異世界ロマンはスカイダイビングから!

KeyBow

文字の大きさ
10 / 135
第1章

初心者ダンジョン

しおりを挟む
 当夜達は朝食を済ませ、前日に宿にお願いしていた人数分の昼食をお金を払い受け取り、初心者ダンジョンに向かったのだ。

 街を出て10分位歩いた所に洞窟の様な入口が見えて、入口にギルドの職員が控えていた。
 入口でキューブを見せ、ダンジョンに入る時に職員が持ってきた魔道具にキューブをセットし入場登録を行う。一度登録されたキューブの場合魔道具が光ると説明された。
 5人共このダンジョンには入った事が無い為無事に許可された。
 普段は入口には鍵を掛けられているが、初心者講習の翌日のみ入る事を許され、ギルド職員が開けに来る。
 初心者講習の翌日のみ鍵を開ける為、当夜達の今日の選択肢は必然的に初心者ダンジョン一択しか無かったのだ。

 地下型で5階層からなる小さいダンジョンで、5階層はボス部屋のみとなり、一度に6人しか入れない。初心者講習会でパーティーの推奨人数を言っているのは、一つにダンジョンのこういう決まりからだった。

 予め聞いているのは単独での挑戦禁止と、ダンジョンに入るべきでないと判断される者は、初心者講習会の模擬戦で判断され合格を貰えない。ある程度の技能を身に着ける為にギルドでの訓練後に再講習となる。
 そのお陰で、過去10年初心者ダンジョンでは死亡者ゼロである。

 ダンジョンの入口には看板があり、地図が描かれていてルナが暗記していった。
 当夜は4人にダンジョンに入る事の最終確認をし、皆が頷いたのでダンジョンへ入って行き冒険者としてのその一歩を踏み出していったのであった。

 ダンジョンは外から見た様子を裏切る事もなく、洞窟型のザッツ!ダンジョンだ。1階層は一本道であり、ゴブリンが散発的に現れるので、5人は順番に剣で倒していく。既にゴブリンは全員が倒した事があり、躊躇が無かったが、当夜はふと死について自分が希薄な感情しか抱いていないと気がついた。病院の実習や親が経営する病院での死体の解剖等に潜り込んでいたりしていたので、死体には慣れていた。しかし、自らがニ足歩行の生き物を殺した事は日本で生きていた当夜には当然無く、本来ある筈の殺す事への忌避感がまるで無かったのだ。ルナが盗賊を殺していてもなんとも思わなかったが、この方がこの世界で生きる為には幸せで有ろうと感じていたのであった。

 ゴブリンを倒すと体が煙のように霧散し消えて、魔石を残して行くだけだった。死ぬ前に武器を落とすと直ぐに拾えば消えないが、数分放置すると消えていくのだった。武器を握った状態で死ぬと武器も霧散していった。
 一説によるとダンジョンでは魔力により魔物が作られ、死ぬと魔力に戻り次の魔物を作る材料へリサイクルされていると言う話が有力と講習で話していた。

 魔石を集め、とりあえずは当夜が背負っている背嚢に入れている為拾うのは当夜以外になる。一番体が大きく、男なので当然の様にそうなっていった。当夜は女性に荷物持ちをさせるつもりはない。最初ルナが背嚢を背負うと言い出したので当夜が、

当夜「物理攻撃での最大戦力を弱体化させるだけだし、俺の場合剣より魔法の方が強いから俺が背負うのが一番なんだ。それに女性に荷物持ちをさせるのは、俺が怪我をしていないうちは俺の中の良心が許さないんだ」

と諭し、当夜が背負っている。その様なやり取りで女性に優しい対応をしているので、アモネス達の当夜に対する評価が急上昇していた。

 1階を半ばまで来たので次は魔法で相手をする事として、皆が魔法を実戦でどれ位使えるか確認する事にした。
 トップバッターは当夜となり、ゴブリンが三体向かっていたが手をゴブリンの方に伸ばすと心の中で『ファイヤーボール』と思うと手の前にテニスボール位の火球が3玉出て、標的に飛ぶように念じると飛んで行き、3体各々の頭に当たり、頭が吹き飛んだのだが、ルナ以外が驚いていた。 
 当夜的には大して魔力を込めていないつもりだが、大きさこそ思い描いたサイズだが、威力が桁外れで、1発だけでもアモネスの全魔力を注ぎ込んでも足らない量の魔力を使ったらしく、アモネス達3人は口をポカーンと開けていたのだ。
 そして一番規格外なのは無詠唱で、それも魔法名すら唱えないで無言で魔法を放った完全無詠唱と複数のファイヤーボールを同時に発動した事だった。
 等屋は3人にジト目をされたが心当たりがなく、

当夜「あ、あの、俺なんかまずい事やった?ちゃんと魔法で倒したよ?」

 当夜が狼狽えながら聞くとアモネスが呆れ顔で

アモネス「あのですね、先程の魔法は詠唱が無かったですよね?」

当夜「詠唱って何?」
 
シャクラ「はあああああ!?詠唱って何って!この人何を言ってるの?普通、魔法使うのには詠唱がいるでしょ!はぁ!ってこの人規格外だわ!」

 当夜はオロオロしながらも何故か文句を言って来るシャクラって、ツンデレで可愛いなあと彼だけはのほほんとしていたのだが、当夜に対するシャクラとアモネスの心変わりに気がつかなかったのだ。

アモネス「あ、あのでひゅね、普通は魔法を使う時は、魔力を解放するのに解放する魔力に応じて呪文を唱えて、使う魔法に魔力を通すのに、魔法の名前を詠唱しないと魔法が放てないのでひゅよ。でも、当夜様はどちらもしてませんよね?」

 『あっ舌噛んだな!アモネスって美人さんだけど、→やっぱり可愛い妹的なキャラだよなー』等と彼女らの動揺とは裏腹に余裕からか、又は空気が読めないのか、場違いな事しか思えないお気楽な当夜だが

当夜「唱えるも何も頭にどういう魔力と大きさにしようかなとイメージして、いけーと思うと、ぴゅーと出たんだけど。ほいよっと」

 と言いつつ大きめのファイヤーボールを現れたゴブリンに放つと、全身を飲み込み魔石を残してどこかに飛んでいった。

 やはり3人が呆れているのだが、レグナスがさくっと解決した

レグナス「当夜様は流石に異世界人ですね!凄いの一言です。完全無詠唱って宮廷魔導師にも居ないのでギフトなんでしょうね!」

シャクラ「そ、それよ!あんたの規格外なのは絶対そうよ。そうなんだから」
 
 シャクラもアモネスも頷いていたので先へ進む事にした。

 次にルナにも一匹だけ初級魔法で倒して貰い、どんな反応になるのか敢えて検証する事にした。魔力がゼロになっても動けないだけで、直ぐであれば補充すれば問題が無いからだ。魔力切れで3日間放置すれば食事もできず餓死するから死亡に至るが、今は当夜がいるからなんとでもなるのだ。
 初級のウインドウカッターで戦闘をする事とし

ルナ「精霊と人との混じり人たるルナが力を求む。風よ敵を切り裂け!ウインドウカッター」

 と唱えると風の刃が出たようであっさり倒したが、夜に魔力を補充すれば問題は無いが、初級でも体内にある魔力の10%近くを使ってしまい、緊急時以外はとてもではないが使うのが無理と結論を出したのだが、ふとウインドウカッターの使い方が頭に浮かんで来たのだ。次がシャクラで

シャクラ「か弱き乙女が敵を打ち砕く力を求める。アイスアロー」

 と氷のつぶてと言うか、氷柱みたいな物が飛んで行き、さくっと頭に刺さり倒した。
 次がレグナスの番だが

レグナス「うら若き乙女が命ずる。敵を討つ力を我に与え給え!スピード」

 自らに魔法を使い、圧倒的なスピードで瞬く間にゴブリンに迫り、剣の一閃で鮮やかに首を刎ねた。 

 そんなレグナスを見て当夜は凄いな!とは思わず『うわ!乙女って言ったよな!やばい男の娘だ。尻の穴を気をつけなきゃ』と残念な考えしか浮かばず、最後のアモネスが

アモネス「汚れなき清らかな処女たるアモネスの名により我れの求めに応じ力を示せ。ダークネス」

 ゴブリンの頭の周りに黒い靄が掛り、視界を奪われ固まったゴブリンの胸に短剣を突き刺し倒した。
 当夜は中々様になっているなと、アモネスに見惚れていたのだが

『うわー、この子自分で処女って言ったな。処女じゃなくなったら呪文はどうするのかな?』
 等と当夜が今はどうでも良い事を考えながら歩いていたが、 2階層に下りる階段が見えてきたので先に進む事にしたのだが、やはりアイスアロー、スピード、ダークネスの魔法の使い方が解出来たのだったが、何の疑問も感じない当夜であった。そして階段を降りていくのであった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

異世界帰りの最強勇者、久しぶりに会ったいじめっ子を泣かせる

枯井戸
ファンタジー
学校でイジメを受けて死んだ〝高橋誠〟は異世界〝カイゼルフィール〟にて転生を果たした。 艱難辛苦、七転八倒、鬼哭啾啾の日々を経てカイゼルフィールの危機を救った誠であったが、事件の元凶であった〝サターン〟が誠の元いた世界へと逃げ果せる。 誠はそれを追って元いた世界へと戻るのだが、そこで待っていたのは自身のトラウマと言うべき存在いじめっ子たちであった。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

貧弱の英雄

カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。 貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。 自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる―― ※修正要請のコメントは対処後に削除します。

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

掘鑿王(くっさくおう)~ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち~

テツみン
ファンタジー
『掘削士』エリオットは、ダンジョンの鉱脈から鉱石を掘り出すのが仕事。 しかし、非戦闘職の彼は冒険者仲間から不遇な扱いを受けていた。 ある日、ダンジョンに入ると天災級モンスター、イフリートに遭遇。エリオットは仲間が逃げ出すための囮(おとり)にされてしまう。 「生きて帰るんだ――妹が待つ家へ!」 彼は岩の割れ目につるはしを打ち込み、崩落を誘発させ―― 目が覚めると未知の洞窟にいた。 貴重な鉱脈ばかりに興奮するエリオットだったが、特に不思議な形をしたクリスタルが気になり、それを掘り出す。 その中から現れたモノは…… 「えっ? 女の子???」 これは、不遇な扱いを受けていた少年が大陸一の大富豪へと成り上がっていく――そんな物語である。

処理中です...