129 / 195
第4章
報告
しおりを挟む
晃は全員が揃うのを待った。全員といっても服を取りに行ったエニーが戻るのを待っていただけだった。
薬を出して準備をしていた。レヴィに頼めばそれで済むのだが、晃はそれは酷な話だと思い、お願いするのをやめていた。レヴィが自分を好いていてくれている事が分かっていて、新たに連れてきた女の治療をとは言えなかった。
かなりの万能薬であるが、魔法には敵わない。エニーが着替えを持って来たので晃はお礼を言い、シリカの着物を脱がせていく。
皆何も言わないし、シリカも何も言わない。みんなあるところを注目していたが、変化がない。晃は手に薬を取り
「今から薬を塗るから少し染るよ。それと胸を触るよ。もうちょっとの辛抱だから我慢してくださいね」
優しく薬を塗り込む。一瞬シリカの表情が苦悶に歪み、苦しくなったのが分かるが、さすがに声は出さなかった。少し待つと傷がだんだん消えて行く。
晃はその様子をじっと見ていた。傷が治るとすかさずシリカに対してクリーンを掛けた。一安心したのだが、目の前に裸のシリカががいる事に意識してしまい、真っ赤になりなが慌てて背中を向ける。今度は大きくなってしまったが、皆その様を見ていたがさすがに今度は何も言わない。
シリカが黙ってエニー から渡されたワンピースを着て行く。
シリカの着替えを確認したメアリーが
「晃くんもう大丈夫よ。さあ説明してちょうだいね」
晃はかいつまんで話を始めた。アルテミスと言う女神が暴漢に襲われていて、怪我をしたところを助けたと。そして屋敷に連れ帰り怪我を治し、お礼がしたいと言い出したが、晃は見返りが欲しくて助けたわけじゃないからとやんわり断っていた。しかしそこに先ほど皆が見たガブリエルと言う冒険者が、アルテミスにガブリエルの行きつけの所に連れて行き、お礼をするようにと託され送り出されたと。そしてあっという間に首根っこを掴まれて、気がつけば遊郭にいたと。そしてそこの女将とガブリエルが話をし、シリカの部屋に連れて行かれた。シリカは今日が遊女デビューで、初日だったという。そこで彼女は1000万と言われ、ガブリエルがお金を払ったと。よく話を聞いていなかったようでその1000万というのは彼女の身請け費用で、彼女は通常の遊女とは違い、身請けする者にのみ抱かせる、そういう算段をしていたのだという。晃は
「僕は情けない事に彼女をその、抱けなかったんだ。みんなの顔が頭に浮かび、裏切っているような気がして。女将に言われていた身請けの金額が3000万で、その金額を僕は持っていたから彼女に身請けをするから、屋敷のスタッフか一緒に冒険者をやらないかと誘い今に至るんだ」
と言い訳をする。
またシリカの事についても、なぜ遊女をやる事になったかというより、やらされているのかという事も説明をしていた。彼女がまだ男性経験がないのに、いきなり初対面の見も知らぬ者と肌を重ねる事を強要されていたと話をすると皆泣いていた。
ただしイザベラだけは別である。
「晃くん、シリカちゃんの事は分ったよ。私達の嫁仲間として受け入れようじゃないか。それはいいんだけれども、アルテミスの事が気になるのよね。女神はね魔物とファースト以外から傷をつけられる事がないんだよ。暴漢に襲われていたと言うけども、彼女が怪我したのが不思議なんだ。
「え?そうなんですか。胸と腕に深い傷があり、この薬を塗って治してあげたんです。その後、お礼にこの体しかないので抱いてくれと頼まれたんですが、僕はそんな襲われた女性の弱みに付け込むような真似はしたくありませんと、自分を大事にして下さいと言って断ったんです」
と言うイザベラはため息をつく。
「はあ、そうやってアルテミスの胸を見て触っわてきたのね。私のは触らないのに。うーんおかしいわね。あの子は清純と恋と美を司るような清純派の恋の女神の筈よ。お礼に自分の体を差し出し抱かせるようなそんな女じゃない筈なの。
「そうなんですか。確かに綺麗な人ではありますね。それで僕が彼女を抱かないと言うと、言われてみればタイミングを計ったかのように現れたガブリエルさんが、僕を遊郭へ引っ張っていったんですよね。ただ彼らの目論見はともかくとして、僕はどういう経緯があったにしろ感謝してるんです。不条理に遊女をさせられ、見も知らぬ男に純潔を捧げなければならない。そんなシリカを僕が救えた事に満足しているんだ。だからアルテミスさんとガブリエルさんには返しきれない恩を感じているんです」
そんなふうに晃が皆に語っていくのであった。
薬を出して準備をしていた。レヴィに頼めばそれで済むのだが、晃はそれは酷な話だと思い、お願いするのをやめていた。レヴィが自分を好いていてくれている事が分かっていて、新たに連れてきた女の治療をとは言えなかった。
かなりの万能薬であるが、魔法には敵わない。エニーが着替えを持って来たので晃はお礼を言い、シリカの着物を脱がせていく。
皆何も言わないし、シリカも何も言わない。みんなあるところを注目していたが、変化がない。晃は手に薬を取り
「今から薬を塗るから少し染るよ。それと胸を触るよ。もうちょっとの辛抱だから我慢してくださいね」
優しく薬を塗り込む。一瞬シリカの表情が苦悶に歪み、苦しくなったのが分かるが、さすがに声は出さなかった。少し待つと傷がだんだん消えて行く。
晃はその様子をじっと見ていた。傷が治るとすかさずシリカに対してクリーンを掛けた。一安心したのだが、目の前に裸のシリカががいる事に意識してしまい、真っ赤になりなが慌てて背中を向ける。今度は大きくなってしまったが、皆その様を見ていたがさすがに今度は何も言わない。
