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第5章
攻略開始
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うまくいく確証はないが、ダンジョン攻略を進めるに当たって晃が考えた作戦はこうだ。
まず4班に分ける。 ダンジョンを攻略する班が三つと屋敷を守る班が一つ。これは毎日ローテーションで回していく事にした。
ただしこれは精鋭者の話だ。準精鋭以下は主に屋敷の警護と通常のダンジョン探索に当たる。誰もダンジョンに入らなければお金が無くなり怪しまれる為に日帰りでダンジョンに潜る者を選定した。
これらは準精鋭以下が担当する。
あきらだけは別行動だ。晃には転移がある為、キーマンになってしまうからだ。
いつもの仕出し店で大量の食料の注文をして貰う。これも晃が後で店に寄り、大半を収納に入れて運搬するので、周りから見ると晃が食料の備蓄を始めたという事が中々分からない筈だ。火日常を装い秘密裏に各種準備を行っていくのだ。
晃も何日かに一度はダンジョンに表から入り、周りの冒険者にも見られるように20階層辺りまで行き、20階層から普通に戻る日を設定する。
そうするのは魔石を換金し、お金を得ていないと何をしているか怪しまれるからだ。
ダンジョン攻略をせずとも、ダンジョンに潜り稼ぎを得ているというような事をアピールしなければ疑われ、仲間が襲撃を受ける可能性がある。
晃は最近は頻繁にダンジョンに籠もっていない為に、数日に一度でいいだろうという事になった。
従って各種準備とダンジョン攻略を並行して進めなければならなかった。
まずは攻略の殆ど進んでいないダンジョンをどうにかしなければならなかった。ダンジョン内は晃のスキルを使えば気配を殺す事により魔物に襲われる事を回避し進む事が可能だが。
しかし偶然の遭遇戦という可能性がある。その為その日の攻略組が露払いを行い、晃が安全に次の階層への階段へ辿り着けるように道中の魔物を倒して行くというのが当面の戦法であった。
まずは10階層までしか攻略していない2つのダンジョンについては、他の冒険者に稼ぎに来ただけだと見せつける為、日帰りで入る。
攻略開始の初日と二日目にまずは20階層を目指し、日帰りで戻ってくる。日帰りの場合昼過ぎには20階層に付いていなければならず、かなりの駆け足になる。10階層辺りまでは冒険者も多く、階段までの最短コースは魔物が少ない。
枝分かれする道が多数有るので稼ぎに来た冒険者達は最短経路上から外れて戦闘を行って行く。
初日も2日目も見られているというのがよく分かっていた。その為ごく普通の冒険者のような行動を取る。一緒に入るのはパーティーメンバーのみとし、他の団員達は別行動であった。初日と2日目は完全にカモフラージュであった。
そして3日目は早朝から20階層近くに出て、21階層に進んで行く。泊まりの者がいなければまず早朝に20階層付近で他の冒険者と遭遇する事はまず無い。今のやり方では晃の負担が大きくなるというコトガ分かっているので、攻略班は晃よりも少し先を進んで行く。
晃は3つのダンジョンを何度も何度も行き来し、1階層進む毎に駆け足で皆が切り開いた道を進んで行く。初日に関しては2つのダンジョン共に30階層まで進んだ。便宜上1.のダンジョンと2のダンジョン、そして今まで攻略をしていたのが3のダンジョンとする。伝記にあるダンジョンぬやな出没順だ。
3のダンジョンの攻略を開始したのは実質的に3日目であるのだが、43階層の入り口まで辿り着いてその日は終わった。
当然ダンジョンに泊まるという事はせず、ダンジョンから直接屋敷に戻っている。
報告によると監視されている気配はあるが、今の所何か表立った行動があるわけではなく、こちらが大人しくしており、警告を聞いたと思わせる行動をしていた。その分には警告を無視した事を確認する為の監視者は、ただただ監視のみをしていた。今の所直接害がない感じではあったが、メイド達が出掛ける時も警護者を同行させ、いかにも警戒していますというのを見せつけていたりする。
3のダンジョンの攻略に取り組んでいるのは現在バックヤード団、六連星に所属している者がその殆どであった。晃達たちよりも先に進んでいる者はいなかった。
襲ってきた者は不明だが、考えられるのは1のダンジョンと2のダンジョン、この攻略に取り掛かっている団のうちのどれかだというような結論に達していた。
但し、証拠がない為にこちらから監視をする訳にもいかず、こちらからは手を出さないというスタンスを保つ事にした。
両方のダンジョンとも70階層位まで行ったというような情報がある。晃達のような収納持ちが皆無な為、遠征は大変なのである。
大量の食糧、予備の武器、野営の準備、等々が必要な為、実際の人員構成は戦闘系半分、荷物持ちなどの支援要員が半分の人員構成になってしまう。
100階層攻略など正直な所夢のまた夢である。
一つの団だけで対処しきれるものではない。
所が晃達は軽装で済む。間食を少し持ち歩き、水は各自が少し持つ程度で済む。
実際の所キリのいい所で屋敷に引き上げてお昼を食べていたりする。
晃が本格的に攻略を開始すれば大して時間がかからないのだが、ようやくエンジンが掛かった感じであった。
まず4班に分ける。 ダンジョンを攻略する班が三つと屋敷を守る班が一つ。これは毎日ローテーションで回していく事にした。
ただしこれは精鋭者の話だ。準精鋭以下は主に屋敷の警護と通常のダンジョン探索に当たる。誰もダンジョンに入らなければお金が無くなり怪しまれる為に日帰りでダンジョンに潜る者を選定した。
これらは準精鋭以下が担当する。
あきらだけは別行動だ。晃には転移がある為、キーマンになってしまうからだ。
いつもの仕出し店で大量の食料の注文をして貰う。これも晃が後で店に寄り、大半を収納に入れて運搬するので、周りから見ると晃が食料の備蓄を始めたという事が中々分からない筈だ。火日常を装い秘密裏に各種準備を行っていくのだ。
晃も何日かに一度はダンジョンに表から入り、周りの冒険者にも見られるように20階層辺りまで行き、20階層から普通に戻る日を設定する。
そうするのは魔石を換金し、お金を得ていないと何をしているか怪しまれるからだ。
ダンジョン攻略をせずとも、ダンジョンに潜り稼ぎを得ているというような事をアピールしなければ疑われ、仲間が襲撃を受ける可能性がある。
晃は最近は頻繁にダンジョンに籠もっていない為に、数日に一度でいいだろうという事になった。
従って各種準備とダンジョン攻略を並行して進めなければならなかった。
まずは攻略の殆ど進んでいないダンジョンをどうにかしなければならなかった。ダンジョン内は晃のスキルを使えば気配を殺す事により魔物に襲われる事を回避し進む事が可能だが。
しかし偶然の遭遇戦という可能性がある。その為その日の攻略組が露払いを行い、晃が安全に次の階層への階段へ辿り着けるように道中の魔物を倒して行くというのが当面の戦法であった。
まずは10階層までしか攻略していない2つのダンジョンについては、他の冒険者に稼ぎに来ただけだと見せつける為、日帰りで入る。
攻略開始の初日と二日目にまずは20階層を目指し、日帰りで戻ってくる。日帰りの場合昼過ぎには20階層に付いていなければならず、かなりの駆け足になる。10階層辺りまでは冒険者も多く、階段までの最短コースは魔物が少ない。
枝分かれする道が多数有るので稼ぎに来た冒険者達は最短経路上から外れて戦闘を行って行く。
初日も2日目も見られているというのがよく分かっていた。その為ごく普通の冒険者のような行動を取る。一緒に入るのはパーティーメンバーのみとし、他の団員達は別行動であった。初日と2日目は完全にカモフラージュであった。
そして3日目は早朝から20階層近くに出て、21階層に進んで行く。泊まりの者がいなければまず早朝に20階層付近で他の冒険者と遭遇する事はまず無い。今のやり方では晃の負担が大きくなるというコトガ分かっているので、攻略班は晃よりも少し先を進んで行く。
晃は3つのダンジョンを何度も何度も行き来し、1階層進む毎に駆け足で皆が切り開いた道を進んで行く。初日に関しては2つのダンジョン共に30階層まで進んだ。便宜上1.のダンジョンと2のダンジョン、そして今まで攻略をしていたのが3のダンジョンとする。伝記にあるダンジョンぬやな出没順だ。
3のダンジョンの攻略を開始したのは実質的に3日目であるのだが、43階層の入り口まで辿り着いてその日は終わった。
当然ダンジョンに泊まるという事はせず、ダンジョンから直接屋敷に戻っている。
報告によると監視されている気配はあるが、今の所何か表立った行動があるわけではなく、こちらが大人しくしており、警告を聞いたと思わせる行動をしていた。その分には警告を無視した事を確認する為の監視者は、ただただ監視のみをしていた。今の所直接害がない感じではあったが、メイド達が出掛ける時も警護者を同行させ、いかにも警戒していますというのを見せつけていたりする。
3のダンジョンの攻略に取り組んでいるのは現在バックヤード団、六連星に所属している者がその殆どであった。晃達たちよりも先に進んでいる者はいなかった。
襲ってきた者は不明だが、考えられるのは1のダンジョンと2のダンジョン、この攻略に取り掛かっている団のうちのどれかだというような結論に達していた。
但し、証拠がない為にこちらから監視をする訳にもいかず、こちらからは手を出さないというスタンスを保つ事にした。
両方のダンジョンとも70階層位まで行ったというような情報がある。晃達のような収納持ちが皆無な為、遠征は大変なのである。
大量の食糧、予備の武器、野営の準備、等々が必要な為、実際の人員構成は戦闘系半分、荷物持ちなどの支援要員が半分の人員構成になってしまう。
100階層攻略など正直な所夢のまた夢である。
一つの団だけで対処しきれるものではない。
所が晃達は軽装で済む。間食を少し持ち歩き、水は各自が少し持つ程度で済む。
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