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第1章
第28話 ニーナ
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夕暮れなのでこれから食事を作るのか、道を歩く女性の1人は食材の入った袋を担いで家路を急ぎ、仕事帰りに1杯引っ掛ける者達、冒険者が疲れ切った顔をして歩いていたり、日常がそこにあった。治療師の女性の後をついていくのだが、2人は手をしっかり繋いでいる。レオンは何かあったらアイリーンを守る為、左手にその手を取った。アイリーンはレオンを取られまいとしっかり握る。
「ここだよ。金は持っているようだから、ここにしときな」
星屑の輝き亭という、いかにもといった高そうな宿だ。
強引に俺の手を引いて宿の中に入ると、彼女は宿のカウンターに行き話をつけていた。
手招きされ、言われるがままにカードを出し、銀貨30枚を払っていた。
「さっきの金から払ったからね。夕食はアタイも食べるからよろしくな。ねえさん、準備が出来るまでコイツラと部屋で話し込んでいるから、準備ができたら呼んどくれ」
そうして取り敢えず俺達の部屋に行くと、俺達をテーブルに座らせ、対面に治療師の女性が腰掛けた。何気にスカートの中がまる見せだ。見えたのではない。わざと見せていた。
「アタイはニーナってんだ。お前達は何処から来た?それと何者だい?」
特に俺の目をじっと見てくる。何もかも見透かされる、そういった危険な目だ。敵に回せば厄介そうだ。
取り敢えず名前を名乗り、兄妹を名乗るつもりが夫婦として登録したと白状した。
「1つ聞きますが、秘密は守ってもらえますか?言っておきますが、俺達は犯罪を犯すつもりは有りませんが、敵対したり、アイリーンを傷つける奴に対して容赦しません。必要なら貴女を殺すのを躊躇しませんよ。それに聞かなかった方が良いと後悔するかもです」
「ほう。漢の目だね。これでも顔は利く方だし、口も固いぞ。それなりに腕にも自信がある方だ。で、どうやって約束すれば良い?口約束なんて高々知れているぞ?契約書でも作るのかい?」
逆に今度は俺がニーナの目を真っ直ぐ見た。
「これでも人を見る目は有る方なんだ。その直感が告げるのは、あんたを頼れ!だ。まあ、裏切られたら他国にでも逃げるよ」
「自信があるんだね。よいさ。話してみな。訳ありって位なのは判るが、理由が分からないからね。助け舟位は出すぞ」
「その前に聞きたいのですが、この2日位の間に俺達のような黒目黒髪の若者、同じ歳位の者の話を聞いたり見たりしていませんか?」
「聞いた事は無いねぇ」
「それとここは何という国で、町の名前は?」
「クマーシャル王国マーリンズの町だが・・・」
彼女はこの質問をした俺達にため息をついた。
俺はアイリーンの顔を見るが、彼女は俺に任せると告げた。
「で、どこの国から来たのかも分からないのかい?」
「アーリバン王国から来ました」
「馬鹿な!あの国は決して自国民を他国に行かせないぞ!通常他国に行く為に必要な国から許可証が出されるのは、交易を行う商人位だぞ。ましてやお前達のような者が許される筈はないんだ。特別な任務を負っていなければお前達の様な者はまずもってして国境を超えられないだろう?」
「ええ。飛び越えてきましたから、関所は通っていません。もっと言うと、追われる身なのでそんな所は通れません」
「壁をどうやって越えたのだ?関所を通る以外手がないぞ!壁に触れると気絶する筈だぞ」
「彼女を抱きかかえて、文字通り飛翔してきたんですよ」
「スキル持ちなのかい?」
「ええ。彼女もそうですし、これから俺が探さないといけない者達も例外なく」
「それはつまり、そういう事か。なるほど。それであの魔力量があるのだな。噂は本当だったんだな」
「アーリバン王国は評判が良くないのですか?そこにいた人は、ここと大差ないと思うのですが?」
「人が悪いわけじゃないんだ。支配階層がクズなだけなのさ」
それから召喚され、城を盗んで逃げた事を話してみた。
彼女は師匠の頼みというか、指示を断れずにこの町に治療の手伝いに来ていて、今日が最終日だった。明日には王都に向けて出発するとの事で、師匠なら力になれるかもと言う。行くあても無いのでニーナと一緒に王都にいるお師匠さんとやらを訪ねる事にした。意図せずに同行者が出来たのだった。
ニーナの姿を公開!