シリカが黙ってエニー から渡されたワンピースを着て行く。
シリカの着替えを確認したメアリーが
「晃くんもう大丈夫よ。さあ説明してちょうだいね」
晃はかいつまんで話を始めた。アルテミスと言う女神が暴漢に襲われていて、怪我をしたところを助けたと。そして屋敷に連れ帰り怪我を治し、お礼がしたいと言い出したが、晃は見返りが欲しくて助けたわけじゃないからとやんわり断っていた。しかしそこに先ほど皆が見たガブリエルと言う冒険者が、アルテミスにガブリエルの行きつけの所に連れて行き、お礼をするようにと託され送り出されたと。そしてあっという間に首根っこを掴まれて、気がつけば遊郭にいたと。そしてそこの女将とガブリエルが話をし、シリカの部屋に連れて行かれた。シリカは今日が遊女デビューで、初日だったという。そこで彼女は1000万と言われ、ガブリエルがお金を払ったと。よく話を聞いていなかったようでその1000万というのは彼女の身請け費用で、彼女は通常の遊女とは違い、身請けする者にのみ抱かせる、そういう算段をしていたのだという。晃は
「僕は情けない事に彼女をその、抱けなかったんだ。みんなの顔が頭に浮かび、裏切っているような気がして。女将に言われていた身請けの金額が3000万で、その金額を僕は持っていたから彼女に身請けをするから、屋敷のスタッフか一緒に冒険者をやらないかと誘い今に至るんだ」
と言い訳をする。
またシリカの事についても、なぜ遊女をやる事になったかというより、やらされているのかという事も説明をしていた。彼女がまだ男性経験がないのに、いきなり初対面の見も知らぬ者と肌を重ねる事を強要されていたと話をすると皆泣いていた。
ただしイザベラだけは別である。
「晃くん、シリカちゃんの事は分ったよ。私達の嫁仲間として受け入れようじゃないか。それはいいんだけれども、アルテミスの事が気になるのよね。女神はね魔物とファースト以外から傷をつけられる事がないんだよ。暴漢に襲われていたと言うけども、彼女が怪我したのが不思議なんだ。
「え?そうなんですか。胸と腕に深い傷があり、この薬を塗って治してあげたんです。その後、お礼にこの体しかないので抱いてくれと頼まれたんですが、僕はそんな襲われた女性の弱みに付け込むような真似はしたくありませんと、自分を大事にして下さいと言って断ったんです」
と言うイザベラはため息をつく。
「はあ、そうやってアルテミスの胸を見て触っわてきたのね。私のは触らないのに。うーんおかしいわね。あの子は清純と恋と美を司るような清純派の恋の女神の筈よ。お礼に自分の体を差し出し抱かせるようなそんな女じゃない筈なの。
「そうなんですか。確かに綺麗な人ではありますね。それで僕が彼女を抱かないと言うと、言われてみればタイミングを計ったかのように現れたガブリエルさんが、僕を遊郭へ引っ張っていったんですよね。ただ彼らの目論見はともかくとして、僕はどういう経緯があったにしろ感謝してるんです。不条理に遊女をさせられ、見も知らぬ男に純潔を捧げなければならない。そんなシリカを僕が救えた事に満足しているんだ。だからアルテミスさんとガブリエルさんには返しきれない恩を感じているんです」
そんなふうに晃が皆に語っていくのであった。
2
あなたにおすすめの小説
神様、ちょっとチートがすぎませんか?
ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】
未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。
本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!
おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!
僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。
しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。
自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
---------------
※カクヨムとなろうにも投稿しています
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~
志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、ひょんなことで死亡した僕、シアンは異世界にいつの間にか転生していた。
とは言え、赤子からではなくある程度成長した肉体だったので、のんびり過ごすために自給自足の生活をしていたのだが、そんな生活の最中で、あるメイドゴーレムを拾った。
…‥‥でもね、なんだろうこのメイド、チートすぎるというか、スペックがヤヴァイ。
「これもご主人様のためなのデス」「いや、やり過ぎだからね!?」
これは、そんな大変な毎日を送る羽目になってしまった後悔の話でもある‥‥‥いやまぁ、別に良いんだけどね(諦め)
小説家になろう様でも投稿しています。感想・ご指摘も受け付けますので、どうぞお楽しみに。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる