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第4章
波紋
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娼館街を出た所でシリカは門番に一礼をし、涙を流し始め晃に抱きついた。そして周りの目を気にせずに号泣していた。
エニグマ達は口をポカーンと開けていたが、メアリーだけは楽しそうに見ていた。
晃はシリカを徐にお姫様抱っこし、エスケープを敢行しようとした。しかし移動開始した時点で背中に冷や汗を感じた。身に覚えのある死線も。
カクカクしながら横を向くと半べそのルーシー達がいて
晃の背後のガブリエルを見て警戒していた。
「ほう、これから大変そうだな坊主。お嬢ちゃん達、君らの王子様を借りていたぞ。この女には手を出していないそうだが、俺が晃を身請け人として買い与えた女だ。君らが上手に抱いて貰う為の練習台だった筈なんだがな。まあ、頑張れや」
無責任で訳の分からぬ事をほざいていなくなり、怒りと絶望感で真っ赤になっている女性陣に晃はおろおろしていた。
エニーは文句を言い掛けたが踏みとどまっていた。そう、お淑やかで落ち着いた女性路線に方向転換し、晃の影日向となり尽くす方向にシフトしたからだ。しかしそうでもない者もいる
ルシーだ。彼女は驚きの光景に涙した。
「そんな、晃様が、晃様が遊郭になんて。私の事を嫌いになったんですか?付き合いたいって言ってくれて嬉しかったんですよ。女性を抱きたいなら私に言って頂ければその、む、胸くらいなら我慢したのに。酷いです」
動揺したルーシーの言質がおかしかったがルーシーから責められて晃はおろおろしていた。
レヴィは辛辣だった。
「晃のバカ!確かに私はまだまだ子供ですけど、娼館だなんて不潔です!私達が晃の事を好きなのを、抱かれても良いって思っているのを知ってるよね?なんで私達の誰かじゃなくて売女なの?酷い!」
そうしてルーシーと二人して泣きながらその場を去っていった。そこはイザベラが間髪入れずに追いかけて行く。
残ったのはメアリーとエニーだけだった。晃が口をパクパクしているとメアリーが助け船を出してきた。
「あらあら大変なところに出くわしちゃったわね。ふふふさて我らが団長晃くんはどう切り抜けるのかしら?それはともかくエニーは偉いわね。騒がずに様子をちゃんと見るなんて。そうねぇ、こんなところではなんだし、彼女は胸の治療をしてあげないとかわいそうだわ。まずは屋敷に戻ってからお話しをしましょうね。いいわね晃くん」
有無を言わさないメアリーの言葉に晃は頷き、3人で駆けけ出した。そう4人いるが、1人は抱っこされているのだ。
晃達は気づかなかったが、誰かが付つけてくるのだ。殺気がな無い為つけられているとは分からなかった。
そう晃が何者か分からなかったから、晃をつけて、棲家を調べる為だった。そうして暫く進むと屋敷に着いたのだが、離れの入り口付近には野次馬が沢山いた。面白がっている六連星の面々が、痴話喧嘩が始まるぞ!などと話しながらその様子を見ていたりする。
離れに着くと、イザベラが泣いている二人を宥めていた。先に帰っていたのだ。
そのイザベラも半泣き状態ではあるが、なんとか理性を保っていた。そしてイザベラが言う
「晃くん!これはどういう事なのかちゃんと説明してもらえるかしら?」
レヴィとルーシィが激しく首を振り晃のした事を嫌がっていた。
「晃様のバカ。もう顔も見たくありません。嫌いです!不潔ですな!」
等と2人から散々責められた。
そうするとシリカが晃の手を振りほどき、3人の前に土下座をした
「申し訳ありません。あきちのような汚れた女が晃様の奥様方にご迷惑をお掛けしてしまいました。本当に申し訳ありません。申し訳ありません」
彼女はひたすら謝って泣いていたが、胸の辺りの血はどんどん広がっている。それに気がついたルーシィがシリカを起こし
「胸の血はどうされたんですか?」
「はい。身請けをされる証として、身請け人である晃様に胸を噛んで頂きました。血はその影響でございます」
「血が出てますが、痛いんじゃないのですか?」
「はい。これはあきちが身請けされ、遊女でなくなるた為の儀式でしたから大丈夫です。優しくしてくださりましたし。ただ晃様は何も悪くありません。悪いのは全てあきちです。どうか晃様を責めないでください。責めるなら、どうか私にしてください」
そこへメアリーが
「説明は後で晃くんがちゃんとしてくれるよね?それよりもまずはこの娘の傷を治してあげなさい」
はっとなったあ晃が
「はい説明はちゃんとするのでまず怪我を治してあげたいです。それと誰か彼女が着れるような服を持ってきてくれませんか?」
