ざまぁから始まるモブの成り上がり！〜現実とゲームは違うのだよ！〜

第２章

第103話 ５人目の妻？

　俺はシスティーナの部屋を４人から締め出される事になった。俺だけの問題ではないから４人で話し合うのだ。この世界は基本的に婚姻する者同士が宣言すれば婚姻関係が成立する。

　４人にはスラナシスカと自室にて話をしていると伝えた。

　取り敢えずスラナシスカに口付けをしたが、何も起こらない。死なれては困るので、部屋に入ると肩を掴み、こちらに顔を向け強引に唇を重ねてみたのだが、嫌がられなかった。

「キスによるパスを作っても何も起こらないがこんなものなのか？」

「？今のは私の唇を堪能したかった訳ではないのか？」

「先ずはパスを繋いだらどうなるのか確かめたかったんだが？」

「ああ。先程狭間の裂け目から引き摺り出してくれた時に唇が触れてその時に繋がったのだよ。それにより、私と君との間にパスを繋ぐ事が出来ているのだ」

「あの時身体中を打ち付けた時か。すまない。さっきのはキスではないんだ」

「理解した」

「なあ、妻達の決定に俺は従うが、スラナシスカは良いのか？俺とその・・・」

「はっきりしない奴だな。セックスの事か？それならば構わない。私の身体を好きにしても良いのだぞ。覚悟は出来ている。君は私を抱くに値する人だ。それに一人の女として好ましく思っている。私はずっと君を見守っていたからな。ただ何故か君は私の事を好いていて、本気で妻にしたいと思っているようだが何故だ？」

「やり直し前に一緒に戦ったんだ。その時背中を預けていて安心したんだ。それに、あんな死に様をする君を見ていられなかった。例え俺がやり直しをすれば皆が生き返るとはいえ、もう理不尽に殺されるのを見たくない。それに俺の心の中に、いや違う、魂に君の魂が刻まれていて運命を感じたんだ。何故だ？正確には妻達にも感じるんだ。ただ、まだ会っていないもうひとりの魂の欠片を感じるんだ。しかも時間がないと警笛が鳴り響くんだ」

「私の場合、君が生まれた時に君の担当になったのだ。君がこの世界に勇者として来るのは君が生まれた時点で決まっていたのだよ」

「何故だ？何故生まれた時に決まっているんだ？俺なんて大した奴じゃないぞ？」

「君は自分の価値を分かっていない。何せ君は・・・今はよそう」

「疑問が有るんだ。やっぱりおかしい。スラナシスカ程の女が何故俺なんかを好きになる？特級女神の君が何故だ？」

「ちょっと待って？何故知っている？ターミスでさえ私は２級女神と思っているし、私の素性は見破れない筈だ。君の正体は私が思っていたのとは違うのだな。この世界は何だ？君のような者がいるこの世界とは？君はあの方の眷属か？」

「あの方って？」

「あの方としか分からぬのだ。名前が出て来ない。君のスキルに異様なのが有るからおかしいなと思ったのだ。尤もあの力は期間限定の特殊なものらしいな。初期成長には必要だが、今となっては必要ないから良いが、本来得られない能力を持っていたのは初期能力を極端に低くし、終盤を乗り切る為の能力を得られ、更に覇者となる為に背負ったリスクか。なるほど。君の選択は面白い。因みにステータスは見られなくなっている筈だぞ？」

「俺が背負った？それにステータス？ってマジか？確かに見られないぞ！くそっ！」

「もう必要が無いからだろう。その能力をは賭けても良いが、君自身が事前に選んだ筈だ。ただ、新たなスキルの取得は出来る筈だぞ。それに君と私は結ばれると思う。覇者になるには女神を妻としているか、隷属させねばならない。覇者に成れる者がいる訳がないと思ったが、なるほど。君は私の心を既に私から奪っているのだよ。君は何度か勇者をやっているね？。改めて言う。私を娶るんだ。いや。娶ってくださいませ！」

　スラナシスカの言葉に俺は衝撃を受け、更に娶ってと懇願され戸惑うのであった。