そう、最初に死んだ2人は元々トニーの仲間として行く筈だったが、心を壊されていた。
トニーと仲間の能力向上が予定外に必要で、ギルドの受付嬢の一人の運命と潜在能力に権限内での精一杯の干渉をした。そして従者になるように仕向けたのだ。
そしてジュータスクの干渉はレイラの呪いが解呪された時に発動するように2段構えだ。そして漸くだが、トニーに直接警告をする事が可能なところにまで調節が終わった。
これも工作によりトニーとのホットライインが破壊されていたのだ。
大きな音と共に扉が開け放たれた。
「ちょっとどいつ?あのトニーって奴の担当は?」
一人の女性が手を挙げた。
「何してくれたんだい!アタイのぽこりん69号君が勝つ筈だったのに!代わりなさいよ!あんたのような冴えない女神がアタイより先に一等女神になるなんて有りえないのよ!」
「あのう、成績順で担当のプレイヤーを決めただけで、あの結果はあくまでプレイヤーの力のみですよ?先輩もご存知ですよね?そろそろ下界の様子を見なければなりませんのでお引取り願いませんか?」
「呪ってやる。あんたなんか失敗すれば良いのよ!」
その女神は出ていった。
「女神スラナシスカ、分かっていますね?何の為にわざわざ貴女を選んだのか」
「はい。一等女神タミース様。優勝者の担当が私になるように手を尽くされたと言うのは分かります。しかし、女神ジュータスクは確かにもうすぐ一等になれる実力とも聞いております」
「確かに二等女神の中では特筆していますが、あの子では駄目です。詰めが甘いの。本来の目的を忘れ、邪魔をするようね。貴女の手腕を見せて頂戴」
「かしこまりました。さて、何を仕掛けてきたのやら。まあやっつけますとも」
ここは神界。その中でもここは勇者を派遣し管理、フォローをするそんな部署。勇者管理局つまり勇者派遣業だ。
今トニーのいる世界の担当神より、世界滅亡の危機にさらされたと勇者の派遣要請があり、勇者管理局が対処していた。
その世界に模したゲームを構築し、予め慣れさせる。そしてそこから最大の手練を勇者として召喚する。そんな手の込んだ事をしていた。
地球に対して適正者有りとし、実際に仕切っているのはこの一等管理官だった。今回は特に難易度が高く、担当も最高の者を用意したが、横槍が入った。出世欲の強い者のだ。
地球に対して、準備する者を予め数神を選定し、管理局で作成したシステムを引っさげ送り込んでいた。三等管理官は神とは名ばかりな下っ端だ。
ジュータスクはこの世界に派遣されるトニーに対して邪魔立てをする工作を行っていた。巧妙にだ。
決勝開始時を派遣要請が来た翌日になるように三等神達が調整されて送り込まれていた。そして要請のあった世界の担当官になれるのは一人のみ。勿論配下に下級神を割り付けられるので、責任者という意味だ。決め方はシンプルで、1000人の神が優勝者を当てると言うものだった。最近の筆記試験及び戦闘試験からランクが決められており、参加できるのが上位1000神だった。そしてランク上位から順に決めていく。
だが、ターミスの懐刀のスラナシスカのみ、ターミスのその能力を知っている。特定の項目のみだが、一日後の様子を見る事が出来る。だからスラナシスカに優勝者の名前を伝えていた。
一応、派遣が失敗すれば別の者を派遣する事になっており、ジュータスクは本来禁止されている干渉を行ったのだ。本人に直接を一度。そしてその後周りに干渉をする。
それを発見次第、ターミスがスラナシスカに干渉を許可する形だ。尤もスラナシスカが報告し、事後承諾をする形だ。
最初の干渉は転移場所だった。
この時は油断しており、まさか禁忌事項を犯すとは思わなかったのだ。勿論その後ジュータスクは捕らえられ罰を受けるが、それはすぐの事ではなかった。誰がやったかを巧妙に隠して実行したから、犯人(犯神)を特定するのが遅くなったので、度重なる妨害工作をされてしまった。
転移場所をずらされた後、トニーの所在を確認できるまで時間が掛かっだが、幸い生きていた。右腕として活躍する実力者にも細工がなされており、気が付いた時には魔物により抹殺されていたのだ。
お陰で当初用意した仲間と合流出来ず、代りの者をメインヒロインとして運命を捻じ曲げて用意したが、最悪の出会い方をさせてしまった上に、既に細工をされていた。見越していたのだ。ここまではやられっぱなしで、しかも、倒しに行った魔物を強制的に進化させていた。幸い切り抜けてくれたが。
お陰で軌道修正が必要で、2人の運命に干渉した。一人はギルドマスターだ。協力者として無理矢理最初の死体回収に同行させ、トニーを掩護した。ギルドマスターの方は最初の同行の後は特に何もする予定がなかったのだが、死体回収の時の様子から協力者に仕立てたのだ。そう、最初に死んだ2人は元々トニーの仲間として行く筈だったが、心を壊されていた。
トニーと仲間の能力向上が予定外に必要で、ギルドの受付嬢の一人の運命と潜在能力に権限内での精一杯の干渉をした。そして従者になるように仕向けたのだ。
そしてジュータスクの干渉はレイラの呪いが解呪された時に発動するように2段構えだ。そして漸くだが、トニーに直接警告をする事が可能なところにまで調節が終わった。
これも工作によりトニーとのホットライインが破壊されていたのだ。
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