とりあえず玄関から移動し、リビングに集合である。
「シリカ、もうちょっと待っててね。今その傷を直すから。胸を思いっきり噛んじゃったから痛いだろう?」
話しながら治療を始める準備をするのであった。
エニグマ達は口をポカーンと開けていたが、メアリーだけは楽しそうに見ていた。
晃はシリカを徐にお姫様抱っこし、エスケープを敢行しようとした。しかし移動開始した時点で背中に冷や汗を感じた。身に覚えのある死線も。
カクカクしながら横を向くと半べそのルーシー達がいて
晃の背後のガブリエルを見て警戒していた。
「ほう、これから大変そうだな坊主。お嬢ちゃん達、君らの王子様を借りていたぞ。この女には手を出していないそうだが、俺が晃を身請け人として買い与えた女だ。君らが上手に抱いて貰う為の練習台だった筈なんだがな。まあ、頑張れや」
無責任で訳の分からぬ事をほざいていなくなり、怒りと絶望感で真っ赤になっている女性陣に晃はおろおろしていた。
エニーは文句を言い掛けたが踏みとどまっていた。そう、お淑やかで落ち着いた女性路線に方向転換し、晃の影日向となり尽くす方向にシフトしたからだ。しかしそうでもない者もいる
ルシーだ。彼女は驚きの光景に涙した。
「そんな、晃様が、晃様が遊郭になんて。私の事を嫌いになったんですか?付き合いたいって言ってくれて嬉しかったんですよ。女性を抱きたいなら私に言って頂ければその、む、胸くらいなら我慢したのに。酷いです」
動揺したルーシーの言質がおかしかったがルーシーから責められて晃はおろおろしていた。
レヴィは辛辣だった。
「晃のバカ!確かに私はまだまだ子供ですけど、娼館だなんて不潔です!私達が晃の事を好きなのを、抱かれても良いって思っているのを知ってるよね?なんで私達の誰かじゃなくて売女なの?酷い!」
そうしてルーシーと二人して泣きながらその場を去っていった。そこはイザベラが間髪入れずに追いかけて行く。
残ったのはメアリーとエニーだけだった。晃が口をパクパクしているとメアリーが助け船を出してきた。
「あらあら大変なところに出くわしちゃったわね。ふふふさて我らが団長晃くんはどう切り抜けるのかしら?それはともかくエニーは偉いわね。騒がずに様子をちゃんと見るなんて。そうねぇ、こんなところではなんだし、彼女は胸の治療をしてあげないとかわいそうだわ。まずは屋敷に戻ってからお話しをしましょうね。いいわね晃くん」
有無を言わさないメアリーの言葉に晃は頷き、3人で駆けけ出した。そう4人いるが、1人は抱っこされているのだ。
晃達は気づかなかったが、誰かが付つけてくるのだ。殺気がな無い為つけられているとは分からなかった。
そう晃が何者か分からなかったから、晃をつけて、棲家を調べる為だった。そうして暫く進むと屋敷に着いたのだが、離れの入り口付近には野次馬が沢山いた。面白がっている六連星の面々が、痴話喧嘩が始まるぞ!などと話しながらその様子を見ていたりする。
離れに着くと、イザベラが泣いている二人を宥めていた。先に帰っていたのだ。
そのイザベラも半泣き状態ではあるが、なんとか理性を保っていた。そしてイザベラが言う
「晃くん!これはどういう事なのかちゃんと説明してもらえるかしら?」
レヴィとルーシィが激しく首を振り晃のした事を嫌がっていた。
「晃様のバカ。もう顔も見たくありません。嫌いです!不潔ですな!」
等と2人から散々責められた。
そうするとシリカが晃の手を振りほどき、3人の前に土下座をした
「申し訳ありません。あきちのような汚れた女が晃様の奥様方にご迷惑をお掛けしてしまいました。本当に申し訳ありません。申し訳ありません」
彼女はひたすら謝って泣いていたが、胸の辺りの血はどんどん広がっている。それに気がついたルーシィがシリカを起こし
「胸の血はどうされたんですか?」
「はい。身請けをされる証として、身請け人である晃様に胸を噛んで頂きました。血はその影響でございます」
「血が出てますが、痛いんじゃないのですか?」
「はい。これはあきちが身請けされ、遊女でなくなるた為の儀式でしたから大丈夫です。優しくしてくださりましたし。ただ晃様は何も悪くありません。悪いのは全てあきちです。どうか晃様を責めないでください。責めるなら、どうか私にしてください」
そこへメアリーが
「説明は後で晃くんがちゃんとしてくれるよね?それよりもまずはこの娘の傷を治してあげなさい」
はっとなったあ晃が
「はい説明はちゃんとするのでまず怪我を治してあげたいです。それと誰か彼女が着れるような服を持ってきてくれませんか?」
とりあえず玄関から移動し、リビングに集合である。
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