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第3章 大輔編
決勝
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大輔は開始の合図でお辞儀をし、剣先を合わせに行った。
礼儀正しい奴と聞いていたからだ。
しかし、いきなり切りつけてきた。少なく共今までは礼節を持っていたらしいが、会場のざわめきから大輔にだけ礼を持って相対しなかったのがなんとなく分かった。
辛うじて剣を受けとめた。正確には相手がダイスを踏んでその影響で僅かに剣の軌道が逸れたので躱せれたのだ。
ラッキーだった。それがなければ額に剣が突き刺さった勢いだ。
完全に殺しに来ているのが分かる。
恨みでもない限り普通は殺しに来ない。相手も殺しに来るようになり、リスクしかないからだ。
次から次に剣を繰り出してくるが、大輔は辛うじて躱わしたり盾で受け止める。
体勢を立て直し一旦距離を置く。間髪入れずに追ってくるが、装備重量が違う為に距離が開く。
大輔は考えていた。今までに3人が大輔と戦い命を落としている。多分その中の一人の関係者なのだろうと。
剣の腕は大輔よりも上そうだった。大輔は鞭でひっくり返すつもりだ。目的を悟られない為執拗に武器を狙ったり兜の目を狙う。ダメージが入らないが、一方的に攻撃している。
時折剣で切りつけては下がるヒットアンドアウェイを繰り返す。
かなりイライラしてきたようで
「ええい、ちょこまかと鬱陶しい。正々堂々と打ち合えぬのかか」
妙に高い声だった。兜で変に反響しているのかな?位にしか思っていなかったが反論した
「開始の挨拶をする振りをして殺しに来る外道が正々堂々とは片腹痛いぞ。殺しに来たんだからには死ぬ覚悟は有るんだろうな」
「兄者の仇だ。死ね」
妙にハスキーボイスであり、兜の目の部分を一旦上げたが、女性と見紛う程の整った顔立ちだ。
大輔は敗北感を味合う。そんな一瞬の虚を突き一気に間合いを詰めて剣をくり出してきた。
剣で胴に攻撃を受け、返す刀で剣を飛ばされたが、懐に潜り込んでで足払いを掛けると綺麗に決まった。
ぐは!と呻き声が聞こえ、メイスを取り出し頭を狙う。
体を回転させながら避けるが、鎧に当たったりして、12撃目で兜にヒットし兜が脱げる。蹴りを顔に喰らわせると歯が飛び散った。金髪のロングヘアだ。騎士によくあるので驚かないが、アーミナイフのようなのが大輔の脚に刺さった。これで脚を活かした戦い方が出来ない。鎧がプカプカと動いてしまい、狙いが雑になっていた。
相手も顔が酷い事になっており、女だったら恨みで殺されるなと思う位だ。多分顔面の骨が折れた筈だと感じていた。
鎧にも凹みがあり、鎧が外れかかっていた。大輔も同じで剣により鎧を留める紐が切られた。鬱陶しくなり脱ぎたい感じだ。向こうも動くと鎧が飛び出しまともに戦えない。
大輔は提案する。
「なあ、お互い鎧が壊れたようだから一旦戦闘を中断して鎧を脱いで戦わないか?今のままだとお互い鎧が邪魔でまともに戦えないからな。どうだ?」
相手は喋れない為頷いた。大輔は司会に
「見ての通り2人共に鎧が壊れたのでまともに戦えない。同意は取り付けているから、一旦中断して鎧を脱いでから再開したい。一旦中断してよいか?」
司会が誰かの方を向いて確認していた。
「わかりました。これより10分のみ中断します。座の者は、鎧を脱がせて速やかに引き上げてください。治療行為は禁止します」
そうして両陣営の者が鎧を外しに来るのであった。
礼儀正しい奴と聞いていたからだ。
しかし、いきなり切りつけてきた。少なく共今までは礼節を持っていたらしいが、会場のざわめきから大輔にだけ礼を持って相対しなかったのがなんとなく分かった。
辛うじて剣を受けとめた。正確には相手がダイスを踏んでその影響で僅かに剣の軌道が逸れたので躱せれたのだ。
ラッキーだった。それがなければ額に剣が突き刺さった勢いだ。
完全に殺しに来ているのが分かる。
恨みでもない限り普通は殺しに来ない。相手も殺しに来るようになり、リスクしかないからだ。
次から次に剣を繰り出してくるが、大輔は辛うじて躱わしたり盾で受け止める。
体勢を立て直し一旦距離を置く。間髪入れずに追ってくるが、装備重量が違う為に距離が開く。
大輔は考えていた。今までに3人が大輔と戦い命を落としている。多分その中の一人の関係者なのだろうと。
剣の腕は大輔よりも上そうだった。大輔は鞭でひっくり返すつもりだ。目的を悟られない為執拗に武器を狙ったり兜の目を狙う。ダメージが入らないが、一方的に攻撃している。
時折剣で切りつけては下がるヒットアンドアウェイを繰り返す。
かなりイライラしてきたようで
「ええい、ちょこまかと鬱陶しい。正々堂々と打ち合えぬのかか」
妙に高い声だった。兜で変に反響しているのかな?位にしか思っていなかったが反論した
「開始の挨拶をする振りをして殺しに来る外道が正々堂々とは片腹痛いぞ。殺しに来たんだからには死ぬ覚悟は有るんだろうな」
「兄者の仇だ。死ね」
妙にハスキーボイスであり、兜の目の部分を一旦上げたが、女性と見紛う程の整った顔立ちだ。
大輔は敗北感を味合う。そんな一瞬の虚を突き一気に間合いを詰めて剣をくり出してきた。
剣で胴に攻撃を受け、返す刀で剣を飛ばされたが、懐に潜り込んでで足払いを掛けると綺麗に決まった。
ぐは!と呻き声が聞こえ、メイスを取り出し頭を狙う。
体を回転させながら避けるが、鎧に当たったりして、12撃目で兜にヒットし兜が脱げる。蹴りを顔に喰らわせると歯が飛び散った。金髪のロングヘアだ。騎士によくあるので驚かないが、アーミナイフのようなのが大輔の脚に刺さった。これで脚を活かした戦い方が出来ない。鎧がプカプカと動いてしまい、狙いが雑になっていた。
相手も顔が酷い事になっており、女だったら恨みで殺されるなと思う位だ。多分顔面の骨が折れた筈だと感じていた。
鎧にも凹みがあり、鎧が外れかかっていた。大輔も同じで剣により鎧を留める紐が切られた。鬱陶しくなり脱ぎたい感じだ。向こうも動くと鎧が飛び出しまともに戦えない。
大輔は提案する。
「なあ、お互い鎧が壊れたようだから一旦戦闘を中断して鎧を脱いで戦わないか?今のままだとお互い鎧が邪魔でまともに戦えないからな。どうだ?」
相手は喋れない為頷いた。大輔は司会に
「見ての通り2人共に鎧が壊れたのでまともに戦えない。同意は取り付けているから、一旦中断して鎧を脱いでから再開したい。一旦中断してよいか?」
司会が誰かの方を向いて確認していた。
「わかりました。これより10分のみ中断します。座の者は、鎧を脱がせて速やかに引き上げてください。治療行為は禁止します」
そうして両陣営の者が鎧を外しに来るのであった。
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