10 / 241
第1章
第10話 試し撃ち
しおりを挟む
お兄さんは自分の変化に戸惑っていたんだ。日本では自分の事を【私】と言っていたけど、今は無理に【お兄さん】と言っている。でも意識しないと【俺】になる。今はごちゃ混ぜだな。意識しないと【俺】になるから、いっそうの事【お兄さん】っていうのを止めようかな。それとも織り交ぜて瑞希ちゃんの反応を見るべきか?
若い頃は【俺】だったんだけど、ノリというか考え方が若い頃の、高校を卒業した頃のそれ、つまり肉体年齢相当になっている気がする。
自分はおっさんだから、年相応の反応をと思う時は一呼吸おけばそうできるけど、それにも違和感があり、無理にしているのは自分でも分かる。瑞希ちゃんは【俺】と言っても違和感が無いようだし。知識と経験はそのまま残っているから、物知りな若者?に見えるのかな。ふう。
瑞希ちゃんが装着したシルバーのブレスレットは小さな宝石が散りばめられており、純粋な装飾品として見ても一級品に見える。寧ろ装飾品に魔法を付与してあるといった感じだ。左腕に装着するとぶかぶかだったのだが、驚いた事にサイズ調整が勝手にされて、ピッタリになった。
そして1度外して、また装着していた。
「栃朗さん!流石は異世界ですね!これ、なんか凄いですよ!自動的にサイズが変わったんですよ!ねえねえ、どうですか!?」
瑞希ちゃんは手を伸ばしてブレスレットを眺め、くるっと回ってみて違和感がない事を確認していた。
めっさ似合う!
「うん!物凄く似合っているよ!うんうん!」
「マジですか?」
「マジだよ!」
「ありがとうございます!栃朗さんにそう言って貰えると瑞希嬉しいな!」
「ところで、それの使い方分かる?初級の風魔法が使えるんだっけ?」
「えっと、こうかな?」
瑞希ちゃんは俺の数m前に立っていたんだけど、「エイっ」!と1言発し、その細い腕を振った。
バリバリバリ
俺の目の前の地面が少し抉れて土埃が舞った。何も考えずに今立っている位置から前方、つまり俺の方に向かって魔法を放ってしまったのだ。
「おわぁああああ!」
俺は驚いてその場で尻餅をついた。
瑞希ちゃんは慌てて駆け寄り、ごめんなさいを連呼し、俺を起こしてくれた。
「瑞希ちゃん、それは人に向けて使うと多分大怪我、下手をすれば死ぬやつだから気を付けてね。でも、これで身を守れると思うよ」
彼女は泣きながら俺に抱き着き、胸元に顔を埋めた。
「ごめんなさい。軽率でした。栃朗さんに怪我をさせてしまうところでした。怒ったよね?」
「お兄さんの方こそごめん。事前にちゃんと注意するべきだったよ。多分ウインドカッターだよね?こんなのを放つ事が出来るだろうな?と予測していたから気にしないで。それより、他に何か出来ないか確認してみて欲しいな」
俺はそっと横に立つようにした。
もう驚かされるのは嫌だ。
「あっ!分かりました!えっと、使えるのはエアーボールと言うのと、さっきのウインドカッターと、ウインドという3つですよ!」
俺は三脚を立てた。
「よし、先ずはウインド、次がエアーボールを三脚に向かって放ってみようか!」
「はい!」
うむ。使い方は分かるようだな。で、ウインドは風を送るだけか。
ふむふむ。
ガシャーン!
おっ!三脚が倒れたな。エアーボールはあまり威力はないか。これなら大丈夫そうだな。
「よし、エアーボールを俺の方に向けて放ってみようか。大丈夫。清々前のめりに転倒する位だから」
「本当に怪我をしないんですか?」
「大丈夫だって!」
瑞希ちゃんは恐る恐るエアーボールを放った。ボヨーンといった感じでお尻に何かが当たった。
「小さな子供がスーパーの中を走っていて、お尻にぶつかってきた位の衝撃かな。うーん?使い道は上から落ちてくる人のクッションとかかな?後は頭とかにぶつけてバランスを崩したり、驚かす事によって隙を作る?位の使い方が有るかなー?」
「凄いですよ!今のでそこまで考えたんですか?」
「うん。生き延びる為に足掻かないとね。お兄さん瑞希ちゃんに嫌な事をさせるかもだよ?」
瑞希ちゃんは身を守るように身構えた。
「ま、まさか、エ、エッチな事ですか?」
「へっ?違うよ!ほら、魔物とか、野生の動物に襲われた時とかに、さっきのウインドカッターで攻撃とかだよ」
「なんだ。驚かさないでくださいよ!ってごめんなさい。栃朗さんは私の事をちゃんと考えてくれているし、そんな事はしないもんね!?」
「そんなん分からないよ!俺も男だし、瑞希ちゃんみたいな綺麗な娘に何もしないとは言えないぞぉ!」
「ふふふ。栃朗さんにだったら良いですよ!その代わりちゃんと責任取ってもらいますから!へへへ!」
「やっと笑ったね!瑞希ちゃんには笑顔が似合うよ。ってもう少し先に進もうか。馬よりこっちの方が早いと思うけど、宿を見つけるにしろ、追手の方からしたらまさかここまでは!という距離は稼ぎたいな」
「あっ、はい。そうですよね!」
そうしてまた瑞希ちゃんをお姫様抱っこして飛んで行く。顔が近い!少し余裕が出てきたからか、ようやく見られた笑顔が眩しい。改めて女の子として見るとやはり顔面偏差値が物凄く高いんだよな!
「私の顔に何か付いていました?」
「うん?少し考え事をしていたのと、瑞希ちゃんは軽いなって思っただけだよ。何か違和感がないか時折下を見てくれると嬉しいかなって」
「やっぱりお世辞が上手ですよね!って下を見るんですよね!任されました!」
「じゃあしっかりと掴まっていてね!」
そうして先を進むのであったが、改めて思うと、ずっと女子高生をお姫様抱っこして飛ぶなんて凄いシチュエーションだよね。役得かな?
作者からのお願いです。
少しでも面白いと思って頂きましたら、お気に入り登録にて応援してもらえると励みになります。
若い頃は【俺】だったんだけど、ノリというか考え方が若い頃の、高校を卒業した頃のそれ、つまり肉体年齢相当になっている気がする。
自分はおっさんだから、年相応の反応をと思う時は一呼吸おけばそうできるけど、それにも違和感があり、無理にしているのは自分でも分かる。瑞希ちゃんは【俺】と言っても違和感が無いようだし。知識と経験はそのまま残っているから、物知りな若者?に見えるのかな。ふう。
瑞希ちゃんが装着したシルバーのブレスレットは小さな宝石が散りばめられており、純粋な装飾品として見ても一級品に見える。寧ろ装飾品に魔法を付与してあるといった感じだ。左腕に装着するとぶかぶかだったのだが、驚いた事にサイズ調整が勝手にされて、ピッタリになった。
そして1度外して、また装着していた。
「栃朗さん!流石は異世界ですね!これ、なんか凄いですよ!自動的にサイズが変わったんですよ!ねえねえ、どうですか!?」
瑞希ちゃんは手を伸ばしてブレスレットを眺め、くるっと回ってみて違和感がない事を確認していた。
めっさ似合う!
