82 / 135
第3章
斥候
しおりを挟む
当夜達は敵の野営地が見える所に向かっている。
当夜は護衛としてルナのみ連れている。兵士は5名
ちょうど小高い丘から見下ろす位置に来ていて、平原におびただしい数の天幕が張られている。
そこには斥候部隊が潜んでいて様子を見るていた。
兵士1「当夜様、信じられないのですが、奴らは碌に斥候を出していません。唯一街道周辺に見張りを立てています」
当夜「どういう事すか?既に敵陣地の奥に入り込んでいるのに余裕なのかな?それと人数は?」
兵士1「おそらく我々先遣隊の存在は気がついていると思いますが、偵察と思っているのでしょう。それと兵は9万です。今見えているのが全てで、基本的に固まっています」
当夜「最初の報告より少ないですね」
兵士2「軍勢の通過人数で一度数えています。最初の10万は速報ですのでそんなもんでしょう」
当夜「了解しました。気の所為かあちらさん酒盛をりしてませんか?」
騎士1「当夜様。ただいま戻ってきました斥候より報告が入りました。奴らは戦勝の前祝いとして酒を飲んでいるとの事。見張りもザルで、陣の中まで入れたそうです。それと率いているのは第一王子らしいです!遠目で姿を見たと」
当夜「そういえばランペールの兵力って今回の兵力を除きどれ位でした?」
騎士1「そうですね。国元にはざっと3万、国境警備隊もかき集めるともう2万はあるかと思います。ただ兵が臨時徴兵が何れくらいかによりますが、少なくとも半分は正規兵と思われます」
当夜「奴らは殆どの兵を投入したという事は、後顧の憂いが無いという事ですね。さあて、どうやって倒そっかな」
騎士1「えっ!倒すんですか?」
当夜「うんいけるよ。襲撃する時間は何時にするかと、どの魔法でどんなふうにやるかを考え中なんだよね。やっぱり夜中回ってからかな?」
騎士1「夜明け前の明るくなる直前がセオリーですね。魔法は色々あるのですか?」
当夜「明るくなる直前がセオリーだから少し早めようと思ってね。この草原に湖と山を作ったら怒られるかな?」
騎士1「と言いますと?因みにこの辺りは特に誰も住んではいません」
当夜「直径1キロの穴を作ると深さ500m位で、そこをくり抜いた分の山が隣に出来るんだよね。それか辺り一面人が住めない荒野を作るかだ」
騎士1「よく分かりませんが湖とか山が出来ても誰も何も言いませんよ」
当夜「じゃあ穴を掘りますか!集団が2つあるけど兵士と支援の者どっちも兵士扱い?」
騎士1「まあ娼婦以外は兵士で役割を決めていると思いますが、輜重が有るのは後ろの方ですよ」
当夜「あああれか。貰いに行って来ようかな?じゃあさ、今から貰いに行く準備に入るから、輜重をくすねて来たら攻撃を開始するね。兵達には3時間の休憩の後戦闘準備を。それと陛下と後続部隊に伝令を。じゃあルナちょっと行ってこようか!」
黒く目立たない外套を羽織り、鎧も脱いで音が出ないようにする。
そう言うと当夜はルナを引き連れて輜重部隊へ向かっていったのだ。まるで散歩にでも行くかのようなノリだった為に兵士の口はポカーンと開いていたのだった。
当夜は護衛としてルナのみ連れている。兵士は5名
ちょうど小高い丘から見下ろす位置に来ていて、平原におびただしい数の天幕が張られている。
そこには斥候部隊が潜んでいて様子を見るていた。
兵士1「当夜様、信じられないのですが、奴らは碌に斥候を出していません。唯一街道周辺に見張りを立てています」
当夜「どういう事すか?既に敵陣地の奥に入り込んでいるのに余裕なのかな?それと人数は?」
兵士1「おそらく我々先遣隊の存在は気がついていると思いますが、偵察と思っているのでしょう。それと兵は9万です。今見えているのが全てで、基本的に固まっています」
当夜「最初の報告より少ないですね」
兵士2「軍勢の通過人数で一度数えています。最初の10万は速報ですのでそんなもんでしょう」
当夜「了解しました。気の所為かあちらさん酒盛をりしてませんか?」
騎士1「当夜様。ただいま戻ってきました斥候より報告が入りました。奴らは戦勝の前祝いとして酒を飲んでいるとの事。見張りもザルで、陣の中まで入れたそうです。それと率いているのは第一王子らしいです!遠目で姿を見たと」
当夜「そういえばランペールの兵力って今回の兵力を除きどれ位でした?」
騎士1「そうですね。国元にはざっと3万、国境警備隊もかき集めるともう2万はあるかと思います。ただ兵が臨時徴兵が何れくらいかによりますが、少なくとも半分は正規兵と思われます」
当夜「奴らは殆どの兵を投入したという事は、後顧の憂いが無いという事ですね。さあて、どうやって倒そっかな」
騎士1「えっ!倒すんですか?」
当夜「うんいけるよ。襲撃する時間は何時にするかと、どの魔法でどんなふうにやるかを考え中なんだよね。やっぱり夜中回ってからかな?」
騎士1「夜明け前の明るくなる直前がセオリーですね。魔法は色々あるのですか?」
当夜「明るくなる直前がセオリーだから少し早めようと思ってね。この草原に湖と山を作ったら怒られるかな?」
騎士1「と言いますと?因みにこの辺りは特に誰も住んではいません」
当夜「直径1キロの穴を作ると深さ500m位で、そこをくり抜いた分の山が隣に出来るんだよね。それか辺り一面人が住めない荒野を作るかだ」
騎士1「よく分かりませんが湖とか山が出来ても誰も何も言いませんよ」
当夜「じゃあ穴を掘りますか!集団が2つあるけど兵士と支援の者どっちも兵士扱い?」
騎士1「まあ娼婦以外は兵士で役割を決めていると思いますが、輜重が有るのは後ろの方ですよ」
当夜「あああれか。貰いに行って来ようかな?じゃあさ、今から貰いに行く準備に入るから、輜重をくすねて来たら攻撃を開始するね。兵達には3時間の休憩の後戦闘準備を。それと陛下と後続部隊に伝令を。じゃあルナちょっと行ってこようか!」
黒く目立たない外套を羽織り、鎧も脱いで音が出ないようにする。
そう言うと当夜はルナを引き連れて輜重部隊へ向かっていったのだ。まるで散歩にでも行くかのようなノリだった為に兵士の口はポカーンと開いていたのだった。
1
あなたにおすすめの小説
神様、ちょっとチートがすぎませんか?
ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】
未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。
本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!
おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!
僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。
しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。
自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
---------------
※カクヨムとなろうにも投稿しています
異世界帰りの最強勇者、久しぶりに会ったいじめっ子を泣かせる
枯井戸
ファンタジー
学校でイジメを受けて死んだ〝高橋誠〟は異世界〝カイゼルフィール〟にて転生を果たした。
艱難辛苦、七転八倒、鬼哭啾啾の日々を経てカイゼルフィールの危機を救った誠であったが、事件の元凶であった〝サターン〟が誠の元いた世界へと逃げ果せる。
誠はそれを追って元いた世界へと戻るのだが、そこで待っていたのは自身のトラウマと言うべき存在いじめっ子たちであった。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。
キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。
弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。
偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。
二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。
現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。
はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
掘鑿王(くっさくおう)~ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち~
テツみン
ファンタジー
『掘削士』エリオットは、ダンジョンの鉱脈から鉱石を掘り出すのが仕事。
しかし、非戦闘職の彼は冒険者仲間から不遇な扱いを受けていた。
ある日、ダンジョンに入ると天災級モンスター、イフリートに遭遇。エリオットは仲間が逃げ出すための囮(おとり)にされてしまう。
「生きて帰るんだ――妹が待つ家へ!」
彼は岩の割れ目につるはしを打ち込み、崩落を誘発させ――
目が覚めると未知の洞窟にいた。
貴重な鉱脈ばかりに興奮するエリオットだったが、特に不思議な形をしたクリスタルが気になり、それを掘り出す。
その中から現れたモノは……
「えっ? 女の子???」
これは、不遇な扱いを受けていた少年が大陸一の大富豪へと成り上がっていく――そんな物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる