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第4章
変化
しおりを挟む翌朝エニーは熱を出していた。身体全体が熱いと言うのだ。風邪をひいたとかそういった感じではないと言うのだ。
皆の様子がおかしかったので晃が確認すると、エニーが熱を出してうなされていると言う。あきらは急いでエニーの部屋の所に行くが皆に入室を断られた。今エニーの体を皆で拭いてあげている所だと言う。
エニーは構わないから入ってきて欲しいと言い、晃は部屋に入るが、そこには裸で皆に体を拭いてもらっているエニーがいた。ただしエニーは流石に入り口に対して背中を向けていた。背中を向けているとはいえ裸の美女がそこにいるのだ。晃が真っ赤になりながら入るが、エニーは晃に背中を見て欲しいと言う。挑発とかではなく、晃に診断を希望してのことだ。
晃は恥ずかしがりながらもエニーのその滑らかな背中を綺麗な肌だなと思いつつ、そっと手のひらを添える。その瞬間エニーの熱の原因が分かったのだ。そう、何故かわかるのだが魔力暴走だった。
エニーの中で魔力がグルグル回ってるのが感じられた。晃は
「魔力が暴走しているよ。イザベラ様とアルテミス様に相談してくるね。またすぐ来るから待ってい」
エニーは
「はいお願いします!」
と晃が出て行くのを背中を向けたまま見送った。
晃がイザベラの部屋に行くと、イザベラとアルテミスが丁度二人でお茶をしていた。状況を話すどれくらいの量のチャージをしたのか教えてくれと言い、魔力チャージをするよう真面目に言われた。真っ赤になりながらイザベラに魔力チャージを行った。1秒程で慌ててイザベラが口を離してきた
「一体この量をどれ位の時間与えてたんだい?」
「えっと、1分ぐらいだと思います」
イザベラはため息をつき、アルテミスが私も確認したいので私にもお願いしますと言う。晃はアルテミスにもチャージをするがやはり1秒ほどで慌てて体を離してきた。二人共に息が荒かったが、この量を1分も・・・と二人共呆れていた。イザベラが言う
「あのね晃くん。少なくともエニーの総魔力の倍以上の魔力を流し込んでいるのよ。これだけの魔力が流し込まれると自分の魔力と晃くんの魔力が反応し、体に変化が起こる筈なの。何か兆はなかったの?」
はい熱を出してうなされていました。昨夜は痙攣したと言っていました。関係あるのでしょうか?」イザベラはため息をつきながら
「それがその症状だよ。今何かが起こってる筈なんだ。良い変化だといいんだけども」
アルテミスか言う
「そうですね。エニーちゃんの魔力量が上がったり、威力が上がったりすれば御の字だと思いますわ。ただこのままでは死に兼ねませんわ。ですから一度余剰な魔力を放出した方が体が楽になると思いますわ。それにより、死亡するリスクもなくなりますわ」
イザベラが頷き
「うんうん。アルテミスの屋敷で魔法を発動させてくると良いよ」
「分かりました!」
と慌ててエニーの部屋のドアをノックもせずに開けエニーに
「ただいまエニー」
と言うが、そこには着替えている最中の真っ裸のエニーがいた。エニーは晃に裸を見られて恥ずかしさと悦びで胸と陰部をさり気なく隠しくねくねしていた。晃はその場でごめんなさいごめんなさいと土下座をした。
「あのお着替えをしますのでできれば後ろを向いて頂けるとありがたいのですが。ただ、裸の私を鑑賞なされたければおしゃってくだされば大丈夫ですわ。
晃は慌てて背中を向け、イザベラ達との話を伝える。現在の状態が魔力過剰の状態で、それで熱が出ていると。魔力を解き放てば熱は下がるし、安全になると言っていたという話をし、でこれからアルテミス様のお屋敷で魔法を放ちに行く旨を話す。エニー了承した。そして外行きの服を着ていく。
「お着替え終わりましたわ」
恐る恐るエニーを見ると熱で頬が赤くなっているエニーがそこにいたのでじゃあ早速行こうとなった。何故かすこし艶っぽく見えた。
「あの、申し訳ありませんが、できればおんぶをして頂けると嬉しいです。目眩がして歩けそうにありませんの」
エニーがそういうので、晃は有無を言わせずお姫様抱っこをする。エニーは赤くなった顔をさらに赤らめて
「重くありませんか?」
「うん大丈夫だよ。エニーすらっとしていて羽のように軽いもん。1時間だって2時間だってお姫様抱っこできるよ」
一階に降りると、レヴィリや桜達がいた。レヴィが
「あのどうされたんですか?まさか、エニーに何かあったんですか?」
「昨日エニーが魔力を使い果たし倒れたので、僕がチャージしたんだけども、どうもチャージし過ぎちゃったようで、今度は魔力枯渇状態から一転魔力オーバーで熱が出ちゃったんだ。だから今からアルテミス様のお屋敷の訓練場で魔法を使ってもらって、余剰な魔力を放出してくるんだ。そうすれば楽になる筈なんだ。目眩がして歩けないって言うからこうやって連れて行くんだ」
皆羨ましそうにしていた。
「いいなあエニーちゃんだけ」
そう誰かが言っていのが聞こえた。それはさておき早く楽にしてあげたいと思い、訓練場へと急ぎ向かうのであった。
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