異世界でぺったんこさん！〜無限収納５段階活用で無双する〜

第１章

第69話 side 弘幸６

　本来であれば一気に皆殺しが出来る人数だった。だが、予定外の出来事から弘幸達は丘の上に上がるのを断念した。弘幸達以外に見届人が丘の上におり、それらと合流するつもりだったが、予定外の他の商隊、しかも大所帯の参戦で状況が変わった。

　盗賊が押され始めた。商隊は奴隷商のようで、戦闘奴隷を繰り出してきたのだ。

　悟空の第六感が発動した。

「やべーぞ！ひろ、逃げなきゃだ。俺の第六感がそう告げるんだ」

「まだだ。インビジブルのインターバルタイム中だ。発動したら全力で逃げるぞ」

「ああ、そうしてくれると嬉しい。振り向かずに俺は走るぞ」

　こういう時に弘幸のアンテナの感度は非常に高くなる。

　そして事態が動いた。
　更に後続から３人が現れたのだ。あいつだ。フードを被っているからわからないが、後ろにいるのは状況から瑞希だ。

　しかし、敵と思ったのか、商隊の奴隷が奴を攻撃したが、攻撃は奴に届かなかった。その前に倒れてのたうち回りやがった。何をした？少しすると、ヒャッハーと唸りながらエロい女が盗賊を斬り伏せ始めやがった。奴より恐ろしいぞ。一度ベッドの上で相手をして欲しいな。

　しかも上にいた盗賊が奇襲を掛けたが、奴が大剣を盗賊に突き立てたぞ？おいこら！何処からそんな大剣を出しやがった？ヤバイ！ヤバイ！特にあの女本当にヤバ過ぎる。丘の上にいた監視役もヤバいと思ったのか逃げていったな。すると奴が飛んで監視役を追い掛けていきやがった。おいおいおい！俺が取る時にそんなスキルはなかったぞ！飛ぶやつは俺も欲しかったが、なかったんだぞ！くそ！逃げるなら今のうちだ。盗賊が全滅するのは時間の問題だ。やべえよ。

　するとインターバル時間が終わり、俺様は皆に行くぞと言い、インビジブルを発動する為に手を繋いだ。
　そしてインビジブルを発動し、何も言わなくても皆全力で王都方面に駆けて行き、待機していたシュトライクのおっさんが用意した馬車に駆け込んだぞ。やばかった。ヤバ過ぎるぞ。

「やべえ！今すぐに出てくれ！やべえ奴に見つかる前に出ねえと不味い」

　シュトライクはその慌てようから御者に馬車を出すように言った。

「シュトライクさん、助かったぜ。襲撃は失敗だ。俺達の最初の一撃は成功したんだが、他の奴が偶々来たんだ。それにあの女ヤバすぎる！エロい美女がヒャッハーと唸りながら盗賊をバッタバッタと倒してやがった。笑ってやがったんだよ」

「ひょっとして赤毛で、肩迄の長さの髪ではありませんでしたか？それと装備はビキニアーマーでは？」

「し、知っているのか？」　

「逃げて正解ですよ。恐らく剣聖ニーナでしょう。雑兵をどれだけ用意した所で無駄です」

　するとドゴーン！と音がし、続いて地響きがした。５人は、ビクッとなる。シュトライクも背中に冷や汗を感じた。

　シュトライクによると、ラフトの乗った馬車を燃やし、肝を冷やす事が出来たはずだから、まずまずの結果だと。

　先程の衝撃が何なのか、分らないがシュトライクも先を急いだのもあり、何とか追いつかれる事もなくその場を離脱し、王都に向かうのであった。