「ここだよ。金は持っているようだから、ここにしときな」
星屑の輝き亭という、いかにもといった高そうな宿だ。
強引に俺の手を引いて宿の中に入ると、彼女は宿のカウンターに行き話をつけていた。
手招きされ、言われるがままにカードを出し、銀貨30枚を払っていた。
「さっきの金から払ったからね。夕食はアタイも食べるからよろしくな。ねえさん、準備が出来るまでコイツラと部屋で話し込んでいるから、準備ができたら呼んどくれ」
そうして取り敢えず俺達の部屋に行くと、俺達をテーブルに座らせ、対面に治療師の女性が腰掛けた。何気にスカートの中がまる見せだ。見えたのではない。わざと見せていた。
「アタイはニーナってんだ。お前達は何処から来た?それと何者だい?」
特に俺の目をじっと見てくる。何もかも見透かされる、そういった危険な目だ。敵に回せば厄介そうだ。
取り敢えず名前を名乗り、兄妹を名乗るつもりが夫婦として登録したと白状した。
「1つ聞きますが、秘密は守ってもらえますか?言っておきますが、俺達は犯罪を犯すつもりは有りませんが、敵対したり、アイリーンを傷つける奴に対して容赦しません。必要なら貴女を殺すのを躊躇しませんよ。それに聞かなかった方が良いと後悔するかもです」
「ほう。漢の目だね。これでも顔は利く方だし、口も固いぞ。それなりに腕にも自信がある方だ。で、どうやって約束すれば良い?口約束なんて高々知れているぞ?契約書でも作るのかい?」
逆に今度は俺がニーナの目を真っ直ぐ見た。
「これでも人を見る目は有る方なんだ。その直感が告げるのは、あんたを頼れ!だ。まあ、裏切られたら他国にでも逃げるよ」
「自信があるんだね。よいさ。話してみな。訳ありって位なのは判るが、理由が分からないからね。助け舟位は出すぞ」
「その前に聞きたいのですが、この2日位の間に俺達のような黒目黒髪の若者、同じ歳位の者の話を聞いたり見たりしていませんか?」
「聞いた事は無いねぇ」
「それとここは何という国で、町の名前は?」
「クマーシャル王国マーリンズの町だが・・・」
彼女はこの質問をした俺達にため息をついた。
俺はアイリーンの顔を見るが、彼女は俺に任せると告げた。
「で、どこの国から来たのかも分からないのかい?」
「アーリバン王国から来ました」
「馬鹿な!あの国は決して自国民を他国に行かせないぞ!通常他国に行く為に必要な国から許可証が出されるのは、交易を行う商人位だぞ。ましてやお前達のような者が許される筈はないんだ。特別な任務を負っていなければお前達の様な者はまずもってして国境を超えられないだろう?」
「ええ。飛び越えてきましたから、関所は通っていません。もっと言うと、追われる身なのでそんな所は通れません」
「壁をどうやって越えたのだ?関所を通る以外手がないぞ!壁に触れると気絶する筈だぞ」
「彼女を抱きかかえて、文字通り飛翔してきたんですよ」
「スキル持ちなのかい?」
「ええ。彼女もそうですし、これから俺が探さないといけない者達も例外なく」
「それはつまり、そういう事か。なるほど。それであの魔力量があるのだな。噂は本当だったんだな」
「アーリバン王国は評判が良くないのですか?そこにいた人は、ここと大差ないと思うのですが?」
「人が悪いわけじゃないんだ。支配階層がクズなだけなのさ」
それから召喚され、城を盗んで逃げた事を話してみた。
彼女は師匠の頼みというか、指示を断れずにこの町に治療の手伝いに来ていて、今日が最終日だった。明日には王都に向けて出発するとの事で、師匠なら力になれるかもと言う。行くあても無いのでニーナと一緒に王都にいるお師匠さんとやらを訪ねる事にした。意図せずに同行者が出来たのだった。
ニーナの姿を公開!
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