「うん!物凄く似合っているよ!うんうん!」
「マジですか?」
「マジだよ!」
「ありがとうございます!栃朗さんにそう言って貰えると瑞希嬉しいな!」
「ところで、それの使い方分かる?初級の風魔法が使えるんだっけ?」
「えっと、こうかな?」
瑞希ちゃんは俺の数m前に立っていたんだけど、「エイっ」!と1言発し、その細い腕を振った。
バリバリバリ
俺の目の前の地面が少し抉れて土埃が舞った。何も考えずに今立っている位置から前方、つまり俺の方に向かって魔法を放ってしまったのだ。
「おわぁああああ!」
俺は驚いてその場で尻餅をついた。
瑞希ちゃんは慌てて駆け寄り、ごめんなさいを連呼し、俺を起こしてくれた。
「瑞希ちゃん、それは人に向けて使うと多分大怪我、下手をすれば死ぬやつだから気を付けてね。でも、これで身を守れると思うよ」
彼女は泣きながら俺に抱き着き、胸元に顔を埋めた。
「ごめんなさい。軽率でした。栃朗さんに怪我をさせてしまうところでした。怒ったよね?」
「お兄さんの方こそごめん。事前にちゃんと注意するべきだったよ。多分ウインドカッターだよね?こんなのを放つ事が出来るだろうな?と予測していたから気にしないで。それより、他に何か出来ないか確認してみて欲しいな」
俺はそっと横に立つようにした。
もう驚かされるのは嫌だ。
「あっ!分かりました!えっと、使えるのはエアーボールと言うのと、さっきのウインドカッターと、ウインドという3つですよ!」
俺は三脚を立てた。
「よし、先ずはウインド、次がエアーボールを三脚に向かって放ってみようか!」
「はい!」
うむ。使い方は分かるようだな。で、ウインドは風を送るだけか。
ふむふむ。
ガシャーン!
おっ!三脚が倒れたな。エアーボールはあまり威力はないか。これなら大丈夫そうだな。
「よし、エアーボールを俺の方に向けて放ってみようか。大丈夫。清々前のめりに転倒する位だから」
「本当に怪我をしないんですか?」
「大丈夫だって!」
瑞希ちゃんは恐る恐るエアーボールを放った。ボヨーンといった感じでお尻に何かが当たった。
「小さな子供がスーパーの中を走っていて、お尻にぶつかってきた位の衝撃かな。うーん?使い道は上から落ちてくる人のクッションとかかな?後は頭とかにぶつけてバランスを崩したり、驚かす事によって隙を作る?位の使い方が有るかなー?」
「凄いですよ!今のでそこまで考えたんですか?」
「うん。生き延びる為に足掻かないとね。お兄さん瑞希ちゃんに嫌な事をさせるかもだよ?」
瑞希ちゃんは身を守るように身構えた。
「ま、まさか、エ、エッチな事ですか?」
「へっ?違うよ!ほら、魔物とか、野生の動物に襲われた時とかに、さっきのウインドカッターで攻撃とかだよ」
「なんだ。驚かさないでくださいよ!ってごめんなさい。栃朗さんは私の事をちゃんと考えてくれているし、そんな事はしないもんね!?」
「そんなん分からないよ!俺も男だし、瑞希ちゃんみたいな綺麗な娘に何もしないとは言えないぞぉ!」
「ふふふ。栃朗さんにだったら良いですよ!その代わりちゃんと責任取ってもらいますから!へへへ!」
「やっと笑ったね!瑞希ちゃんには笑顔が似合うよ。ってもう少し先に進もうか。馬よりこっちの方が早いと思うけど、宿を見つけるにしろ、追手の方からしたらまさかここまでは!という距離は稼ぎたいな」
「あっ、はい。そうですよね!」
そうしてまた瑞希ちゃんをお姫様抱っこして飛んで行く。顔が近い!少し余裕が出てきたからか、ようやく見られた笑顔が眩しい。改めて女の子として見るとやはり顔面偏差値が物凄く高いんだよな!
「私の顔に何か付いていました?」
「うん?少し考え事をしていたのと、瑞希ちゃんは軽いなって思っただけだよ。何か違和感がないか時折下を見てくれると嬉しいかなって」
「やっぱりお世辞が上手ですよね!って下を見るんですよね!任されました!」
「じゃあしっかりと掴まっていてね!」
そうして先を進むのであったが、改めて思うと、ずっと女子高生をお姫様抱っこして飛ぶなんて凄いシチュエーションだよね。役得かな?
作者からのお願いです。
少しでも面白いと思って頂きましたら、お気に入り登録にて応援してもらえると励みになります。
130
あなたにおすすめの小説
インターネットで異世界無双!?
kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。
その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。
これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。
キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。
弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。
偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。
二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。
現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。
はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~
華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』
たったこの一言から、すべてが始まった。
ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。
そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。
それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。
ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。
スキルとは祝福か、呪いか……
ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!!
主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。
ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。
ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。
しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。
一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。
途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。
その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。
そして、世界存亡の危機。
全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した……
※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる