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第3章

斥候

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 当夜達は敵の野営地が見える所に向かっている。
 当夜は護衛としてルナのみ連れている。兵士は5名

 ちょうど小高い丘から見下ろす位置に来ていて、平原におびただしい数の天幕が張られている。

 そこには斥候部隊が潜んでいて様子を見るていた。

 兵士1「当夜様、信じられないのですが、奴らは碌に斥候を出していません。唯一街道周辺に見張りを立てています」

当夜「どういう事すか?既に敵陣地の奥に入り込んでいるのに余裕なのかな?それと人数は?」

兵士1「おそらく我々先遣隊の存在は気がついていると思いますが、偵察と思っているのでしょう。それと兵は9万です。今見えているのが全てで、基本的に固まっています」

当夜「最初の報告より少ないですね」

兵士2「軍勢の通過人数で一度数えています。最初の10万は速報ですのでそんなもんでしょう」

当夜「了解しました。気の所為かあちらさん酒盛をりしてませんか?」

騎士1「当夜様。ただいま戻ってきました斥候より報告が入りました。奴らは戦勝の前祝いとして酒を飲んでいるとの事。見張りもザルで、陣の中まで入れたそうです。それと率いているのは第一王子らしいです!遠目で姿を見たと」

当夜「そういえばランペールの兵力って今回の兵力を除きどれ位でした?」

騎士1「そうですね。国元にはざっと3万、国境警備隊もかき集めるともう2万はあるかと思います。ただ兵が臨時徴兵が何れくらいかによりますが、少なくとも半分は正規兵と思われます」

当夜「奴らは殆どの兵を投入したという事は、後顧の憂いが無いという事ですね。さあて、どうやって倒そっかな」

騎士1「えっ!倒すんですか?」

当夜「うんいけるよ。襲撃する時間は何時にするかと、どの魔法でどんなふうにやるかを考え中なんだよね。やっぱり夜中回ってからかな?」

騎士1「夜明け前の明るくなる直前がセオリーですね。魔法は色々あるのですか?」

当夜「明るくなる直前がセオリーだから少し早めようと思ってね。この草原に湖と山を作ったら怒られるかな?」

騎士1「と言いますと?因みにこの辺りは特に誰も住んではいません」

当夜「直径1キロの穴を作ると深さ500m位で、そこをくり抜いた分の山が隣に出来るんだよね。それか辺り一面人が住めない荒野を作るかだ」

騎士1「よく分かりませんが湖とか山が出来ても誰も何も言いませんよ」

当夜「じゃあ穴を掘りますか!集団が2つあるけど兵士と支援の者どっちも兵士扱い?」

騎士1「まあ娼婦以外は兵士で役割を決めていると思いますが、輜重が有るのは後ろの方ですよ」

当夜「あああれか。貰いに行って来ようかな?じゃあさ、今から貰いに行く準備に入るから、輜重をくすねて来たら攻撃を開始するね。兵達には3時間の休憩の後戦闘準備を。それと陛下と後続部隊に伝令を。じゃあルナちょっと行ってこようか!」


 黒く目立たない外套を羽織り、鎧も脱いで音が出ないようにする。
 そう言うと当夜はルナを引き連れて輜重部隊へ向かっていったのだ。まるで散歩にでも行くかのようなノリだった為に兵士の口はポカーンと開いていたのだった。
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